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◆◆◆メールマガジン国際結婚◆◆◆

複雑な法律手続きから、文化摩擦、生活設計、結婚生活の悩みまで、国際結婚に関するあらゆる情報をお届けします。

◆第32章 離婚後の出生の取り扱いについて◆

みなさん、こんにちは。行政書士の高坂大樹です。前回は業務多忙のため1回お休みしました。申し訳ありませんでした。今回は、離婚後に出生した子供を始め、結婚相手以外との間に生まれた子供の取り扱いについてお話します。

ご存じと思いますが、今年になって無戸籍児の問題が大きな話題になっています。

一件目は、無戸籍の女子高生が修学旅行に行くためのパスポートの発給申請したところ、戸籍がないという理由で滋賀県が発行しなかったという事件です。この事件には、これを不服とした少女が外務省に陳情しに行ったという続報も報道されています。

二件目は逮捕された容疑者が、取り調べの際に戸籍がないことが発覚した事件で、捕まって初めて無戸籍が明らかになったこと、無戸籍の理由が学校に通わせるお金がないから両親が出生を届けていなかったというものだったということ(あくまで両親の勝手な言い分ですが)、学校に通わせて貰っていなかったために平仮名を書く程度の学力しかなかったことなどから、ニュースとしてだけではなく、社会問題としてワイドショーなどでも大きく取り上げられていました。

一件目の少女が無戸籍になってしまったのは、母親が前婚の別居中に知り合った男性との間に生まれたためだそうです。民法の規定によれば、婚姻中に妊娠した子供はもちろん、婚姻後200日経過後あるいは離婚後300日以内に生まれた子供は夫との間に生まれた子供と推定されます。どういうことかと言うと、別居中に知り合った男性との間に生まれた子供であるとしても、出生届を出す際には夫の子として届け出なければならないということです。こうした事情から、少女は宙ぶらりんの存在になってしまい、届出がなされないままに大きくなってしまったということのようです。無戸籍になってしまった理由として二件目のようなケースは論外ですが、この少女のケースは法律の隙間が生み出してしまったという面もあります。

夫(元夫を含む)の子でないにもかかわらず夫の子として届けられているものや、夫の子として届けたくないために届出をせず無戸籍になってしまった場合のような、子供の戸籍に関する問題は、国際結婚や国際カップルの場合にも生じ得ます。パーセンテージ的には日本人同士のカップルよりも多いかもしれません。日本人同士の偽装結婚はほとんどないと思いますが、外国人はビザを取るために偽装結婚している場合があるからです。偽装結婚ですから恋愛関係はありませんし、同居していないこともほとんどです。日本で暮らす間に戸籍上の夫以外の日本人男性と交際することになり、妊娠・出産することはしばしばあり、上記のような状態に陥ってしまうのです。

浮気相手との間の子供も含めると、これらの夫(元夫を含む)の子でないにもかかわらず夫の子として届けられているものや、夫の子として届けたくないために届出をせず無戸籍になってしまうケースは、一説によると年間に数千件はあると言われています。こうした事態になってしまった場合の対処方法は、以下のようになります。

無戸籍の場合は、真実とは異なっていてもとりあえずは子供の父親と推定される夫(前の夫)の子として届け出る必要があります。そのあと、まず子供の戸籍上の父親に対して「親子関係不存在確認の訴え」を提起して勝訴し、家庭裁判所で子供の氏を母親と同じ氏に変更して貰えば、母親の戸籍に入れることができます。この時点では嫡出でない子(いわゆる非嫡出子)という扱いですが、その後、実際の父親が認知すると、認知の時点で結婚していれば認知の時から、認知後に結婚した場合は婚姻の時から嫡出子の身分を取得することができます。

離婚後の妊娠によって生まれた子供であることが明らかな場合でも、離婚後300日以内に生まれた子供の場合は、現在の法律では以上の方法を取る必要があります。しかし、別れた夫とやり取りしなければならないので、離婚理由がDVなどの場合は精神的負担も大きく、また、DNA鑑定などの裁判費用に100万円程度掛かるとも言われていて、金銭的負担も大きいようです。数が増えていることや社会問題化していることから、離婚後300日以内に生まれた子供の出生の取り扱いについては、法務省も今年(平成19年)になってようやく実態把握の調査をすることを決定しており、長勢法務大臣も「調査の結果を見て裁判以外の方法も検討したい」と述べています。

■お知らせ

これまで毎月2回刊行してきた『メールマガジン国際結婚』ですが、次回3月1日より毎月1回発行ということにさせて頂きます。今後も全力投球で書いて行きますので、変わらぬご愛顧をよろしくお願い申し上げます。

平成19(2007)年2月15日

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