日本消化器内視鏡学会甲信越支部

5, 食道stromal tumorの3例

1信州大学 消化器外科
小出直彦、斉藤拓康、町田水穂、宮川眞一
同 消化器内科
赤松泰次
同 中央検査医学病理部
石井恵子
厚生連富士見高原病院 内科
小松 修
厚生連北信総合病院 外科
宮本英雄
穂高病院内科
古屋直行

 鏡視下に切除した食道GIST1例と平滑筋腫2例を報告する。
 症例1:61歳の男性。食道Mt右壁に35mmの粘膜下腫瘍を指摘され、EUSでは第4層由来と判断された。8ヶ月後の内視鏡検査で腫瘍の増大を認め、胸腔鏡下腫瘍核出術を施行した。病理検査では紡錘型の細胞が束状に配列、交錯しながら増殖し、免疫染色ではCD34(+)KIT(+) SMA(-)S100(-)で食道GISTと診断された。
 症例2:45歳の男性、食道UtMtの境界部左壁に位置する35mmの粘膜下腫瘍を指摘され腫瘍核出術を施行した。病理検査ではCD34(-) KIT(-)SMA(+)S100(-)で、食道平滑筋腫と診断された。症例3:38歳の男性、胸部上部食道左前壁に第4層由来の40mmの粘膜下腫瘍を指摘された。腫瘍核出術を施行し、病理検査ではCD34(-)KIT(-)SMA(+)S100(-)、食道平滑筋腫と診断された。
 「結語」今回の症例では腫瘍径40mm前後で潰瘍形成を伴わず、無理なく胸腔鏡下腫瘍核出術が可能であった。