交渉1日目、16単組99名参加
2009年8月5日(水)エルおおさかにて、大阪府福祉部地域福祉推進室社会援護課と交渉を行いました。当局は、深村総括補佐をはじめとする8名が応対。大生連からは16単組99人が参加。私の要求アンケート11単組199名分を提出しました。日本共産党黒田まさ子府会議員が激励に来られました。
◆車の保有について
【貝 塚】 8ヶ月前から病気で入院し共済保険で食いつないできたが、現在、生活保護を利用している。事業を営んでおり、軽4トラックを保有している。福祉事務所は保有は認めるが、使用はダメだと言っている。自立のためにも車は必要。保有の要件を詳しく教えてほしい。
【大阪府】 個別ケースによるが、事業に必要な場合は認めている。@仕事必要かどうか。A地域との均衡に失しないか。Bおおむね1年以内に使用する見込みがあるか。C自立の観点から見て必要か。D車の維持費が事業の収入でまかなわれるか。E任意保険の加入などを含めた条件がある。
◆路上生活者について
【大 東】 深北緑地に住んでいる68歳男性の路上生活者がそこに住み続けたまま生活保護を利用したいと希望している。
【吹 田】 東京都では都の施策として住宅扶助とは別途に支給している。大阪府でも支給してほしい。
【大阪府】 国の通知に基づき行っている。府独自の施策は難しい。
◆地上デジタル放送について
【八尾・柏原】 地上デジタル放送について手続きなどくわしく説明してほしい。
【大阪府】 NHK受信料の全額免除世帯が補助の条件となっている。各福祉事務所に免除申請の用紙があるので、まず申請をしておく必要がある。免除申請をしていると受信契約をしていることになる。チューナーの申込手続きは、別途必要なので、9月以降福祉事務所に問い合わせしてほしい。
◆扶養義務届について
【河 南】 扶養義務届について、民法上の扶養義務者について調査に回答する義務があるのか。また、調査権限はあるのか。そして決定の絶対要件になっているのか教えてほしい。
【大阪府】 調査は要否判定にも関わる。まず本人へ聞きとりを行い扶養義務者がいるかどうかを確認し、個別の事情も勘案して扶養届を送るかどうか福祉事務所が判断する。何親等以内や以上でするかしないかの画一的な判断はできない。
【池 田】 兄弟が生活保護の申請をした。申請に同行して援助はできないと言っているにもかかわらず書類が送られてきた。自分は兄弟なのでしかたがないとも思うが、届の用紙には家族の収入や負債状況を書く欄もあった。なぜ子どもたちのことまで書く必要があるのか。添付書類も付けるよう書いてあった。
【大生連】 池田市の扶養義務届の内容をどう思うのか。
【大阪府】 国の様式から見ても古いように思う。しかし、扶養義務者の扶養能力があるかどうかの客観的資料として扶養義務届は必要だが、記入できないところは空欄でもかまわないし、提出することが絶対必要ではない。
【大生連】 記入できないことは書かなくていいというような文書では過失がある。大阪府として指導と処理基準を示してほしい。記入できなくて空欄で提出した場合は、違法になり申請が却下されることがあるのか。また、調査権限はあるのか。
【大阪府】 生活保護法29条に基づき調査権限はある。しかし、強制はできない。本人の聞き取りから扶養の見込みがない場合は、扶養の調査依頼を行っていない。
【大生連】 扶養義務には絶対的扶養義務と相対的扶養義務があり、相対的扶養義務の場合、まず自身の生活を大事にした上で、なおかつ余力があれば援助をしてほしいということだ。
【大阪府】 その通り。
【大生連】 池田市の文書内容については指導してほしい。わかりやすいものに改善してほしい。また、義務だけが記入されているが、権利についても書いてほしい。
【大阪府】 書きやすいように工夫する必要がある。
【池 田】 申請時に一緒に行って援助できないと言っているのに扶養届を出す必要があるのか。
【大阪府】 本人が行っているのであれば、その場で書けるところを記入してもらえばよい。
【河 南】 その場で書けるような内容ではない。現場では全項目に記入するよう言っている。
【大阪府】 実態に即して行うよう監査等で指導している。
◆申請の意思確認について
【摂 津】 申請の意思の有無欄を設けるよう大阪府からも指導し、改善してほしい。
【大生連】 次回回答を求める。
◆寝屋川市の事例
■収入認定及び費用返還について
【寝屋川】 10年分の年金が遡って支給された。本人は年金をかけていたことを知らずに昨年末に年金が入った。63条の費用返還にあたると思うが全額収入認定された。判断基準を教えてほしい。
■扶養援助に関わる収入認定について
【寝屋川】 扶養照会で親族が若干の援助をするとの回答をしたが、経済状況の変化で一度も援助がされていないにもかかわらず、確認もないまま保護費から差引かれていた。実際は3ヶ月間収入認定していなかったが、4ヶ月目に過払いとして分割返還の決定がされた。援助があったかどうかの確認もないままそのようなことがされていいのか。
■申請権の侵害について
【寝屋川】 DVを受けており、これまで離婚届を2度つきつけたが夫は応じてくれない。生活保護の申請に行くと「命の危険があるという客観的な証拠があるのか」「裁判所で離婚調停をしているのか」「子ども家庭センターに行って一時保護の手続きをしているのか」そのようなことをしていないと保護の申請は困難と言われ申請できなかった。この場合は一時保護の手続きをしたが、DVで逃げている人に対してそのような対応でいいのか。
◆富田林市の事例
【富田林】 母子3人世帯(11歳と9歳の子)。長男は国が認定している重度の喘息。母親も喘息とアレルギーがある。1月頃から生活保護を利用している。6月頃から月に3度ほど就労指導を受けている。子どもが入院したりということもあり内職をしていたが、内職では収入が少ない。ヘルパーの資格があるなら活用し、仕事に行くよう言われた。子どもは発作をおこすと命の危険もある。就労指導員はその状況を理解し、仕事は無理だと言っているにもかかわらず担当ケースワーカーは仕事に行けの一点張り。
◆茨木市の事例
【大生連】 7月27日、57歳独身の男性の申請に行った。これまでに一人で何度か福祉事務所に行っているが申請はさせず、生命保険の解約をさせられ、返戻金の10万ほどで食いつないできた。抗議すると茨木市の課長代理は、1人世帯の生命保険のとりあつかいについては全員解約するよう指導しているとの回答だった。@申請させる前にそのような指導をしていいのか。A1人世帯だからといってなぜ解約させるのかを聞いた。1つ目の質問には答えられず、2つ目の質問には1人世帯の場合、身内がいないので亡くなっても受け取る人がいないため無駄になると回答した。自立し、生命保険を活用できる可能性がある。病気になった場合、医療費がそこから出れば医療扶助も助かる。保険金が小額の場合はそのように対応する必要があるのではないか。茨木市は大阪府に対して文書を上げるといっているこれは問題だ。大阪府の見解を聞かせてほしい。
◆岸和田市の事例
【大生連】 5回申請行ったが却下され審査請求を行った事例について、大阪府は裁決を下したが3日に一度の求職活動では少なすぎるため却下は妥当という判断だった。申請前でお金がないにもかかわらず、どうすれば3日に一度の就職活動ができ、最低生活を維持できるのか教えてほしい。
【岸和田】 大阪府の裁決の内容は納得できない。真摯な求職活動とは具体的にどのようなことか教えてほしい。
◆柏原市の事例
■就労指導について
【八尾・柏原】 37歳、8歳、4歳、2歳の4人の母子世帯。担当ケースワーカーが生活調査に来た時に、生活保護を受けるのは一時的に助けるためであり、いつまでもあてにしては困る。第3者の税金で生活していくという事を分かってください。生活保護の権利を言われますが、16〜17万でも4人でやってく自覚をもってくださいと言われた。「はい」と答えると、これは僕との約束だから必ず守ってください。書面にも本人の意思を書くといわれた。家も5万5千円ほどの家賃のところを探していたが4万円ほどで探してくださいと言われた。また、これからは何でも僕に相談してくださいと、まわりくどく生活と健康を守る会を通さないように言われた。
【八尾・柏原】 3人世帯の母子世帯。1月に離婚し、保護の申請をし、受理された。現在はパートに行きながら不足分を生活保護を利用している。ケースワーカーが大変厳しく、子育てより収入の多い仕事に転職することを優先するよう言われている。子どものこともあるので今の仕事を続けたいというと期限付きで保護をきって今の仕事を続けるか、転職するかをせまられた。仕事の都合で給料が減ると時給が低すぎる。続けたければ時給を上げてもらえ、会社にうまく使われている。あんたが仕事をするために保護費を払っているのではない。正社員の仕事につくように言われた。1年も保護は受けられませんと言われ、不安に思っている。
■オートバイの保有について
【八尾・柏原】 125CC以下のオートバイの保有について、柏原市は2級地で山もあり不便だが、保有していると処分するよう言われている。問答集にも保有を認めても差し支えないとのっている。市も府の指針を教えてほしいと言っている。府の見解を聞かせてほしい。
◆枚方市の事例
【枚方・交野】 60歳の男性で、今年の4月に警備会社を解雇された。10年前に大腸がんを患い、現在は入院中。1ヶ月の間に3度申請に行ったが追い返されている。4月11日、仕事を解雇され収入は共済年金の5万5千円しかなく保護を受けさせてほしいと言ったが、職安に行って仕事を探せと帰された。4月28日、仕事も見つからず再度申請にいったが、仕事がなければ貸付を受けるように言われ社会福祉協議会を紹介され帰された。貸付は仕事をしていないからと断られている。5月10日、仕事も貸付もダメだったと申請に行くと、もう一度仕事をさがしに行くよう言われ返されている。その後生活と健康を守る会に相談に行き申請に同行してもらいようやく申請することができた。
◆羽曳野市の事例
■保護世帯の健康診断について
【羽曳野・藤井寺】 保護世帯の健康診断について、すでに通院している場合はいいが、病院へ通っていない方へのお知らせができていないのではないか。府からも指導してほしい。羽曳野市では収入申告の通知と一緒に送ると回答しているが、府下全体でも徹底してほしい。
■ケースワーカーの人数
【羽曳野・藤井寺】 ケースワーカーの1人あたりのケース数が増えている。藤井寺市では正規の職員が7人で938世帯の保護世帯をパートの人も入れて何とか対応している。適正な標準数を下回っている福祉事務所については、是正を指導しているとの回答であったが、人件費は自治体任せになっている。国が人件費を補助するように言ってほしい。
◇今の保護費ではあまりに辛い、一時金を復活してと訴え
【枚方・交野】 血圧が高く頚椎も痛めて通院している。保護費の半分は光熱費に消えてしまう。できあいの物は買わず、材料を買って自分で作るようにしてムダなものには使っていない。保護費ももう少し上げてほしい。
【門真・守口】 趣味もできず、お風呂も3日に1回。夏冬はエアコンを使うので電気代が心配であまり使えない。家電製品の修理代や購入に困る。
【堺市】 府営住宅の最上階に住んでいる。ここ数年の異常な熱さにはクーラーなしではすごせません。クーラーは電気代を気にしながらつけている。お盆は何かと物入りで、孫が来ても何にもできない。夫の13回忌もお坊さんも呼べなかった。冠婚葬祭の費用も出せずお世話になった人にもなんのお付き合いもできない。今の保護費ではあまりに辛い。一時金を復活してほしい。
【八尾・柏原】 6月に母親が亡くなった。母親の葬式代も出すことができなかった。一時金があれば少しは出せたのに。
【岸和田】 妻の妹の夫が亡くなり香典は苦しいが何とか1万円を出したけど、初盆は何もすることが出来なかった。
【豊 中】 弱いものいじめをすることによって、私たちは一言では言えないほどの苦しみを経験しているのに、わかってもらえなくて辛い。すぐにでも復活してほしい。
【吹 田】 耳が難聴のため補聴器がほしい。医者は聞こえていると言うが人のしゃべっていることが理解できない。補聴器が高すぎて買えない。 |
◆問題提起
一時金の復活を強く求める。今回出された事例については、各市へ確認し、次回回答を求める。
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