大生連サブロゴ
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大阪府生活保護交渉

2010年12月24日 大生連
 12月24日、大阪府庁内にて大阪府福祉部地域福祉推進室社会援護課と2日目の交渉を行いました。大阪府は8名が対応、大生連は13単組63名が参加、私の要求アンケートの追加分7単組65名分を提出しました。日本共産党府議会議員団から黒田議員が激励に来られました。

《貸付についてのやりとり》
【大生連】 保護世帯のクーラー設置費用の貸付を検討してほしい。今の保護費では貯めて買えない。
【大阪府】 基本的に保護費でやりくりしてほしい。保護世帯は貸付できない。要望は聞かせていただくがすぐに制度改善はできない。
【大生連】 猛暑の中でクーラーなしでは過ごせない。死亡者も出ている。制度の改善を要望する。

《前回からのつみのこし》
■松原市の事例
 祖母と孫の2人世帯。孫(高校生)がアルバイトをしていたが収入申告をしていなかったため全額返還するよう言われた。祖母は孫がアルバイトをしていることを知らず、孫も収入申告の必要があることを知らなかった。松原市は78条での返還を求めているが、本人に理解できるようケースワーカーは教示していない。勤労控除、未成年控除、学校の修学旅行費など必要経費を認めてほしい。
【大阪府】 毎年7月に、高校生のいる世帯には収入申告についての文書を送付している。平成22年の9月に家に訪問し、アルバイトをしていないか確認をしたが、「していない」と言ったから。
【松 原】 今年9月時点でケースワーカーが働いているかと聞いたが、働いていたのは昨年のことで、今は働いていないから働いていない、と答えている。ケースワーカーがもう少し丁寧に聞けば事実がわかったはずだ。
【大生連】 出している文書には基礎控除や未成年控除について書かれているのか。78条の適用は慎重にやれと書いている。
2.法第78条の適法の判断
(2)法第78条の適用
ウ.法第78条によることが妥当であると考えられるものは、具体的には以下の状況が認められるような場合である。
(ア)届出又は申告について口頭又は文書による指示をしたにもかかわらずそれに応じなかったとき
(ウ)届出又は申告に当たり特段の作為を加えない場合でも,実施機関又はその職員が届出又は申告の内容等の不審について説明を求めたにもかかわらずこれに応じず、又は虚偽の説明を行ったようなとき
(2010年度版保護手帳P541より抜粋)

【大阪府】 控除については記載されている。ケースワーカーは平成21年に就労したことがあるかと聞くと「働いていない」との答え。虚偽とも取れるため78条の適用は適当。

【大生連】 保護世帯やその子どもの気持ちを理解しているのか。機械的な対応がされている。ケースワーカーにはもっと丁寧に説明する責任がある。親子ではなく祖母と孫という関係にもっと考慮するべきだ。
【大阪府】 高校生のアルバイトについては収入申告が漏れる事例が多いことから監査を通じて未然に防ぐよう指導の徹底はしている。高校生には収入がなくても定期的に収入申告が必要と考える。
【大生連】 松原市とも協議を進める。松原市が78条ではなく63条で対応すると判断すれば大阪府はどうするのか。
【大阪府】 福祉事務所が判断するべきことです。

■枚方市の事例
 母親が介護施設に入所していたが在宅介護になったため、保護費が変更されず過支給になっていた。そのため返還を言われた。そのさい63条についての説明は何もされなかった。63条で返還する場合は、自立助長の観点から必要経費の控除など説明するべきでだ。
【大阪府】 63条について制度を福祉事務所より説明する義務はあると考える。自立更生のための経費については各福祉事務所の判断となる。
【枚方交野】 1999年5月の石川県の裁決では「63条に基づき返還額を決定するにあたっては、保護費を基準として世帯の現在の生活状況をよく把握し、将来の自立更生を考慮する必要がある。・・・」となっている。しかし63条についての説明は何もされていない。枚方市には聞いてくれたのか。
大阪府】 府の見解を回答した。市に確認し後日回答する。

■和泉市の事例
◇申請権の侵害について
ホームレス状態だったため、自分で保護の申請に2度行ったにもかかわらず、申請を受理してもらえなかった。
【大阪府】 1回目は弟さんと生活しているとのことだったため、弟さんに相談してほしいということで終わった。2回目は弟さんの家をでて近所のガレージで生活することになったとのことだったが、ガレージは住居とは認められないので住居をきっちり設定されてはどうかということで貸付制度を知らせ社協を紹介した。貸付ができないとのことで3回目に住所不定で申請を受理したとのことだった。市には、2回目の時点で所持金もかなり少なかった状況なので、貸付ではなく生活保護で対応するべきだったのではないかと助言した。
【本 人】 和泉市の答えはどうだったのか。
【大阪府】 2回目の時点で急迫状況だったためその時点で申請を受理すべきだったと助言した。和泉市もそうだったかもしれないと言っていた。

◇指導指示について
@住居と仕事は大阪市内で探すよう言われた。
【大阪府】 大阪市内の住居を探すべきだと助言はしたが、和泉市で住居を見つけてはいけないとは、言っていないとのことであった。
A右の耳が聞こえないため耳鼻科に行き検査をすると病名が判明し、膿があと少しで脳にまで達するような状況だった。
そのことをケースワーカーに報告すると治療はもう必要ないので求職活動するようにとも言われた。
【大阪府】 治療をやめるよう指導していないといっていた。

◇通院移送費の支給について
病院への移送費について医師が通院の必要性を認めているにもかかわらず電話で通院移送費の打ち切ると言われた。
【大阪府】 主治医に確認し、移送費を支給していたが、12月15日に再度確認すると自転車の通院も可能とのことだったため、自転車で通院するように言った。
【本 人】 移送費の支給は、医師の意見が絶対で、本人の意思は尊重されないのか。移送費が支給されることもケースワーカーからは何も説明を受けていない。
【大生連】 口頭での不利益処分は正しいことか。
【大阪府】 移送費が支給されない場合は、説明を本人にするべき。移送費の申請をしてもらえればそれに基づき判断を行う。却下の場合は審査請求もできる。
【大生連】 そのような手続きを市民は知らない。ケースワーカーは説明するべきだ。
※12月27日、大生連・岸和田・本人が和泉市に行って交渉。通院移送費を申請。保護の申請も1回目に遡ってやるよう要望。

◇保護決定の法定期限について
保護決定の2週間の期日がきても決定されていない。申請意思の有無確認はどうだったのか。大阪府が出した文書を示して指導をしてほしい。
【大阪府】 3回目の来所時に申請してから9日後の9月3日に決定をしているので14日は過ぎていない。決定までの期間については社会貢献事業で貸付を行い対応した。
【大生連】 3日に決定されたとのことだが、本人に決定通知書は渡っていない。9日に福祉事務所にいったさいに決定通知書をもらった。こちらが言ってはじめて決定通知書を出した。

◇就労指導について
ハローワークに毎日行かなければ、行っていないとわかった時点で保護を打切ると言われた。
【大阪府】 毎日ハローワークに行くような指導は行っていない。そのように受け止められたのならまた説明をする。
【大生連】 12月27日に和泉市に折衝に行くので、何か問題があれば府も対応してほしい。
【大阪府】 わかりました。
■守口市の事例
 離婚した夫の妹の家に家賃を払い住んでいる。保護の申請をすると必要書類として登記簿謄本とローンの明細書が必要と言われた。
【大阪府】 ローンの明細については行き過ぎた指導であり、通常は必要ない。登記簿謄本については本人が家屋を所有している疑いがあるときや又貸しが懸念されるなど例外的に必要な場合もある。しかし、必要な場合でも市が調査すればよいこと。
【門真守口】 守口市にもそのように伝えてほしい。

■寝屋川市の事例
《事例1》
 社宅に住んでいたが65歳で会社を解雇されたためホームレスになった。寝屋川市は、「ホームレスは寝屋川では保護は受けられない。救護施設に入所するよう」言い、本人は長年住み慣れた寝屋川市で居住したい希望だったにもかかわらず、本人の意思を無視して救護施設に入所させた。
【大阪府】 保護の申請時点でホームレスだったため申請時に施設に入所してはどうかと言った。居宅生活が可能かどうかの判断は福祉事務所が行う。飯場生活だったということで1人での居宅の経験が乏しいということもあり本人にも確認したうえで施設への入居を勧めた。
【寝屋川】 申請する前に施設に入所するよう言っている。申請前の指導は出来るのか。また、飯場ではなく社宅。社宅も飯場というのか。本人の同意を得ているといっていたが、泣きながら寝屋川に帰りたいと訴えているのに同意したとは思えない。寝屋川市はホームレスの申請は寝屋川ではできないというのは正しいことか。
【大阪府】 申請前の指導は出来ない。ホームレスがだめというのはおかしい。施設での生活が不本意ならば福祉事務所に相談してほしい。

《事例2》
 仕事がなく預金を崩して生活していたがその預金もそこをつきかけ生活保護の相談に行ったが追い返された。それでホームレスになった。その後、家も探して生活保護の申請をしたが、その月の日割り家賃は保護課が指導して入居したわけではないので支給しないと言っている。
【大阪府】 9月3日に申請があり5日にアパートを契約した。居宅生活ができるかどうかの判断をしている時点で勝手に本人が家を契約したため、支給していない。府としては、3日の時点で生活の場の確保が必要だったのではないかと助言した。
【寝屋川】 家を追い出される前に何度か福祉事務所に相談にいっている。そのとき申請受理していればホームレスにならなかった。40数年間寝屋川市に居住し、市民税も納めてきた人に数ヶ月ホームレス状況になったからといって居宅生活が出来るかどうかの判断は必要ない。また、福祉事務所が指導したのではなく勝手に見つけてきた、と申請月の日割り家賃が支給されない。こんなことがまかり通っては困る。保護が決定しているのだから居宅生活が出来ると判断しているのと同じ。また第U類が支給されているのに家賃だけでないのもおかしい。

■枚方市、門真市の車保有について
 障害者の方で車を保有し保護を利用しているが、病院への通院のみに認められている。通院だけでは生活はできない。日常生活を含めすべてにおいて使用を認めてほしい。
【大阪府】 車は、原則処分することとなっているが、障害者の通院などは認めることとなっている。しかし処分価値のあるものは処分してもらう。ないものであっても自賠責保険への加入、駐車場料金、ガソリン代なども必要。車の保有率は7割になっているが、低所得者では保有は5割。生活保護世帯の車保有についていかがなものかという意見もあり、いちがいに処分価値がないからといって保有を認めることは難しい。裁判の行方を見守りたい。
【大生連】 通院だけで生活は出来ない。非現実的な対応はやめてほしい。今回の裁判は劣等処遇を問うている裁判だ。「生活保護世帯はご飯だけ食べれれば、文化的な生活はできなくてもいい」というような「劣等処遇」が今の日本にはある。そのような意見にのった府の答弁になっている。なぜ弱者が社会参加できないのか。
【大阪府】 意見を無視しているわけではない。生活保護は国が基準をきめ市が運営するということで府は中途半端な立場にある。
【大生連】 法律は上からできるのではなく、下からつむもの。日常生活にも使えるよう国にも要望してほしい。

■地上デジタル放送について
 地上デジタル放送のチューナー設置を調べにきたが、アンテナが悪く映らなかった。アンテナの補助などはないのか。
大阪府 補助は総務省が行っているもの。チューナー、室内アンテナの無償給付がされる。しかし、支援は1回のみと決まっているため注意が必要。

■補聴器の購入について
 高齢になり耳が聞こえにくくなってきた。補聴器の購入費の支給は障害者じゃないと認められない。眼鏡と同じように補聴器も認めてほしい。
【大阪府】 補聴器の支給は、原則的には障害者自立支援法の適用を受けて行うことになる。
【吹 田】 障害者自立支援法では障害者じゃないと認められない。加齢で耳が聞こえなくなったときに眼鏡と同じように医療扶助として認めてほしいと要望している。
【大阪府】 医療扶助は基本的に国民健康保険に準じて行っている。補聴器は対象外。
【吹 田】 それでは救済されない。前向きに検討してほしい。
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