在日外国人を描いた映画
新・仁義なき戦い
親分はイエス様
- 製作2000年、日本・韓国
- 監督斎藤耕一
- 出演渡瀬恒彦、ナ・ヨンヒ、ユン・ユソン、奥田瑛二
敬虔なクリスチャンである韓国人妻の献身的な愛情によって改心し、クリスチャンになった二人のやくざの人生を描いた作品です。十字架を担いで日本を縦断し、さらに韓国まで贖罪のために歩くのですが、実在の話をモデルにしているそうです。日韓の名優が多数出演し、素晴らしい演技を見せています。
あんにょんキムチ
Amazon取扱なし
- 製作2000年、日本
- 監督松江哲明
- 出演松江哲明、松江雅子、その他松江一族の人々
戦前、日本に出稼ぎにやってきた韓国人の祖父が最後に残した言葉が「哲明バカヤロー!」。これがトラウマになった孫に当たる青年(監督自身)が、自らのルーツを探していく姿を、率直で自然な語り口で描いたドキュメンタリー映画です。日本映画学校の卒業制作です。
青 chong
- 製作1999年、日本
- 監督李相日
- 出演眞島秀和、山本隆司、竹本志帆
朝鮮高校に通う在日三世の少年たちの青春を描いて、ぴあフィルムフェスティバルグランプリを受賞したアマチュア投稿作品です。在日社会の内部の視点から、在日コリアンの日本人差別や、民族教育を受けている生徒たちが現実には日本社会で普通の少年少女として生きているギャップなどを描いています。
英二
- 製作1999年、日本
- 監督黒土三男
- 出演長渕剛 、イ・ナヨン、松村達雄、高橋長英
刑務所から出所し、十年前に姿を消した妹を探しに熊本にやって来た一匹狼のやくざ英二。草鞋を脱いだ地元の暴力団が監禁同然で中国人女性を売春婦として働かせているのを知り、英二は彼女を救い出そうとします。韓国の女優イ・ナヨンがどういうわけか中国人の役をやっています。
息もできない長いKISS
Amazon取扱なし
- 製作1999年、日本
- 監督キム・テグワン
- 出演かとうあつき、中松俊哉、鈴木一功
在日韓国人三世のデートクラブ嬢ゆりか(=柳里歌)と、客として知り合った南米ボリビアから帰国した日系人ヒットマンとの恋愛を描いています。殺し決行の日、ゆりかは別の客に呼ばれますが、その客はまさにヒットマンが命を狙っている中年やくざで、そこから三人の奇妙な関係が展開して行きます。
ラブ・レター
- 製作1998年、日本
- 監督森崎東
- 出演中井貴一、耿忠、山本太郎、根津甚八、大地康雄
日本で働くために偽装結婚をした中国人女性と金で結婚相手になった男の心の交流を描いた作品です。原作は浅田次郎の小説で、これを含む短編集『鉄道員』で直木賞を受賞しています。不法入国を含めた外国人が無数に暮らしている新宿界隈を舞台にして、国際化の影の部分を描いています。
家族シネマ
- 製作1998年、韓国
- 監督パク・チョルス
- 出演柳愛里、梁石日、伊佐山ひろ子、松田いちほ、中島忍、金守珍
芥川賞を受賞した柳美里の自伝的作品を映画化したもので、在日韓国人の一家を描いています。韓国人の監督が日本人と在日コリアンの俳優で撮った韓国映画です。作家の梁石日が父親役をやっています。
犬、走る〜DOG RACE〜
- 製作1998年、日本
- 監督崔洋一
- 出演岸谷五朗、大杉漣、冨樫真、香川照之、遠藤憲一
新宿歌舞伎町を舞台に、在日コリアンや中国人のマフィア、マフィアとつるんで無軌道に行動する悪徳刑事、欲望の街に生きる外国人女性、マフィアの手引きで不法入国してきた中国人たちなど暗黒街にうごめく人々の姿を、随所にコミカルな味もちりばめて描いています。
水の中の八月 Fishes in August
Amazon取扱なし
- 製作1997年、日本
- 監督高橋陽一郎
- 出演水橋研二、伊藤歩、関野吉記
水泳選手である高校三年生の二人の少年と、二人と三角関係になる少女の三人の微妙な関係を描いた青春映画です。少年の一人は在日コリアンという設定です。原作は関川夏央で、サン・セバスチャン映画祭最優秀新人監督賞、テッサロニキ映画祭最優秀外国作品賞を受賞しています。
不法滞在
- 製作1996年、日本
- 監督香月秀之
- 出演陣内孝則、李丹、平泉成、古尾谷雅人、南野陽子
不法滞在者を摘発する入国管理Gメンの男と、偽造パスポートを作成して中国から密入国者を送り込んでいる中国マフィアとの戦いを描いています。家族を失っている入国管理Gメンは、同じように孤独な境遇にある台湾人女性と、中国マフィアの支配下にあると知りながら恋に落ちます。
スワロウテイル
- 製作1996年、日本
- 監督岩井俊二
- 出演三上博史、江口洋介、Chara、伊藤歩、アンディ・ホイ、渡部篤郎、桃井かおり、山口智子、大塚寧々
バブル期がそのまま続いた場合の日本を思わせる円都(イェンタウン)という架空の都市を舞台に、社会の底辺で生きる中国系移民や娼婦たちなどの群像を描いています。アジア的雰囲気を出すのに阿片窟などの古いイメージも使われています。
大阪ストーリー
- 製作1994年、日本
- 監督中田統一
- 出演中田統一
在日コリアン(母親は日本人)の監督が、大阪で金融業・パチンコ屋を営む実家を舞台に、在日コリアンの暮らしを撮ったドキュメンタリー映画です。1994年シカゴ国際映画祭ゴールド・ヒューゴ賞、バンクーバー国際映画祭審査員特別賞、国際学生映画祭グランプリ。
月はどっちに出ている
- 製作1993年、日本
- 監督崔洋一
- 出演岸谷五朗、ルビー・モレノ、絵沢萠子、小木茂光
多くの外国人が生活している新宿を舞台に、在日朝鮮人のタクシー運転手と飲み屋で働くフィリピン人ホステスとの恋愛を描いた作品です。原作は在日コリアン作家梁石日の『タクシー狂躁曲』で、同じく在日コリアンの崔洋一監督が撮り、高い評価を受けた作品です。
学校
- 製作1993年、日本
- 監督山田洋次
- 出演西田敏行、竹下景子、田中邦衛、萩原聖人、中江有里、裕木奈江、新屋英子、翁華栄、神戸浩
東京の下町にある夜間中学校を舞台に、初老の肉体労働者、不良、不登校、読み書きができない在日一世のオモニ、残留孤児二世の青年、軽い知的障害を持つ青年などの人生にスポットライトに当てながら、彼らと中年教師との交流を描いています。
あふれる熱い涙
- 製作1992年、日本
- 監督田代廣孝
- 出演ルビー・モレノ、佐野史郎、戸川純、鈴木正幸
嫁不足に悩む岩手の農村に嫁いだ日比混血の女性が、寡黙で感情を表さない夫との生活に適応できず、フィリピンに帰る旅費を稼ぐために、東京に出て中国人の経営する中華料理店で働きます。彼女の父親は東南アジアの環境を破壊している日本企業の役員で、娘に対して酷い扱いをするという設定です。
ナンミン・ロード
- 製作1992年、日本
- 監督五十嵐匠
- 出演レー・マン・ホウン、トルオン・ティ・トゥイ・トラング、ヴ・ホァン・フゥン、佐藤江珠、長倉大介
1980年、ボートピープルとして日本にやってきたベトナム難民の子供たちが、9年後の1989年、OL、工場労働者、暴力団員など、様々な青春を生きる姿を描いた作品です。日本人になり切れない在日外国人の苦悩がテーマになっています。
潤の街
Amazon取扱なし
- 製作1989年、日本
- 監督金佑宣
- 出演姜美帆、田中実、井川比佐志、李麗仙、初井言栄
大阪生野区のコリアンタウンを舞台に、日本人青年と在日コリアンの少女の恋愛を描いた青春映画です。二人はごく自然にお互いのことを好きになり、世代的に差別はなくなっているのですが、異なるコミュニティに属しているために民族の壁を意識せずにはいられない機微を描いています。
伽耶子のために
- 製作1984年、日本
- 監督小栗康平
- 出演呉昇一、南果歩、浜村純、園佳也子、加藤武
昭和三十年代の北海道と東京を舞台に、樺太から引き上げてきた在日朝鮮人たちを描いた作品です。ソ連兵から逃れる時に捨てられ、朝鮮人の家庭に育てられた日本人の少女と、在日朝鮮人青年の悲恋を描いています。原作は樺太出身の芥川賞作家李恢成の小説。(※伽耶子の耶は人偏に耶)
ガキ帝国
- 製作1981年、日本
- 監督井筒和幸
- 出演島田紳助、松本竜介、趙方豪、升毅
昭和四十年代前半の大阪を舞台に、愚連隊の流れを汲む不良たちの群雄割拠の状態、そして本来独立派であった愚連隊が暴力団の傘下に吸収されていく時代を描いた青春映画です。在日コリアンの少年たちや少女たちが主要な役柄で登場し、大阪訛りの朝鮮語が日常的なものとして使われています。
やくざの墓場〜くちなしの花〜
Amazon取扱なし
- 製作1976年、日本
- 監督深作欣二
- 出演渡哲也、梶芽衣子、梅宮辰夫
関西を舞台に、腐敗した警察組織からはみ出した刑事の破滅的な生き方を描いています。刑事は同じくやくざ組織からはみ出した在日朝鮮人と兄弟分の盃を交わし、底辺を這うように生きてきた朝鮮人ハーフの女性と愛し合うようになるのですが、自身も満州生まれの故郷喪失者という設定になっています。
日本暴力列島〜京阪神殺しの軍団〜
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- 製作1975年、日本
- 監督山下耕作
- 出演小林旭、梅宮辰夫、小泉洋子、伊吹吾郎、成田三樹夫
昭和二十年代〜三十年代の大阪を舞台に、兄弟分の絆で結ばれた二人の武闘派の在日韓国人やくざを描いています。主人公が在日韓国人で、しかもそのことをテーマにしているやくざ映画は当時としては非常に珍しく、破滅的な生き方の中に故郷を持たない人間の哀感が漂う作品です。
絞死刑
- 製作1968年、日本
- 監督大島渚
- 出演佐藤慶、渡辺文雄、石堂淑朗、足立正、戸浦六宏、小松方正、松田政男、小山明子、尹隆道
今まさに死刑になろうとする在日朝鮮人青年と執行に立ち会う人々との奇妙なやりとりを通して、死刑存廃・在日朝鮮人・国家権力などのテーマをとりとめなく構成した作品。1958年に起きた小松川女子高校生殺人事件を題材にしています。
未成年 続・キューポラのある街
- 製作1965年、日本
- 監督野村孝
- 出演吉永小百合、浜田光夫、北林谷栄、宮口精二
三年後のキューポラのある街を描いた続編です。リアリズムによって労働者の生活を描いていた前編とは異なり、こちらは実存主義的に主人公石黒ジュンの青春期の不安や自我の確立を描いています。朝鮮高校の若者たちとの交流や日本人妻の帰国事業も取り上げられています。
キューポラのある街
- 製作1962年、日本
- 監督浦山桐郎
- 出演吉永小百合、浜田光夫、北林谷栄、東野栄治郎
昭和三十年代、日本がまだ貧しかった時代の鋳物の町埼玉県川口市を舞台に、労働者たちとその家族の生活を描いたプロレタリア映画です。在日朝鮮人の少年少女が主人公の親友役で登場し、北朝鮮への帰国事業の様子などが、リアリズムで描かれています。
にあんちゃん
- 製作1959年、日本
- 監督今村昌平
- 出演長門裕之、松尾嘉代、沖村武、前田暁子、吉行和子、北林谷栄
昭和二十八年の佐賀県鶴ノ鼻炭鉱を舞台に、炭鉱夫の父親を亡くした在日朝鮮人の兄弟姉妹の四人が、苦労しながらも明るく力強く生きていく姿を描いた、実話をもとにしたプロレタリア映画です。原作は末の妹のモデルである安本末子の日記です。
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大阪の広域暴力団の跡目争いをめぐり、古株の若頭補佐と新興勢力が対立します。若頭補佐は若いやくざを鉄砲玉に使い、新興勢力は在日コリアン社会で頭角を現してきた若手実業家を利用しようとします。一人は日本人、一人は在日コリアン。実は二人は貧しい環境で一緒に育った幼馴染みでした。
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