大生連サブロゴ
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大阪市生活保護交渉
2008年11月26日
「物価高騰で生活が苦しく、削るところがありません。一時金、老齢加算の復活を!」と交渉

交渉1日目、18単組120名参加
 11月26日午後1時〜5時、中之島公会堂にて大阪市健康福祉局保護課と1日目の交渉を行いました。当局は岸課長代理、大場係長を含む5人が対応しました。当日は緊急援護資金についても交渉しました。大生連は18単組120人参加。アンケート13単組200枚、家計簿30枚を提出しました。共産党から清水ただし市会議員が激励の挨拶をされました。

要望項目についての回答は事前に示されています。(別途)

〈夏期・歳末一時金を求める生活保護者の発言〉
◇一時金を復活してください
●保護を受けられるようになったときは本当に「これで生きていける」と喜んだ。70歳になり一類が減り、老齢加算も減らされたので、保護費が減って、生活がさらに苦しい。老齢加算がなくなって本当に大変なことを分かってほしい。
●風呂もなく、共同のトイレ。風呂代の410円を捻出するのが大変。アンケートを書いた全員が風呂を節約し、一週間に一回くらいしか行けない。今以上に保護を下げられたら、月一回の風呂も行けなくなりみじめで不健康な生活を強いられる。
●関節炎で仕事ができず生保を利用している。物価高騰でこれ以上の節約ができない。三度の食事を二度に減らし、掃除も電気代がかさまないように週一回に。寒くなったので六時にはふとんに入り、暖をとる。親族に会いたい、墓参りもしたい。
●38歳の母と9歳のこどもの世帯です。ペットボトルを2本トイレタンクにおき、12本を風呂に使っています。(トイレや風呂の水かさを増やして水道代を節約するためです。)コメは一度に炊いて冷凍して節約している。子どもをどこにも連れて行けない。仕事でぎっくり腰になり、医療券をもらいに行くと「そんなにしょっちゅう病院に行かんといて」とケースワーカーから言われた。医療証を実現してほしい。
●毎日が始末、始末の緊張の連続。光熱費、風呂代がかかり、ほっと暖まるときがない。人間らしく暮らしていくにはあまりにも貧しい生活保護の実態だ。

【大生連】 参加者から出された一時金要望について、感想を述べてください。
【大阪市】 切実な声を聞かせていただいた。物価も上がり、皆さんの生活苦を痛感しています。
市民の生活実態は上にも伝えます。しかし、勤労世帯の消費水準と比較して一定の水準に達し、個人給付のみなおしもあり、復活は困難です。

【大生連】 「一日二回のおコメが食べれて嬉しい」とアンケートに書かれている。風呂にも入れず、クーラーも使えない生活を聞いて、あなたたちは一時金復活のため努力しないのか。
【大生連】 食費を削る状況なのに一定の生活水準の目的を達成しているとはどういうことか。
【大阪市】 一般勤労世帯の消費水準は毎年総務省が調査し、その比較で基準の70パーセントに達していることです。
【大生連】 当局は物価高騰の認識はあると思うが、大阪市として基準引き上げの意志を国に表明しないのか。
【大阪市】 格差社会の不公平感があることをお聞きした。生活保護制度だけでなく、生活ができる社会保障の抜本的見直しは国に伝える。(基準引き上げについては回答せず)

 大生連は07年と08年夏の生活保護利用者の実態を比較し、8割の世帯にクーラーがあっても3割が使えない状況、食事の回数や風呂に入る回数、交際費の激減を指摘しました。大阪市として、生活費の補填ができるように一時金の復活の施策化を求めました。また、生活保護世帯への国の特定給付金の取り扱いについて収入認定の対象にしないよう要望した。

〈交渉で出された事例とやりとり〉
◆収入認定について
【鶴見】 保護決定前にかかった医療費の高額療養費の返還金を収入認定しないで欲しい。借金で医療費を払ったため戻さなければならない。鶴見では全額認定というが、認めて欲しい。
【 旭 】 交通事故の保証金が出たが、全額認定された。友人に借金も返したい。金がないので再申請に行ったら、窓口で「申請にはまだ早い」といわれた。申請の時期はだれが判断するのか。
【大生連】 ある市での過払いの収入認定の事例を紹介。多重債務で生じた過払い金を本人の自立のため、布団やテレビの購入、帰省費用などにあてた残額のみ収入認定をした。
【大阪市】 原則は全額認定だが、63条返還は自立更生の観点をふまえて、収入認定を区役所で判断できる。組織として決定する。

◆申請権守れ、申請書はカウンターに設置を
【 港 】  仕事も収入もなく、家賃は1年滞納に。働いて返すつもりで借金をしたが仕事がない。国保証も取り上げられた。生健会にすすめられて生保申請と自己破産の手続きをした。生保の申請に行ったら、ハローワークの人を紹介された。ハローワークの人も生保申請をしたほうがよいとすすめてくれたが、生保の窓口は緊急援護資金の貸付窓口にいけと追い返そうとした。仕事がないと言ったら、「それ、私にいわれても(どうしようもない)」と言う。生活を立て直すには生活保護しかなかった。必要な人には申請書をすぐに渡してほしい。
(大生連―この受付窓口は申請に来る人を追い返す常習者であり、受付からはずすよう要望した)

◆就労支援の基準を示して
【 北 】 52歳の女性。自立するために、ヘルパーの資格を取りたく受講料を出してほしいといった。しかし、腕が悪いので(リハビリ中)ヘルパーは無理だろうと言う担当の判断だった。自立支援の判断基準を示してほしい。

◆法定期限内に決定をすること
【東 成】 保護の申請をしたら、「決定は2週間以降30日以内に出る」といわれた。市の通知が下りているといわれた。法定期限は2週間以内ではないのか。
【城 東】 内部疾患を持つ人が生保申請をしたが、病状照会が来ないので法定期限内に決定ができないと言われた。
【大阪市】 14日以内に決定が原則だが特別な理由がある場合は30日以内までに決定するという規定だ。
保護法第24条3 通知は申請のあった日から14日以内にしなければならない。但し扶養義務者の資産状況の調査に日時を要するなど特別な理由がある場合には、これを30日まで延ばすことができる。この場合は書面でその理由を明示しなければならない。


◆就労指導について

【住 吉】 就労指導がきびしくて、うつ病になる人もいる。軽労働可と書かれても、現実には仕事がない。軽労働の基準を示してほしい。
【 北 】 申請をすぐに受け付けず、医者に行けと言う。軽労働可の判断が出たら保護はダメといわれた。
【大阪市】 各区には確認したうえで指導する。

◆緊急援護資金

【東 成】 生活保護が決まるまでのつなぎとして一万円が必要だが、一日5百円で7千円しか貸せないといわれた。二週間どうやって食べたらよいのか。
【此 花】 緊急につなぎとして10万円借りたいと相談に行ったら3万円しか貸してくれない。
【 港 】 入院で9万円の医療費が請求され、緊急援護資金を申し込んだが、5万円しか貸してくれない。一週間たっても返事がなく、緊急に間に合わない。
【大阪市】 要綱上は10万円です。各区には周知しますが、必要最小限の貸付と言う点は譲れない。8億3000万円が貸付された額。10億円を民生委員協議会に貸付けている。実際には数千万円の資金で運用されている。予算の増額は財政局に要求しています。
【大生連】 無担保、無利子、無保証人の緊急援護資金をせめて要綱どおりに運用してほしい。


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