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◆第11章 入国とその後の手続きについて(3)◆

みなさん、こんにちは。行政書士の高坂大樹です。前回は在留資格認定証明書についてお話しました。今回は外国人の皆さんにとって最も身近な外国人登録についてお話します。

日本に滞在しようとする外国人は、入国時に入国審査官の上陸審査を受けなければなりません。あらかじめビザや在留資格認定証明書を取得してから来日していたとしても、上陸審査で上陸許可を受けることが必要です。

無事に上陸を許可されれば、日本での活動内容や目的に応じた在留資格が与えられます。在留資格は27種類あり、それぞれ活動内容や要件が細かく定められています。無期限の永住者の資格を除いて、それぞれの在留資格には在留期間が設けられており、その期間内に限っての日本滞在が許可されています。在留期間を一日でも超過すれば、いわゆるオーバーステイになり、それまでは適法に働いていたとしても、その時点から不法就労になります。

在留期間は、長いもので3年、一番短いもので15日となっていて、同じ在留資格であっても「3年または1年」とか「1年、6月または3月」というように在留期間の種類が設けられています。入国審査官は個々の外国人ごとに在留期間を決定します。外国人の実情に応じて日本での活動に必要な期間が考慮されますが、必ずしも希望する在留期間が認められるわけではありませんので、認められた在留期間を超えて滞在しようとする場合は、更新して行く必要があります。たとえば日本人の配偶者等の在留期間は、3年または1年ですが、最初に取得した場合の在留期間は通常1年で、更新して行く過程で生活が安定していてその他の問題もないと判断されれば、3年の在留期間が認められるということになっています。

さて、上陸許可で在留資格を認められると、在留期間の満了日、つまり在留期限が到来するまでは、適法に滞在可能なのですが、90日以上在留する場合は、在留資格の取得とは別に外国人登録を行わなければなりません。日本人の場合は、本籍地に戸籍が備えられており、住所地に住民登録しています。しかし、当然のことながら日本国籍を持たない外国人には、戸籍や住民票がありません。たとえ特別永住者として日本に生まれ育ったとしても、戸籍や住民票は備えられていません。戸籍や住民票を持たない外国人が、その代わりに行なうものとされているのが外国人登録であり、日本に90日以上在留する外国人は外国人登録が義務づけられています。外国人が日本で生まれた場合や、日本人が日本国籍を離脱(喪失)して外国人になった場合にも、60日以内に外国人登録する必要があります。登録しない場合、1年以下の懲役もしくは禁錮または20万円以下の罰金に処せられます。

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外国人登録は、居住地の市区町村の窓口に申請します。16歳以上の時は本人が、16歳未満の時は両親など本人と同居する者が代理で手続きします。本人が疾病その他の身体の故障によって自ら手続きを行なえない場合も、代理による申請が認められています。

外国人登録に際して、かつては指紋押捺する必要がありましたが、現在ではこれは廃止されています。永住者や特別永住者および1年以上在留期間を付与された人は、指紋押捺に代わって署名と家族事項を登録します。外国人登録申請書、旅券(パスポート)、写真2枚(縦4.5cm×横3.5cm)が必要です(16歳未満の場合、写真は必要ありません)。申請にかかる手数料はありません。16歳以上は、申請書の提出と同時に登録原票及び署名原紙に署名することが必要です。

外国人登録をすれば、外国人登録証明書が発行されるだけではなく、住所を証明する書面(登録原票記載事項証明書)の発行や、印鑑登録することが可能になります。また、日本人と同じように国民健康保険に加入することができるようになります。外国人登録証明書は、申請後1〜2週間程度で発行されます。紛失や盗難の可能性もありますので、登録番号は必ず控えておいて下さい。外国人登録証が発行されるまでは、外国人登録証明書交付予定期間指定書を発行してもらうことにより、銀行口座を開く場合などは外国人登録証に代えることができます。今後在留資格の変更や在留期間の更新の許可を受けた場合は、裏面にその内容が記載されます。

外国人登録証の見本と見方は以下の入国管理局の以下のページをご参照下さい。
外国人登録証明書の見方について

16歳以上の外国人が外出する時には、パスポートの代わりに外国人登録証を携帯することが義務づけられており、警察官などのように権限のある公務員に外国人登録証明書の提示を求められれば、応じる義務があります。携帯義務や提示義務に違反した場合、20万円以下の罰金か、特別永住者は10万円以下の過料に処せられます。

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外国人登録は、5年ごと(永住者及び特別永住者は7年ごと)に、登録の確認(切替交付)の申請を行なわなければなりません。登録の確認は、外国人登録証に書いてある基準日から30日以内に行なう必要があります。16歳未満の場合は、16歳に達するまでの間は確認申請をする必要はありませんが、16歳に達した場合には、16歳に達した日から30日以内に確認申請をしなければなりません。

登録事項のうち、居住地・氏名・国籍・職業・在留の資格・在留期間・勤務所または事務所の名称及び所在地に変更を生じた場合には、その変更が生じた日から14日以内に、登録を行なった市区町村役場で変更登録の申請を行なわなければなりません。母国の住所または居所・旅券番号・旅券発行の年月日・世帯主の氏名・世帯主との続柄・家族事項に変更を生じた場合は、その変更が生じた日以後、次に何らかの申請をする時までに変更登録する必要があります。

外国人登録証明書が著しく毀損し、または汚損した時は、引替交付申請を行なって、新しい外国人登録証の交付を受けることができます。変更登録を行なう場合で外国人登録証明書の記載欄の全部に記載がされているために変更後の登録内容を記載することができない時、氏名または国籍の変更登録や外国人登録原票の記載の訂正を行なった時なども、引替交付申請を行なって、新しい外国人登録証の交付を受けることができます。紛失、盗難または滅失により失った場合は、その事実を知った時から14日以内に再交付申請を行なって、新しい外国人登録証の交付を受けることができます。

外国人登録を受けている外国人が出国する場合は、外国人登録証を返納しなければなりません。ただし、再入国許可を受けて出国する場合、および難民旅行証明書の交付を受けて出国する場合は、返納しなくても構いません。外国人登録証は出国時に空港あるいは港の入国審査官に直接返納します。外国人が日本の国籍を取得した場合や死亡した場合などには、日本国籍を取得した日、あるいは死亡の日から14日以内に、居住地の市区町村長に返納しなければなりません(居住地が死亡地と異なる場合は、死亡地の属する市区町村長を経由して返納することができます)。

平成18(2006)年3月15日

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