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◆◆◆メールマガジン国際結婚◆◆◆

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◆第62章 アジアの国際結婚◆

みなさん、こんにちは。行政書士の高坂大樹です。

最近の日本の国際結婚の状況を見ると、結婚全体の5〜6パーセント、17〜20組に1組の割合でおおよそ推移しています。たとえば、平成19年の結婚総数は71万9822組で、このうち夫妻の一方が外国籍すなわち国際結婚は4万272組でした(約5.6パーセント)。過去最高だった平成18年と比べると少し減少したものの、中長期的に見れば増加傾向にあります。これは他のアジア諸国でも同様で、グローバル化が進行するにつれて、国際結婚の割合は年々増加して行っています。今回は、アジアの国際結婚の中からお隣の韓国とシンガポールを取り上げ、両国の国際結婚の状況を見てみましょう。

まず、韓国から。2009年5月1日現在の韓国の外国人数は、110万6884人だそうです。韓国の人口が約4959万人なので、およそ2.2パーセントが外国人ということになります。2006年の初調査では53万6000人だったそうなので、わずか3年で倍増しています。外国人数が増えれば、当然ながら国際結婚数も増加します。1990年に1パーセント程度だったのが、2006年には33万7000組のうちの3万9000組が国際結婚となり、これは11.6パーセントにもなり、9組に1組の割合です。日本と比べると、人口比の割合で言えば日本の約2倍、外国人数も日本は1.69パーセントなので日本よりかなり高く、韓国が急速に国際化していることがわかります。

男女比を見ると、日本と同じく夫が韓国人で妻が外国人というケースが多く(約76パーセント、日本は約79パーセント)、国籍は多い順に、中国・ベトナム・フィリピンなどです。夫が外国人の国際結婚では、日本・中国・アメリカなどが多く、なかでも日本人男性との結婚が最も多くなっています。韓国では、韓国籍を取得していない外国人配偶者のことを結婚移民と呼んでいますが、2001年の約2万5000人から急増して、2008年には128ヶ国、約12万6000人となっています。ただ、急激に国際結婚が増加している裏には問題も少なくなく、円満な国際結婚家庭も多い一方で、国際結婚の増加に伴って配偶者(夫)による暴力・文化摩擦・離婚などの夫婦間の問題、子供に対する韓国語教育をどうするかなど様々な問題も目立ってきており、特に家庭内暴力は外国人妻の本国から国際問題として取り上げられるぐらいの深刻なものになっています。

国際結婚が増加するにつれ、TVでも様々な番組で国際結婚が取り上げられるようになり、中国から国際結婚でやってきた女主人公の奮闘を描くドラマ『19歳の純情』、在韓外国人女性たちのトーク番組『美女たちのおしゃべり』、国際結婚家庭を取り上げた『ラブ人アジア』などがあり、関心の高さが伺えます。これらの番組は日本のCS等でも放送されています。

次に、シンガポール。2009年6月の発表では、2008年の結婚総数が2万1042組で、驚くべきことにそのうち8136組が国際結婚、なんと約39パーセント、5組に2組が国際結婚だったそうです。ただし、国際結婚が約39パーセントと言っても、シンガポールは中華系を中心にマレー系・インド系・その他の民族という多民族国家であり、国籍が異なるだけで同じ民族同士で結婚している場合も少なくありません。中国人女性が中華系のシンガポール人男性と結婚するケースが最も多いようです。有名なところでは、中国を代表する女優で、『さらば、わが愛 覇王別姫』『SAYURI』などで日本でもおなじみのコン・リー(鞏俐)が1996年にシンガポール人実業家と結婚しており、彼女は2008年にはシンガポール国籍を取得しています。

アジアの国際結婚の中からお隣の韓国とシンガポールの国際結婚の状況を概観しましたが、アジアにおいても予想以上に国際化が進んでいることがわかります。ある意味、日本が遅れているというような状況になっているほどです。新しく誕生した民主党政権の鳩山由紀夫総理は東アジア共同体の構想を打ち出していますが、現実にはアジアでもすでに活発に人の交流や移動が行なわれているようです。

平成21(2009)年10月1日

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