日本消化器内視鏡学会甲信越支部

34.胆管静脈瘤の一例

厚生連長岡中央綜合病院内科
稲田勢介、青木洋平、佐藤知巳、波田野徹、富所隆
厚生連長岡中央綜合病院外科
西村淳、河内保之、新國恵也、清水武昭、吉川明

症例は,70歳男性.2004年2月頃から感冒様症状が出現.近医を受診し処方を受けるも改善しないため同年3月29日当院へ紹介.血糖458mg/dlと高血糖を認めたため糖尿病の診断にて当医院外来で治療中.同年4月6日40℃の高熱を認めたため救急外来を受診.発熱の原因精査治療目的に入院.CRP高値と肝胆道系酵素の若干の上昇を認めた.腹部X線CT検査で門脈塞栓を認めた. MRCPで中部胆管に狭窄をあり胆管癌が疑われた.内視鏡的逆向性膵胆管造影検査にてもほぼ同様の所見であった.胆管癌を否定出来ないため手術施行.手術所見は,胆管周囲に求肝性の側副血行路を多数認めた.胆道鏡で胆管狭窄像に相当する所見は静脈瘤であった.胆管静脈瘤の一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.