ブルーベリーのシャシャンボを台木とする接ぎ木
序章 |
シャシャンボについて |
シャシャンボの早晩性について |
シャシャンボの育て方 |
シャシャンボのジベレリン処理 |
シャシャンボの挿し木 |
シャシャンボの取り木 |
シャシャンボの実生繁殖 NEW! |
シャシャンボ台木での接ぎ木 |
シャシャンボ台木での接ぎ木挿し |
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ブルーベリーをシャシャンボを台木として接ぎ木をすることについての覚書です。
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序章
シャシャンボ台木の接ぎ木の利点
T)
ブルーベリー栽培は強酸性の用土が求められますが
シャシャンボを台木として接ぎ木をすれば弱酸性程度で栽培が可能なようです。
今までのブルーベリー栽培は基本的にはピートモスに頼らざるを得ないのが現状でした。
ピートモスは有機物なので必ず劣化します。
ブルーベリーを栽培するには数年に1度は必ずピートモスを換えるなり
追加しなければなりませんでした。
しかし、シャシャンボの接ぎ木が色々な意味で成功すれば
ブルーベリー栽培もピートモスという呪縛から解き放たれます。
(既に木材チップなどでの栽培も試みられていますが)
ラビットアイ系品種もシャシャンボで接ぎ木すればピートモスも不要になりますからね。
U)
シャシャンボは主幹性(サッカーなどの発生が少ない)であるのでサッカーを除去するなどの手間がかからない
V)
一部のシャシャンボは春の動き出しがブルーベリーよりも遥かに晩い品種があるので
そうしたシャシャンボを台木とした接ぎ木ではブルーベリーの晩成化も期待できるかも知れません。
欠点
T)
シャシャンボの接ぎ木はブルーベリーと比べるとやや成長が遅いようです。
シャシャンボは挿し木で増やす事もできるそうなので
挿し木で増やしつつ接ぎ木をしようと思っています。
U)
一部のシャシャンボは春の動き出しがブルーベリーに比べて遥かに晩い品種があるので
こうしたシャシャンボ台木を晩生のブルーベリー品種の台木として利用した場合
収穫時に晩秋になり良い果実が期待できない場合も考えられると思います。
ここではシャシャンボとシャシャンボの挿し木・接ぎ木・接ぎ木したブルーベリーの経過など
取り上げようと思っています。
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シャシャンボについて
・躑躅(つつじ)科。
・学名 Vaccinium
bracteatum
Vaccinium : スノキ属
bracteatum : 包葉のある
Vaccinium(バッキニウム)は、
ラテン語の
「vaccinus(牝牛の)」が語源。
季節の花 300
より
開花期 5月〜7月
収穫期 11月位から
関東から南、四国や九州の野山で見られる
平地で丈夫に育つ常緑樹
高さは2〜5メートル
樹形は主幹性でサッカーなどの発生が少ない
花はブルーベリーに似た釣鐘型の白い花
購入時に入っていた用土は
ビニールポットには赤玉土と鹿沼土のブレンド
植え替えた写真がこちらです。
葉はサカキに似ています。
2008/04/17
2008年の春の萌芽(芽吹き)は4月中旬でした。
ブルーベリーよりも動き出しが一ヶ月程度晩いようです。
2007/06/23
シャシャンボの蕾
2007/06/29
シャシャンボの花
2007/08/06
シャシャンボの幼果
2008/10/22
色づき始めたシャシャンボの実
実はまるでブルーベリーのようです。
季節の花 300
より
真冬のシャシャンボ
2008/01/18
常緑のようです。
岡山理科大学波田研究室内シャシャンボにおいても
詳しく写真つきで解説されています。
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シャシャンボの早晩性について
2009/04/14
頂き物の穂木からの挿し木2年生苗でも動いているものと動いていないものがあります。
買った4年生くらいの苗(接ぎ木をした木もこれ)はいずれも動いていませんでした。
以上のことから一言にシャシャンボといってもかつてのブルーベリーがそうであったように
自然界で数限りない品種が自生している状態だろうからそれぞれの品種で早晩があることは容易に推測されます。
シャシャンボ台木で接ぎ木をする際にも台木の早晩についての特性についても留意する必要性を感じました。
利点
晩生のシャシャンボを台木とした接ぎ木ではブルーベリーの晩成化も期待できるかも知れません。
欠点
また、晩生のシャシャンボを晩生のブルーベリー品種の台木として利用した場合
収穫時に晩秋になり良い果実が期待できない場合も考えられると思います。
早生 |
中生 |
晩生 |
ジベレリン無処理 |
ジベレリン1回 |
ジベレリン2回 |
結実は悪いが |
結実は中間 |
結実は多い |
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シャシャンボの挿し木
シャシャンボの挿し木は私が2007年春に試みたところかなり発根率が悪かったのですが
TOMOさんがブルーベリー日記の中で
「6月26日に挿した挿し木が6割以上の成功率だった」と述べられているので
時期(梅雨時頃)を選べば挿し木もうまくいきそうです。
(用土はピートモスと鹿沼土)
今まで情報をまとめると春先の挿し木はかなり難しくて、梅雨頃の挿し木はやや難易度は下がるようです。
秋の挿し木については現在試みていますので梅雨ぐらいには報告できると思います。
鹿沼土100%の用土でのシャシャンボの挿し木について
シャシャンボの『挿し木は鹿沼土100%でかなりの率、発根する』
という情報がUPされていました。
宗像新発見 シャシャンボの旅 シャシャンボの群生編 より
私も来年の挿し木で試してみようと思います。
2007/04/02
ブログ青山農園を開設しているaoさんからのご好意でシャシャンボの枝をいただいたので
用土の比較調査も兼ねて改めて挿し木を開始しました。
いただいた枝(挿し穂として申し分ありません)
ブルーベリーと同様に13センチ前後に切って頂部付近の葉を2〜3枚残して取り除き
残した葉も適当に切って水分の蒸散を抑えます。
メネデールに少し浸して、ルートンをつけて割り箸で誘導穴をあけて挿し込みます。
挿し穂の上の切り口にはカルスメイトを塗って保護しました。
細かい鹿沼土とブルーベリー栽培で使っている用土(ピートモス5:鹿沼土5)
2種類で比較します。
2007/04/08
追加で2プランター分(約100本)挿し木しました。
鹿沼土と市販の挿し木専用用土を使ってこれで4種の用土の比較をします。
2007/06/23
川砂多目のプランターは
かなり成績が悪いです。
川砂少なめ+細かい鹿沼土が最も成績が良いですが
それでも青々とした葉が残っているのは全体の1/3程しかありません。
鹿沼土+ピートモスのものは16本挿して
葉が残っているものは3本のみとなりました。
ブルーベリーでは穂木のエネルギーが終わると
ブラックチップと言う形ででるのですが
シャシャンボの挿し木はエネルギーが終わると
枝がポロッっと落ちてしまうことが多くて苦戦しています。
2007/08/06
葉が残っているものが2割以下になりました。
TOMOさんのところや青山農園のaoさん、NHさんなどシャシャンボの挿し木をされていますが
いずれも苦戦しているようです。
シャシャンボの挿し木の難易度はかなり高いようです。
2007/10/02
160本ほど挿して発根したのは9本だけでした。
成功率は5分程度という悲惨な結果でした(笑
2008/01/18
手前9本が秋に発根が確認されたもので奥の複数本挿してあるポットは秋の時点で
発根は認められなかったものの枯れてもいなかったから捨てずに一応挿しておいたものです。
去年の4月に挿したものだからもう9ヶ月経っています。
発根していなくても未だに枯れず葉が残っているのが私としては不思議なくらいです。
ポットから抜いてみたら1ポットだけですが発根が確認できましたのでもう一つ苗が出来そうです。
シャシャンボの挿し木1年生が芽吹き始めました。
春の挿し木の成功率は数%でしたが挿し木が可能であることは分かりました。
冒頭にも書きましたが
TOMOさんがブルーベリー日記の中で
「6月26日に挿した挿し木が6割以上の成功率だった」と述べられているので
時期を選べば挿し木もうまくいきそうです。
(用土はピートモスと鹿沼土)
シャシャンボ台木の接ぎ木にも少し光明が見えてきたかもしれません。
秋にもシャシャンボを22本挿しました。
写真の葉が落ちていないのがシャシャンボです。
発根しているかどうかは分かりません。
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シャシャンボの取り木
挿し木による増殖が比較的難しいということなので取り木にも挑戦します。
ブルーベリーの接ぎ木をしているシャシャンボの台木からシュートが3本出てきたので
鉢増しの際にそのシュートが土にある程度潜る形に鉢に収めて
シュートの下端部分からの発根を目指します。
↑の写真の苗を10cm程度深植えしました。
手前左の小さな芽も雑草ではなくてシャシャンボのシュートです。
2009/11/15
取り木を試みましたが1年ほど経過して発根は見られませんでした。
シャシャンボは取り木も容易ではなさそうです。
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シャシャンボの実生繁殖
シャシャンボの挿し木は私にはかなり難易度が高いようなので今後は実生もやろうと思いました。
シャシャンボの実生で増やすことについてはについては今まで情報がなかったのですが
BB讃岐さんから情報を戴きましたので紹介します。
以下引用
実生したところこちらはほぼ100%の発芽、生育は若干遅いみたいですが、
現在20センチ程度に育っており、3年目ぐらいには接ぎ木が可能と予想しています。
ちなみに熟期は12月に入ってからで、1つの実からは3〜4ヶ程種が採取出来ます、試してみてはいかがでしょうか。
殆どが発芽すると言うのは頼もしいですね。
シャシャンボも自家不和合成もありそうで1品種だけですと結実が芳しくありません。
シャシャンボも出来れば2品種あったほうが良さそうです。
ジベレリン処理をすると結実はかなり良くなりますが種無しになる可能性もあるから
実生を狙うときはやらない方が良いかもしれません。
2009/01/04
シャシャンボの種蒔き
取れたシャシャンボの実を蒔きました。
ジベレリン処理の影響もあるかもしれないので発芽してくれるか心配ですが
見守ろうと思います。
シャシャンボの実の層積処理について
シャシャンボの種蒔きはまず実を良くつぶして果肉と種を丁寧に分けて蒔いた方が良いようです。
Reveilleさんが詳しく記事↓にされているのでそちらを御覧ください。
シャシャンボの実の層積処理について
秋に蒔いたシャシャンボの種がポツポツ発芽し始めました。
多分この二つがシャシャンボの実生です。
一部にジベレリン処理とかもしていたので全滅かと危惧もしましたがなんとか全滅は免れたようです。
2009/10/19
シャシャンボの実生苗
午前中だけ日が当たる場所において半年経過した苗です。
一応10cm位になっています。
頃合をみて日向に移せばもうちょっとは大きくなっていたかもしれません。
決して成長は早くはないようだけれど割と育てやすい感じです。
2010/05/10
去年の冬に種蒔きして春に芽生えたので
これで丁度1年ほど経過したことになります。
去年は家の東壁際のあまり日当たりが良くない場所においたので
日当たりの良い場所においておいたらもうちょっと育ったかもしれません。
挿し木に比べて大分成長が遅いかと思いましたが
春からの成長が活発でそれ程遅くもなさそうです。
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シャシャンボ台木での接ぎ木
穂木はノーザンハイブッシュ系品種のレカを用いました。
宮城大学の國武研
での報告ではノーザンハイブッシュ系品種の活着率は50〜100%で
2ヵ月後の活着率はホームベルやティフブルーよりも
高いという報告もあるので経過が楽しみです。
シャシャンボ台木の接ぎ木は成長が遅いから鉢植えではメリットよりもむしろデメリットの方が大きいかもしれません。
大きくなって地に植えるならその後の管理が楽そうなのでメリットがあるのではと考えています。
シャシャンボはブルーベリーと比べると春の動き出しが大分晩いようです。(1ヶ月程度)
基本的に接ぎ木は台木のほうが少し動き出したくらいで穂木の動き出しがやや晩いほうが良いということなので
もしかしたらシャシャンボの接ぎ木は穂木を冷蔵保存しておいて
ブルーベリーよりも晩めに接ぎ木した方が良いかもしれないとも思いました。
2007/03/28
右側の木を台木にしました。
2007/03/28
2007/04/08
芽の発生が確認できました。
2007/06/23
3月28日に接いだものは失敗しています。
その後に接いだスパルタンは1次成長しています。
葉の色も良いのでまだ希望はありそうです。
2007/08/06
2次成長が始まりました。
2008/01/18
1年で成長したのはこれくらいです。
ブルーベリーと比べるとやや成長が遅いようです。
4月初旬に萌芽が確認できました。
写真は2008/04/16の様子です。
2008/10/23
今年1年で去年↑と比べると見違えるほど大きくなりました。
去年は接ぎ木の接合に時間がかかったようですが
安定してしまえばブルーベリーには及ばないものの
順調な成長を見せてくれるようです。
根のほうも流石にこの鉢で2年経っているので大分根が周っています。
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シャシャンボ台木での接ぎ木挿し
シャシャンボを台木としてブルーベリーを接ぎ木した枝を挿し木しました
たった2本です・・。
2007/04/10
2007/06/23
1次成長が止まってしばらく経過しています。
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購入先リンク
ガーデン樹の里さんが750円で販売されています。 シャシャンボ
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