大生連サブロゴ
もどる
大阪市生活保護交渉

2009年12月2日 大生連
 12月2日午後1時〜5時、中之島中央公会堂にて大阪市健康福祉局保護課と1日目の交渉を行いました。当局は岸課長代理、武市係長他が対応しました。要望項目についての回答は事前に示されています。(別紙基本回答)1日目は、見舞金の復活、申請権、求職活動の移送費などについて交渉し、10単組137名分の「私の要求書」の提出も行いました。

〈私の要求、生活実態を代表が発言〉
◇老齢加算と見舞金を復活し、生活保護基準は引き下げないでほしい。水道料金の減免も復活してください。
▼生活保護費の中から家賃や共益費を払うと毎月の生活費は4〜5万円。お風呂も週に1回しか入れない。生活が成立たないため楽しみのタバコもやめた。老齢加算を復活してほしい。
▼生活保護を利用するようになり5年7ヶ月になる。その間に、見舞金、老齢加算が廃止され水道料金の減免もできなくなった。復活してほしい。
▼身内が亡くなり、いろいろお金がかかった。食費は2万円。毎月あと何日と数えながら生活している。
▼孫がそれぞれ小・中・高校に進学する。一時金があればランドセルでも買ってやりたい。
▼年末に向けて物も高くなり大変になっていく。老齢加算と一時金の復活をしてほしい。
▼70歳を超え保護費が3760円下がった。家電製品が壊れると高齢になったら自分で電気屋さんには持って行けない。夏も扇風機が壊れ修理してもらいにきた。結局直らなかったが2000円払った。死ぬまで家計簿と睨めっこしないといけないのか。老齢加算を復活してほしい。
▼老齢加算がなくなり毎月切りつめて生活している。クーラーも節約のため1日10分間だけつけると決めている。復活してほしい。

◆求職活動の移送費支給について
大阪市は、移送費の申請様式は問わない。申請があれば文書で回答し、審査請求もできると回答。

【平 野】 求職活動でハローワークに通っているが面接までなかなかいかない。そんな中でも面接に行くと少なくとも往復で600円は交通費がかかる。移送費の請求はどのようにすればいいのか。
【 港 】 求職活動の交通費が出ることは知らなかった。交通費は結構かかる。具体的に教えてほしい。
【住之江】 ケースワーカーの指導指示でハローワークの担当者のもとを訪ねるよう言われて行っているが、移送費が出ていない。
【城 東】 区との交渉では、自立支援プログラムに則っての求職活動しか移送費は支給しないとの回答だった。それでも支給されていない人もいるが、市としての基準を示してほしい。
【淀 川】 就労支援の指導でジョブおおさかに行くように言われ通っている。この交通費は支給されるのか。
【大阪市】 担当ケースワーカーに相談し申請をしてほしい。基準については国が示しているもので、個々のケースについては実施機関で判断する。
【大生連】 ケースワーカーに教示義務はないのか。支給されることを知らない人が多い。求職活動報告書で状況は判断できるはず。
【大阪市】 生活保護のしおりで説明している。
【大生連】 1回行っても5回行っても交通費はいる。求職活動にかかった分はすべて支給すべきだ。
【 港 】 説明を聞いたことはない。毎月20〜30社に行っている。なぜ教えてくれなかったのか。教えてくれなければ相談しようがない。これまでの分も申請すれば支給されるのか。
【大阪市】 前月分までは支給されます。
【大生連】 ケースワーカーでも知らない人がいる。周知徹底してほしい。
【大阪市】 周知されていないことは申し訳ない。会議や研修等で早急に周知徹底をしたい。しおりや訪問の際に説明を行うことも周知する。
【大生連】 申請用紙はあるのか。また、「熱心かつ誠実」の基準を示してほしい。
【大阪市】 数字で示せる基準はない。個別ケースで判断する。
【大生連】 各区役所によって判断が異なる場合もあるのか。
【大生連】 実施機関が判断するというなら、市で基準を示すべきでないのか。「熱心かつ誠実」は主観的であいまいだ。求職活動にはすべて支給することが前提にあるべきだ。
(就職活動の交通費は申請すれば検討する)
【大阪市】 申請用紙は保護の変更申請書でしている。挙証資料を添付し申請してほしい。求職活動の移送費をすべて支給することはできない。

【東 成】 インターネットやハローワークでのカードは面接後だとなくなる。求職活動報告書も月に一度しか出さない。どのような挙証資料があるのか。
【大阪市】 添付書類は何でなければだめということではないので、何を添付書類とするかは個別判断となるのでケースワーカーに相談してほしい。
【大生連】 保護の変更申請書は移送費の申請用紙としてはふさわしくない。
【大阪市】 申請様式は問いません。
【大生連】 申請をすれば文書で回答があるのか。また、それをもとに審査請求もできるのか。
【大阪市】 申請があれば文書で回答します。審査請求もできます。

◆夏期・歳末一時金について
【大生連】 参加者から出された見舞金や老齢加算復活などの要望について、感想を聞かせて下さい。
【大阪市】 気候の冷え込みやインフルエンザの流行など色々と健康にも気遣ったり、物価も安定せず、雇用情勢も厳しい状況だということは現場からやニュース等でも聞き承知している。生活も工夫しながら、なんとか生活保護費でやりくりしていただいていることには頭がさがる思い。夏期・歳末見舞金についてはいろいろな議論も踏まえた上で目的も達成されたこともあり廃止をした。市の財政状況も厳しく復活することは困難。
【大生連】 見舞金を支給するなら、予算はどのくらい必要なのか。
【大阪市】 次回、回答します。

◆老齢加算について
【大生連】 老齢加算の復活について大阪市は国にどのように要望をしているのか。
【大阪市】 生活保護基準については国の社会保障審議会等での答申を受けて国で算定している。市としては、老齢加算を個別で要求していないが、生活保護基準については他の世帯との均衡を失しないように他法他施策、年金等との整合性がとれるような形で決定してほしいと要望している。
(老齢加算の復活を国に要望せず)
【大生連】 老齢加算の復活については国に要望していないのか。
【大阪市】 社会保障制度全般の見直しということで、特に高齢者への保障の見直しのなかで年金の金額等の水準も含めて整合性をもたせた形で生活保護基準も決めてほしいと要望している。
【大生連】 2010年度も同じ内容で要望をしているのか。今の年金とあわせると生活保護基準も引き下げられる懸念がある。人間らしい生活ができる生活保護基準に引上げてほしい。
【大阪市】 現在の社会保障の中では生活保護のしめる割合が大きい。他の社会保障制度が充実していないことがある。そのため社会保障制度全般の見直しを要望している。
【 北 】 老齢加算を復活してほしいとなぜ要望しないのか。高齢になると目にみえない出費も多い。今の生活保護費が適正なものになっていない。憲法25条や地方自治法の精神にたって住民の防波堤になり、国に老齢加算の復活をはっきりと要求してほしい。
【大生連】 回答が矛盾している。保護費が国基準なのはわかるが、その基準では大変だという声をくみ上げて国に要求するのが市ではないのか。保護世帯の立場にたって国へ要求をしてほしい。
【大阪市】 生活保護費は本来、全額国が負担すべきものだと国へ働きかけている。みなさんからの要望や要求については各関係機関には伝えていきたい。
【 港 】 平成15年に一般世帯の消費水準の70%になっているとの回答だが、その後の調査は行っているのか。不況になれば全体の水準も下がるのでそれにあわせて生活保護基準も下がるのか。
【大阪市】 生活保護は最低生活の保障が最大限の目的。生活ができないのにそれを基準にしていくことはありえない。そのようなことがあるのであれば厚労省には実態を伝えていく。調査については調べて、後日回答する。
【東 成】 老齢加算が導入された理由と廃止された理由を教えてほしい。
【大阪市】 老齢加算が廃止された理由については70歳なる前となった後では生活費の支出は変らないため整合性がないと廃止された。
【大生連】 老齢加算は「老齢者は咀嚼力が弱いため、他の年齢層に比し消化吸収がよく良質な食品を必要とするとともに、肉体的条件から暖房費、被服費、保健衛生費等に特別な配慮を必要とし、また、近隣、知人、親戚等への訪問や墓参などの社会的費用が他の年齢層に比し余分に必要となる。」ことから導入されたもの。その経過を全く無視し、廃止したことが誤りだ。国へは老齢加算を復活するよう要望してほしい。

◆水道料金の減免について
【大生連】 水道料金の減免はなぜ復活できないのか。
【 北 】 07年11月から水道料金の減免ができなくなり2ヶ月に1度3150円の支払いがふえた。老齢加算は廃止されるなど保護費は減る一方。減免制度を復活してほしい。
【東淀川】 保護費の中に含まれているからと減免ができなくなったが、2〜3日に1回の入浴しかできない。そんなくらしで人間らしいといえるのか。冬は我慢できても夏は大変。
8月に夫が亡くなり1人になったが、光熱費は今までの半分というわけにはいかない。保護費の考えてほしいが減免制度を元にもどしてほしい。
【住之江】 水道料減免は高齢者の場合所得制限はない。生活保護世帯ができないのは整合性がない。
【大生連】 水道料減免については水道局にも要望を出しているが、健康福祉局が必要ということであれば検討するということだった。健康福祉局の気持ち1つで復活できることではないのか。今の生活扶助費で十分だといえるのか。復活に向けて努力もしてほしい。
【大阪市】 確認もして、次回、回答します。

◆就労指導について
【 港 】 就労支援センターに行くと求人募集が59歳未満のものを出された。
【大阪市】 区に確認し、指導する。

◆申請権の侵害について
【鶴 見】 申請の意思が確認できれば申請書を交付すると言っているが、鶴見区では「申請に来ました」と言っているにもかかわらず、すぐには交付されていない。面接受付表の改定はもうされているのか。また、その内容を教えてほしい。
【大阪市】 受付表はすでに改正されている。申請意思の有無の確認欄も設けている。
【鶴 見】 確認欄があるのに申請用紙はすぐに交付されていない。

◆転居費用について
【 港 】 名古屋で派遣切りにあい、妹夫婦をたよって大阪にきた。現在、生活保護を利用している。仕事を探しているがなかなか見つからない。80歳の親が徳之島に住んでおり、介護のことなど今後のこともあるので親元に転居したいとケースワーカーに相談したがそれはダメだと言われた。なぜなのか教えてほしい。
【大阪市】 区に確認し、次回、回答する。

◆次回の交渉に向けて
出された実態、事例については区へも確認して次回、回答をしてほしい。保護世帯から出された実態や思いを財政当局にも伝えてほしい。また請求した資料もお願いしたい。
請求資料…@ここ数年の生活保護の申請件数と相談件数。A生活保護行政特別調査プロジェクトチームの内容と関連資料があればほしい。B78条の適用件数、告発件数、廃止の件数や内容などの資料。
▲ページトップへ

全大阪生活と健康を守る会連合会(大生連)
〒550−0002  大阪市西区江戸堀 2−7−32−304
電話:06−6447−5105