ライブスチーム 127mmゲージ 製作記 D50 725
<設計>
(1)基本指針
縮尺 1/8.4(模型ゲージ127mm/国鉄狭軌1067mm)
大きさ 全長 2m380 × 幅 327mm × 高さ464mm
推定重量 200kg
(2)実物観察
D50の実物保存は、北見市の公園(D50 25)と梅小路機関車庫(D50 140)の2台だけ。
同じ北海道(室蘭)でも、北見は遠いので、むしろ行き易い、京都/梅小路機関車庫へ。
(北見にもそのうち1度は行くつもり)
06年8月 第1回実物観察 写真撮影約100枚(デジカメって何枚撮ってもタダだからいい)
07年4月 第2回実物観察
(3)製図
前回はT定規での作図。そのうち面倒臭くなって、最後はほとんどフリーハンド。
今回は大型なので現物合わせは難しい。基本構成はCADを用いて作成する。
<参考図面> 蒸気機関車スタイルブック/機芸出版社
蒸気機関車から超高速車両まで/川崎重工業(D50図面添付)
あとは実物写真と勘と経験。
<パソコンCAD>
「図脳Sketch6」/フォトロンを購入(06.8) 無料お試し版・知人情報・価格から選定
フォトロンCADシリーズの中で、Sketchは最も低いレベル(最安値)ながら、個人の趣味で
作図するには十分な性能。添付の説明書も判り易く、使い勝手も良好です。
(4)設計ポイント(雑感)
@動輪 ・D50は第3動輪だけ特別(他と寸法が違う)なのを設計して始めて発見(鋳型も2種類)
Aピストンリング ・シリンダ用Φ60を見つけるのにひと苦労。ネットでもあまり売っていない。
・HONDA-VTR 250ccバイクのエンジン用にΦ60を発見。早速バイク屋から購入
Bピストン弁 ・蒸気漏れ防止に複式を採用。ちなみに実物もD50で複式の実績あり。→製作中に単式に変更。
・ピストンリングも採用予定。ラジコン飛行機用ピストンリングΦ24をネットで購入。
Cボイラー ・強度計算結果、胴径Φ200のボイラーは、銅だと板厚5mm必要!!(さすがにスケールが違う)
・銅厚5mmでは自分で丸め加工不可。ロウ付けも困難。
・ステンレスを検討。板厚が半分で済む。重量も軽くなる。ロウ付けも可能。
・SUS304と銅は熱膨張率も偶然同じことを発見。複合で作っても大丈夫。
・スレンレスの丸め加工は無理なので、パイプで購入。呼び径175(外径φ190.7)×t3、
特殊形状ながら、探せばあるもの。無事ゲット。
→ステンレスと銅のろう接合に失敗。自分の腕では困難と判断し、オール銅製に設計変更
D軸受 ・実物通りのメタル軸受にするか、ベアリングを採用するか?
・実物にこだわりたい反面、走行性能を重視しベアリングを採用(シェル形針状ニードルベアリング)
(一応、ベアリング用軸受鋼の品質管理が自分の仕事でもあるし)
<模型仕様>
項目 | 主仕様 |
備考 |
型式 | 国鉄 D50 | |
ゲージ | 127mm | バックゲージ119mm |
縮尺 | 1/8.4 | 模型ゲージ127mm/国鉄狭軌1067mm |
通過曲線 | 半径8m | フランジ高さ4mm |
重量 | 200kg | (未積載時 推定) |
本体 | 全長2380×幅327×高さ464 | |
車輪 | 軌道径 動輪φ167 従輪φ112 車軸 動輪φ28 従輪φ20 |
スポーク式 シェル形針状ニードルベアリング |
シリンダ
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ボア φ60 ストロ−ク 78mm ピストン弁 φ24 ボビン複式 カットオフ 89 % |
バイク用ピストンリングHONDA-VTR (左右2本づつ) 2列ポート式→単式に変更 ピストンリングを使用 ポート6mm ラップ3mm |
台枠 | 棒台枠 板厚10mm×長さ1200mm | |
ボイラー
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煙管式 胴径Φ190.7 大煙管Φ30 4本 小煙管Φ18 17本 過熱管Φ11×400mm往復 4本 常用圧力 8kgf/cm2 水容量 17リッター 燃料 石炭(重油併燃可) |
材質 胴管 ステンレスSUS304 |
presented by Hideoki Kimura