春らんらん
春って何かが起きそうな気がしませんか
今日は特別 何かいいことがありそうな気がしてなりません
何を隠そう 今日は私にとって待ちに待った特別な日なのです
先週、私はある方と約束を交わしたのです
その約束を果たさんが為私はとあるところへと向かっているのでした・・・
車で10分くらい走ったでしょうか 約束の時間に少々遅れて目的地に到着ー
逸る気持ちをおさえつつ目的の建物の2階へ階段を駆け上ります
最後の段を上り終えたら 丁度目の前にあの方が待っていました
真正面の廊下の椅子に腰掛けてます
少しうつむいて タバコに火をつけかけていたところでございました
目の前で立ったまま私は その風景をちょっと残念に思い(なぜなら私はタバコアレルギー)
ずーっとその方の顔を見つめておりました
「この人いつになったら私に気がつくんだろう」といういたずら心からです
はああーっと気の緩んだため息をつき 頭を一度大きく落とした次の瞬間突然こちらの方を見上げました
「あ あああ ああ すいません」
やっと私に気がついたみたいです
私も 「遅れてしまってすみません」
お互いに深ぶかと頭を下げまくった後 その方が「どうぞこちらへ」と中に案内してくださいました
中ではお互いが向かい合わせで座り(かなり顔が近いです)
座って間もなく彼の方から質問が・・・
お名前は?
・・・・・・です
お歳は?
・・・・・です
その他いろいろと細かい質問を受けて 話はじめの頃は随分と硬い感じで話をしておりました
1時間を過ぎた辺りからでしょうか だんだんと和んできて 笑い話の一つも出てくるようになりました
随分とリラックスした雰囲気の中
ああ この人はほんとに親身になってくれる人なんだなあと感心してると
私はあることに気がついてしまいました
さっきから自分ばかりが質問を受けているのでは?
それにこの人 私の話した事 なんか紙に細かいことまで書き記してる・・・
彼が私の細かいことを知ってしまったのに 私は彼の名前しか聞いてない
私を呼び出したのは彼の方なのに・・・・・
随分不公平じゃあーりませんかと ちょっと拗ねているとですね 彼がこう言ってきました
「じゃあ booさん確認が済んだらここに印鑑押してください」って
なんか文字の書かれた紙を渡すんです
えええええええー いきなり印鑑て あーた
え
え?
とかなり動揺して紙の中身を確認するとですね
自分の体感温度が春から冬へと逆戻りしているのが分かるじゃないですか
ええ良く見ると ナントカ調書って書いてます
・・・・・ああ 先週のひき逃げ事故の・・・
(車が飛ばした氷に当たって怪我したときの事故)調書でございました
担当の警察官があまりにもタイプだったので どうやら一人で妄想特急してしまったようです
・・・・・・・・・・ぺたっ
(印鑑押した後)
「あのー 他には」(私)
「あー これでもう終わりですから」って彼
「出来ればあなたの調書が欲しいのですが」という言葉をぐぐっと飲み込み
彼が勤めている警察署を後にしたのでありました
じょろろーん
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