大生連サブロゴ
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大阪府生活保護交渉

2010年8月11日 大生連
 8月11日、大阪府庁内にて大阪府福祉部地域福祉推進室社会援護課と交渉を行いました。大阪府は社会援護課6名が対応、大生連は21単組87名が参加、私の要求アンケート12単組217名分を提出しました。日本共産党府議会議員団からくち原議員、せりう議員、山本議員が激励に来られました。

《老齢加算・一時金の復活、夏期加算の支給を求めて訴え(抜粋)》
●母子家庭で子どもの成長が早く靴も月に2足はつぶれる。一時金を復活してほしい。●90歳の母と同居している。高齢者になると体温調節ができず夏はクーラーが欠かせない。月に2万円を超える。一時金を復活してほしい。●府営住宅5階(最上階)に住んでいる。この夏の異常な暑さで水道をひねればお湯が出てくる。7月中旬まで扇風機で我慢していたがそれも限界。●平屋の風呂なし住宅に住んでいる。お風呂に毎日行きたいが1回410円かかり2人で月1万5千円はかかる。クーラーもなく扇風機ですごしている。●お金がかかるため親戚つき合いがなかなかできない。節約して生活しているが消費税が増税されたらと思うと不安。一時金を復活して。●野菜の高騰で食費が大変一時金を復活してほしい。

【大生連】 出された生活の実態を聞いてどう思うのか感想を聞かせてほしい。
【大阪府】 大変な実情は聞かせてもらった。しかし、必要な社会保障施策は国でするべきもの。一時金の復活は困難。夏期加算については国へ要望もしている。

《交渉のやりとり》
◆70歳以上の第1類の減額について
【吹 田】 70歳になり保護費が減った。なぜ減らされたのか教えてほしい。
【大阪府】 下がる理由については把握していない。生活保護基準は、一般世帯の消費支出との比較などで、国で決められている。
【大生連】 その回答は無責任だ。1級地−1の場合70歳以上は60歳代と比べて3760円下がっている。なぜ下がるのか調べて次回回答してほしい。また、老齢加算についてはなぜ加算があったのかの理由と老齢加算に対する福岡高裁の原告勝利判決についての見解も聞かせてほしい。

◆ケースワーカーの人員について
【羽曳野藤井寺】 藤井寺ではケースワーカー1人が140ケースを担当。基準より5名足りない。また数年で職員が交代するため経験不足につながっている。府として何か対策を講じるべきだ。
【松 原】 社会福祉主事の資格を持っている人が少なくなっている。府として指導をするべき。
【大阪府】 有資格の職員を社会福祉事務所に配置することと社会福祉法で定められている。監査の中では資格の有無を確認し、改善指導も行っている。自治体によっては業務をしながら資格取得をしているところもある。

◆生活保護開始までのつなぎ資金について
【堺 市】 生活保護決定までのつなぎ資金の財源は、堺市では募金などの返戻金を利用していたが、保護の申請が増えているため底をついたと聞いている。市町村の実態をつかんでいるのか。
【大阪府】 例外的に生活福祉資金の貸付を行っている。決定までに10日〜2週間かかるため対応できない場合がある。
【堺 市】 今日、明日食べるものがない人に2週間もかかっては意味がない。そのために市が独自で貸付をしてきた。
【大阪府】 子ども家庭センターでは、以前は共同募金を運用していたができなくなり、保護の決定をできるだけ早めて保護費の支給もすみやかに行って対応している。
【大生連】 すみやかにというのは何日かかるのか。
【大阪府】 急迫の状況であれば申請したその日に決定することもある。個別ケースで対応は変わる。
【摂 津】 急迫でも家庭訪問をしないと決定できないと言われた。
【八尾柏原】 体ひとつで柏原市に来て申請をした人も決定までに2週間かかっており、実態は違う。
【大生連】 各市で対応が違っている。府で統一したものをつくることが必要。次回回答してほしい。

◆貧困ビジネス対策について
【泉大津】 マスコミで府が貧困ビジネスについての条例をつくると報道している。状況を教えてほしい。
【大阪府】 事前の説明や事業開始の届出の義務化などを盛り込んだ条例策定予定。8月13日からパブリックコメントを募集する。

◆社会貢献事業について
【羽曳野藤井寺】 府営住宅家賃を3ヶ月滞納し、手持ちは2千円と預金2千6百円、電気代も滞納しており緊急融資1万円で関西電力に支払った。また、社会貢献事業で家賃滞納分を払ってくれた。この制度の周知はどうしているのか。
【大阪府】 社会福祉協議会で必要に応じて給付している。
【松 原】 社会貢献事業は公的責任の放棄につながるのではないか。生活保護の相談に行くとこの事業を紹介している。これは他法優先にあたるのか。
【大阪府】 あたらない。

◆保護決定の法定期限について
【松 原】 申請しても決定までに1ヶ月以上かかる。30日をこえてもその理由も示さない。交渉でも毎回のように是正を求めているが改善されない。監査等で指導はしているのか。
大阪府 監査は抽出で行っているが15日以上の決定の割合が多い時は次年度改善するよう指導している。松原市には指導する。
【松 原】 市は、扶養義務届の返事が遅いため決定できないという。14日を越えて決定する場合の特別の事由とは何か基準を示してほしい。
【大阪府】 個別判断になる。扶養義務届が要否判定に関わるときは特別の事由にあたる。
【大生連】 扶養義務届は保護費の支給額に関わるかもしれないが、保護の要否判定の特別の事由にはあたらない。松原市に事情も聞き、国へも確認してどのように指導したのか次回教えてほしい。

《人権侵害など、次回回答を求めたもの》
◆守口市の事例
■申請時の同席について
守口市が突然申請時の同席を認めなくなった。8月9日に交渉を行い、是正を求めて府が出した文書も示したが、検討するといって明確な回答がなかった。
■申請権の侵害について
 4月中頃、糖尿病で働けなくなったため自分で診断書を取り保護の申請に行ったがこの診断書ではだめと市の検診命令の用紙をわたされた。また、掛捨ての生命保険の解約と年金免除申請をするようにと言われ、申請はさせなかった。1週間後、軽労働可と返事があったと連絡があり本人は、生活保護はだめだと思いあきらめた。6月1日頃、2度目に相談に行くとまた検診命令の用紙を渡すのみで申請させず、その後、会に相談があり6月4日に申請。申請前の検診命令や生命保険の解約させるのは法に反する。その後もケースワーカーから「3ヶ月たったら相談しよな」と言われ本人はそれで廃止されると思っている。
■他法他施策の活用について
60歳くらいまでの元気な人については、貸付に行くよう窓口で対応している。平成21年12月25日の厚労省通知の関係でどうなっているのか。

◆茨木市の事例
■申請時の同席について
 貧困ビジネスの対応で同席を拒否された。貧困ビジネスとすべてを同じ扱いにせず法の趣旨に基づき行うよう府が指導してほしい。
【大生連】 守口市も茨木市も同席拒否について、法的根拠が示されていない。法的根拠があるなら教えてほしい。府として文書も出されているが府の見解も教えてほしい。
■病院の移送費について
 通院費の申請をしたがみんなやりくりして自分で出しているからと移送費を支給していない。平成22年3月12日の厚労省通知からみて正しいのか。

◆貝塚市の事例
 路線バスが廃止されタクシーでの通院が増えているが、タクシーを利用する場合の移送費の支給が厳しい。歩けないため3つの病院へタクシーを利用し月に15日通院しており2万円以上かかる。申請すると近隣に病院があるからと1ヵ月後に却下された。
【大生連】 大生連のアンケートでも移送費はほとんど請求されていない。各市の実態調査もし、指導してほしい。

◆摂津市の事例
■辞退届の強要
 申請を行き受理されたが、その日地域担当ケースワーカーがおらず後日、再度訪ねた。しかし話も聞いてくれないような対応だったため、生活保護はやめておくと言うと辞退届を出すよう言われた。今日は印鑑がないというと取りに帰るのを待っている時間はない下の売店でも売っていると言われた。このような対応でいいのか。
【大生連】 事態届の強要については、それが違法だということが広島高裁で裁決が確定している。摂津の対応はこれに照らしどうなのか。

◆大東市の事例
■移管の問題(本人の発言)
 リストラされ生活保護を利用している。不動産の売却に伴い大阪市から大東へ引っ越したため移管されることになった。大阪市が移管の処理をしているが大東市から受け取り拒否をされた。理由は就労活動が充分かどうかが判断できないためと言われたが大阪市で利用しているのになぜ大東市ではだめなのか。状況はまったく変わっていない。府から指導してほしい。
【大生連】 法的根拠を示してほしい。
■扶養援助について
 娘がこれまで3万円援助をしてくれていたが仕事が減ったため1万円にしてほしいと言ってきた。ケースワーカーに言うとそれはだめと言われた。どうすればいいのか。
大生連 扶養の範囲について、次回回答してほしい。

◆財政構造改革プラン素案について
 素案の国への提言の中で有期限付き生活保護と医療費の一部負担について書かれている。次回、詳しく説明してほしい。

《問題提起》
老齢加算と一時金の復活を強く求める。提出した私の要求アンケートをよく読んでほしい。今回出された事例については、各市へ確認し、次回回答を求める。
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