日本消化器内視鏡学会甲信越支部

6, 食道海綿状血管腫の1例

新潟県立がんセンター新潟病院 内科、2、3
山本 幹、新井 太、秋山修宏、稲吉 潤、船越和博、本山展隆、井上 聡、加藤俊幸
同 外科
藪崎 裕、田中乙雄
同 病理
太田玉紀

 症例は38歳男性。人間ドックで食道に粘膜下腫瘍を指摘され精査を目的に当科を初診。上部消化管内視鏡検査で中部食道に2〜3cmの粘膜下腫瘍を認め、表面は正常上皮に被われ、静脈瘤様の色調で比較的硬さのある腫瘍であった。食道X線検査では腫瘍は可動性があり体位によってわずかに変形した。超音波内視鏡検査(EUS)では腫瘍の内部は充実性低エコー像を呈し一部高エコー域が混在していた。血管系の腫瘍と考えられたが確診に至らず、EUS所見から悪性疾患も否定できなかったため手術の方針となり、右開胸腫瘍摘出術を施行。病理所見では石灰化を伴う海綿状血管腫であった。食道血管腫の切除例の報告は少なく稀な症例と考え、画像診断を中心に報告する。