日本消化器内視鏡学会甲信越支部

64.当科における超音波内視鏡穿刺術(EUS-FNA)の現状

新潟大学大学院 医歯学総合研究科 消化器内科学分野
山本 幹、五十嵐 聡、佐藤 聡史、水野 研一、横山 純二、竹内 学、佐藤 祐一、青柳 豊
新潟大学医歯学総合病院 光学医療診療部
塩路 和彦、本田 穣、橋本 哲、河内 裕介、小林 正明、成澤 林太郎
新潟大学医歯学総合病院 診療支援部 臨床検査部門
須貝 美佳

当科における超音波内視鏡穿刺術(EUS-FNA)の現状を報告する。

2004年から2011年9月までに90症例、99病変に対しEUS-FNAを施行した。導入当初は消化管粘膜下腫瘍が主な対象病変であったが、現在では膵病変や腹腔内・縦隔内のリンパ節、胸・腹水や胆管内腫瘍と多岐にわたっている。穿刺病変の内訳は消化管粘膜下腫瘍48件(食道6件、胃33件、十二指腸4件、直腸5件)、リンパ節12件(縦隔内3件、腹腔内9件)、膵病変33件(膵腫瘍25件、膵炎8件)、その他6件(腹水2件、胸水1件、縦隔腫瘍1件、胆管腫瘍1件、胃癌1件)であった。検体採取率は消化管粘膜下腫瘍が93.8%、リンパ節が83.3%、膵腫瘍が100%、その他が85.7%であり、合わせると92.9%であった。検体採取可能でかつ経過の追えた症例については正診率も算出し、消化管粘膜下腫瘍が89.7%、リンパ節が100%、膵腫瘍が100%であった。合併症は1例術中に出血を認め止血処置を要したが輸血することなく保存的に改善した。

当科では特別な場合を除き、細胞診用と組織診用の2回穿刺を行っている。FNA施行時にはスクリーナーが同席し、検体の採取状況を確認後に手技終了を決定しているため高い検体採取率となっている。また、「GIST疑い」や「内分泌細胞癌の可能性あり」といったコメントもいただけるため、通常のパパニコロウおよびHE染色による診断以外に、特殊染色についても当日依頼可能で、正診率の向上に寄与していると考えている。

EUS-FNAは安全かつ有用な検査手技であり、消化管から描出可能であれば、肝、副腎、骨盤内腫瘍などにも施行可能である。現在他院からの紹介症例も多いことから外来での施行についても検討している。