観点別の目標に準拠した指導評価における評価モデル
高等学校で従来から学校独自に行われている評価の基準にそいながら、観点別の目標に
準拠した学習評価を行うことを想定した評価モデルを設定してみました。
1 設定方針例
設定の際の基本方針としては、変更と負担が少なくなるよう、次の3点を考えてみまし
た。
○ 学校本来の基準により、評価及び総括を行う。
○ 観点別評価、目標に準拠した学習活動の評価の趣旨にそった評価及び総括を行う。
○ 評価の総括については、個々の評価項目のA、B、Cを点数化、これを合算したも
のの平均点で総括を行う。
○ できるだけ、単純な点数、評点管理を目指す。
2 設定条件例
具体的な設定条件は、次のようにしてみました。
○ 評点は各学期「100点満点」とし、内訳は「考査点80点、平常点20点」とする。
○ 考査点は100点満点で学期に1回の実施とする。
○ 評点と評定の対応は、「100点〜80点:5、79点〜65点:4、64点〜50点:3、
49点〜25点:2、24点〜0点:1」とする。
3 設定例
4観点の評点の振り分けは、ほぼ25%ずつとし、さらにその内の考査点と平常点の
割合は次のように割り振ってみました。
考査点 平常点 計
「関心・意欲・態度」 16% 9% 25%
「思考・判断」 19.5% 5.5% 25%
「技能・表現」 19.5% 5.5% 25%
「知識・理解」 25% 0% 25%
具体的には、次のような点数配分が考えられます。
考査点100点をそのまま合算できるよう、とりあえず125点満点に置き換えたものを、
例にあげてみました。
考査点 平常点 計
「関心・意欲・態度」 20点 11点 31点
「思考・判断」 24点 7点 31点
「技能・表現」 24点 7点 31点
「知識・理解」 32点 0点 32点
この個々の点数は、1評価項目を2点(もしくは1点)満点とし、Aは2点、Bは1点、
Cは0点として数値化されたもの(1点満点の場合は、各点も半分)が、合算されたもの
と考えられます。また、2点を超す評価項目(考査問題)は、これらに重みがついたもの
とみることができます。
そうすると、2点と1点との中間点1.5点がAとBとの境界、1点と0点との中間点
0.5点がBとCとの境界として、観点別の総括ができることになります。
各観点の評価は、このまま(31点もしくは32点満点のまま)でも可能です。
32点満点の場合は、32点×(1.5/2)=24点がAとBとの境界、32点×(0.5/2)=
8点が、BとCとの境界の点数となります。
同様に、31点満点の場合は、31点×(1.5/2)=23.3点がAとBとの境界、
31点×(0.5/2)=7.8点がBとCとの境界の点数となります。
評定は、125満点の合計点を100点満点に換算した上で、通常どおり評定できます。当
然、考査点を80点満点に直して、始めから100点満点で、総括を行ってもかまわないはずです。
4 評価例
評価例として、評定「5」に近い「4」、評定「1」に近い「2」をあげてみました。
<評価例1>
考査点 平常点 計
「関心・意欲・態度」 10点 + 10点 = 20点
「思考・判断」 20点 + 5点 = 25点
「技能・表現」 18点 + 5点 = 23点
「知識・理解」 28点 = 28点
評点は、96点×(100/125)=76.8点→77点
と評価されている場合、
「関心・意欲・態度」 20点 → 「B」
「思考・判断」 25点 → 「A」
「技能・表現」 23点 → 「A」
「知識・理解」 28点 → 「A」
「評定」 77点 → 「4」
と総括、評定されることとなります。
<評価例2>
考査点 平常点 計
「関心・意欲・態度」 2点 + 5点 = 7点
「思考・判断」 8点 + 3点 = 11点
「技能・表現」 9点 + 3点 = 12点
「知識・理解」 3点 = 3点
評点は、35点×(100/125)=28点
と評価されている場合、
「関心・意欲・態度」 7点 → 「C」
「思考・判断」 11点 → 「B」
「技能・表現」 12点 → 「B」
「知識・理解」 3点 → 「C」
「評定」 28点 → 「2」
と総括、評定されることとなります。
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