ブルーベリー低温要求時間について
chilling
requirement
序論
低温要求時間一覧表
chill hours
サザンハイブッシュ系品種
ラビットアイ系品種
ノーザンハイブッシュ系品種
ノーザンハイブッシュ系品種の
低温要求時間の限界について
ノーザンハイブッシュ系品種の
低温要求時間対策
自発休眠を強制的に明けさせる方法
1)シアナミドによる低温要求時間の短縮
接ぎ木の場合の穂木に対する
台木の低温要求時間の影響について NEW!
お住まいの地域の低温要求時間の
算出方いて
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序論
ブルーベリーには休眠期間があって
7,2度以下で一定期間を過ごさないと
翌年の成長が悪くなるそうです
低温要求時間の目安
北部ハイブッシュ系品種、800〜1200時間程度
南部ハイブッシュ系品種、150〜800時間程度
ラビットアイ系品種、300〜600時間程度
私が住んでいる浜松市付近でも1月や2月は7.2度以下の時間が
1ヶ月に400時間程度はあるようなのでラビットアイ系でしたら
真冬に1ヵ月半程度屋外で栽培すれば低温要求時間はクリアできるようです
低温要求時間を満たしていれば温室などで
休眠挿しを開始することができます
また、低温要求時間が分かっていれば
その年の緑枝挿しなどを低温要求時間をクリアできるギリギリまで温室や屋内で冬にも成長させ、
その後低温状況において休眠させることもできると思われます
※真冬なので屋内などから外気にあてるときに凍害などに合わないよう注意を要します
これについてはこのHPの0年生屋内栽培の様子で
観察中です
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低温要求時間 一覧表
Blueberry chill hours Chart
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サザンハイブッシュ系の低温要求時間
Southern
Highbush chill hours
150〜800hours
レビール(リベイル) | 600〜700・500・600〜800 |
ブラデン | 600〜700・600 |
オニール | 400〜500 |
ミスティー | 200〜300・150・100〜300 |
フロリダブルー | 150〜300 |
ガルフコースト | 200〜300 |
シャープブルー | 150〜300・200〜300 |
ケープフェアー | 500〜600・300〜600 |
マグノリア | 400〜500 |
クーパー | 400〜500 |
エイボンブルー | 300〜400 |
ジョージアジェム | 350〜500 |
サンシャインブルー | 150・300 |
ビロキシー | 400 |
ブルークリスプ | 400 |
ブルーリッジ | 500〜600 |
ジュエル | 250・100〜150 |
オザークブルー | 800・800〜1000 |
パールリバー | 500 |
サファイア | 250・200〜300・100〜150 |
サウスムーン | 500・300〜400 |
スター | 400〜500 |
サミット | 800 |
レガシー | 500〜600 |
ミレニア | 300 |
サンプソン | 800 |
サンタフェ | 350〜500 |
ミレニア | 300 |
エメラルド | 200〜300 |
パルメット | 400〜450 |
パムリコ | 600〜700 |
ルノアール(レイノル) | 600〜700 |
クラベン | 600〜700 |
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ラビットアイ系の低温要求時間
Rabbiteye chill
hours
300〜800hours
アリスブルー | 300〜400 |
ベッキーブルー | 300〜400 |
ボニータ | 350〜400 |
プレミア | 550 |
クライマックス | 450〜500 |
ブルーベル | 450〜500 |
ウッダード | 350〜500 |
ブライトウェル | 350〜400・500〜550 |
ブライトブルー | 600 |
オースチン | 450〜500 |
ティフブルー | 600〜800・550〜600・ 850 |
デライト | 500・750 |
パウダーブルー | 450〜500・550〜650 |
バルドウィン | 450〜500 |
ウィトゥ | 400〜500 |
マル | 400〜500 |
ラヒ | 400〜500 |
タカヘ | 400〜500 |
オノ | 400〜500 |
ブルージェム | 350〜400 |
モンゴメリー | 550 |
ヤドキン | 600〜800・650〜750 |
アラパハ | 450〜500・450 |
ホームベル | 550〜650 |
センチュリオン | 550〜650 |
バーノン | 500〜550 |
モンゴメリー | 550 |
アイラ | 700〜800 |
コロンブス | 600〜700 |
オクラカッニー | 650〜700 |
ジャージー | 1060 |
ジューン | 1060 |
スタンレー | 1060 |
デキシー | 950 |
ランコーカス | 950 |
ウェイマウス | 950 |
バーリントン | 950 |
ブルークロップ | 800 |
ブルーレイ | 800 |
ブルータ | 800 |
アーリーブルー | 800 |
エリオット | 800 |
ブルーチップ | 700〜1000 |
デューク | 700〜1000 |
ダロー | 700〜1000 |
ネルソン | 700〜1000 |
ペンダー | 700〜1000 |
経験から言いますとかなりの暖冬であった2006〜2007の冬は正直随分心配したものでした。
実際のところ当地の低温要求時間の対象となる時間(7,2度以下の時間)は
概ね1000時間程度しかなかったのですが全てのノーザンハイブッシュ系、
ハーフハイブッシュ系品種が春先にちゃんと発芽しました。
(朝から午前11時くらいまでしか日が当たらない場所に置き、
間に暖かい日があっても無視しての一冬の積算時間です)
この結果から普通に屋外で栽培する場合であればどうやらハイブッシュ系は
1000時間くらいで大丈夫だろうということが分かりました。
(人為的に高地で低温要求時間キッチリ寒さに当ててハウスなどでいきなり暖かくしてしまうような場合などは
1200時間くらい低温要求時間が必要な場合があるかもしれませんが)
因みに参考までに随分暖冬であった去年の当地の2006〜2007年の冬の7,2度以下の時間はこのような状態でした。
2006/12=200
2007/01=369
2007/02=228
2007/03=219
計1016時間
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ノーザンハイブッシュ系品種の低温要求時間対策
T)総論
今後、温暖化が進んで低温要求時間が満了できるか危ぶまれるような冬の到来が危惧される状況では
やや早めに肥料を切りノーザンハイブッシュ系などが休眠可能な気温になった時点で
速やかに休眠に入れるような状態にしておくことが最善かと思われます。
U)接ぎ木による低温要求時間の短縮
ノーザンハイブッシュ系品種な場合ラビットアイ系品種を台木とした接ぎ木では
休眠終期が早まるという報告があります。↓参照
西都原の観光資源としてのブルーベリー摘み取り園の確立
↑PDFファイルです。
(国武先生が指導された宮崎大学4年生、水本さんの卒業論文)
休眠終期が早いということは接ぎ木によって低温要求時間が
短縮されていると推測することができそうです。
(素人の仮説なので間違っているかもしれませんが)
この仮説が正しいのであれば
自根ノーザンハイブッシュ系が低温要求時間を満たせず栽培が難しくなったとしても
接ぎ木であれば栽培が可能である場合もありそうです。
参考資料
オウトウの休眠制御によるハウス栽培
地球温暖化と休眠打破 生長調節剤の力が必要に
3)高温処理による方法
実用的技術としては問題も多く、休眠打破による効果もそれほど期待できないようです。
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穂木に対する台木の低温要求時間の影響について
接ぎ木による低温要求時間の短縮について
ブルーベリーの場合は接ぎ木において穂木と台木の低温要求時間が異なる場合が多く
台木の低温要求時間が穂木の低温要求時間にも影響を与えることが考えられます。
現在最も頻繁に行われているノーザンハイブッシュ系品種を穂木とし
ラビットアイ系品種を台木としてする接ぎ木では
低温要求時間が短いラビットアイ系品種の影響を受けて
穂木のノーザンハイブッシュ系の低温要求時間も短くなる傾向があると言われています。
ブルーベリー以外の果樹においても同様な現象が確認されており
さらには同じラビットアイ系台木でもより低温要求時間が短い
ラビットアイ系品種では更なる低温要求時間の短縮も
可能かもしれないという仮説も考えられています。
接ぎ木による低温要求時間の延長について
低温要求時間短縮について述べましたが逆に昨今の温暖化で
低温要求時間が極端に短いサザンハイブッシュ系品種の早すぎる開花や萌芽によって
その後、遅霜での霜害が懸念されるようになりました。
この霜害対策として
低温要求時間が短いサザンハイブッシュ系品種に
低温要求時間が長いラビットアイ系品種を台木として接ぎ木することによって
低温要求時間の延長を図り、早すぎる開花の抑制を図ることが出来るのではないかと考えています。
2009年春には
低温要求時間が極端に短いサンシャインブルー、シャープブルー、ミスティーなどの品種の
早すぎる開花が報告されています。
具体的にはこうした品種に低温要求時間が長めな晩生のラビットアイ系品種を台木として接ぎ木して
霜害を受けない時期からの開花になるようコントロールするということです。
また、遅霜が降りる地域で霜害を受けやすいベッキーブルー、アリスブルーなどの
ラビットアイ系品種についても低温要求時間の長いラビットアイ系品種を台木として接ぎ木することで
霜害を防げる可能性も考えられると思います。
なお
促成栽培や二期成り栽培ををする場合は低温要求時間の延長が
好ましくない場合も考えられるのでご注意ください
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自分の住んでいる地域の低温要求時間の算出方
1)気象庁の過去の気象データ検索で
自分の住んでいる地域に最も近い温度が計測されている地点で
該当月の毎日の1時間ごとの値を表示して
該当する時間を数えていくのが
最も正確な値が求められます。
おそらく1ヶ月あたり10分もあれば求められます。