日本消化器内視鏡学会甲信越支部

11, 上部消化管内視鏡検査における超細径ビデオスコープの使用経験

昭和伊南総合病院 消化器科
堀内 朗、中山佳子、梶山雅史
同 小児科
中山佳子

 【目的】最近、経鼻挿入も容易である挿入部外径5.2mmの超細径ビデオスコープが開発されたので、それを用いて上部消化管内視鏡検査(EGD)を施行した使用経験を報告する。【方法】対象は、当院にて平成16年10月から平成17年3月の期間に胃検診目的に鎮静剤を投与せずに超細径スコープ(XGIF-N240Y1、オリンパス)を用いてEGDを施行した212例(経口挿入202例、経鼻挿入10例)。被検者の苦痛度(VAS,0-10)、前回の検査画像との比較によりスコープの操作性、精度について検討した。【成績】苦痛度はVAS 3.2、前回より「楽」と答えた披検者が82%を占めた。このスコープは上下2方向アングル機構であるが、前回検査との比較で検査時間、検査画像では明らかな差を認めなかった。【結論】超細径スコープは、経鼻挿入にも適し、これまでより安全で苦痛のないEGDを可能にする極めて有用なスコープと思われた。