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みなさん、こんにちは。行政書士の高坂大樹です。出入国管理及び難民認定法が改正されたことは、ニュースなどでご存じの方もいらっしゃると思います(平成19年11月20日から施行)。今回の改正では、日本に来日した外国人は、一部の免除者を除いて指紋の採取と顔写真の撮影が義務付けられることになりました。今回はこの改正についてお話します。
以前も外国人に対する指紋の採取が行なわれていたことがあります。当時の外国人登録法によって、長期(1年以上)日本に在留する外国人で16歳以上の者は指紋押捺が義務付けられていました。しかし、平成4年に永住者及び特別永住者については廃止され、平成12年の改正ですべての外国人に対する指紋押捺制度が廃止されています。それが、外国人登録法ではなく、入管法の改正によって再び指紋の採取が行なわれることになりました。改正の目的は、テロリストや外国人犯罪者の入国を阻止しテロを未然に防止すること、および不法滞在者の減少を図ることです。
一部の免除者とは、
となっています。
かつての制度との相違は、短期の観光客も対象であることと、特別永住者は除かれていますが、永住者は含まれていることです。しかし、入国審査時に限られているので、現在日本在住の外国人は情報を提供する義務はありません。ただし、帰国や旅行で出国し、再来日する場合は必要になります。
外国人が来日すると、空港や海港でパスポートやビザ、入国目的などを調査する入国審査が行なわれますが、そこで指紋の採取や顔写真の撮影も行なわれます。指紋は原則として両手の人差し指を採取します。顔写真は、指紋読取機の上にカメラがあり、それで撮影します。情報の提供を拒否した場合は、国外退去となります。情報は、国際指名手配犯や過去の強制退去者などのリストと照合され、リストと一致した場合も入国拒否となります。
初日の模様に関しては、何人か要注意リストと一致したという報道もありました。トラブルもあったようで、写真がうまく撮れないとか、指紋の磨耗などでなかなか採取できない人もいたようです。採取からリストとの照合まで1分程度で完了し、審査終了まで最長で20分以内というのが政府目標であるそうですが、現在のところ装置は全国で約540台しかなく、多くの海港では装置が常備されておらず、入国者を待たせるなど政府目標を満たし切れていない状況もあるようです。
この制度はまだ始まったばかりで、今後もトラブルがあるかと思いますが、どのように運用されるか注目されます。
平成19(2007)年12月1日
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