製作実習における「雛形づくり」の意義について


 完成した作品において生徒各自の創意工夫を期待する製作実習の場合でも、製作の初期の段階から生徒に自由に創作させるようにすることは必ずしも円滑な実習につながらないようです。また、観点別の評価をおこなう際、この段階での評価をどの観点のものとするか判断しかねることとなります。  さらに最終的な作品が、自由につくらせたはずなのに皆同じような作品になってしまったということも多いとおもいます。

 実習開始当初はこちらで用意した手順通りに「雛形」として製作をおこなわせながら、ソフトウエア・機器の活用等に慣らしていきながら,関心・意欲・態度の観点で指導をおこない、これを評価していき,これを次の応用・発展・創造の段階につなげて他の観点での指導・評価をおこなう方が,生徒、教員ともに負担のない円滑な実習がおこなえました。

 たとえばWebページ作成の際、エディタ上で原稿通りにタグを直接打たせていき(この段階では、技術や知識は必要ありません)、これをブラウザで見させます。Webページが現れると多くの生徒は驚きや興味を示します。そして、この段階ではちゃんと入力して雛形ができたかどうかで2〜3段階の簡単な評価をおこなっていきます。このようにして、他の観点をから独立して「関心・意欲・態度」に関する指導と評価がおこなえことになります。


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