空への軌跡 吟遊記
吟遊記 '05.5月〜9月


旭川市博物館
神居古潭竪穴式住居跡
江別市対雁2遺跡
陶&くらしのデザイン展2005
月形樺戸博物館
饗宴2005夏季詩話会
宮沢賢治札幌セミナー
詩人会議ふぶき 朗読会
恵庭遺跡見学
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本郷新展 芸術の森会場
本郷新展 宮の森会場
函館散策・II
上湧別チューリップ公園 
詩のボクシング北海道大会
函館散策・I
平成17年度北海道詩人祭
ロシア民族学博物館アイヌ資料展
いしかり砂丘の風資料館




旭川市博物館 
驚くのは、過去から現代までの住居が四棟並んで展示されているということ。
擦文時代(約1200〜600年前)の神居古潭の竪穴式住居、平安時代の庶民の住居との類似性があるという。次いでアイヌのチセ(ペニウンクルの住居跡)上川地方で取れるササを屋根に使用している。石狩川を行き来していたであろうチプ(丸木)も展示されていた。



竪穴式住居 / 左後ろチセ / 右後ろ屯田兵舎

そして屯田兵舎、なんとなく見たことのある気がするつくり。最後には、現代北海道の住居(でも少し古い)。これらまとめて4棟展示というのが、面白い。それぞれを単独で見てみるのとは趣が違う。 地下1Fには土器からはじめていろいろと、奇妙なおもちゃっぽいものまで展示してあります。

旭川市博物館
http://www.htokai.ac.jp/DD/MUSEUM/MUSEUM.html



神居古潭竪穴式住居跡 旭川市
神居古潭つり橋から1.5キロのところ石狩川の左岸に集中的にある。川岸から20Mの幅で約400Mに、起伏が延々と続く。もともとは一辺が5Mほどの正方形で深さは1M位の竪穴跡。チャシコツ(アイヌ期)の遺跡。




今から千年前に200基から250基ほど固まっているというから、驚く。ほとんど銀座といっていいであろう。集中した理由としては鮭の猟に適していたのではないかと言われている。
ここまで集まっているのは、道内ではここ旭川神居と千歳だけとのこと。



住居跡である凹地が連続している




江別市対雁ついしかり2遺跡 
厚さ2Mの地層は200年ほどの短期間で、石狩川の水の力によって形成された。川のそばで傾斜が激しいところ、建物跡がないため居住区というより、狩りや猟のときに使われていたのではないか、と言われている。



水によって作られた2Mの地層

今現在遺跡の全体の1/3の発掘が終了した。焦土(焚き火の跡)が1500箇所近く見つかっている。一部には熊の骨が見つかった。そのほかに土器集中の断層があり、大きいところでは400から500個ほど出土し、わずかにひとつだが熊と見られる土製品も出土している。



黒く見えるところが焦土

この遺跡の近くには「江別古墳群」がある。石狩川、千歳川、旧豊平川という三本の川に周囲を囲まれた、野幌丘陵の旧豊平川(世田豊平川)沿い。史跡といっても今現在は狭い公園のようでしかない。それでも直径2Mくらいの凸部を囲む凹の窪みが10基ほど認められる。国の史跡に認定。



陶&くらしのデザイン展2005 江別市セラミックアートセンター
全国の18の公設試験研究機関による展示会なので、いわゆるデザイン展とは少々趣きは異なる。でも随分な作品も多く、出展数42ではあるが楽しめる。
入り口すぐ左に三重県科学技術振興センター「ぽれぽれ屋」に”焼きみかん”という風邪引いたときの本当にみかんを焼いて食わせるための、おばあちゃんの智恵袋のような食器。すごくいい色。表面の軽く焦げた感じが暖かい。お菓子のマルボーロみたい。
土岐市立陶磁器試験場「ほろ酔い小箱」箱の蓋にも横側面にも陶器を埋め込み、綺麗に仕上げている。ひたすらに”綺麗”をコンセプトにしている。産業技術総合研究所「エコ陶貨」陶器でコインを作る。愛・地球博で実用化を目指したというが、さて? でもすごく触りたい。持ち歩くには不便であろう、直径35mmの厚み4mmほどもあるから。しかしおもしろい、富士、桜、太平洋の図柄。



「陶貨」説明パネル

最大のお奨めは滋賀県工業技術総合センターの「水琴窟の音色を奏でる植木鉢」これは、すごい。腰くらいまでの高さの鉢植え、下の部分が空洞になっていて、水琴窟の音色を奏でる。ピン・キン、ポチポチ・ティン・ティティン。しばらく聞いていたけど、いいなあ。一家にひとつほしいです。

江別市セラミックアートセンター
江別市西野幌114-5 TEL.011-385-1004
と き:9月4日(日)まで 9:30〜17:00  (月曜休館・入場無料)




月形樺戸博物館 
この博物館は月形刑務所の跡地で、正式には「旧樺戸集治監本庁舎」である。
明治14年に集治監が開庁。初代典獄に月形潔が就任し、月形村が開村する。不確かであるが、最初はここに北海道の道都を据える予定であったとも聞く。
集治監本庁舎は明治19年の建設。まずその入り口に驚く。石の階段が囚人の引きずる鉄丸で、磨り減ってなだらかな傾斜になっている。そして誰も修理などしない。ここの囚人は当別や増毛へ、さらには空知からオホーツクへの道路工事に従事させられたのだ。石狩川の治水工事にも。大正8年の廃監まで、幾人の生きた証が埋まったことか。
樺戸の囚人の着る囚衣は緋色で、土と渋柿の汁で染めたという。雪の中を逃走する赤い獄衣を銃を持った看守が追いかけるジオラマがあった。
集治監本庁舎は木製で歩くとギシギシいう。順路に従うと地下通路で樺戸博物館に繋がり、木製の水道管や囚人の落書きしたレンガなどが展示されている。さらに農業研修館に通じて、こちらは当時の生活ぶりなどがみられる。


(入り口の磨り減った石段)

樺戸郡月形町1219番(JR学園都市線・石狩月形駅下車徒歩5分程度)TEL.0126-53-2399
夏 期:(4-11月)月曜休館 9:30〜16:30
入場料:一般 300円、高大 150円、小中 100円




饗宴2005夏季詩話会 すみれホテル
今回は講師にSF作家の荒巻義雄氏をお呼びして、「私の好きな詩人たち」というテーマでお話を伺った。
レジメは”難解詩解読のための「傾向と対策」”。近代小説からフローベルを取り上げその構造を解明する。最初の文節の中心となる話題を、次の文節が受けていく。さらにこの二つの文節を合成した主題の第三の文節が生まれていく。実は芭蕉の俳句にもこの手法は使われている。まず”場面があり/主人公が登場/動きがでて/結びへ”という一連の流れなのだとのこと。また、ソシュールの言語学にあるシニフィアン(意味するもの)とシニフィエ(意味されるもの)、語彙の地層をどこまで掘り下げ、どの地層の位置で受け止めていくのかという”通底器"など様々な言語に関するお話。



荒巻義雄著 「ゴシック」

それから新妻詩「聖夜降雪聖夜降雪」(2002.12.24)の解釈に向かった。荒巻氏は俳人でもあり、前号「饗宴・43」の特集新妻博の世界へも原稿を載せている。
また荒巻氏は詩にも造詣が深く、フィヨルドでの流木製材所での体験「老人と飛行士」、古事記のイザナキ・イザナミ二柱による国造りの舞台「淤能碁呂島幻歌(おのごろじま・げんか)」の詩作品を披露された。
さて、場所を懇親会会場に移し、詩誌「饗宴」の主宰瀬戸正昭氏の持ち込んだ恒例サクランボの試食会がおこなわれた。嘉藤師穂子氏は同じく、くすみ書房で読み聞かせを行なっている田中瑞枝氏と連れ立って来た。またこのところ体調を崩していた森れい氏の復活宣言もあり、小池温子、谷崎眞澄、佐藤恵一の各氏と村田譲が参加し楽しい会となった。



宮沢賢治札幌セミナー 北海道立文学館
・・・「青い神話」の彼方に・・・
連休初日という悪条件(?)に関わらず約120名の盛況な会となった。
講師に「アタゴオル物語」の漫画家ますむらひろし氏を迎え、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を漫画化したときの難しさから、表現することで接した宮沢賢治の世界の広がり方についてのお話。
「銀河鉄道の夜」では主人公の顔に関する記述がない。そこでイメージを限定しない”猫”というモチーフを使うことにした。ますむら氏は当初、夢の話だからとわりとイージーに考えていたらしい、が、琴座が真上に見えるという記述から当時の岩手の緯度経度などによって、季節は夏。8月20日頃のお盆時期であり、つまりこの物語は、霊との対話の話だと分かることになる。
となると天体用語、地質学用語など多岐にわたり使用されている「銀河鉄道の夜」はジグソーパズルの様相をしはじめる。用語では”三角標”が丸太を組み上げた測量器具の用語と分からず三角フラッグを描いてしまう失敗談。



講師 ますむらひろし氏

また、軽便鉄道は通常ロングシート座席であることが判明した。しかし図解していくと奇妙なことになる。ボックス席でないなら、後ろからの声とは誰のことか。難しい賢治という部分は、嵌ってしまうと抜け出せないということ。初期版と最終版とのギャップ、その意味解釈。ついには”ハルレヤ”はハレルヤの誤植なのか故意なのか、などなど。愉快にして楽しい時間であった。
次いで押野武志(北海道大学助教授)、中地文(宮城教育大学助教授)の両氏による対談の後、ホールに移動して、賢治朗読の夕べ、「青い神話」の行方に・・・の朗読がなされた。
朗読作品は「札幌市」から。音楽をFOREVER(中野憲明、佐藤良嗣、宮上勝幸の各氏)が奏でる中で、解説を原子修氏。朗読を嘉藤師穂子、桜井良子、畑野信太郎、堺恵美子の各氏と村田譲。妹としこへの愛とレクイエム。構成は斉藤征義氏。

ごろなお通信 http://www.tiara.cc/~goronao/



詩人会議ふぶき 朗読会 札幌市教育会館
詩人会議ふぶきは、北海道内在住の20代から40代までの年齢制限ありのグループ。 今回は、詩人会議第4回公演で、群読を中心とした朗読会を開催。
群読のタイトルは「時代」。ちょっとタイトルに幅がありすぎて躊躇するが、翡翠色の目を持つ梟に連れられて歴史の旅に出る。女性が髪を切るという実演を加えるなどの、歴史解釈を重ねながら現代に戻り、現代の憲法の話にまで触れる。



「時代」群読

個々の声ははっきりしている。しかしながら20分の表現としてはあまりに遠大なストーリー。守るべきもの、というシュプレヒコールは明確だが、いかんせん統一性に欠けてみえる難しさがある。
続いて個々の朗読に。月子氏は、きらきらの青、空に落とすラムネの青いビー球に夏を呼び込む。SATSUKI・K氏は混乱と罵声という驚きの足跡を、ちいさな命と抱きしめる命として、炸裂音によって表現する。
斉藤渚氏はサボテンという地味にも思える対象を選択する、棘という一見無駄ではないかというものにも大切な意味合いを見つける。自身でサボテンを模するかのような直立な朗読でシンプルに声を紡いでいく。
詩人会議ふぶきの会長を務める砂山茴氏は、アトムの夢、エラノゲイの夢を描く。トリの早出光作氏はCD-Rの詩集も作っているとのこと、今回は長い時間のなかの恋の季節を朗読。 途中部外からの飛び入り4名を加えての朗読会であった。飛び入りの一人である村田は室蘭をテーマとした「風の蹄」を朗読した。

詩人会議ふぶき
http://aonouta.gooside.com/



恵庭遺跡見学 
恵庭郷土資料館主催で恵庭市内の遺跡を巡るもので、ユカンボシE2・E14、柏木川4、西島松2・3、カリンバ跡を順次見学。
最初は住宅を建設するつもりで掘ったらでてきたというユカンボシE2。穴は一編に掘るのではなく半分づつ掘り進める。土の色が重要なのだ。何百年前の噴火の跡であるとかで年代を。それと急激に色が周囲と異なるものはその理由を探す。ユカンボシE14ではTピットと呼ばれる鹿の落とし穴らしきものが見つかった。


Tピット / V字に掘られた部分の土の色が周囲と異なっている

これは形と、土の埋まり具合が自然と周囲からこぼれた風なので人為的に掘り、放置し、かつ底の面に木の杭を多数立てた後があることからの推測という。”ユカンボシ”とはアイヌ語で「鹿のいるところ」。”ユック”が「鹿」の意味。
次いで柏木川、アイヌ語での呼び名は”ペケレット”で「木立のない草地、見晴らしのよいところ」。確かに見晴らしがいい。ここで出土した土器は8世紀のものといわれ、5M角の方形の住居が見つかった。内側に柱の穴がなく、四隅外側に柱穴のカリンバタイプとみられる。西島松2・3はここの下流の遺跡である。



やや上の黒っぽい固まりがふたつあるのが頭蓋の痕跡、赤いのはベンガラ

西側に柏木川の支流”キトウシュメンナイ”川が流れる。意味は「にんにくの多くみられる泉のある川」。ここで驚くのは墓の跡が無数にあること。重なるように何世代にも亘って生活してきた証がある。



丸い形の白い土の部分がすべて墓の跡

カリンバは今は埋め戻されていて、今後史跡として復活する予定である。



本郷新展 芸術の森会場 札幌芸術の森美術館
札幌彫刻美術館から直通のバスに乗り込み移動。まあ、美術としてみるならこちら。時々制作過程を知っていると理解の参考になるものは多い。
「砂」などは当初のごつごつとした形態に丸みが加わることで美しいフォルムとなっている。 「氷雪の門」が凛々しく立ち上がる、この上向きの顔と突き下げた両手。「原生の譜」は悲しい。両の手の平に空いた穴から、この逞しい手から零れ落ちるもの。
「哭」も告知用のポスター写真の平明さとは比べ物にならない、強迫的な作品。



本郷新展告知ポスター

にしても写真の話だが、腕も(予算と趣旨も)ここまで違うかと実感した「無辜の民」シリーズは圧倒的だ。本郷新の作品はこの形式のものがいい。彫刻というものは、野外に置かれて輝く。



札幌芸術の森

http://www.artpark.or.jp/



本郷新展 札幌彫刻美術館
最終日にようやく見に行った。この彫刻美術館は本郷新の自宅だったものを改造したものと聞く。本館と別館がある。本館の方は身内というか胸像ばかりで、本人や歴史を知らないと面白くない(柳田国男の像なんかがあるけど)。
また随分と表彰用のレリーフなどを作成していたのだと思う。手をモチーフにすると色々と作れるものだ。「手のなかの少女」というのはちょっと怖い気もした。
しかし晩年のスケッチに残された「十字架のキリスト」は胴を上下に分けることで身体が十字架と一体化するという発想には、驚く。教義とかに染まるとなかなか出来ない。
別館にはいろいろな石膏の型がところ狭しと並ぶ。触れないのが苛立たしい。



「奏でる乙女」 本郷新

一番気に入ったのは、石狩にあるという「無辜の民」のポスターであった。写真家がこの展示会用にと2枚のみ作成したものとのこと。大地に倒れる人の大きさがすごい。



函館散策 II 
やはり函館というと坂道、市電、夜景に、教会でしょうなあ。この写真の三つの教会は近くにあって、なんだかひとつで鐘がなるとうるさそうな気もするが、それほどにご近所なのは何故?


函館ハリストス正教会



聖ヨハネ教会

これらの建物は、現在も信徒の方々に使用されています。御ミサの最中だと邪魔になりますので、声を張り上げたり、勝手に敷地内をうろついて触りまくってはいけません。


カトリック元町教会

ところで、カトリック元町教会の中央祭壇、十字架の道行きの壁像は1924年当時のローマ教皇から贈られた物です。



チューリップ公園  上湧別
国道242号線沿いにあるチューリップ公園。とにかく理路整然と咲き誇る姿は艶やか。その丘の中央に建つ風車。ゆったりと回っていて、風に柔らかく押される感じ。また、ヘリコプターによる空中遊覧もある。




ところで公園の横には”JRY”という訳の分からない外観のふるさと館がある。内側は郷土資料館であり当時の資料が展示されている。しかしなんのためにあるのか変なジオラマがあったり・・・。一階の回廊には屯田兵の肖像画が飾られている。メインは、屯田兵屋がまるごと一軒展示されていて、なんか驚く。



JRY

上湧別町観光協会 TEL.01586-2-3600(開花状況を教えてくれます)
チューリップフェアは6月上旬まで
開園時間 8:00〜18:00 / 入園料 大人500円・小中生250円




詩のボクシング北海道大会 上湧別町文化センターTOM
とりあえず趣旨は違ったのだが、旭川の予選会に出て本選出場となった。 まあ、違うね。”詩の朗読会”と思って参加すると全然違う。
とにかくパワフルで”俺!の世界”だね。共に繋がる方法が、ほとんどが等身大ではあるが”自己の生活からの視点”のみと言っていい。伝えるべき何かではなくて、伝わりたい自分からの伝播。だから強く、そしてときに稚拙にも・・・。等身という自己からの発信であるが、それは天然であることへの傾斜。そのために構築ではなくキャラクター勝負になっていくから、そう感じる。
そのため、参加者の朗読ではリズムとリフレインが多用された。確かに効果は大きい。だが何のための発語なのか、一考の余地があるだろう。



ただ、ボクシングということで、朗読を”見せる”ということに徹しているのは、通常の詩の朗読会ではありえない。おもしろくある。私の知っている朗読会は、朗読する人イコール聴衆になってしまうことが多く、つまり玄人の集合体。だからアピールということをあまり必要としなくなる。ムラタだといえばそれで通じるわけで、そこが根本的に違う。
上湧別では大地の詩を読みたいと思ったが、なかなか難しい。さてチャレンジャーとしてはどうしよう。



函館散策・I
函館市北方民族資料館***
アイヌ民族の資料を中心とした紹介がなされている。説明が丁寧でおもしろく歩いた。 衣服の襟や裾にデザインが多いのは、悪霊が開いているところから、入ってこないようにするための魔除けの文様なのだそうだ。そうすると刺繍というのは、一針ごとにすごい思いを込めている訳だ。
また、占いでは猟へ行くかどうか迷うときは動物の頭蓋を落として顎の骨が上向きなら”吉”としていたようで、木製の偶像もある。



函館市北方民族資料館
函館市末広町21-7 tel.0138-22-4128 ・ 入館料/一般 300円

旧函館区公会堂***
これはまた見事な外観で圧倒的である。内側も明治の時代をよく保っている。広々とした、洋館であり二階から函館湾を覗くのもなかなかいい。しかしどちらかというと、この二階のホールで朗読したいなあ。



旧函館区公会堂
函館市元町11-13 tel.0138-22-1001 ・ 入館料/一般 300円



公会堂のテラスより函館湾を望む

その他に共通入館券というのもあり、時間があるなら一気に回るといいかも。



平成17年度北海道詩人祭 函館五島軒
今年は函館での開催である。熊谷郁子氏の司会により総会の議事が終了して、全道から集ってきた詩人による「詩人祭」がはじまる。トップバッターは函館の下田年恵氏、光のなかの生き様を非常によく通る声で朗読された。
岩見沢の高野敏江氏は日常的な話題味噌汁からのテーマで構成。 波多中芳晴氏は、金があるのに不幸でありと言った反対的な表現で疑問符を提起する。ややオーソドックスな気もするが、朗読という形式ではインパクトのある手法。
若宮明彦氏は開催地の函館らしい、海、潮流を巧みに感情と交える。瀬戸正昭氏は、青春時代を函館で過ごしたとのこと、その当時を振り返りながら。
一分間スピーチでは塩谷静子氏が、今回の代表世話人である鷲谷峰雄氏の詩集「木鼠の話」より一編を取り上げた。苫小牧の入谷寿一氏は名前にまつわる話題。村上抒子氏は、さりげに・なにげに・生きている奇妙な日本語を取り上げたので・ございます。
渡会やよい氏はもともと声は小さく、マイクなしではとても聞こえやしないが、ぼそぼそと唇を掠れさせているのか、名前を持たないあなたに名前を付けたかったという虚無的内容を時代遅れの切れ切れのラジオコメントよろしく朗読する。逆手にとるにしてもここまで徹する迫力。
嘉藤師穂子氏は雪解けがもたらす命を、冬の大三角一角獣座に委ねながら、つららとピストルも解けるなかで誰になる?と人間を問いかける。そしてラストは詩人協会会長の安英晶氏による「喪あけ」風の伝説へと続くうた。




その後に「北のシンフォニー」の歌唱がはじまった。作詞は室蘭の光城健悦氏、作曲ピアノ・守谷弘氏、歌唱・高橋かずみ氏。一曲目の作品ゆるやかにアイヌの悲話伝説の残る「イタンキ浜」を、これは初公開とのこと。続いて「函館にて」こちらはテンポよく海風の贈り物を。
他に竹中征機、なかの頼子、加藤茶津美、三村美代子、笹井のぶこ、奥村玲子、大貫喜也、野村良雄、福島瑞穂、増谷佳子、渡辺宗子の各氏が朗読やスピーチに参加された。村田は作品「臓腑」を朗読。



ロシア民族学博物館アイヌ資料展 北海道開拓記念館
―ロシアが見た島国の人々―との副題の通り、サンクト・ペテルブルグにあるロシア民族学博物館の22コレクション・2600点のうち200点を厳選借用して展示している。同博物館の収集は1912年〜1913年にかけて臨時職員のV・N・ヴァシーリエフが、主にサハリンと北海道の平取でおこなわれた。
かなり綺麗で保存もいいわけだが、服は草を編んだもの、獣の革を剥いだものなど当時の想像と工夫がみられる。アイヌの人の使ったこどものおもちゃは、はじめて見た。そのこどもたちの写真も残って飾っている。
日本刀の鍔を装飾品として使っているのがなんとも奇妙でおかしく、只、ナイフは貴重で何度も研磨してるうちに鞘に比べすごく短くなっているなど、当時の価値観にも接することができる。




6月19日(日)まで 観覧無料
北海道開拓記念館  札幌市厚別区厚別町小野幌53-2  011-898-0456

http://www.hmh.pref.hokkaido.jp/



いしかり砂丘の風資料館 
右に石狩川、左石狩湾に挟まれた幅500M河口まで3000Mほどの細長い石狩浜・砂丘にある資料館。 海と河口と川の自然と歴史とあるが、そんなにでかい建物ではない。
たぶん漂着物とかが、飾ってあるだろうとの予想が当たり! 貝殻、浮き、鳥の羽、透明な生き物、ロシアの酒の瓶、ペットボトル、メキシコのライター。ひとつひとつに解説が付いている。どうせならもっと並べてほしいものだ。
鯨の骨の化石にはびっくりした、でかい。肋骨なんかマンモスの牙かと思ったし、背骨は人の頭ほどの太さがある。



鯨の背骨 / 手が触れているのが肋骨

そのほかツメタガイという貝が他の貝を食べるために開けた穴は、みごとにまんまるで人為的と思うほど綺麗。また、よく分からないが手作り缶詰マシーンがあるので、好きなものを詰めることもできる。 2Fには石狩紅葉山49号遺跡が展示されている。サケ漁の遺跡が出たところのミニュチアがある。



石狩浜より札幌を望む

いしかり砂丘の風資料館 石狩市弁天町30-4 TEL/FAX.0133-62-3711
入場料・200円 中学生以下は無料



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