大音響の訓練に抗議・横田基地に要請行動

 横田基地撤去と基地被害をなくす共同行動連絡センターは、20日、大音響のサイレンや爆発音・発光などを伴う訓練に抗議して、横田基地に対し要請行動を行いました。同様の訓練は5月15日深夜に初めて行われ、要請行動の前日6月19日には3回の及ぶ大音響のサイレンが鳴らされました。少なくとも夕刻以降は静かだった様ですが、エクササイズ チャーリーでした。 この訓練は6月から11月にわたる即応演習の一環として行われているものです。報道によれば周辺市町には、20日夕刻までに56件の抗議や問い合わせの電話が寄せられています。
 撤去センターは、今回の演習に対して、下のような要請書を基地側に手渡しました。また、参加した住民からは訓練が大変な驚きと恐怖を引き起こしたことへの怒りがリアルに語られました。

要請書
 五月一五日午後一〇時頃、横田基地で光が発し、異様な大音響のサイレンが約五分間にわたって鳴り響き、各自治体等には住民からの苦情や問い合わせが相次いだ。前もって自治体に対し「ジャイアントボイス機能訓練」の実施が通告されていたようであるが、通知の内容はサイレン一〇秒程度、アナウンス一〇〜二〇秒程度というもので、実際に行われた訓練は、これを大きく上回るものだった。
 六月一七日から七月三日(横田基地に於いては六月一七日から六月二一日)に運用即応演習、八月一二日から一六日・九月九日から一三日・一〇月七日から一一日に戦闘投入即応演習・一一月一一日から一五日に戦闘投入即応監査がおこなわれ、演習では、ジャイアントボイスや警告システム、攻撃を想定したグランド・バースト・シミュレータ(地上爆発模擬装置)、生物化学攻撃に対応する装置などを使用するとの通告が、六月一〇日付で行われた。
 昨日(六月一九日)早朝七時五分・九時五〇分・一六時三八分には五月一五日と同様の大音響のサイレンが周辺市町に鳴りわたった。また基地外にも聞こえる大音響のアナウンスも行われた。
 私たちは、日本国憲法を支持し、武力による威嚇または武力の行使を国際紛争を解決する手段とすることに反対する。したがって、米国が「これは戦争である」と称して圧倒的軍事力をもってアフガニスタン国民を大量殺戮した昨年来の事態を決して支持することはできない。また私たちは他国民を殺戮する活動の拠点に私たちの町にある基地が使用されることを容認することはできない。今回行われる運用即応演習および戦闘投入即応演習は世界各地に軍事力を投射するためのハブとしての横田基地の役割を強化するものと考えられる。私たちはこのような性質を持つ演習が私たちの町で行われることに断固反対する。
 五月三〇日、東京地方裁判所は、約六〇〇〇人の新横田基地公害訴訟団による訴えに対して、横田基地に於ける飛行騒音が違法性を持つことを認め、日本国に住民に対する賠償を命じる判決を行った。現在の騒音でさえ違法性があるというのに、それに加えて五月一五日には深夜に異様な大音響のサイレンを鳴り響かせ、さらに反省もなく、昨日早朝から同様の演習を繰り返すとは、周辺住民の迷惑を全く顧みないものであり、思い上がった占領者意識といわざるを得ない。私たちはこの上周辺住民に迷惑をかける演習に断固反対する。
 私たちは演習で使用されると言われるグランド・バースト・シミュレータ(地上爆発模擬装置)、生物化学攻撃に対応する装置などがどのようなものであるか全く知らされていない。したがって、それらの装置が周辺の環境に有害な影響を与えるかどうかという点に不安を持っている。基地はこれらの装置についてどのようなものであるか詳細な情報を地元に提供すべきである。
 私たちは、右に述べた理由により、今回実施されている演習に反対し、中止を求めるものである。また、私たちは、演習に関して、周辺自治体などにさらに詳細な情報を提供すること、演習の実施に関して、周辺住民の安全、環境への影響、騒音の軽減等に万全の注意をはらい、周辺住民にいっさいの迷惑をかけないことを強く申し入れる。
 同時に私たちは横田基地の全面返還を重ねて求めるものである。
             
二〇〇二年六月二〇日
                   横田基地撤去と基地被害をなくす共同行動連絡センター
                      代表委員 清水正彦(西多摩労組連議長)
                           児島 徹(医療法人健生会理事長)
                           鈴木亜英(三多摩法律事務所弁護士)
                           田中龍男(国立・立川・昭島労連議長)
                           浜林正夫(一橋大学名誉教授)
                             菅谷正見(三多摩労連議長)

在日米軍兼第五空軍司令官殿
在日米軍横田基地第三七四空輸団司令官殿

 
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