大生連サブロゴ
もどる
大阪市生活保護交渉

2009年12月9日 大生連
◇家のない人にカプセルホテル利用も認めるなどの柔軟な対応をとってほしい。
12月9日、中之島中央公会堂にて大阪市生活保護課と2日目の交渉。岸課長代理、貴志係長らが応対しました。大生連は17単組97人が参加。

〈前回交渉の積み残しの回答〉
【大阪市】 港区の件は、本人の帰郷の意思が強いので徳之島に帰る方向で話し合う。
【大阪市】 廃止したときの金額で現在の世帯数の一時金を算定したら、夏4億3600万円、年末4億3700万円程度。合計で8億74000万円が必要です。平成16年に廃止したときは6億1900万円だった。
【大阪市】 水道減免の復活について、水道局の回答は直接所管のところから声を上げてもらうことが手続き上必要といわれた。健康福祉部局としては困難だ。

【大生連】 ひきつづき水道減免を要望したい。大阪府へWTCを売却する問題が出ているが、銀行への利息が年間10億と聞いている。大阪市は移転に伴い、咲洲地区の整備などに数千億円のお金を支出される予定だ。大企業に湯水のように使うことは納得できない。生活保護の一時金も復活してほしい。
  
〈今回のやりとり〉
◆カプセルホテル、旅館からの申請を受け付けて

【淀 川】 相談に来る人の多くが、家がなく、お金もない。そのため、住宅の確保が困難だ。ケアセンターなどを経由しなくても住宅が確保できるようにしてほしい。
【大生連】 センターに入ることが苦痛な人もいる。東京のように日割りの家賃支給はしないのか。カプセルホテルや旅館からの申請も認めてほしい。
【大阪市】 国の通知に則って、市もたらい回しのないよう通知した。ホームレスでもきちんと連絡がとれる状況であれば申請を認めているはず。
【大生連】 友達の家や路上生活を放置せず、カプセルホテルからの申請も認めたらどうか。
【大阪市】 ケアセンターで対応できている。
【大阪市】 ケアセンターに入りたくないと言う人については本人の意思を尊重するよう、また、敷金をださないという取り扱いはしていない。出しているところもある。再度、周知もした。

【浪 速】 ケアセンターを追い出されるなどの相談をうけることがある。二週間以上は入所できないのか。
【大阪市】 ケアセンターの収容可能人員について
本来、ケアセンターは日雇い労働者の休憩が目的に建てられた。三徳寮は民間の施設。大阪市がケアセンターとして委託している。三徳寮の一部をケアセンターとしている。男性は西成区の三徳寮で224床。女性は平野区にあり20床だ。入所期間は2週間。その後、区役所で決定し転居費用を支払う。他にあいりん地域に一日ごとに入れるシェルターが千床(ベッド)あり無料、順番で入る。シェルターに入り、ケアセンター入所を待ってもらう場合もある。ケアセンターは2週間だが、自立支援センターは3〜6ヶ月間住むことができる。

【大生連】 年末年始の対応として、カプセルホテル利用などの柔軟な対応をとってほしい。

◆連絡票はただちに撤回せよ。
【東 成】 生野区では申請のための資料として民生委員の証明まで求めている。違法だ。
【大生連】 大阪市が出すように指示したのか。違法な文書が一人歩きする可能性もある。誤解を招く文書の撤回を求める。
【大阪市】 連絡票は本庁が作成したものではない。保護の決定に民生委員の意見等は不要、実施機関で決定する。民生委員は協力機関だが、強制ととられる指示はしないよう指導する。
【大生連】 民生委員には何の権限もない。地域に生活に困窮している人がいないか福祉事務所に通報する協力機関ではないか。
【大阪市】 位置づけとしてはそのとおりだ。この連絡票は強制をもったものととられ、不適切と思われるので撤回するよう指導する。
【大生連】 生野にも確認し、話をしたい。大阪市からも伝えてほしい。
【大阪市】 わかりました。

◆明細書について
【平 野】 明細が分かりにくい。字が小さく、薄い印字で見づらい。内容が理解できずに保護費を使い込んで、あとから返還を求められることもある。
【大阪市】 偽造防止用紙を使っているため見づらいのは改善の余地があるのかと思う。システム化しているので、すぐの改善は困難。一枚の紙に情報量を記載するので、詳しく書こうとすると字が小さくなる。わかりにくいとの声も聞くので、記載内容等については検討していく。
【大生連】 東大阪市、堺市、貝塚市の様式は分かりやすい。参考にして、利用者本人が理解できる明細に改めてほしい。貝塚市は最低生活費を詳細に明示している。
【大生連】 一類、二類、各種扶助、働いている場合の勤労控除などを記載して、行政は最低生活費を教示する義務がある。保護世帯が理解できるものに改善をしてほしい。
【大阪市】 他市の様式の確認はしていないが、宛名の部分が3分の1をとるため、情報量が少なくなる。そのため、字が小さく説明も十分ではない。データーをとりよせ参考にしたい。できるかどうかも含めて検討させてほしい。
 
◆保険料が不足し、受給資格に到らない場合
【平 野】 60歳からの年金受給資格にあと5ヶ月分の保険料が不足している。ケースワーカーは自分で払うように言うが保険料を払えない。どうしたらよいか。
【大阪市】 @生活福祉資金を借りる。償還のお金は控除の対象になる。しかし、役所がやってくれというのは本旨ではない。A年金受給資格ができるまで、社会保険のあるところで働く。B保護費から払う。最低生活費を割るので、本人の意思が優先される。一般的に大阪市として推奨するものではない。
【大生連】 ある区では1ヶ月不足した人がいた。とりあえず、本人に1ヶ月を負担してもらい、振り込まれた年金から保険料を引いて認定したことがある。
 
◆夫の家から保護の申請をする場合
【平 野】 夫と離婚したが、(夫の持ち家)家を出て行くお金がないため、引っ越しができない母子がいる。申請を認めて転居費用を支給するのか。
【大生連】 何ヶ月後かに出て行くと分かっているので、世帯分離で転居費用を出してくれた自治体もある。柔軟に対応してほしい。
 
◆貸付について
【大阪市】 母子寡婦の貸付は13種類がある。限度額も異なる。事業開始資金、事業継続資金、住宅資金は審査会の意見にもとづき決定。年4回の審査会を開いている。審査会を通じる貸付は利用時期に間に合うよう、早めに提出してほしい。平成20年度の貸付は620件で、3億2000万円の貸付を行っている。教育の貸付では、支給までに平均2ヶ月かかっている。母子とは20歳未満の母と子で、その間に離婚をした世帯。その子が成人した場合は寡婦となる。子どもが20歳過ぎて離婚や死別した母と子の世帯は寡婦にはならないので貸付は利用できない。 大阪市 母子貸付では、借金返済は貸付の対象にならない。教育の貸付は生活保護世帯も利用できます。
【大阪市】 教育の貸付を受けた場合は収入認定から除外される。SP会議でも周知徹底する。

◆老齢加算を復活せよ。
【 北 】 老齢加算が廃止され保護費が下がり、年金12万円のほうが保護費より少し多いから生活保護が利用できなくなった。医療費などにかかる公租公課を自分で負担しなければならない。家賃も滞納し、年金担保で借金をした。2回目の年金担保となるが、生活ができないので、生活保護を利用したい。
【大阪市】 年金担保で借金をしている人でも、申請は可能だ。しかし、平成18年の通知で個別の状況はあるが、複数回の申請は却下の可能性が高い。
【大生連】 急迫状態、やむをえない場合の例外もあるはずだ。柔軟に対応してほしい。加算が廃止され、保護を廃止された人は国保、医療など負担が増えている。実態を調べて。

◆通院移送費について
【淀 川】 病院への交通が夫婦で(60代)1万円かかる。支給するか。この間の遡及をするか。近くに転院するよう言われた。
【大阪市】 遡及は、確認月の前月までが原則。遠いところに通っている場合は必要性、交通手段などついて検討し、要件に合致すれば出している。
【淀 川】 癌治療で歩けないため、8ヶ月間タクシーを使用できた。本人の意思を尊重してほしい。また、いつでも使える医療証にしてほしい。
【大阪市】 医師との信頼関係もあるので、医療機関の選択は本人の意思を尊重する。
【住之江】 四件通院している。医師の証明が必要といわれたが、催促しても忙しくて書いてくれない医師もいる。通院した日は福祉事務所で分かるのだから、申請を簡素化してほしい。
【大阪市】 公共機関を使う場合は通院証明書はいるが、医師の意見書は不要です。
【 港 】 兵庫医大に通院している。医療券を出すときに一緒に移送費の申請用紙を出してほしい。手続きも早くすむし、支給されるまでの間、立て替えるのも生活が大変だ。
【 北 】 東京の病院で治療をうけるため、バスに乗って通院している。(往復のバス代8000円)治療を受けるのは認めてくれたが、交通費も認めてほしい。また、北の回生病院が新大阪に移転したため、交通費がかかる。ケースワーカーからは近くに代われといわれるが、かかりつけの病院にいきたい。
【大阪市】 距離は関係ないが、その病院に行く必要性ついては確認している。

◆貸付について
【大阪市】 総合支援資金貸付が10月から始まった。港だけでもこの2ヶ月間で一年分の人が貸付を受けている。ものすごい数になっていると聞いている。資料は府社協に請求する。この制度は府社協が実施している。離職者支援資金貸付が総合支援資金に移行。保証人要件が緩和された。生活支援費以外に住宅入居費と一時生活再建費が組み込まれた。離職中の人に住宅手当が支給されるようになったが、入居時に保証金が必要になる。その保証金を総合支援資金で貸し付けるのが住宅入居費です。

◆緊急援護資金について
【大阪市】 要綱は変わらず、上限10万円で必要最低額を貸し付ける。

【平 野】 失業して、手持ち金1000円しかない人が保護の申請に行ったら、緊急援護資金を借りるようにいわれた。生活保護の申請を教示すべきだ。
【大阪市】 申請の意思を確認し、困窮の状態、収入の見込みのない人に誤った取り扱いだ。徹底していく。
【大阪市】 45年当初からの資金原資は10億3700万円、滞納額が8億3000万円。年間約8000万円で運用している。

【都 島】 生活保護が支給されるまでのつなぎとして15000円しか貸してくれない。2週間を1日千円はつらい。風呂代も出ない。生活保護のつなぎの原資は何か。
【大阪市】 緊急援護資金(大阪市のお金)か、更正援護資金(民生委員児童委員連盟が持っている。共同募金が原資)のどちらかを区の実情で使っている。
【大生連】 生活保護のつなぎ資金制度をつくってほしい。多くの人が受けられるように、予算を増やしてほしい。
▲ページトップへ

  全大阪生活と健康を守る会連合会(大生連)
〒550−0002  大阪市西区江戸堀 2−7−32−304
電話:06−6447−5105