NO.1(作成:2002年4月22日)

バーミューダボール 2001

(注意:高野、林、前田から送られた原稿を元に、トトロ流に多々編集した文章であることをご承知下さい。)
対戦の情報は「インド戦」をクリックしてください。

第3日目−第7試合: VS インド戦 (#1〜#4)
2001/10/24(水)(10:00〜12:40)

(ボード)
(ホームテーブル) 
3D W3 −110
 W  N  E  S
 S  高  K  清
    P  P 1H
2D  X 2H  P
2S  P 3D  P
 P  P
 OL:10
1:H10 HQ HK HA
2:S3 S7 S6 S5
3:D5 D7 D2 D3
4:CA C4 C5 C8
5:C2 CK D4 CQ
6:S2 S8 D8 S10
7:C3 CJ DJ C9
8:S4 S9 DQ SA
9:H6 HJ H5 H8
10:H4 H9 D10 H7
11:SK C6 H2 SJ
日本:+1 IMP
#1
ディーラーN
ノンバル
KQ987
108
1095
Q98

J432
A95
AKJ43

Q76
Q87
A107632

A105
KJ432
62
KJ4

(ビジターテーブル)
4D W4 +130
 W  N  E  S
 林  P  前  V
   2S  P  P
3D  P 3S  X
 P  P 4D  P
 P  P
OL:
1:S7 S6 SA S2
2:S10 S3 S8 D7
3:CA C4 C5 C8
4:C2 CK D3 CQ
5:S4 S9 D8 S5
6:C3 CJ D4 C9
7:HA H8 H6 H2
8:SJ SQ DQ H3
(ホームテーブル)
(オークション)
 Sの1Hオープンに対するWの2Dオーバーコールは受け入れられる。 3枚Hあるのは喜ばしいことではないが、5431形で、4枚Sあるのが取り柄。 ゲームの可能性は高くは無いが、Eに5(4)枚Sあれば可能性あるし、十分NS側のC、Hに対して競ることができる。 2Dオーバーコールすることで、「強さがあるよ」とパートナーに教える意味が大きい。 Nのネガティブダブルは普通。 パストハンドだからといって、この程度のハンドで競り合いの2/1レスポンスはしない。 この程度の強さならば6枚Sあるとか、5枚Sならば10点くらいあるとか、オーバーコールされたDがシングルトンであるとかの競り合うメリットを訴えるポイントが必要だ。 Eのインビテイショナルキュービッドの2Hに、Sがパスしたのは納得。 ここでのダブルはレスポンシブとして扱えるので候補なのだが、もう少し良いハンドが欲しいところ。 

(プレイ)
 T2で、NのS7が勝った。 ディクレアラーのプレイの方針に対応して、トランプシフトは正しい判断。 トランプをリードする場合、EのCスーツのエスタブリッシュが気になるが、DQ87なので、D5のリードすれば大丈夫。 もし、D10をリードしたりすると、DAで勝ち、CA、Cハイラフ、D3→D8でフィネスしながらEに渡り、Cハイラフ、D→Qでドロートランプして、エスタブリッシュしたCを取るプレイが可能になったりする。

(ビジターテーブル)
(オークション)
 Nの頑張ったウィーク2Sオープン。 Sのパスは堅実。 3枚Sなので、プリエンプティブ3Sレイズは考えられるが、ゲームの無さそうなオポーネントに対して無理はしたくないところ。 2Sで買える可能性もある。 それに、パートナーシップで、5枚スーツのウィーク2オープンも頻繁にするのだろう。
 Wの3Dリオープンに対して、Eの3Sキュービッドは頑張り過ぎでは無い。 確かにリオープン3Dではあるのだが、3の代ということと、Sの長さがあるだろうWがアクションしているのだから、立派なオープンハンドはあるはず。 2N、3Nビッドをしたくないアンバランスハンドの14HCPが相場と考えられるので、3Sキュービッドして3N、5Dを狙いたい。 この3Sキュービッドに対してWが3Nならパス、4Dならパス、4Hなら5Dに直す予定。
 Eの3Sキュービッドに対してSのリードショウイングダブルが入った。 Wのパスは全くのミニマムなリオープンでは無い、というメッセージ。 パートナーに3N、5Dを少しながらもエンカレッジしている。 でも、Eは精一杯の3Sキュービッドだったので、4Dでノンフォーシングしたのは適切な判断。 11HCPあったり、同じ8HCPでも1246だったならば、5Dをビッドする判断になっただろう。

(プレイ)
 T2でSがSコンティニューで、EのDをパンプに来た(Cエスタブリッシュして取られるのを防ぐ意味)。 4Dをプレイしているディクレアラーとしては、サイドのウィナーがCA、HAの2勝だから、EでSを3回ラフし、Wのトランプを5勝しなければならない。 従って、T6でEからCをリードし、C3−3期待で、D4のラフが生還するチャンスに賭けた。 T6では、一見HAで先に戻って、Sラフを確実にしておく方が良さそうに見えるが、それは4枚目のSをラフする時に、SにCをディスカードされて、EからのCリードをSにD6でラフでアッパーカットされてしまう変化がある。 注意を払ってるWの良いプレイだった。

(ホームテーブル) 
3DX E/4 +800
 W  N  E  S
 S  高  K  清
      3D  P
 P  X  P  P
 P
 OL:
1:S7 SJ SQ S3
2:D9 DA D5 D2
3:C2 C6 CK C3
4:S2 S10 S9 S6
5:HK H4 H8 HA
6:S8 SA D7 D8
7:C10 C5 CJ C7
8:CA D4 C9 CQ
日本:+12IMP
#2
ディーラーE
NSバル
AQ104
KQ5

AJ843

KJ852
A963

KQ5
93
J74
AQ10743
72

76
1082
KJ865
1096
(ビジターテーブル)
3H W/4 −200
 W  N  E  S
 林  P  前  V
       P  P
1S 1N 2C 2D
3H  P  P  P
 OL:
1:D9 DA D5 D2
2:C2 C10 CK CA
3:C4 C7 C9 CQ
4:C5 C8 H4 C6
5:S3 S6 SJ SQ
6:HK H7 H2 HA
7:S2 S10 S9 S7
8:HQ HJ H8 H3
9:SA D  D6 S5
10:CJ D  D8 H6
11:??
(ホームテーブル)
(オークション)
 Eの3Dは、気分だけの山師的プリエンプティブオープンだ。 ノンバルのディーラーだけが唯一の慰め。 3の代でのプリエンプティブオープンするのに、メインスーツのAを持っている事自体は深刻なウィークポイントではないが、ミドルカード(J1098など)のボディが痩せているのが酷いキズだ。 ましてや、6枚スーツでの鯖読みの3の代なのだから。
 Nは気持ちの良いリオープンダブル。
(N高野の感想)
 「パートナーのペナルティパスが目に浮かんでましたよ。 案の定、Sがペナルティパスをしてダミイを見た時は、思わずよだれを拭いちゃいましたぁ。」

(プレイ)
 SQで勝ったNは、D9のトランプにシフトした。 このタイプのコントラクトのディフェンスでは、Nからトランプがリード出来るならば、早い機会にリードするのは良いディフェンスになる。 トランプの状態をパートナーに知らせつつ(Nがトランプリードしない時、SはNの0枚D、Eの7枚Dをメインに想定してディフェンスを考えることになる)、EのアナーをSで捕まえられる。 気をつけるべきは、やたらにパンプするディフェンスをしてはいけないことだ。 トリックをトランプで与えることになるし、往々にして将来、トランプリダクション(減らすプレイ)に協力する格好で、トランプのスローインの手助けになってしまう。
 結局、H1C1個、トランプで、DAと6枚目、DQ10でもう一個の合計5トリック取られたのは仕方ないが、確かなゲームの無い20HCPのNSのハンドでは、お腹いっぱいの+800だった。 

(ビジターテーブル)
(オークション、E前田の感想)
 Wの1Sオープン、Nの1Nオーバーコールに対してEはコンベンショナルな2Cをビッドした。 1Nオーバーコールに2Cは、ハミルトンコンベンションと同様の、何かの1スーターと思っていたが、それは自分の記憶違い。 本当の取り決めは、「1Sオープンの場合の2C:H&Cの2スーター」である。 1C/Dオープンの場合の2Cが、何かの1スーターだったのだ。 Sは、Wの説明(C&H)と違うダミイが出てきたのを見て、「説明が間違っている!」と言って、ディレクターを呼んでスコア調整(3HXE4ダウン、+800?)を要求していたが、調整は無し。 だってSには、スクリーンメイトのWから、EWペアの正しい約束の説明がされているからだ。 ちゃんと正しい説明だったという証拠のサマリーも持っているぞ。 「文句いわれる筋合いはない。 おれが、ど忘れしただけのことや!」

(プレイ)
(ダミイを見た林の感想)
「またじっさん壊れたか?!」
(トトロの感想)
 つまらんつっこみ(結果的に1IMPも変わらない)ですが、T11で、トランプのH9でSにスローインしたら、SのDKJから、EのDQ10に打ち込みで、3ダウンだったのでしょ? 林のことだから、ダブられてもない勘違い3Hなんか、さっさとプレイして、感情をクールダウンさせる時間を大事にしたのね。 良いプレイです。

(ホームテーブル) 
1N N2 +120
 W  N  E  S
 S  高  K  清
          P
 P 1C? P 1S
 P 1N  P  P
 P
 OL:10
1:D10 D2 D5 DQ
2:HJ H3 H4 HK
3:C2 C4 C10 C3
4:DK DA D6 D8
5:H6 H5 HQ H9
6:SQ SK SA S6
日本:−2 IMP
#3
ディーラーS
EWバル
QJ
AQJ82
Q8
Q754

876
K5
965
KJ962
K954
1093
KJ107
A10

A1032
764
A432
83

(ビジターテーブル)
2H N5 −200
 W  N  E  S
 林  P  前  V
          P
 P 1N  P 2C
 X 2H  P  P
 P
 OL:
1:CA C3 C2 C4
2:H3 H4 HK HA
3:HQ H9 H6 H5
(ホームテーブル)
(オークション)
 Nの1Cオープンは謎。 見間違いか、記録違いか? ただ、Nが1Hオープンだったならば、Sは2Hレイズか、少し頑張ったドゥルーリ2Cレイズ(3+H、10+)したはずだし。。。

(ビジターテーブル)
(オークション)
 サードハンドのN、バリュー不足、かつオフシェイプな1Nオープンが試みられた。 1Hオープンしなかったのは、強い可能性のあるEを(特にSスーツを)牽制する狙いか。 意味不明で、極めてダウトな1Nオープンに見える。 
 Sの2Cステイマンに、Wはリードショウイングダブル。 予想されるNの4H、3N、4Sのコントラクトに備えて、EのS、Dの振り込みリードを避ける狙い。 S、Dスーツのすっきりしたアナーの無さが、Cのリードショウイングダブルを掛ける価値を高めている。

(ホームテーブル) 
3N S7 +720
 W  N  E  S
 S  高  K  清
2D  X 2H 3N
 P  P  P
 OL:
1:S3 SQ S8 S4
日本:−12IMP
#4
ディーラーW
ボスバル
Q6
A9876
Q8
AQ93

KJ9732

A1097
52
1085
10543
KJ543

A4
KQJ
62
KJ10874

(ビジターテーブル)
6C S7 −1390
 W  N  E  S
 林  P  前  V
2S  X 3S 6C
 P  P  P
 OL:
1:S9 SQ S8 S4
2:C3 C6 C7 C2
3:CJ C5 C9 D3
4:HK H2 H6 H3
   
(ホームテーブル)
(オークション)
 Wのマルチ2Dオープンに対するNのダブルの取り決めがなんだったのか。 まだ尋ねていないので不明である。 ナチュラルになるなら、2Hオーバーコールするのが自然なハンド。 Eのパスオァコレクトの2Hに対して、Sは3Nにジャンプした。 3Cはノンフォーシングになるし、ダブル、3Hキュービッドは、大事な3Nのコントラクトを通り越してしまう危険がある。 プリエンプティブに対して3Nのゲームコントラクト選択は、正解の頻度が高い。 二つのハンドを合わせたベストコントラクトは、4H、5Cであるが、「打ち抜かれなかった」打ち抜きのコントラクトは、立派なコントラクトと評価される。

(ビジターテーブル)
(オークション)
 Wのウィーク2Sオープンに、Nがテイクアウトダブル。 さて、Eは? 
 Wの林の意見は、リードショウイング3Dをビッドする絶好の機会を逃してはならない、であった。 だが、テーブルでのEの前田の判断は、Hスーツをプリエンプティブ出来る、ぼんやりした3SレイズSの方が効果的、であった。 そして。。。

(プレイ)
 Sのギャンブル気味の6Cジャンプに対して、Wのオープニングリードは?
 Wの林の考えは、「Eからのリードショウイングが特に無かったので、危険のあるDリードは避けて、損しない(!)だろうパッシブSリードにしよう。」となった。 一方、Eの前田の感想は、「6CにジャンプしたSは、Sスーツのリードに自信があるはず。 読まれているSリードで無く、ブラインドのDAリードがチャンスだろ?」であった。

(トトロの感想)
 お互いが自分の世界でパートナーのビッドを考えてしまうという、パートナーシップを考慮しないミス。 パートナーは自分とは違う考えも持っていて当たり前、という事を知るのがパートナーシップの第一歩である。 良いパートナーシップとは、お互いが同じ考えで、同じビッドをすることではない。 パートナーと自分の違いを解りあうための、第三者的存在がパートナーシップなのだ。 パートナーシップに照らし合わせてのみ、パートナーのビッドは理解するものである。
 3Sをビッドした場合のWのリードをEが思いめぐらしたならば、Eは3Dのリードショウイングをして、6Cを作られる(−1390)事はなかったろう。 だがきっと、Sも5Cに止まって穏便な(−600)だったに違いない。 また、WがEのアイデア(敢えてDを紹介しないで、WとS、ともにブラインドで勝負!)を生かしきるDAリードに思い至ったならば、大もうけの(+100)だったのだろう。 「パートナーシップとは」を、大いに考えさせるボード。
 ところで、Wの6−4のウィーク2Sは、常識的、当然なオープンだったのであろうか? 6−4形は、元々6322に較べて強すぎるので、ウィーク2には向かないもの。 ましてや、この両テーブルの結果。 結局、「オープンしていいことあった?」

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