イギリス旅行記
「鉄と橋と蒸気機関車の旅」2002
ちょっと変わったイギリスの旅
3度目のイギリス旅行でようやく実現できた、自己満足の旅。
こんなイギリスの楽しみ方もあることを紹介します。
@ 製鉄ゆかりの地と博物館
A 産業革命時代の橋
B 蒸気機関車(保存鉄道)
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<工程マップ>
<工程表>
月日 |
工程 |
見学先 |
コメント |
4/1 (月) |
成田→ロンドン ロンドン →アイアンブリッジ |
レンタカー調達 (ヒースロー空港) |
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4/2 (火) |
アイアンブリッジ滞在 (コールブルックデール) |
アイアン・ブリッジ(1779) ミュージアム・オブ・ アイアン ブリスツヒル・ビクトリアタウン セバーンバレイ鉄道 |
世界最初の鉄の橋 鉄の博物館 製鐵所跡地の野外博物館 SL保存鉄道@乗車 |
4/3 (水) |
アイアンブリッジ →ウエルシュプール
→スノウドニア
→バンゴー |
ウエルシュプール &スランヴァイア軽鉄道 フェスティニオグ鉄道 スノウドン山鉄道 スランベリス湖鉄道 |
SL保存鉄道A見学
SL保存鉄道B見学 SL保存鉄道C乗車(見学) SL保存鉄道D見学 |
4/4 (木) |
バンゴー
→コンウェイ →チェスター →シェフィールド →ヨーク |
ブリタニア橋(1845) メナイ橋(1826) コンウェイ城と2つの試験橋 (チェスター市街観光) (買い物) |
ロバート・スチーブンソン製作 テルフォード製作 メナイ・ブリタニア両橋の試験橋 (一般観光) (鉄道模型店) |
4/5 (金) |
ヨーク →ダーリントン →ビーミッシュ →ニューカッスル →ヨーク |
ダーリントン・レイルウェイ ・ミュージアム ビーミッシュ・ミュージアム ハイ・レベル・ブリッジ (1850) |
ロコモーション号 保存SL(ロコモーション型)E ロバート・スチーブンソン製作 |
4/6 (土) |
ヨーク
→ロンドン |
ナショナル・レイルウェイ ・ミュージアム ヨーク市街 |
世界最大の鉄道博物館
(一般観光) 鉄道で移動(レンタカー乗り捨て) |
4/7 (日) |
ロンドン⇔サウサンプトン | デイ・ツアー SL牽引プルマン列車 サウサンプトン観光 |
保存SLF乗車 フライング・スコッツマン |
4/8 (月) |
終日ロンドン | サイエンス・ミュージアム ロンドン・トランスポート ・ミュージアム 市街観光 |
ロケット号他
(一般観光) |
4/9-10 |
ロンドン→成田 | 帰国 |
<写真紹介>
---アイアン・ブリッジ---
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1779年完成。当地の製鉄所オーナーが、 威信をかけて作った世界初の鉄製の橋 <宿の窓から> ロンドンに夕方降りて、その日のうちに アイアンブリッジのB&B(宿)へ。 着いたのは夜で何も見えなかったのが、 翌朝起きて、部屋の窓を開けたら、 目の前にあこがれのアイアンブリッジ!! |
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<アイアンブリッジの構造> 近くで見ると、鉄(鋳物)なのに木材を 使って作ったような構造。ほぞや楔で 繋ぎ合わせ。なるほど、鉄の設計技術など なかったのだから、当然こうなる。 ここから、鉄の構造設計が始まった! |
---ミュージック オブ アイアン--- |
初期の鉄と鉄道の展示がいっぱい。 <初期の鉄道レール> 初期の鉄道のフランジ付レール。 フランジを車輪側に付けたのは大発明。 (鉄道軌道の父:ウィリアム・ジェソップ) |
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<初期の高炉の模型> 高炉の上から原料を装入するのに、 地形の段差を利用。 ベルトコンベアのない時代の知恵 |
---オープン エア ミュージアム---
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産業革命時、世界最大だったの製鉄所の跡地が そのまま野外博物館に。 ビクトリアタウン(日本で言う明治村)も併設 建物全てが生きているのに驚き。 印刷屋は印刷、パン屋はパンを焼いている。 他にも、薬屋,鍛冶屋,駄菓子屋,仕立て屋, 銀行,蒸気駆動インクライン等々 (イギリスの博物館はどこもスケールが違う) <高炉跡> 模型と同じ高炉があった実物の遺構。 <圧延機(平鋼用)> 線材の圧延技術者として蒸気で動く初期の 圧延機に感激。 これが今でも実際に動く(半年に1度実演) |
<左:ロール旋盤> もちろん蒸気駆動 構造のシンプルさがなんとも。 <右:蒸気ハンマー> |
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<トレシビックの蒸気機関車(レプリカ)> ここで見れるとは思ってなかったので歓喜! トレシビックが作った世界最初の実用的 蒸気機関車。 うかつにも、シリンダがひとつであることに この時初めて気が付いた。大きなはずみ車を 備えている訳をようやく理解。 (シリンダは2つあるものと思い込んでた) ←うしろはビクトリア時代の建物の数々 |
---セバーンバレイ鉄道---
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<SL保存鉄道@>乗車 イギリスの中でも規模の大きい保存SL鉄道 ここに行くと何両もSLを見れます。 沿線の各駅も、イギリスの田園風景らしく、 とてもかわいい。 |
---ウェールズの保存SL巡り---
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<SL保存鉄道A>見学 ウェールズには軽便SL保存鉄道がいくつも 存在。第1弾、 ウェルシュプール&スランヴァイア軽鉄道 |
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<SL保存鉄道B>見学 フェスティニオグ鉄道 今日は運行してないと諦めてたら、 いきなり煙とともに走ってきた。 慌てて駅まで追いかけたら、 運転士は若い女性でびっくり |
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<SL保存鉄道C>見学 スノウドン山鉄道 イギリス1のスノウドン山を登る アプト式の登山鉄道。 1991年以来2度目。2回ともSLには当たらず ディーゼル機関車牽引の列車(;_;) まだ初春だから、8合目まででストップ |
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<SL保存鉄道D>見学 スランベリス湖鉄道 スノウドン山鉄道を降りたら、すぐそばを もう他の保存鉄道が走るウェールズ |
---北ウェールズの橋---
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<ブリタニア橋> 鉄道の祖、ジョージ・スティーブンソンの 息子、ロバート・スチーブンソンが1845年に 鉄道橋として製作。 残念ながら1970年に焼け落ちて、橋桁だけ 残して架け替えられてしまったけど、 車で渡ってみると、橋桁だけでも威厳十分。 |
<メナイ橋> 初代土木協会会長となるテルフォードの作。 1826年。 長大吊橋(中央径間177m当時世界最長) 鎖でなく(もちろんワイヤーでもなく)、 錬鉄のアイバー(下写真)を連結。 近くで見ると、とても巨大なアイバー! |
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<コンウェイ城から見た2つの試験橋> 右がブリタニア橋の試験橋(箱型)、 左がメナイ橋の試験橋(吊橋) 箱型橋は今も現役の鉄道橋。今なら、箱の 中でなく、せめて上を通すのでしょうね。 (写真は私) |
---ダーリントン・レイルウェイ・ミュージアム---
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<bPロコモーション号> ジョージ・スティーブンソンが作った 商業用蒸気機関車の1号機。 ほんものー! |
---ビーミッシュ・ミュージアム---
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炭鉱の跡地に作られた広大な野外博物館 (ビクトリア・タウン、炭鉱設備他)
<保存SLEエレファント号>乗車 ロコモーション型の蒸気機関車。 これが本当に走ってる! |
---ニューカッスル---
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<ハイレベル・ブリッジ> 1850年。ロバート・スチーブンソン設計。 若い頃、遠く車窓から見えた橋を、ようやく 間近に見ることができ感慨ひとしお。 見上げると予想以上の迫力。もちろん現役。 (1991年車窓から) |
---ピッカリング---
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<ノース・ヨークシャー・ムーア鉄道> あれ?SLじゃない! ヨークへ帰る途中に無理して寄ったのに・・・ (イギリス旅行、唯一の外れ) |
---ナショナル・レイルウェイ・ミュージアム---
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<博物館内> 世界一の鉄道博物館。とにかく大きい。 新幹線も丸ごと展示 ここを見るたび、日本の交通博物館の 貧弱さが悲しくなる。 <錬鉄橋> 目立たない所にひっそりと置いてあるけど (探すのに苦労した)、これが由緒ある 世界で始めての鉄橋(鉄製の鉄道橋) 錬鉄製(写真は1997年当時の家内) |
---SL牽引オリエントエクスプレス--- |
ロンドン⇔サウサンプトン日帰りツアー SL牽引、全席食堂車の豪華列車の旅。
<フライング・スコッツマン> ロンドン〜エディンバラ間のノンストップ 走行記録や、初の100マイル/h (162km/時)超えを記録した名機! 3気筒エンジンの音がなんとも言えない。 (写ってるのは両親) |
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<紳士の乗務員と車内> 車内のランチとディナーは美味しかった。 乗客は全員正装。 |
---サイエンス・ミュージアム---
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ロンドン <ロケット号> スティーブンソンが作った有名なロケット号 のちに改造されたため初期の面影はなく、 ちょっとみすぼらしくなってるけど、 正真証明本物! イギリスは、古い物が大切に残っている。 |
---ロンドン・トランスポート・ミュージアム---
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<地下鉄用蒸気機関車> ロンドン地下鉄に関する展示がいっぱい。 もちろん地下鉄用蒸気機関車も |
---おまけ:ロンドン最後の夜--- |
<ギリシャ料理屋> 何を食べても美味しくないイギリスで 食べるものに困ったら、ギリシャ料理は、 わりとお勧めです。 ・まずまずの味とリーズナブルな値段と 陽気な店主 |
<旅行後記>
予想以上に多くの蒸気機関車、鉄の遺構、歴史的な橋を見ることができて大満足。
イギリスの蒸気機関車は、蒸気機関車の発展そのもの。日本と違って、色々な型式があって面白い。
(でも、模型を作るのは、やっぱり日本型)
---余談:イギリスでの橋との出会い---
<橋を渡っている列車の小ささから、橋の大きさを実感下さい>
1991年イギリス語学研修中。エディンバラ観光の際、丘に登った時に遠くに大きな橋が見え、興味を持って
行ってみたのがこの橋。フォース鉄道橋(1890年完成)
当時は「初めて鋼鉄を使った歴史的価値がある橋(当時世界最長)」などという予備知識もなく、
ただただ、大きくて、鋼鉄製で、100年以上も現役だということに感激し、橋を見上げながら、
鉄鋼に関わる技術者になって良かったと、感慨に浸った瞬間。
(今回の旅行では、ちょっと遠くて、ここまで足は延ばせず)
<旅行費用>
総額 82万円(大人3人:おみやげ代除く)
飛行機 | 37万円 |
国内移動費込み(千歳⇔成田) |
レンタカー | 9万円 |
内ガソリン代1万円 |
宿 | 15万円 |
B&Bクラス |
デイ・ツアー | 12万円 |
オリエント・エクスプレス |
その他 | 9万円 |
食事・鉄道・入館料 |
<参考資料>
資料名(書籍名) |
著者 |
出版社 |
橋を通して見たアメリカとイギリス | 古屋 信明 | 建設図書 |
スティーブンソンと蒸気機関車 | C.C.ドーマン 前田 清志訳 |
玉川大学出版部 |
英雄時代の鉄道技師たち | 菅 建彦 | 山海堂 |
輸送の安全からみた鉄道史 | 江崎 昭 | グランプリ出版 |
イギリス産業革命史の旅 | 剣持 一巳 | 日本評論社 |