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◆第65章 日本の好感度◆

みなさん、こんにちは。行政書士の高坂大樹です。今回は日本の好感度についてお話します。

3月23日に財団法人交流協会が発表した「台湾における対日世論調査」の結果によると、「台湾を除き、あなたの最も好きな国(地域)はどこですか?」という設問に対して、日本が1位を獲得しました。調査は09年12月から10年1月に行なわれたもので、「最も好きな国」は日本と回答した人が58パーセントで1位、以下、アメリカ・中国・シンガポールと続きますが、2位のアメリカと回答した人は8パーセント、3位の中国が5パーセントなので、日本はダントツの1位です。アメリカだけではなく、同じ華人社会の中国・シンガポールを押さえての1位というのは、やはり素晴らしい結果と言えるでしょう。なお、この調査は2008年にも行なわれていますが、前回も日本が1位でした。

台湾はもともと一番の親日家の多い国だと言われてきましたが、今回の調査はそれを明瞭に裏付ける結果となりました。ところで、日本がここまで大差を付けて1位になったのは、2008年8月に台湾で公開された台湾映画『海角七号〜君想う、国境の南』の影響も大きかったのではないかと思われます。『海角七号』は、日本統治下と現在の2つの時代の台湾と日本との交流を描き、台湾映画としては1位、外国映画を含めても『タイタニック』に続く2位の興行収入を記録した大ヒット作品で、主演した田中千絵は2008年12月3日に台湾Yahoo!が行なった「2008年台湾マン・オブ・ザ・イヤー」で前総統の陳水扁、大富豪の王永慶に次ぐ3位となっているほどです。2008年5月に馬英九氏が総統になり、馬氏は反日色の強い人物と思われていますので、日台関係も冷え込むかと心配する声もありましたが、この映画の大ヒットはその懸念を払拭するものでした。ただし、付け加えておけば、「今後台湾が最も親しくすべき国(地域)はどこですか?」という質問には、31パーセントの日本や16パーセントのアメリカを押さえて、中国が33パーセントで1位となっており、躍進し続けている中国経済に対する台湾人の現実主義的な側面も伺えるものになっています。
※「台湾における対日世論調査

上記の調査は、日本と台湾の交流関係を維持促進することを目的としている財団法人交流協会が行なった調査だということを考えると、多少割り引いて捉えなければならないかもしれません。また、日本にこんなに好感を持っているのは台湾だけではないかと思われるかもしれません。たしかに台湾が特別親日家が多いのは間違いない事実ですが、実は台湾以外の他の国際的な調査でも、日本は好感度の高い国であるという結果が出ています。

まずは、イギリスBBCが2009年2月に発表した世論調査。これは、21ヶ国1万3575人を対象に、政治、経済、安全保障分野で世界に影響を及ぼしている16ヶ国(アメリカ・カナダ・EU・イギリス・フランス・ドイツ・ロシア・日本・中国・北朝鮮・インド・パキスタン・イラン・イスラエル・南アフリカ・ブラジル)ついての調査で、日本はドイツ・イギリス・カナダに次いで「世界に良い影響を与えている」国の第4位に評価されています。「良い影響を与えている」は56パーセント、「悪い影響を与えている」は23パーセントで、前回の調査結果(1位)から順位は下がったものの、パーセンテージでは変化していません。ちなみにワーストはイラン・パキスタン・イスラエルの順になっています。

アメリカのタイム誌の調査でも高評価を受けていて、56ヶ国12万人を対象に実施された世界20ヶ国の好感度調査では、1位日本、2位ドイツ、3位シンガポール、4位アメリカ、5位中国の順となっていて、日本は2007年から連続で1位を獲得しています。

また、世界最大のオンライン旅行会社エクスペディアは、2007年から世界各国のホテルマネージャーを対象に、各国の観光客の評判を調査していますが、日本は3年連続でベスト・ツーリスト(世界最良の観光客)に選ばれています。
※「エクスペディア・ベスト・ツーリスト2009

経済や政治が停滞しているため、日本人は自信を喪失しどんどん内向きになって来ていると言われていますが、このように、国際的に見て日本および日本人に対する好感度・評価は非常に高いのです。言うまでもなく個人と国家はイコールで結ばれるものではなく、個々人はそれぞれ別の個性を持った存在と言えますが、こうした日本に対する好感度は、外国における、または外国人に対する一人一人の日本人の振る舞いの結果ですから、日本人として、外国からの好感を素直に受け取っていいと思います。

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▼入管トピックス 経済連携協定による外国人初の看護師合格

厚生労働省は3月26日に、経済連携協定(EPA)に基づいて受け入れた看護師候補生のうち、新潟県で受け入れたインドネシア人の男女と栃木県で受け入れたフィリピン人女性の計3人が、看護師国家試験に合格したと発表しました。EPAに基づき、インドネシアからは2008年、フィリピンからは2009年から看護師(介護福祉士)候補生を受け入れていますが、昨年は残念ながら国家試験合格者がなかったので、EPAで入国した外国人看護師候補生の合格は今年が初めてになります。

この難関を通ったというのはすごいことだと思います。ハードルか高過ぎ、受け入れたくないための制度ではないかとも言われていましたが、日本は基本的に日本語しか通じない国であり、医療従事者が高度な医療現場における十分な日本語能力(日本語による医療知識)を必要とするのはたしかですから、外国人が日本人と同じ試験を受けねばならないことは、医療ミスのリスクを避けるためには必要な制度と言えます。難関を突破した3人には敬意を表するとともに、このような優秀な人材にはこれからもどんどん来て欲しいですし、日本側も受け入れ態勢を積極的に整えてほしいと思います。

平成22(2010)年4月1日

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