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◆◆◆メールマガジン国際結婚◆◆◆

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◆第64章 謹賀新年◆

明けましておめでとうございます。

旧年中は本メルマガをご愛顧頂きましてまことにありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

行政書士 高坂大樹


▼韓国純愛ドラマ

本メルマガも早いもので5回目のお正月を迎えることができました。毎年お正月には国際結婚や異文化交流をテーマとした映画を紹介してきたのですが、今年は少し趣向を変えて、韓国の純愛ドラマを紹介します。

韓流ブームは2003年にNHKが放送した『冬のソナタ』によって巻き起こりましたが、 『宮廷女官チャングムの誓い(大長吟)』のNHK地上波放送が2006年11月に終了して以降はこれといったヒット作がなく、「韓流ブームは終わった」とも言われています。しかし、今でも都会はもとより地方都市の小さなレンタルDVD店でさえ韓流ドラマがしっかりと一角を占めていますし、CSでは常時数十作(一週間に日本の地上派で放映される連ドラより多い)韓国ドラマが放映されています。また、ポップスに目を向ければ、東方神起がジャニーズ系やEXILEに引けを取らない活躍を見せており、昨年末の第51回日本レコード大賞ではBIGBANGが最優秀新人賞に輝くなど、一時の過熱したブームは去ったものの、韓流エンタテインメント・コンテンツは日本に定着したというのが現状です。韓流エンタテインメント・コンテンツはもはや当たり前のものになりましたが、振り返ってみると、韓流ブームは韓国に対する日本人の意識を劇的に変化させ、異文化交流に大きな影響を果たしたのは間違いありません。

韓流ブームのコンテンツの主役は、何と言ってもテレビドラマでした。実際、韓国のテレビドラマには見応えのある名作傑作が数多くあります。そこで、今回は韓国ドラマの中から純愛ドラマを5作紹介しましょう。

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秋の童話
  • 製作2000年KBS
  • 演出ユン・ソクホ
  • 出演ソン・ヘギョ、ソン・スンホン、ウォンビン、ハン・チェヨン、ムン・グニョン

『冬のソナタ』の演出家ユン・ソクホ演出の四季4部作の第1作。

第2次世界大戦に敗戦するまで日本に統治されていた韓国では、ごく最近まで公式的には日本文化の移入を制限していました。しかし、1998年にキム・デジュンが大統領になると、文化産業によって経済発展を主導する韓国文化立国戦略を打ち出すとともに、日本文化の開放についても段階的に行なう政策に転換しました。この日本文化開放の流れの中で、日本のTBSと韓国のMBCがウォンビン、深田恭子主演で日韓合作ドラマ『フレンズ』を制作し、2002年2月に2夜にわたって放映されて、両国とも15〜20パーセントの高視聴率を上げ、日本では『フレンズ』を見た若い女性を中心に主演のウォンビンが人気を集めました。ウォンビンのファンになった女性たちは、ウォンビンの情報を収集する過程で、ウォンビンが副主人公ながら主役のソン・スンホンより評判となり、名作の誉れが高かった『秋の童話』に注目しました。まだ韓流ブーム前夜で、DVDも出ていなかったので、一部の日本人マニアを除いてニューカマーや在日韓国朝鮮人向けだったスカパーの韓国専門チャンネルのKNTVチャンネルに『秋の童話』見たさに加入する女性たちも増え始めました。それまで韓国のドラマを放送したことのなかったNHKが『冬のソナタ』を放送することに決定したのも、この『秋の童話』の作品のクオリティと日本での評判が大きかったそうなので、まさに韓流ブームの原点とも言える作品です。

『秋の童話』の最大の魅力は、四角関係の恋愛模様の展開の見事さです。まだご覧になっていない方は、四人の心の動きを注意深く見ながら楽しんで下さい。演出家のユン・ソクホは映像の美しさで知られ、この作品でもロケ地の江原道の風景の美しさは素晴らしいものです。主演したソン・ヘギョとソン・スンホン、副主人公のウォンビン、ハン・チェヨン、ソン・ヘギョの子供時代を演じたムン・グニョンが大スターになるきっかけとなった作品でもあります。

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冬のソナタ
  • 製作2002年KBS
  • 演出ユン・ソクホ
  • 出演ペ・ヨンジュン、チェ・ジウ、パク・ヨンハ、パク・ソルミ

『秋の童話』に続く四季4部作の第2作。この作品によってヨン様現象が起こり、ペ・ヨンジュンは日本における韓国人最大のスターになりました。日本における韓流ブームは、この作品に始まり、この作品で止めを指すと言っても過言ではないでしょう。

『冬のソナタ』は2003年3月からNHKのBS2で放送、年末にはBS2で再放送され口コミ(ネット)で評判が広がり、平成2004年4月からNHKの地上波で放送されると、どんどん視聴率が上がり、最終回は関東20.6%、関西23.8%(ビデオリサーチ)の高視聴率となり、30〜40代の女性を中心に70〜80代の女性にまで広がる韓流ブームが巻き起こりました。

ユン・ソクホの作品は日本の少女マンガの影響が強く、韓国ドラマの定番的要素であるヤクザ・詐欺師などの犯罪者、徹底したいじめ役、家父長制、徴兵制などの存在が相対的に薄く、他の韓国ドラマと比較すると韓国らしくないところに特徴がありますが、とりわけ『冬のソナタ』は韓国的な匂いが少なく、そこが日本で受け容れられやすかった原因とも言われています。また、四季4部作の中でも『冬のソナタ』は大人の恋愛を描いていて、ゴールデンタイムの恋愛ドラマが若者向けになっている日本のテレビ界に置き去りにされ、観たいドラマがなかった大人の女性たちの支持を集めたと考えられます。ヨン様の儒教的な礼儀正しさは持ちつつ女性尊重的で透明感のある男性像は、日本の女性たちの理想に合致したのでしょう。今さら言うまでもありませんが、このドラマの春川や南怡島の風景の美しさは特筆物です。

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グッバイ・マイ・ラブ
  • 製作1999年MBC
  • 演出イ・ジャンスン
  • 出演アン・ジェウク、キム・ヒソン、チョン・ジュノ

日本に先んじて、アジアでは1998年頃より韓流ブームが始まっています。アン・ジェウクは日本での知名度は今ひとつですが、日本の少女マンガ(アニメ)『キャンディ・キャンディ』をモチーフにした韓国MBCの『星に願いを』(1997年)で大スターになり、音楽でのCLON(クローン)やH.O.T.(エイチオーティ)などと並んで、アジアの韓流ブームを作った立役者の一人です。特に中国では絶大な人気があり、日本におけるヨン様のような存在です。歌手でもあるアン・ジェウクは、2000年ぐらいから中国でコンサートツアーを行ない、各地で数万人を動員しています。

この作品でアン・ジェウクと共演したキム・ヒソンも中国で韓国一の美女としてCMにも起用されるなど大人気となり、キム・ヒソン風に整形する人が後を絶たないほどでした。実は『秋の童話』『冬のソナタ』や『オールイン』などの作品では、中国マーケットを意識して、チェ・ジウやソン・ヘギョより先にまずキム・ヒソンにオファーしたと言います。 『グッバイ・マイ・ラブ』は、格差社会でもある韓国におけるあまりにも切な過ぎる恋愛を描いた名作です。演出のイ・ジャンスンは、他に夫婦と妻の妹の三角関係を描いた『雪ダルマ』や、日本ロケを行ない、黒田福美やユミン(笛木優子)も出演した『ガラスの華』などを撮っています。

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純粋の時代
  • 製作2002年SBS
  • 演出キム・ジョンヒョク
  • 出演キム・ミニ、コ・ス、パク・ジョンチョル、ハン・ウンジョン

『純粋の時代』には、日本で人気の韓流スターは出演していませんが、当時の韓国の若手スターたちを起用し、青春の痛みを描いたシリアスなラブストーリーが話題になったドラマです。

主演のコ・スは韓国を代表する若手俳優の一人で、松嶋奈々子主演の日本のドラマ『やまとなでしこ』をリメイクした『窈窕淑女』や、『グリーンローズ』などに主演しています。2006年〜2008年にかけて兵役に就いていたこともあって韓流ブームに乗り損ねた感がありますが、現在は芸能界に復帰し、日本にファンクラブも開設されています。キム・ミニはペ・ヨンジュン主演の『スキャンダル』を撮ったイ・ジェヨン監督の日韓合作映画『純愛譜』に出演して日本でも注目され、『ジュリエットの男』『兄嫁は19歳』『恋愛結婚』などに出演しています。パク・ジョンチョルは日本では『ホテリアー』に出演していたことで知られています。

『秋の童話』や『冬のソナタ』もそうですが、韓国ドラマには三角関係(ないし四角関係)の恋愛が本当によく出てきますが、その中でも『純粋の時代』は三角関係を極限まで描き込んだ名作です。韓国ドラマの女性主人公がどのポイントで男性を選択するかという点に注意しながら、たとえば『秋の童話』と比較してご覧になれば面白いと思います。

演出のキム・ジョンヒョクは、他にソン・ヘギョ主演の『サンシャイン・オブ・ラブ』、イ・ソンジェ、オム・テウン、キム・ミンジョン主演の『天国への扉』などを撮っています。

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ごめん、愛してる
  • 製作2004年KBS
  • 演出イ・ヒョンミン
  • 出演ソ・ジソブ、イム・スジョン、ジョン・ギョンホ、ソ・ジヨン

韓国のドラマは、40話程度から数百話のものまであるロングシリーズと、16話から20話程度のミニシリーズに大別されます。ロングシリーズのドラマは、ターゲットの年齢層が少し高く、日本では朝ドラや昼ドラのような作品や、『宮廷女官チャングムの誓い(大長吟)』のように日本の大河ドラマに近い歴史ドラマになります。これに対して、ミニシリーズは10代から30代位をターゲットにし、日本の月9など恋愛をメインテーマにした、かつてトレンディドラマと呼ばれていたタイプの作品が基本です。今回紹介した5作のドラマは、純愛ドラマなのですべてミニシリーズです。韓国ドラマでは、ミニシリーズの恋愛ドラマでも政治や社会問題がテーマや背景として描かれていることが多く、この『ごめん、愛してる』にも韓国人養子や移民、貧困や障害など韓国の社会問題が大きなモチーフとして出てきます(また、必ずと言っていいほど出生の秘密、難病、交通事故などが出てくるのも韓国ドラマの特徴です)。『ごめん、愛してる』は、外国に養子に出された青年が母親に会いに帰ってきた祖国で体験する恋愛を描いた哀切なストーリーです。

主演のソ・ジソブは『ただいま恋愛中』『ガラスの靴』『バリでの出来事』などに主演し、韓国の若手俳優でナンバー1クラスの人気があります。コ・スと同じく韓流ブームの最中には兵役に就いていましたが、日本でもなかなか人気があり、除隊後に映画『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』にも出演していますし、現在はNTTドコモBeeTVでソ・ジソブ、谷村美月主演のドラマ『I am GHOST』が動画配信されています。イム・スジョンは演技力に定評のある若手女優で、ドラマよりも映画で活躍していて、『箪笥』『アメノナカノ青空』『サッド・ムービー』『サイボーグでも大丈夫』『角砂糖』『ハピネス』などに主演しています。日本では桃井かおりと一緒に出ている化粧品のCMで、「ピョナンダ(変わる)」「ピョナジアンヌンダ(変わらない)」と言っている、つるんとした女の子だと言えば、わかる方も多いでしょう。

演出のイ・ヒョンミンは、他にピ(RAIN)、コン・ヒョジン主演の『サンドゥ、学校へ行こう』、ヒョンビン、ソン・ユリ主演の『雪の女王』などを撮っています。

平成22(2010)年1月1日

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