空への軌跡 吟遊記 '04.1月〜'04.5月
吟遊記 '04.1月〜 '04.5月


史跡白老仙台藩陣屋跡
饗宴春の詩話会
作家からの贈りもの展 
北の朗読者 28 若宮明彦
サッポロピリカコタン II
サッポロピリカコタン I
小樽詩話会 札幌例会
2004 春の詩祭
北の朗読者 27 石畑由紀子
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北の朗読者 26 瀬戸正昭
第27回 詩人の広場
夢かぶき人形展
北の朗読者 25 大原登志男
北の朗読者 24 福島瑞穂
北の朗読者 23 遠藤整
ボッセの会新年会
世界遺産写真展 II
小樽あかりの市 
瑞春 2004.1.1.




史跡白老仙台藩陣屋跡 
江戸時代末期の幕府は列強と通商条約を結んだ。しかし蝦夷地へのロシアの南下政策を恐れていた。かといって松前藩だけでは対応が難しいと、東北諸藩(仙台、秋田、津軽、南部、荘内、会津)に分割統治させることとした。白老から襟裳をまわり道東、国後、択捉島までを守備範囲と決められた伊達藩は、1856年白老に本陣を設置。総面積66000u。陣屋内には約120名が交代で常駐していた。これが北海道最大の陣屋跡である。



内曲輪の門

建物の跡は杭が残されているだけだが、自然の地形を利用し堀と土塁で築いた内曲輪と外曲輪。これを大きいと思うか小さいと思うかは何とも言い難いが、その真中には立ってみるといい。歩き回れるというのがいい。古い門を構えた、通常は町民の公園として親しまれているようだ。一望したいなら塩釜神社へ参拝のこと。
元陣屋資料館では陣太鼓や模擬刀、10キロと20キロの兜などに直接触れながら、わずか12年で撤退するまでの歴史が分かる。



政宗/鉄黒漆五枚胴具足


白老町陣屋町681 tel.0144-85-2666 資料館入館料 大人260円 中小130円
http://www4.ocn.ne.jp/~jinyaato



饗宴春の詩話会 すみれホテル
今回は「中国当代詩」を村田譲が担当。中国では1949年の中華人民共和国成立以降は”当代”という。同じ漢字の国といっても言葉使いが違います。
さて中華人民共和国成立後も主導権争いが続き、国土は疲弊し数千万人の餓死者がでた。急進派といわれる毛沢東による文化大革命は政治的な権力奪還であり、より強引な政策を指揮していく。そこでの文学は1942年「文芸講和」にしめされた”共産党の政策を民衆に啓蒙するもの”でしかなく、文学はこの時期死滅したといわれている。
その時期に青春時代をすごした北島(ベイ・ダオ)、芒克(マン・クウ)らの1978年の地下出版物「今天(チンティエン)」の話を中心にした。「今天」は”今日”という意味。文化大革命は政治的にも文学的にも不毛に思えるが、当時のティーンエイジャーには民主化という希望の側面が強かったといわれる。朦朧詩派といわれながらも、モダニズム期を形成していった。
次いで大楽勝美氏 (音楽工房G・M・P)が音楽と言葉について語った。色々なコンサートホールでの音の響き方のあれこれ。楽器奏者は言葉を持たずに音で話す、だから言葉使い士というのは奇妙とも、すごいとも・・・。饗宴はクラッシック好きが多くて横槍がバンバン飛ぶものだから、いろんな話が聞けたわけです。
で懇親会には多数のゲストが飛び入り乱入。旭川の文梨政幸氏、九州の吉野あづち氏を小樽の萩原貢氏が道に迷いながら先導してきたとか。



二次会:左から 瀬戸正昭、文梨政幸、萩原貢、嘉藤師穂子の各氏




作家からの贈りもの展 芸術の森美術館
芸術家たちが、家族のために作った「おもちゃ」を集めてみた。作品とその”思い”ということに焦点をあててみようという試みらしい。しかし、当然のように小学校にも上がっていないと思われる子供連れが圧倒的。なにか間違っている気もするが・・・まあ、いいか。
藤田嗣治の木とプラスチックビーズで作った「そろばん」それにアルミ製の「ブリキのじょうろ」がまず目を引く。日常品を使う人のサイズからというのは、おもちゃの第一原則であろう。
ライオネル・ファイニンガーは「汽車」がカラフルで可愛らしい。駆け抜ける「おもちゃの家」並みも作る。舟越桂の「レンガの家」は個人的に好き。



香月泰男 「山羊」

ところで、パブロ・ピカソは娘パロマのために作った人形を結局は壊されないようにとアトリエに仕舞い込む。いや、非常に良く分る。ピカソの「おもちゃ」は決して玩具として作られていない。あくまでもミニチュアの彫刻のようなものにしか見えない。一緒に絵を描いたりするのは好きだったというから、性格の問題だろう。
その意味でパウル・クレーと好対照だ。クレーは息子フェリックスに50体の指人形を作った。はっきり言ってわたしには魅力がない人形。あくまで息子の好みに合わせた結果であろう。頑健そうで投げつけてもよさそうだ。
それと展示室内のミニビテオシアター。タイトル「カルダーサーカス」は手作りのサーカス小屋。針金と糸などを巧みに組み合わせて、ロディオ、逆立ち、投げ縄に重量挙げ、さらには空中ブランコまで。BGMにあわせて自作自演。アトリエで開いては、当時の芸術家たちに大人気を博したという、その記録映像だ。いやあ、すごい。手で押したり引いたりと、実にリアルでいいかげんで素晴らしい。まさしく一見の価値あるビデオだ。

5月23日(日)まで 札幌芸術の森 札幌市南区芸術の森2丁目75番地 一般/900円 高大/600円 小中/300円 
http://www.artpark.or.jp



北の朗読者 若宮明彦 春の詩祭
札幌市時計台ホールでの朗読、作品名「小さな足跡」。地層に残された足跡を分析していくうちに、気持ちはどんどん乖離していく。残されたものと残すもの。
きのこ雲の影に焼けたロザリオ、踵の骨。残されたものは何? 直立歩行を成し遂げた先祖の影を追いかけながら、辿り着くものの影は何に化けていくのか。放射能の雨と風によって汚れた大地。
それを受け渡すちいさな娘の足には風邪をひかぬように毛布を。しかし、この大地で私たちは如何なる足跡を残しているのだろうか。おおきなテーマをちいさな子供のうえに重ね合わせていく。



若宮明彦氏

意識が高く入るとき”情熱”というよりは”熱心”と形容したい。全体にひょうひょうとした感じの語り口。



サッポロピリカコタン II 札幌市アイヌ文化交流センター
全体には小振りな感じがいなめない建物ではあるものの、しかし、とにかく勝手に歩き回れる感じがある。展示室に向かう通路を歩いていると、歌声が聞こえる。そこへ係りの人が「交流ホールでは踊りの練習中です、見て行きませんか」といって見学させてくれた。



梟のモニュメント

ステージ上には「シュシップ・シュシップ・サァサァサァ」と掛け声をだしながら、左右に手のひらを叩いて、ぴょんぴょんと飛び跳ねる一群。最初はゆっくり、徐々にスピードをあげる。しばらく踊っては勝手に座り込む人がいる。すでに見学中の他の観客の一人が質問してる。これは”体力比べ”の意味の言葉であり、その踊りだそうだ。



練習風景

子供の遊びかと聞いたところ、違うとの返答であったが、子供大会ならすごくおもしろそうな気もするがどうだろう。結構立派で、ここのステージで朗読してみたいなあ・・・とか。居心地のいいところであった。



展示品(刀)




サッポロピリカコタン I 
アイヌの文化と歴史に触れることのできる、札幌市アイヌ文化交流センターが小金湯にある。 昔ながらの建築法で再現されたチセ。チは”我ら”、セツは”寝床”の意味で家屋となる。また、プ(足高倉)も再現されている。他に”自然の里”には水田や池があるらしいが、雪に埋もれていてわからなかった。



チセ

建物内部の展示室に入いろうとして驚いた。「展示物に触ってもいい、写真も自由ですよ」とのこと。さすがに刃物やアクセサリーは保護されているものの、臼やまな板、衣装などは触れるし、樹木の皮を剥ぎゆでて柔らかくして糸にしていく作業のビデオなどもおもしろい。



展示品(まな板)

また、アイヌの昔話のアニメもある。飲み込んだ鳥で屁をする話。狼と仲がよくて一族が助かる話。梟の神様がサケを困らせるために金の柄杓と銀の柄杓で海の水をからにしてしまう話の三話。日本語版とアイヌ語版が選択できる。



展示品(装飾品)

札幌市南区小金湯27 TEL.011-596-5961
入場は無料(展示室観覧料 一般200円、高校生100円)




小樽詩話会 札幌例会 琴似八軒会館
第914回例会。小樽詩話会の40周年記念号の札幌例会は、札幌近郊在住者の詩作品の合評が中心である。
今回取り上げたのは六作品。司会おのさとし氏。まず佐藤由佳子氏、散文系の作品「流転」ではコップを上から横からと、その陰影を形状から組み立てることで男女の在り方を問う。次いで田中聖海氏「魂の友」テーマの愛をエレベータの上昇に、夜空に吸い込まれていく”力”で不可逆の姿勢でストレートに迫る。
谷崎眞澄氏は作品「縄梯子」で”ひばりが 一点。”の一声さえもあまりに大きすぎる空に届かない。亡くなった者たちへ架けることのできない”声の縄梯子”が、しな垂れ落ち、すべてを空虚ならしめる。
なかの頼子氏「三階の非常用ドアの前で」の”ふうせん””はなび”に対し、二部構成としての全体イメージの欠損への指摘もあったが、特に”ふうせん”の色のコントラスト、しぼみかかった様子が好評をはくした。吉川みさ子氏の作品、幼い頃の手渡しできそうな情景「わたしの庭」で、心の中へ置き忘れていた、御伽噺に似た感性がポツンと気丈にたつ。



司会 おのさとし氏

村田譲「声たちの埋葬」は”独演会じゃあ・・・”との指摘を受けつつ、朗読と作品のギャップを提示することとなった。
ゲストに詩誌「複眼系」の佐藤孝氏と渡辺宗子氏が参加した。



2004 春の詩祭 札幌市時計台ホール
こどもへのメッセージをテーマとしての開催ではあるが、会場にこどもがいるのか・・・仕事のある金曜日の夜、都心の朗読会にはありえない話。しかし一般のお客さんが多かった。
嘉藤師穂子氏「水曜日の子どもたち」。月曜の子は綺麗、火曜の子は上品、でも水曜の子は苦しみ一杯。でも苦しみから解放の空をあなたにあげる・・・と。
こしばきこう氏。君たちの言葉がわからないから売ってほしいと懇願する、生きる物語のための「ひとりでは輝くことができないから」は迫力ある朗読。斉藤征義氏、今回は「トロスの狐」心の底に滝の音を聞くものたちがみる鬼火のこと。笹原実穂子氏は都会の蛙と水田の蛙の合唱。



時計台ホール会場 / 朗読・斉藤征義氏

竹津健太郎氏「ハルヒコ」。”殴れハルヒコ、拳がお前の言葉なのだ”と囁く。久し振りに囁く朗読を聞いたが、うまく壷にはまり、今回お奨めの一品であった。橋本征子氏は果実を取り扱いながらの作品「マンゴスチン」。増谷佳子氏「早春の午後」では、冬を脱ぐひかりの躍動を現した。 原子修氏は尺八演奏の亀岡幻憧氏と「地下鉄に鯨が乗ってきた」おさない手に握られた風船の鯨。本間充氏は朗読ではなく”子どもの権利条約”のお話を。
ほかに浅田隆、石井真弓、伊藤美佳、大貫喜也、佐藤道子、高野敏江、横平喜美子、若宮明彦、渡辺宗子の各氏が朗読。朗読の内容は戦争がテーマでそこからの克服型と春のこども的な感じに割れた。
村田譲は「水のオルガン」昔こどもだった人たちへ、春をテーマとして朗読。次号詩誌「饗宴」2004春号に掲載。



北の朗読者 石畑由紀子 詩人の広場
帯広からの参加は石畑由紀子氏。北海道詩人協会では青年部になるだろう(そんなのないけど)・・・といっても東京方面には出張してオープンマイクの朗読会などに参加している、ツワモノ(?)。
それだけに「詩人の広場」では朗読のトップバッターにも関わらず、落ち着いて声を出しているようにみえた。会場を見ながらゆったりと、テンポをつくっている。
朗読作品は「眉尻」。死に直面しながら拾い上げていこうとしていく。冷静であろうとしながらも、気に入らない電話のコールを数える姿を透明度の高い声質で語る。じいちゃんから譲り受けた眉尻を少し落としながら。



石畑由紀子氏

ところで、クリアな音だといっても味わいのある声とは違う。結構扱いが難しそうな声質、と感じた。今回の石畑氏の朗読、テーマの”別れと繋がり”がクールな位置に立つことで、落ち着いた形を作り上げている。

HP「言葉のアトリエ」開設中
  http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/8014/



北の朗読者 瀬戸正昭 詩人の広場
割りと古めかしい語り口調の作品が、瀬戸氏の特徴的な書き方である。
今回は詩誌「饗宴」vol.38掲載の作品「チェーホフの手帖から」を朗読。「言った」の時などに”つ”の字を大文字で書いたり、または旧字”ゐ”を使ったりする。ということは、朗読では全体の古びた調子は”ように”を”やうに”、”こうも”を”かうも”とする、予め変更している言い回しに頼るしかない気がする。
朗読の、声のイントネーションの上げ下げは幅が大きい。それは常に一字の書き方にもこだわるせいなのか、発語のときも一語をはっきり、ゆったり発音するせいなのだろうか。せっかちな朗読にも聞こえるのに、思ったより雰囲気の崩れている気がしない。不思議といえば不思議な感じ。




瀬戸正昭氏は、詩誌「饗宴」の主宰者。春夏秋冬の季刊を創刊時より守り続けている。特集などでも手抜きをしない作りに定評がある。



第27回 詩人の広場 札幌市教育文化会館
当日は雪が強く遅刻や、風邪をひいての欠席が目立った。
10分遅れの開会。まず森れい詩人の広場実行委員長より開会の挨拶。次いで高橋秀郎北海道詩人協会会長から。そして須田抄二、北海道詩集編集委員長から今号50号の報告がなされた。
合評会のわたしのグループは渡辺宗子氏が司会を努めた。入谷寿一氏「SARS」では流行当初の献身的な医師がいたことを刻み、原子修氏「鶯」の血を吐いてまでの囀りと貰い受けた命についての討論。渡会やよひ氏「犬狼」・「旅」のラナンキュラスの美しさとハモグリバエの対比。増谷佳子氏「ゲーム」では人生という名のゲームに、新たな時代というジグソーのゲームがはじまる予感を。
ムラタは締切日を忘れて未掲出だったため急遽作品「春」を持ち込んだ。



朗読 瀬戸正昭氏


自作詩朗読は稲留佳子氏の司会。トップバッターは帯広から参加の石畑由紀子氏「眉尻」のクリアな声質。熊谷ユリヤ氏はこの世で一番空に近い部屋での漂う記憶。綾部清隆氏、零れ落ち、走り回っているのに届かないもの。橋本征子氏の「キウイフルーツ」の粘性。新妻博氏のぼくとつにして手繰り寄せるものたち、もう一杯のコーヒー。
名手、伊東廉氏が”病跡学”についてのスピーチで会場を沸かせる。自作詩朗読の第2部でも嘉藤師穂子氏の「なんげぇはなしこ」、中野頼子氏よびだしのベル、等。朗読について、歌とは違うよなあと改めて思ったりもしたのである。



夢かぶき人形展 札幌三越10F催事場
中西京子「夢かぶき人形展」が開催中。和紙人形による出雲の阿国から江戸時代の歌舞伎の舞台風景まで、総勢1200体とのこと。
どちらかといえば形態のおもしろさが中心である。”京鹿子娘道成寺悪念の大蛇”釣鐘に立ち上がる蛇の首からつらなる尾までの蛇の見事さ。横に腰を抜かし震え上がる坊主ども。単体では”お七、鷺娘”の白い反り返りも美しいが、基本的にメインキャスト以外には顔が描かれていない。顔の表情がないのであくまでもストップモーションの世界。
出雲の阿国の川原の歌舞伎は、舞台装置のおもしろさがでている。”初日控小屋裏方”の仕事場の雰囲気、釣鐘の張りをするもの、背景の絵を描くもの、大道具小道具係。狂言作家の仕事が看板から起請文まで書くことの全般とは知らなかった。
さらには江戸の歌舞伎小屋のジオラマ”初日控楽屋有様”の二階建の歌舞伎小屋の再現が圧巻。




札幌三越10F催事場 (札幌市中央区南1条西3丁目) 3月1日まで開催
入場料:一般 800円 / 大高 500円 / 中学以下無料




北の朗読者 大原登志男 ボッセの会新年会
大原氏は、割と時代性のはっきりした作品を中心に展開する。
それは当然のように例えば”戦争の爪跡”ということだったりする。が、戦争詩は難しい。単なる言い訳や苦労話の独り言になりかねない。そうするとその悲惨さは、実のところイメージできないものになる。
今回の作品「こっくりさん」は、オラのカカアの浮気を気にし、田舎の田圃、バッチャはたっしゃにしてるべか・・・と戦争中の思いをこっそりと、誰にも見つからないよう通信所のアンテナにつないでいた。生活語である方言で展開することで今に繋がるリアリティをうつす。 まじないの言葉、小樽弁での朗読が持ち味である。



大原登志男氏

第5回吟遊詩人大賞コンテストでは「小樽くどき」が最優勝賞を獲得。



北の朗読者 福島瑞穂 ボッセの会新年会
昨年の秋に千歳の支笏湖畔で開催された日本詩人クラブの北海道大会。そのときの朗読会のことを作品化した「詩の夜」。
大会のその夜、千歳は暴風雨であった。荒れる嵐の窓に向かって開かれた暗闇に一人づつ、自作詩の朗読をする。あまりに震えるざわつきのなかで、墨のような湖底にまで流し込む。そして作品の判定はホテルの窓の横に立つ、唯独りの、外からの観客である”みずなら”に任せたのだ。
今回の朗読作品は、高野敏江、増谷佳子の両氏とともに発刊している詩誌「Tea Time」no6に収録されている。



福島瑞穂氏




北の朗読者 遠藤整 ボッセの会新年会
この人は朗読がどうも好きではないという。人前で話すのも得意ではないという。で今回はスピーチに参加。なんでかというと、1分間だと短いからだと勝手に思っている。
そんなんでいいのかアとも思うのだが・・・しかしこの人の作品は、特に水を扱うと特徴が出る。すごく粘る感覚があって、指先というか、女性がいう身体感覚に似たものがあるような気がする。遠藤氏本人の声の質としてはかなり渋いので、粘性の高い硬質の作品とはマッチしそうなのだが・・・。なかなか朗読しない人なので、是非聞いてみたいの会でもつくろうか?



遠藤整氏

遠藤氏の作品に触れたくば「言覚時代」「錨地」「パンと薔薇」同人です。



ボッセの会新年会 高田屋北3条店
1月17日当日は晴れ。しかし数日前の暴風雪の影響で道路状況は最悪。
今回は会員の谷崎眞澄さんの詩集「喪失」が更科源蔵文学賞を受賞されたので、そのお祝いの会も兼ねての開催。パンと薔薇主宰の光城健悦氏が祝辞を述べられた。「優しさが見つけ出す、社会への違和感が不条理の世界を書き出させるのであろう。傷つく自分という書き手」との話。その谷崎氏からは「いい詩のそばにいたいのです」と。


光城健悦氏

そのあと自作詩朗読。入谷寿一氏は”管”のこと、活かされている水惑星の住人達へのメッセージ。佐藤道子氏は地上23Fからの眺望にある都市空間のこと。宮脇淳子氏はねむりの内側、アムール川からの流氷の寒気を越えて幼さの影を歩き、生き続けること、成長。今村博光氏はいつまでも11才のままの姉のこと。こしばきこう氏は今回の谷崎眞澄氏の受賞を記念しての喜びの言葉。ほかに大原登志男、福島瑞穂、横平喜美子、笹原美穂子、浅田隆、嘉藤師穂子の各氏が朗読。
村田は作品「十二月の参列者」を朗読する。しかし酒飲みのなかでの朗読はなんか別系統の作品にしたほうがいいかな、とも思うですね。


原子修氏 / 谷崎眞澄氏

ボッセの会 2004年定例会予定(主催:原子修 事務局:浅田隆)
毎月第2土曜日午後2時から。「詩と思想」当月号と自作詩合評が中心。
2・3・4・5・9・10・11・12月はパラシュートビル / 白石区南郷18丁目北1-7
6・7月は、こしばスタジオ「アトリエ阿呆船」にて。8月はお休み。




世界遺産写真展 II 大丸さっぽろ7Fホール
迫力あるパネル写真が中心で、全体を六部で構成している。それぞれのコーナーごとに短いビデオコーナーが設置されている。
1.天地創造…では自然の渓谷などが中心、ハッとする景観美がある。
2.生命…各地の自然生物が生き生きと映し出されて、奇妙に見たことのある色合いがここにいる。ここまでは、ありのままの状態の美しさが中心である。
3.古代遺跡…「クフ王のピラミッド」はその入り口が示され下から見上げる構図で遠いガタガタした黄色い通路の様相である。「万里の長城」は実に遠大に山々の峰に横たわるのだが、誰がここを駆け抜けたのだろうか。
4.宗教…エチオピア北東の「ラリベラの岩窟教会群」は13c初頭ラリベラ王によりエルサレムの再現のため、岩盤をくり貫いて教会をつくる。ラサの「ポタラ宮」はチベット教本山として、7cの吐蕃王国ソンツェン・ガンボ王が建設。白と黒の陰影が美しい。
5.都市と文化…むつかしいタイトル。そもそも都市とはなにか。古代ギリシャの都市国家を規範としているのだろうが。まあ、そうは言っても、タージマハルが素晴らしい。17cインドのムガール帝国5代シャージャハンが王妃ムムターズ・マハルのために建立した大理石でつくられたイスラム様式の建物。
6.日本…ウーン、身近にね、ということかなあ。白川郷の合掌造りの集落とか。



また中ほどには座って見られるハイビジョン・ミニ・シアターが設えられている。これらの映像は、日曜夜11:30よりTBS・HBC系で「世界遺産・THE WORLD HERITAGE」で放映とのこと。
札幌駅直結大丸さっぽろ7Fホールにて 1月26日まで
一般800円、大高生600円、中学生以下無料



第9回小樽あかりの市 
小樽詩話会の忘年会参加の日、一駅前の南小樽で下車して「小樽あかりの市」を歩いてみた。今年の北海道は雪が少なく、風もやわらかであった。メルヘン交差点までの坂道もたいして滑ることもなく歩いていけたが、アベックばかり目に付くのには閉口するが・・・。



メルヘン交差点

まず銀の鐘でカマンベールチーズケーキを買う。それから北一ヴェネツィア美術館に行ったのだが、別フロアにはなんかあるようだが要はみやげ物屋で、気力が失せてしまう。売る姿勢がみたいのではなく、工芸品に触れたいのだが。しかしすぐ裏はガラス工芸店ばかり並んで、ちょうど夕暮れ時。ライトがきれい。
小樽硝子見学館では、ガラス越しだが現場を直に見られる。六花亭の北の大地美術館は奥に、相原求一郎、坂本直行両画伯の作品。ホクレンふうど館では売り場のスペースを利用して陶芸の作品が展示してあった。
えらく古びていた小樽浪漫館、歩くとギシギシ唸る。二階の廊下にスペースがあり作品自体というよりも、全体の持つ”ぼわっ”としたゆるるかさが気に入った。



小樽浪漫館

小樽石の蔵など一日かけて回るほうがよさそうだ。
第9回小樽あかりの市は1月12日まで。



瑞春 2004.1.1. 
一年が終わり一年がはじまる。
では、なにをはじめるのか。
なりたい自分があるならば、そのように進めばよいのだが。それだけでいいのかなぁ、結構好い加減に終わらせている気がする。
始める前になにを終わらせなくてはいけないのか、ということ。あるがままの自分を見据えているのかなと思うのですが。
・・・この頃は、変らないものは変えてはいけないとも思うのです。




        瑞春

        倦怠感去る
        弱気去る 不安去る
        バナナムーンのぼる
        瑞々しき はる



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