大生連サブロゴ
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大阪市生活保護交渉

2011年8月4日 大生連
 8月4日中之島中央公会堂にて大阪市健康福祉局保護課と1日目の交渉を行いました。当局は武市課長代理、喜志係長他が対応されました。大生連は17単組102人参加し、私の要求アンケート11単組178名分を提出しました。

《新聞紙上での平松市長の発言について》
【大生連】 7月21日付朝日新聞の平松市長の生活保護に対する認識について問いたい。@生活保護の制度疲労とは何か、A大阪市の不正受給の件数・金額・全体に対する比率はどうなっているか、B医療の不正は本人か医療機関の責任なのか、C市の財政負担はいくらか。
【大阪市】 生活保護行政特別調査プロジェクトチームを毎月開催し、マスコミにも公開している。8月の会議の冒頭でも記事に対して触れており、間違いではないが真意が伝わっていなかったとコメントしている。
@制度疲労の議論で大きなテーマは年金との差と失業者への対策になっている。国民年金を満額かけても生活保護基準が上回っている。このままでは年金制度が空洞化してしまう。また失業したとたんに生活保護というのはやめてほしいという議論になっている。生活保護が最初で最後のセイフティーネットになっている。求職者支援制度も法律改正で恒久的なものに代わりそれを厚生労働省は第2のセイフティーネットというが、月10万円では生活保護基準を下回る。少なくとも1級地の1以上の金額でなければ意味はない。生活保護制度は良く出来た制度だと思っている。生活保護制度よりもまわりの制度に問題があると思っている。
A後日回答する。
B医療の請求内容についてはチームを組み調査している。今困っているのは、請求上の不正ではないが本当に必要な医療かがわからない問題。使ってもいない在宅酸素の設置や訪問治療が増えている。病院の不適切な請求と思っている。
C昨年2800億円、今年度予算は2916億円。市の負担は700億円。交付金の金額については後日回答する。

【大生連】 回答文書では生活保護が制度疲労と書かれている。生活保護ではなく、満額かけても66000円という国民年金や失業保険もすぐには支給されず、期間も短い。これが制度疲労だ。生活保護が制度疲労を起こしているのではない。生活保護の制度疲労というなら4条の補足性の原理の稼動能力の活用や時代にあわない扶養義務の強要などが問題だ。平松市長の朝日新聞の記事は撤回してほしい。
【大阪市】 生活保護制度のなかみを大きく変えるという主旨で国と話はしていない。年金や失業保険に関することは言われるとおり。プロジェクトチームの議事内容についてはHPや市政だよりにも掲載している。
【大生連】 プロジェクトチームになぜマスコミが入るのか。本来なら利用者も入るべきではないか。チームの構成メンバーはどうなっているのか。
【大阪市】 マスコミに公開で行っていると言うことです。構成メンバーなどの資料については資料を渡します。
【大生連】 回答には市民の不公平感と書かれているが、平松市長の記事こそ不公平感をあおるものだ。回答の撤回を要望する。
【大生連】 2004年当時の資料で見ると大阪市の生活保護世帯は66010世帯で生活保護費や関連支出で2060億円(大阪市の負担は約150億円)。しかし吉永純教授(花園大学)の書かれたものによると、そのことで波及効果も含めて3102億円の経済効果があるとされている。それにより税収もあがり6倍の効果がうまれるとされている。こういったことを市長は知らないのではないか。

《交渉のやりとり》
■助言指導書について
【淀 川】 昨年末の交渉でも助言指導の問題をだしたが、市でそのようなことは指導していないとの回答だった。しかし今年の初めにガイドラインが出されたが作成されていることを知っていたのではないのか。
【大阪市】 昨年の交渉時には承知していなかった。今年の1月に検討し、2月からガイドラインに沿って行っている。淀川はガイドラインに書かれていないことをしていたため、それに基づき行っていたものとは思わない。
【大生連】 保護決定前に助言指導はできるのか。助言指導と指導はどう違うのか。無一文の人はどのように求職活動ができるのか。
【大阪市】 申請時はあくまでも助言。指導は被保護者に対し行う。申請時に行う助言指導は、申請者が資産能力や他法など活用しうる資産の活用を怠っている場合や忌諱していると認められる場合に対し行っている。助言指導というのは実施要領に記載されている言葉を使っている。無一文の人には助言指導は行っていない。
【大生連】 無一文の人に助言指導を行わないことは各区に周知しているのか。申請時には助言と言うなら淀川の助言指導書には「決定の重要参考資料となる」というのはおかしいのではないか。
【大生連】 助言指導書は撤回すべきだ。各区にも周知徹底してほしい。生活保護は無差別平等の原則。これは水際作戦の何者でもない。
【大阪市】 申請時の助言については、全くお金のない方や自立支援プログラムに入った人には行わない。
【平 野】 パソナが行っている就労支援に入れば保護は決定するが入らなければ保護の決定を30日間延長している。お金がなければ就職活動はできないが、所持金の基準などはあるのか。
【大阪市】 基準はない。本人に説明も行い進めていく。
【大生連】 生活保護申請時は保護費の半分しか保有を認めていない。これは生活費であって余分なお金はない。就職活動はできない。
【生 野】 就職活動するにはスーツの費用や交通費など結構かかる。
【淀 川】 稼動能力とはどれくらいあれば能力と言えるのか。
【平 野】 医者には3時間しか働けないと言われているが、以前朝の10時から夜9時まで働いていたため、同じような仕事を探さなければ却下すると言われた。
【大阪市】 個別のケースは区へ確認し、後日回答する。稼動能力は医師の意見書のみでは判断しない。これまでの職暦などを総合的に判断して行う。就労指導に関わらず非現実的な指導や一律には指導しないよう言っている。

■移送費について
◇求職活動の移送費
【平 野】 支援プログラムに入っていて指導されるように求職活動を行っているが、移送費が支給されていない。仕事がなければ原発や自衛隊もあるとも言われている。
【城 東】 求職活動の費用は保護費に含まれていると言われた。就職活動するには最低でも1回1000円はかかり1日の食費になる。保護費のどこに含まれているのか教えてほしい。
【大阪市】 移送費の支給は要件にあてはまれば行うが、無条件に支給するわけでなないため保護費に含む含まないとは言えない。個別ケースは区にも確認し、後日回答する。

◇通院のための移送費
【【此 花】 ガンで通院をしているがケースワーカーから移送費の説明を受けたことがない。
【大阪市】 保護のしおりで周知している。ケースワーカーには医療券を発行する際に注意するよう事務連絡文書で徹底する。
【大生連】 今まで周知の文書は出していないのか。
【大阪市】 平成22年の改定の際には周知した。
【大生連】 文書が出来たら大生連にもほしい。
【大阪市】 了解しました。

■実態無視の生命保険の収入認定について
【淀 川】 保険を解約し、お金が入ったため保護費の返還を言われている。この保険は息子が東日本大震災で被災し、生活費がないため保険を解約した。保険の名義は自分だが掛金も息子が払っているため解約金は息子に入っている。しかし、名義人というだけで事情もあまり聞かずに返還するよう言われ来月から毎月4000円の30ヶ月払うことになっている。
【大阪市】 63条での返還は一律に全額を収入認定し返還というのではなく、分割の返還など慎重に検討して行う。
【7淀 川】 慎重に検討との回答だが5分ほど話を聞くだけで無理ですねと言われた。
【大阪市】 区へ確認し、後日回答する。
【大生連】 決定は文書で行い、審査請求はできるのか。審査請求すれば返還の執行停止の手続きになるのか。
【淀 川】 そのような文書はもらっていない。
【大阪市】 すべての決定は文書で行っているそれに基づき審査請求できる。執行停止の手続きも一緒に申請してもらえばよい。
【此 花】 此花でも預貯金の名義は自分だか息子がつくったものだったことがわかったため収入認定しなかった経緯もある。
【 北 】 北でも本人が知らない預貯金が出てきたが本人が知らないものと証明できたため収入認定しなかった。淀川の件も審査請求するまでもなく息子さんの申立書などで証明できれば済む問題だ。

■その他出された事例
◇住吉区の眼鏡給付の問題
【住 吉】 小学4年生の男子で、眼鏡がつぶれたためケースワーカーに相談すると費用は出すと言われたが1ヶ月以上たっても支給されず確認すると以前の支給から4年たたないとだめと言われた。
【大阪市】 4年という基準はあるがやむを得ない事情のある場合はケースワーカーの判断で支給もできる。区へ確認し、後日回答する。

《夏季加算と老齢加算の復活を求めるひとこと》
●70歳になり保護費が7350円減った。年間にすると4万円ほどになる。昨年は母が98歳で亡くなり初盆で田舎にも帰りたい。化粧もパーマなどの贅沢は一切せず、毎日一所懸命生きている。私たちのささやかな望みを聞いてほしい。
●団扇と扇風機でしのぐしかない。夏季加算を出してほしい。●障害者のためクーラーが必要。
●クーラーがあっても電気代が気になり使えない。●歳をとっても人並みに暮らしたい。
●文化的生活水準とは何なのか。今の保護費では友達や社会とのまじわりができない。
●洗濯機が壊れ、児童扶養手当で購入したが今度は冷蔵庫が壊れている。貸付があれば助かる。

【大阪市】 生活保護基準の加算などについては、厚生労働省の基準部会で議論されている。生活保護基準については5年を目途に見直しといわれており、今年が5年目。級地を見直すということも聞いているが詳しい内容はわからない。しかし、1類が高い低いなどという議論ではない。交渉などで聞いた話については、機会をとらえて伝えてきた。しかし、一時金のような個人給付についてはむずかしい。
【大生連】 私の要求アンケートや今日だされた要求や実態を市長にも伝え読んでもらってほしい。

■貸付について
【大生連】 年金などの収入があるなしに関わらず貸付をしてほしい。貸付が決定してもお金が出るまでに1ヶ月もかかるようでは必要な時期が終わってしまう。
【大阪市】 貸付の審査などを早めるなどの要望は担当に伝える。
【大生連】 東京では4万円の補助金を支給している。大阪市でもそのような独自の施策を考えてほしい。
【大阪市】 厳しい大阪市の財政状況では東京のような補助金はむずかしい。
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