絶壁に松・奇岩、石柱の大画廊・まさに水墨画の世界・黄山と三清山を巡る旅
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上海〜杭州〜龍遊石窟〜江朗山〜二十八都〜三清山〜李抗村〜黄山〜安微古村群〜上海
天下の絶景・世界遺産、三清山と黄山を行く(後)
黄山の絶景
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旅5日目 三清山〜黄山温泉へ
雨が晴れた!三清山の朝
刺激的なWベットに驚かされた三清山のホテル
旅5日目の朝は世界自然遺産「三清山」の山麓にある「三清天堂国際大酒店」という大げさな名前のホテルで迎えた。時刻は5時を過ぎたばかりで、ツインの隣のベットではまだ女房が寝息をたてている。
天候が気になってしょうがない!何しろ中国入りして昨夜まで4日間連続の雨降りなのである。ベットを出ると忍び足で窓のカーテンを少し開けてみた。くっきり晴れているではないか。よかった!やっと5日目にして晴れてくれた。
旅の初日、夕食のレストランで旅仲間がそれぞれ自己紹介する場面があった。席上、私は自分が強力パワーの雨男であるむねを告白したのだが、誰もが「大丈夫です!私は晴れ女ですから!」とか「私も晴れ男ですから心配無用!」と笑って取り合わなかった。ところが連日の降雨に昨日の夕食の席上では、とうとう皆が恨めしそうな顔で私を見るようになってしまった。冗談でない!本気になって恨まれても困る。
出発前のひと時
ここは「紹興酒」の産地
降り続いた雨が上がり、昨日登山した三清山が見える
今日の出発はゆったりタイムの9時である。6時半からの朝食を終え部屋に戻り、出発準備を整えると何もすることが無くなった。出発までまだ1時間半もある。退屈なので早朝の街でもブラつこうと外に出てみた。
昨日までの雨がうそのように、すっきり青空が広がりさわやかな空気が身を包む。民家の屋根越しに昨日登った「三清山」の山並みがくっきり見える。
通りの商店も8時前なのにすでに店を開け始めた。すると道路越しに昨日は気がつかなかった酒の専門店の看板が目に入った!そういえば、この地は紹興酒の醸造元が集まる一大産地である。
この三清山のエリアは中国の春秋戦国時代、「臥薪嘗胆」「呉越同舟」など、現代にも故事成語として伝わるエピソードを生んだ越国(紀元前600年頃〜紀元前334年)のあったところである。その越国の首都がいまは紹興酒のふるさととして世界に名を知られる「紹興市」なのだ。
本場の紹興酒を買う
酒といえば、親しく付き合っている飲み仲間の顔が、すぐ脳裏に浮かぶ。サラリーマン時代の同僚や、「NPO法人札幌シニアネット」の会員として知り合った仲間と、毎月のように飲み会を開いているのだ。これら仲間との飲み会に紹興酒を買っていこうと思い立った。時おり仲間が旅先で手に入れた銘酒を、常連さんで利用している和食店や中華料理店に持込みしては試飲会をやったりしているのである。もちろん持込み料などは無料だ。
友人との飲み会に購入した本場の紹興酒
店内に入ると、さまざま中国酒が並んでいる棚に「景徳鎮製」陶器の10年物古酒で、木箱の化粧箱に入った高そうなヤツがある。
店主らしき男に値段を聞くと何と!340元(日本円換算で4500円)もする。物価が日本の4分の一程度の中国で4500円といえば、日本の物価に換算すると2万円近くもする超高級酒である。ちょっと高すぎる!迷った!でも酒好きの仲間の嬉しそうな顔が目に浮かぶ!よし!買おうと思い、店主と値切り交渉を始めたが、相手もさるもの!私がが買う気満々でいるのを読まれてしまい、なかなか値引かない。「遠い日本からこんな山奥まで来たのだから安くせよ!」と粘ったが、結局280元まで値下げさせたところで諦めて買うことにした。すると店主が「俺はこちらの紹興酒が好きだ!安いし美味いよ!」ともう1本勧めてくる。結局2本買うことになってしまった。帰国したらさっそく飲み会を開かねば・・・
バスは走る黄山温泉町へ
中国一美しい田園地帯
白壁に黒瓦の三階建ての、こざっぱりした農村
出発時間が来た!今日のスケジュールは明日の「黄山トレッキング」に備え、山麓の黄山温泉までバス移動である。途中、何か所の観光スポットに立ち寄ることになっている。
バスは江南(長江の南)の田園地帯を西に向け走り出した。
今日最初の観光は中国陶磁器の故郷「景徳鎮」に接する「ブ源」である。
車窓からは江南建築様式独特の白壁に黒瓦屋根、そしてどの家も3階建ての屋根に、りっぱな「うだつ」が上がっている。小ざっぱりした住居の色黒のコントラストが何とも美しい。中国の農村も豊かになったものだ!
現存する最古の屋根付き橋とされる「彩虹橋」
一時間半ほど走ると中国一美しい田園とされる「ブ源」県に入った(すぐ隣は景徳鎮市)。まず、ここでは南宋時代(12世紀ごろ)に建てられた現存する最古の橋として知られる「彩虹橋」を見学することになっている。
露店が立ち並ぶ誘導路を通り抜けると屋根付きの木橋が見える。古い橋だというが、それほど年代を感じない。
橋を渡り対岸から飛び石を渡って戻ってくるのだが、連日の雨で水量が増え、飛び石の上まで水かさがきており、流れもきつい、渡り切るにはかなり度胸がいる。
我が女房殿が先頭を切って渡り始めた
足を踏み外し川にドボンする観光客がけっこういるらしい。
皆が及び腰で渡るのを辞退しているなか、我が女房殿が先頭を切って渡り始めたではないか!へっぴり腰ながら我が女房なかなか肝が据わっている!またしても女房の意外な一面を見た思いだ。
中国一の美しい村「李坑村」
次は「ブ源」最大の観光ポイント「中国の一番美しい村」と称賛される「李坑村」の見学である。村人の殆ど全ての名字が李性という古村だ。
中国で一番美しい村とされる「李坑村」
南宋時代からの歴史を持つ村で木材で財を成した一族が住み着き、今日までひっそりと昔ながらの生活様式を守っている村だという。
村の中央を1本の小川が流れそれに沿って民家が形成され、どの家も白壁に屋根には馬頭壁(うだつ)が上がる、江南地方の特徴的な建築様式だ。村の入り口に楠(クスノキ)の大木があり村の神木だという。この木からは樟脳が採取されるので防虫効果もあるらしい。
裏山から見下ろした「李坑村」山に囲まれている
川沿いの青石の歩道を歩みながら村の中央に入りこんでいくとタイムスリップしたような感覚になる。
私たちは通路のあちこちにいる中国人観光客とは別なルートで村内を巡ると、村はずれの路地裏を通り抜け竹林の坂道を登っていく。やがて小高い裏山の頂きに出ると、山に囲まれた隠れ里のような「李坑村」が眼下に広がった。
昼食を村の食堂で食べたが、出された「高菜の炒飯」が実に美味く、全員が満足だった。
伝統的古村「暁起村」
迷路のような路地が続く暁起村
次は「暁起村」の観光である。村に着き道路脇の駐車場にバスを停めたが、どこにも村らしき村落が見えない。ガイドを先頭に、うっそうと茂る林の坂道を登り、小山を越えしばらく進むと目的の「暁起村」が見えてきた。
この村も明清時代の建物が多く残り“中国茶文化第一村”と言われる石の牌坊が残る古い村落だ。
歩いていると暑くなりだした!気温がすでに28度もあるという。この村は教育に力を入れ、中国古来の官吏登用試験である「科挙」の最終合格者を多く輩出したことでも知られているところだ。
中国人の団体が入り込み、路地は身動きができない
黒い石畳の路地に足を踏み入れると、人がすれ違うのがやっとの細い路が、迷路のように曲がりくねって伸びている。 中国人の団体が路地に入り込んできて路地が身動きできないほどになった。
そのうるさいこと半端でない!
村の奥まで進むと、広場の中心に樹齢千年と云われるクスノキの大木があり、先ほど見学した「李坑村」同様、村の守り神だという。この辺の村はどこもクスノキの大樹を神木としているようだ。
黄山山麓の黄山温泉
中国一美しい田園地帯の明清時代にタイムスリップしたような二つの村の見学を終えると、バスは明日からの世界遺産「黄山」登山の拠点となる「黄山温泉」に向け走り出した。
2時間ほど走ると黄山の山並みが見える山麓のホテルに着いた。街中どこもホテルだらけで、大通りの両側は土産物店がずらり軒を連ねる賑やかな街である。
「黄山」登山の拠点となる黄山温泉
ホテルにチェックイン後、ミネラルウォーターを買おうとロビーに降りると、ウオーキングシューズの靴底がパタパタと音を立てる。靴を脱いで見ると何と!靴底が半分はがれているではないか。
昨日までの連続の雨で靴底の接着剤がはがれてしまったのだ。
マズイ!これでは歩くことができない。慌てて接着剤を買うべく、パタパタする靴底を引きずり商店街に出たが、土産物店ばかりでコンビニや100円ショップなんてどこにもない。何軒もの土産物店をはしごして、その都度、店員に靴底を見せ「接着剤がないか?」と聞くのだが、どの店も「没有」(無い!)」と言うではないか。
接着剤を求めて日が落ちた街をうろついていると、路地裏の小さな店で、店主が個人用に持っていた接着剤を取り出し「これを使え!」と言ってくれるではないか。感謝に何か買ってやらねばと思い商品棚を見ると蜂蜜がある。値段聞くと結構高い!お礼なので値切らず買うべきなのだが、貧乏性の悲しさ、思わず意思に反して「安くして!」の言葉が出てしまう。
旅6日目・終日黄山トレッキング
天下の絶景は黄山に集まる
ホテルの窓からは、これから登山する黄山の峰が
今回の旅のメインである世界遺産「黄山」へ登山する朝を山麓のホテルで迎えた。
時刻はまだ5時だが、やらねばならぬ作業がある。今日、明日と「黄山」山上にあるホテルに二連泊するのだが、山中のため旅行ケースは持って行けない。そのため2泊分の身の回り品をリュックに詰め直し、ポーターに預け山中のホテルまで運んでもらうのである。旅行ケースは下山してくるまでこのホテルに預かってもらうのだ。
天候具合が気になってしょうがない!起床第一番に部屋のカーテンを開けて見ると、くっきりと晴れ上がった空に、これから登る黄山に山並みが遠望できた。思わず安堵の声が出る!でも油断はできぬ!この黄山、過去三回の登山経験では、晴れていてもすぐ天候が急変し霧がかかり雨が降り出すのだ。
準備を整え、ポーターに運んでもらう身の回り品を詰めたリュック、自分が持参する「ジャンパー」「雨合羽」「カメラ」「携帯食」等を詰めたショルダーバックを持つとロビーに下りた。
天下の絶景「黄山」の概要
黄山登らずして山を語るなかれ!と云われる黄山の絶景
峰々に雲海が織りなし、名山中の名山とされる世界遺産の「黄山」。伝説の仙境(仙人が住む世界)を連想させ水墨画によく画かれてきた山だ。
72の奇峰から成り立ち、奇松、怪石、奇峰が林立する中国を代表する山岳風景区である。降雨多湿地帯であることから霧と雲海がいつも発生し、険しい峰々と絶壁に松が映える景観が、ことのほか美しい標高2000mほどの山である。
峰々に雲海が織りなす
水墨画のような世界
古来から「天下第一の奇山」とか「天下の名景は黄山に集まる」「黄山登らずして山を語るなかれ」と黄山を称えた賛辞はあまりにも有名である。
漢詩にもよく詠まれ唐代の詩聖「李白」や「郭沫若」など多くの文人がこの山を訪れ訪れた。山中は幾つかの風景区に分かれており、その中心をなすのが名峰・奇岩が集まる「天海風景区」と「北海風景区」である。中国人にとっては生涯に一度は登りたい憧れの山、それが黄山なのだ。
黄山一の景観「玉塀楼」へ
玉塀ロープウエィで山上へ
ロープウエィの出発駅「慈光閣」背後には玉塀楼の峰が
黄山山頂まで行くには徒歩で登るのと、三か所にあるロープウエィを使う方法がある。
今日のスケジュールは午前中に玉塀ロープウェイを使い、黄山の中では最も景観が素晴らしいとされる天海風景区の「玉塀楼」に行き、最高峰の「蓮花峰」や「迎客松」を観光。その後、一度下山して午後からは雲谷ロープウェイを使い北海風景区の「始信峰」「黒虎松」を眺めながら山上のホテルへと向かうことになっている。
そしていったんホテルにチェックイン後、再び黄山に沈む夕日鑑賞に出かけるのである。
玉塀ロープウェイで山上駅まで登る
出発時間の9時がやってきた!バスは私たちを乗せ、曲がりくねった山道を走ること30分弱で「玉塀ロオープウエィ」の出発駅「慈光閣」に着いた。慈光閣の背後に、青空に広がる黄山の峰々が目に飛び込んでくる。
4度目の挑戦にしてやっと晴れた天候に、今度こそ黄山の絶景を堪能できると思うと期待感に胸が高鳴る。
6人乗りスイス製のゴンドラに乗り込んだ。すーっと一挙に岩山の谷底に滑り出ると、かなりのスピードでぐんぐん登って行く。
玉塀楼まで続く石段、途中で振り返るとこんな景観
山上駅までの距離は2200mほどである。眼下にはむき出しの白い岩山に松の緑の美しい絶景が広がる。快適である!夢中でカメラのシャッターを押していると10分弱で海抜1600mの山上「玉塀駅」に着いた。
駅を出た途端、巨大な岩山をくり抜いて造った急峻な石段の登山道がずっと伸びている。これをこれから登って行くのだ。
気温は18度で爽やかな空気が身を包む。石段を登り始めると
やがて二股分岐点に突き当たる。蓮花峰へ、まるで蟻の行列のように登って行く
左に進むと黄山の最高峰、標高1860mの「蓮花峰」で、右側が玉塀楼への路だ。どの路も登山客で溢れかえり、蓮花峰へ伸びる石段をアリの行列のように登っているのが目に入る。
急峻な石段がちょっと辛いが、青空の下、どこを見ても素晴らしい絶景に快適なトレッキングとなった。
前後を大勢の観光客に挟まれ、押されるようにして登る。
景観ポイントで足を止めシャッターを押しながら進んでいると、やがて、むき出しの巨石、怪石で囲まれた玉塀楼の奇怪石「象鼻石」
玉塀楼
に着いた。 広場が登山客で埋め尽くされている。前方には黄山で最も有名な「迎客松」、そしてその向こうには黄山第2の標高1810mの天都峰が見える。広場の中央には何とも奇妙な形の「象鼻石」デ〜ンと鎮座している。
しばらく自由行動となったので、シャッターポイントに行くと、絶壁に突き出たどの景観台も黒山の人だかりで身動きできないほどだ。
それにしても中国人は写真を撮る時間が長い!狭い景観台で、あれこれポーズをつくり、カメラを構えたまましばらく動こうとしない。待機している人のことなどお構いなしで、イラつき景観台に割り込もうものなら怒鳴ってくるから始末が悪い。
家内と二人、しばし絶景を求めて動き回っていると、やがて自由時間も終わり昼食の時間となった。昼食場所は広場にあるレストランで、混み合う店内での食事となった。
「黄山」玉塀楼のスライド画像
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玉塀楼からの展望 |
むき出しの岩肌に松 |
北海風景区方面へ |
最高峰の蓮花峰 |
最も有名な迎客松 |
目の前にそそり立つ |
玉塀楼の奇石 |
第2の標高、天都峰 |
午後は北海風景区と北海賓館へ
北海風景区の「始信峰」
ポーターが我々の荷物を担いで登っていく
玉塀楼のレストランでの昼食を終えると、いったん下山である。再び玉塀ロープウェイで慈光閣まで降りると、待機しているバスに乗り込んだ。
午後からは別なロープウエィを使い、再び「黄山」山上に登り、二連泊するホテルまで行くのである。 バスは山中を20分ほど走り雲谷ロープウエィ山麓駅に着くと、ここで二日分の身の回り品を詰めたリュックとショルダーバックを持つと50名定員の大型ゴンドラに乗り込んだ。
山上駅までは2800m程の距離で、眼下には、先ほどの玉塀ロープウェイの景観とは違って、緑豊かな山林と岩山が広がった。
10分ほどで山上駅に着くと、ポーターが待機しており、私たちは添乗員を含め8名分の荷物を一人のポーターに預けた。リュック1個の重量は最低でも5〜6kgはある。絶壁の石段を登ったり下ったりしながら始信峰へ
私のリュックには缶詰や日本が入っているので8kgはあるはずで、全8個の荷物の合計重量は50kgぐらいあるはずだ。それを天秤棒でぶら下げるとポーターはは石段を登り始めた。何も持たずに石段を登るだけでも辛いのに、商売とはいえ頭が下がる。
ポーターとは途中で別れると、私たちは黄山の代表的絶景の一つである標高1668mの「始信峰」に向かった。絶壁に張り付いたような石段を登ったり下ったり進んで行く。進行方向の右手が谷底で彼方には黄山の峰々がくっきり見える。
歩くことしばらく、峰に伸びる細い石段を下ると絶壁に突き出したような形の展望台に着いた。絶景の「始信峰」の大パノラマが目の前いっぱいに広がり、旅仲間全員から歓声が上がる。
始信峰〜北海賓館にかけて
北海風景区のスライド画像
画像の上でクリックすると拡大画像になります。(画像を閉じるにはページ右上の×で)
始信峰からの展望 |
展望台からの絶景 |
始信峰からの絶景 |
岩に緑の松が映える |
始信峰からの展望 |
始信峰からの絶景 |
北海風景区の絶景 |
北海風景区の絶景 |
二連泊する「北海賓館」
眼下の彼方に2連泊する北海賓館が見えてきた
しばし始信峰の絶景を堪能し、数多くの景観をカメラに収め、再び遊歩道を進みだすと、さまざまな名前がついた奇松が現れる。やがて彼方の盆地のような地形に、これから2連泊する北海賓館が見えてきた。
このホテル、北海風景区の中心、標高1600mに位置し、部屋数125の四つ星ホテルである。 玄関前に到着すると、韓国人の団体が、続々と階段を登りロビーに入っていく!すごい人数である。着ている衣装も派手だ!赤、青、黄の原色ジャンパーで、まるで交通信号機のようだ。韓国も豊かになり旅行ブームなのが実感できる。
ホテル前はカラフル衣装の韓国人旅行客でいっぱい
同行現地ガイドが、いま黄山に来る外国人観光客で一番多いのが「韓国人」、2番「日本人」3番「フランス人」だと言う。かっては日本が一番だったが、いまは韓国が断トツの一位だと言うのである。
日本を反面教師として、いち早く世界各国と自由貿易協定(FTA)を締結し、輸出産業の国際競争力を高めた韓国。いまや世界市場で日本製品を駆逐し、とって代わりつつある。
日本といえば危機感もなく、農業団体の反対で自由貿易協定(FTA)の締結が結べず、日本企業は国際市場を奪われシェアーを大きく落とし続けている。。戦後の日本の繁栄の源であった日本を代表する企業「ソニー・シャープ、パナソニック」などは赤字決算続出で工場閉鎖とリストラで雇用が失われ、失業者が増えていくばかりだ。日本は工業立国なのである。
一刻も早く自由貿易協定(FTA)を締結し奪われたシェアーを奪回してほしいものだ。
苦境の日本企業に対し、輸出産業を中心に好調な韓国経済、あらためて韓国人旅行客の多さを目のあたりにすると、日の出の勢いのコリアンパワーを感じる思いだ。
もとへ、時刻はまだ15時を過ぎたばかりである。いったん部屋にチェックインすると夕日鑑賞に出かけるまで自由行動となった。
黄山に沈む夕日
夕日を浴び染まりだした黄山の西海風景区
17時半、夕日鑑賞に出かける時間がやってきた。これから黄山で最も美しい夕日が鑑賞できる「丹霞峰」の「排雲亭」まで出かけるのだ。
遊歩道の石段を西方面へ30分ほど登っていくと、左手に西海風景区の峰々が見えてきた。 カメラのシャッターを押しながら進んでいると、絶壁の峰の岩肌が夕日を浴び刻々と赤く染まっていく。
歩みを進めていると、やがて黄山3番目の太平ロープウエイの山上駅「丹霞駅」へ着いた。眼前は丹霞峰で、頂上まで急峻な石段が伸びており、その途中に夕日の名所「排雲亭」があるのだ。
夕日が映え美しく染まりだした黄山の峰々
石段に腰を下ろし息を整えていると、同行の現地ガイドが駆けてきて「これ以上登らなくてもよい!」と言うではないか!ガイドが言うことには、ロープウェイ駅の駅長が知り合いで「山上駅舎」の4階西側テラスを内緒で我々にだけに解放してくれる」と言うのである。
その西側テラスからは真正面に峰々に沈む夕日の絶景が鑑賞できると云うのだ。何でもアリの中国だ!こういうハプニングはありがたい。
夕日鑑賞待ちしている多くの観光客の中から、我々だけこっそり抜け出すと、駅舎の階段を4階まで登った。扉を開けてテラスにでると、まさにこれから夕日が沈もうとする峰々が眼前に広がっている。幻想的な景観にしばし夢中でシャッターを切る。
韓国人と日本人
黄山西側の峰に沈む夕日、松のシルエットが美しい
夕日鑑賞を終え、暗い夜道を懐中電灯で照らしながらホテルに戻ってくると、そのまま夕食会場のレストランへ直行となった。店内はぎっしり超満席状態で、どの席でもすでに賑やかに食事が始まっている。
混み合う店内の奥まった席に案内され、私達が坐ろうとすると、賑やかに談笑していた周りのテーブルが一瞬静かになった!そして私たちの一挙一動に視線を浴びせてくる。
なぜかその視線に”冷たさ”を感じるイヤな雰囲気である。周囲をあらためて見わたすと、何と!私たちの席は先ほどの韓国人団体に取り囲まれているではないか。
韓国人団体客で込み合うホテルのレストラン。
「何となく感じる冷たい視線!」韓国の大手新聞社が国民に対し、「好きな国」「嫌いな国」についてアンケート調査したところ、嫌いな国の1位が日本で、何と!韓国人の60%が日本に対し嫌悪感を持っているという。2位が中国の13%、3位が北朝鮮の10%という結果がWebサイトに掲載されていた。
圧倒的、断トツの一位で日本が嫌いだというのである。過去の歴史歴背景が影響して、このような結果になったとはいえ、驚きを通り越して恐ろしさを感じる数字だ。
いっぽう日本といえば、こんな韓国人の心情などお構いなしで、世を上げて「韓流ブーム」で浮かれている。TVのスイッチを入れれば「韓国ドラマ、映画にKポップ」のオンパレード。ヨン様、サン様と韓国俳優に熱を上げ、何度も韓国へショッピング旅行に出かける。このギャップはどうなっているのだ! 何となく落ち着かない雰囲気に私たちは大声を出さず、つつましく食事を済ませると、草々に部屋へ引き上げることにした。(私が感じたことを主観的に表現してます。読まれて不快に感じましたらご容赦ください)
旅7日目・終日黄山トレッキング
「獅子峰」で「日の出」鑑賞
”押しくらまんじゅう”で日の出を待つ人々
午前4時、モーニングコールが鳴った!ここは「黄山」北海風景区の山中にある「北海賓館」である。こんな早い時間に起床するのは、これから「日の出鑑賞」に出かけるのだ。
あわてて防寒ジャンパーを着込みロービーに下りていくと、すでに広いロビーが「日の出鑑賞」に出かける宿泊客でごった返している。まだ暗い空模様は晴れのようだ。持参した懐中電灯を点けると足元を照らしながら日の出鑑賞の名所「清涼台」へむけ石段を登り始めた。
日の出の名所「獅子峰」に日が昇り始めた
15分ほど歩むと展望台に着いた。この展望台からは名峰「獅子峰」の峰々から登る日の出が鑑賞できるのである。すでに狭い展望台は黒山の人だかりで、見晴らしのよい場所を確保するべく”押しくらまんじゅう”をしている。
陣地取りを競い合っていると、やがて東の空が薄明るくなり始めた。時刻はちょうど5時になろうとしている。押し合いへし合いで待つこと30分、雲の中に太陽が登り始めると歓声が上がった。
昨日の夕日の絶景に比べると少々もの足りないが、何とか黄山の日の出を堪能できた。来た道をいったんホテルに戻ると朝食である。
午前の観光「翡翠谷」へ
黄山3番目の太平ロープウェイで翡翠谷へ
日の出鑑賞後、朝食を終えると、8時半、きょう午前の観光となる「翡翠谷」に向けホテルを再出発した。これから昨日、夕日鑑賞した太平ロープウエイの山上駅「丹霞駅」まで、同じ路を40分ほど歩み、ロープウェイに乗り、黄山の北側山麓の「翡翠谷」まで下山するのである。
天候にも恵まれ、これで3日連続の晴れである。雨男の私としては信じられない思いだ。4度目の黄山、思い切ってやって来た甲斐があった。
「丹霞駅」で100名乗りの巨大なゴンドラに乗り込んだ。ゴンドラの窓からは黄山北側峰々の絶景が次々と目に飛び込んでくる。山麓の松谷駅までは距離3700m、時間にして10分ほどである。
黄山北側の翡翠谷に下り、竹林をしばらく歩く。
竹林が広がる谷底に下りると、観光名所「翡翠池」まで、黄山の山々を下から眺めながらのトレッキングとなった。幾度も蛇が出現する遊歩道を大騒ぎしながら30分ほど進むと、やがて目的の「翡翠池」に着いた。
翡翠色の水をたたえた小さな池があるだけで、時間をかけて来た割には少々がっかりした気分になる。しばし休息すると、また同じ道を引き返しロープウエィで山上まで戻ると、時刻はちょうど昼である。
西海賓館の敷地内にあるレストランで昼食
昼食のため石畳の遊歩道を、私たちが宿泊している北海賓館の方へ下って行くと、途中で「西海賓館(ホテル)」の敷地内に出る。このホテルも黄山を代表するホテルの一つで、現在拡張工事中なのだがレストランは営業中ということで、ここでの昼食となった。
汗をずいぶん流した!喉が渇き、ビールを飲みたくてうずうずしている。
席に着くや店員に缶ビールを持ってこさせ、冷えているかどうか手で触って確認すると、バッチリ冷えている。値段を聞くと30元(約400円)だという。
日本に比べ物価が格段に安い中国にとって、30元といえば日本の物価に直すと1500円以上にも相当する値段だ。
ホテルで使う品々はポーターが担ぎ上げる
高い理由は明白である!山中のホテルまで、すべてポーターが急峻な石段を、天秤棒を担いで運び上げてくるのだ。高くても文句など言えない。
最近、頻尿で苦しんでいる我が身、山中にトイレなんて無いので、ビールなぞ飲むべきでないのだが我慢できぬ!
女房が止めるのも聞かず500ml缶を2缶まとめて注文した。渇いた喉に冷えたビールが流れ込む!まさに甘露だ。案の定、午後からは小便する場所を探して山中をうろつくことになった。
黄山を代表する奇石「飛来石」
介護はどうなる?不安な老後
しばらくは山林の中の石段をひたすら登る。
昼食を終えると、午後からは黄山奇岩の代表ともいうべき、「飛来石」、「光明頂」などを巡ることになっている。
飲んだビールの心地よい酔いに、疲労感も薄れ元気も出た。
山の爽やかな空気が身を包み、ルンルン気分で歩み出した。
登りの石段がしばらく続くと、少し下り石段、そしてまた登りの石段の繰り返しで、平坦な路がほとんどない。天秤棒にホテルの洗濯用シーツを、てんこ盛りに詰め込んだカゴをぶら下げたポーターや、足の弱い観光客を運ぶ「西海風景区」の切り立った峰々
「駕篭かき」がいたるところにおり、少し登っては石段の途中で休みながら汗を拭っている。おそらく老後は職業病で腰痛に苦しむに違いない!大変な商売だ。
やがて山林の中の石段を登り切ると、尾根道に出て視界が開けた。進行方向の右手は断崖絶壁の深い渓谷で、黄山「西海風景区」の峰々が切り立った岩肌を見せている。
次々と変化にとんだ山岳風景が現れるのを見ながら、カメラのシャタッターを押しつつつ、ひたすら石段を登っていく。
ビールが効いて歩むのが辛くなりだした
それにしても、3日前の三清山の石段もキツかったが、きょうの黄山の石段は三清山の比ではない。登りばかりの石段が延々と続くのである。とうとう身体が悲鳴を上げだした。
30分ほど我慢して歩いていたが、足が重くなり膝が上がらぬようになってきた。汗が吹き出る!昼食に飲んだビールのせいなのか?後悔したがもう遅い!。
歩む速度が落ち、いつの間にか仲間の最後尾となり、前を進む女房との距離が徐々に開いていく。
谷の向こうに黄山を代表する奇石「飛来石」が遠望できる場所あたりまで来ると、
谷の向こうに奇石「飛来石」が見えてきた。このあたりでダウン
とうとう女房の後ろ姿が、
まったく見えなくなった。
また三清山と同じ二の舞を演じることになってしまった。我が身が情けない!
”路肩にヘタりこみ喘いでいる”私を気にもかけず置き去りにして行ってしまった我が女房!薄情すぎる。
夫婦愛はもう無くなったのか?何ということだ!
このぶんでは、この先の老後、私に万が一の場合、女房に介護はしてもらえぬのではと、不安が脳裏をよぎる。
この点について、帰国したらしっかり話し合いせねばならぬ!。
それにしてもだらしない我が身。
普段から旅を楽しむには、
汗を流しだいぶ登ってきた!振り返ると絶景が
足腰が丈夫でなければならぬと、春〜秋にかけて一日も欠かすことなくウオーキングに出かけ、冬は雪道は危険なので、近くのフィットネスクラブに通い足腰を鍛えてきたのである。
それなのに何としたことだ!まるっきり効果がないではないか。
やっぱり私は虚弱体質で体が弱いのだ!(友人たちは、皆が「そんなことない!立派な体格だ」と否定するが・・・・
女房に追い着こうと着こうと必死に石段を登る。もはや景色を楽しむ余裕なんて無くなった!膝はガクガク、心臓ドキドキで汗が流れ出る。
黄山で最も有名な怪石「飛来石」絶壁の突端が展望台
死ぬ思いで名所「飛来石」までやってくると、とっくに先着し休息していた旅仲間が、私を指さし「来た!来た!」と笑いながら拍手するではないか。家内まで一緒だ!屈辱だ!私は息を整えるに精一杯でそれどころではない。
それにしても、高さ12m、重さ600トンの「飛来石」まさに圧巻の奇石である。渓谷に突き出した絶壁の上に、空から飛んできた石が突き刺さっているように見えるのである。
光明頂へ登りながら振り返ると、眼下に先ほどの飛来石が
その「飛来石」の突端が、絶壁の展望台になっており、梯子のような石段を登って行くのだが、高いところが苦手な人には絶対ムリである。
観光客の中でも度胸のある者だけがへっぴり腰で展望台へ登って行く。
私はまたしても無様な恰好を見せてしまった手前、屈辱を晴らすべく、尻込みしている仲間をあとに先頭を切って石段にへばりついた。
「飛来石」の展望台でしばし絶景を堪能すると、再び辛いトレッキングの開始である。もうダメだ!これ以上は一歩も進めぬと思ったころ、黄山を代表する景観ポイント「光明頂」の広場に出た。
360度パノラマの光明頂
「光明頂」からは昨日登った玉塀楼が展望できた
「光明頂に行かなければ黄山の本当の景色には出会えない」といわれるほどの名所で、黄山の日の出と雲海を鑑賞するベストスポットになっているところだ。
黄山第二の高さ1860mの峰の頂きには、売店や黄山気象観測所などが設置されている。しばし、ここで休息を兼ね自由行動となった。広場からは360度の視界のパノラマで、東海奇景、西海群峰、天都峰、蓮花峰、昨日観光した「玉屏楼」などが視界いっぱいに絶景を見せてくれる。
ホテルに戻る途中で左手を見上げると先ほどの飛来石が
「光明頂」で黄山を代表する峰々の絶景を楽しむと、きょうの予定は終わりである。ホテルへ戻る路はひたすら下り坂で、あれほど悲鳴を上げていた足腰も何とか歩みが進み、16時前にはホテルに戻ってしまった。
ロビーで添乗員が「希望者は昨日に引き続き、再度「夕日の名所」にご案内しますが、どなたか希望者おられますか?」と聞いた。誰も返事しない。冗談じゃない!疲労困憊でもう動けない。いくら絶景でももう結構だ!
飛来石〜光明頂にかけて
西海風景区のスライド画像
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奇岩の「飛来石」 |
西海風景区の景観 |
雲海と西海風景区 |
緑の松が美しい |
西海風景区の絶景 |
尾根道は断崖絶壁 |
光明頂からの展望 |
絶壁の展望台 |
旅8日目・黄山を下山して上海へ
世界遺産「西逓村」の古民居
黄山を下山する朝がやって来た。今回の旅も実質的な観光は今日が最後で明日は帰国である。
今日のスケジュールは黄山を下山して世界遺産の「西逓村」〜「宏村」〜「屯渓の老街」〜上海(泊)となっている。
本降りの雨の中、世界遺産の西逓村へ
6時に起床し、天候確認のためカーテンを開けると雨が降っている。それも本降りの雨だ。
4日間連続の雨でスタートした旅も、メインの「黄山」では3日間の晴れに恵まれたが、旅の終盤は、また雨でのスタートである。TVの天気予報では今日・明日と降雨となっていたが予報通りだ。
8時半、出発準備を整えロビーに降り、リュックをポーターに預けると、雨合羽を着こみ、下山するべく雲谷ロープウェイ駅に向け歩き出した。ポーターと一緒に雨の中、ひたすら無言で歩む。
やがてロープウェイ山麓駅まで下山するとバスが待機しており、いったん3日前に宿泊したホテルに向かった。預けてあった旅行ケースを受け取ると、バスは明清時代の古民家が多数残る世界遺産の「安微古民居群」の一つ「西逓村」に向けて走り出した。
狭い路地にびっしり軒を連ね古民居が続く
30分ほど雨に煙る農村地帯を走ると、きょう最初の観光となる「西逓村」に着いた。
人口1000人ほどの村で明清時代の古民家が数多く残っており、2000年に世界遺産に指定されたところだ。
傘をさしながら、村の入り口にある大きな鳥居のような門をくぐり、まるで迷路のような99本あるという高い白壁の路地に入り込んだ。現地ガイドを先頭に清流が流れる狭い路地を進むと、どの邸宅も華麗な庭と屋根にはウダツが上がっている。黒い大理石の窓枠、すかし窓、石で彫刻された欄干、木彫、彩絵で飾られた部屋壁など、明清時代の特徴を残す建物ばかりだ。
世界遺産「宏村」
南湖に架かる石橋を渡り「宏村」中へ入っていく
「西逓村」の次は南宋時代創建の村「宏村」の観光である。ここも世界遺産に指定され、中国では最も有名な村で「絵のなかの郷里」と呼ばれるほどである。中国中から美術を学ぶ学生達が画を書くため訪れるところだ。
本降りの雨にもかかわらず村の駐車場は観光バスで満杯状態で、入村券を買うにもしばらく時間がかかるほどである。村の南にある大きな「南湖」に架かる石橋を渡ると村への入り口である。
この村は「汪」という苗字を持つ人々が8割も集住しており、保存状態のいい
「宏村」の真ん中にも池がある
明清代の古民家は約140棟残っているという。
この村も迷路のような路地に清流が流れ、白壁に黒瓦屋根に豪華な「うだつ」があがる、江南地方独特の佇まいの建物ばかりだ。
あちこちの路地で画学生らしき人たちが、雨の中、傘の下にスケッチブックやキャンバスをひろげデッサンしている。
村内を一巡すると、ちょうど昼となり、村はずれのレストランで昼食をとると、次の目的地「屯渓の老街」への移動となった。
宋代の街並みの「屯渓老街」
買い物は自由行動で
宋、明、清時代の建築物が残る黄山市「屯渓老街」
バスは最後の観光となる黄山市「屯渓」にむけ走り出した。この「屯渓」は書道の必需品であある「硯や墨」の一大産地で、日本でも知られた町だ。
午後からは、この屯渓の宋代の町並みが残る老街を観光後、夕食を済ませ深夜便で上海に飛ぶのである。そして明日は上海から札幌に帰るのだ。
話がちょっと横道に入る!今回の旅の催行会社「世界紀行」は、ツアー客を営利目的に土産物店に案内しないことにしている。
買い物に費やす時間を、観光の充実にふりむける質の高い旅の提供をコンセプトにしている会社である。新聞紙面の激安価格で参加者を募り、その分、観光時間を犠牲にして、旅行期間中ウンザリするほど土産物店に強制連行するような○急交通社(○ラピックス)とはタイプが異なる旅行社なのだ。土産を買いたい人は自由行動時に買うことになる
したがって世界紀行のツアー客は、土産物を買いたい場合、自由行動の時に自分の判断で店を選び買い物をしなければならない。
そのようなことから明日の帰国を前に、今日午後からは、宋、明、清時代の建築物が残り、歩行者天国に多くの土産物店が軒を連ねる「屯渓の老街」でショッピングの利便を図るため自由行動となっているのだ。
もとへ!バスを降り老街へと足を踏み入れた。いかにも昔の中国にタイプスリップような商店街で、白壁の軒下に赤い提灯がぶら下がり、屋根には競い合うかのように豪華な「うだつ」があがっている。昔の中国の繁華街はかくのごとくであったろうと思わせる情緒満点の繁華街だ。
観光客で埋め尽くされたショッピング街の屯渓老街
屯渓空港発、上海便(22時半)の搭乗手続きまで時間はたっぷりある。私たちは2時間の自由時間をもらうことになった。
再集合場所の店を決めると、まだ小雨がそぼ降る通りにそれぞれが散っていく。
1.5キロメートルも続く石畳の通りの両脇には、宋代の面影を色濃く残す風格のあるさまざまな店が、ぎっしり軒を連ねている。
なかでも「お茶と乾物」「菓子」「漢方薬」「文房4宝」の専門店が多く、多くの中国人観光客が競い合うかのように買い物をしてる。
またしても家内が先頭を切って土産物探しを始めた
私達夫婦はすでに三清山と黄山で、家内は「龍井茶」、私は「紹興酒・蜂蜜」を土産物として買い物を終えている。
ぶらぶら商店街の店頭をのぞき見しながら歩いていると、家内がまたしても「友人8人にお茶は買ったが、息子夫婦には何も買っていない!」と言い出した。
私が息子たちは私達が中国に来ていることを知らないので「土産はいらない!」と言うのだが、もう家内は買う気満々で目の色が変わっている!私の言葉なぞ馬耳東風で、家内は先頭切って繁華街をうろつきだした。私はウンザリした気分で後についていくはめになってしまった。。
名物料理で宴会
自由行動を終えると、旅の最後を飾る夕食は、この8日間、我々に同行してくれた中国人ガイド(屯渓に居住)が、地元出身の利を生かして選んでくれた「安微料理」のレストランでの夕食となった。夕食は屯渓で一番美味しいレストランで宴会
ガイド曰く、屯渓で一番美味しいレストランだと云う。席が用意された個室に入ると世界紀行の添乗員が「最後の夕食なので好きな飲み物をいくらでも飲んでもかまいません!」「飲み物代金は当社が負担します」と言うではないか。
皆から歓声があがり、私は遠慮なくビールと紹興酒を1本注文する。
空港の搭乗手続き開始までたっぷり時間があるので、ゆったり気分の宴会モードとなった。料理も美味いし、酒もすすむ。
ちょっとトイレに立つべく、個室を出て階下のフロアーに下りていくとカウンターがあり、その背後の棚に、紹興酒がズラリ陳列されているのが目に入った!
晩酌用の紹興酒を買う
すでに飲み友達と飲むための、土産品の紹興酒は三清山で2本買ってある。しかし自分への土産はまだである。私は毎日欠かさず家で飲む晩酌党である。帰国して自宅で晩酌をする自分を想像すると、ムラムラときた!高そうな10年もの古酒に視線が釘付けになると、店員に向かって「あの紹興酒見せて!」と思わず声が出た・・・・
大満足の夕食を終えると、屯渓空港から上海へむけ飛び立った。全ての観光は終え、明日は朝一番で千歳空港便に搭乗し帰国である。
上海に降り立ちホテルにチャックインする頃は午前になっているはずである!機内で心地よい酔いに身を任せ、帰国後ホームページに掲載するため今日の旅日記をメモ帳を書いていると、いつの間にか眠りについてしまった。
天下の絶景・世界遺産、黄山と三清山を行く(後篇) 終わり
歴史ロマン紀行・歴史街道を行く http://www16.plala.or.jp/yasu310/ 天下の絶景・世界遺産の黄山と三清山を行く(後篇)
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