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大阪府生活保護交渉  ※大阪府が確認したもの
2008年8月11日 大生連
交渉2日目、20単組101名が参加
 2008年8月11日、大阪府健康福祉部社会援護課との2日目の交渉を行いました。大生連からは20単組101名が参加、2単組12名分の私の要求アンケートを追加で提出しました。大阪府は、社会援護課の深村総括補佐、自立支援グループ田中課長補佐をはじめとする9名が応対しました。日本共産党山本陽子府会議員が激励にこられました。
〈緊急援護資金について〉
【大生連】 貸付理由が限られている。借りやすい制度に改善して欲しい。
【大阪府】 平成14年に制度改正した。傷病・賃金の未払い・遅配等の理由で貸付をしている。その他の理由については生活福祉資金と一体して制度運用しているのでそちらを活用してほしい。例えば、福祉資金は50万円を上限に貸付をしている。
【大生連】 制度が改正されるとき理由が制限されることが問題になった。当時の担当者は、3つの理由だけではなく「等」の部分で柔軟に対応したいと言っていた。制度が改正され、貸付件数は激減した。制度が機能していない。改正されてからの貸付件数を教えて。
【大阪府】 貸付件数は大阪市と堺市(19年度から)を除いて平成14年度899件、平成15年度621件、平成16年度412件、平成17年度398件、平成18年度383件、平成19年度379件。制度は機能している。ここ数年は年間400件程度で安定している。
【大生連】 安定しているのではない。貸付理由を柔軟に対応するよう要望する。このように借りにくい制度だとサラ金で借りる人が増えている。
【門 真】 貸付の相談に行くと、返済してから半年経過しないと貸付できないと言われた。
【大阪府】 そのようなことはない。延滞なく完済しており、破産等の別要因がなければ借入できる。
【堺 市】 生活保護世帯においてクーラーを買いたいが、そのような理由では貸してもらえないのか。
【大阪府】 生活保護世帯においては、ご質問の資金使途では貸付対象にならない。保護費を貯めて購入することになると聞いている。
【大生連】 貸付理由を拡充し生活保護世帯も利用できるよう制度改正も含めて検討するよう強く要望する。


〈生活保護について〉
■アンケートの感想
【大阪府】 アンケートを読み、生活保護受けて世間の目が気になり、肩身がせまいと思っている人が多いことが改めてわかった。大阪府では府民の意見を聞くために知事への提言をいただいている。その中で生活保護の不正受給を正してほしいという意見が多く寄せられている。一部の不正受給者のためにすべての保護受給者が疑いの目を向けられることはあってはならない。悪質な不正受給者へはきちんと対応していきたい。福祉事務所・ケースワーカーについては上から目線、相談しにくい、精神的に追い詰められるような指導があるなどの意見が多くあった。ケースワーカーは自立助長のために援助方針を策定し、助言することになっている。納得できない場合は十分に話し合ってほしい。また、経済的な理由で社会参加できないという意見も多くあった。生活状況については以前にも増して厳しい生活実態になっている。扶助基準については生活実態を踏まえたものになるよう国へ要望伝えていきたい。
【大生連】 不正受給のことを言われたが正確に言ってほしい。大阪市での2005年の不正受給件数は約1300件で1.3%、保護が廃止されたのが130件、告発されたものが3件だ。不正受給はごくわずか。05年〜07年の大阪府下の78条による不正受給件数と金額総額の資料が欲しい。05年に手引きが出されてから表立ってきた。78条を本来63条ですむことであっても機械的に運用しているのではないか。生活保護を開始する際に義務と権利が説明されていないのでなないか。
【大阪府】 不正受給については、ごく一部の悪質なケースへのきちんとした対応が必要。一律に行うという趣旨ではない。
【吹 田】 未成年者控除を知らない人が多い。本来、知っていれば不正受給にならない場合もある。きちんと知らせることが大事ではないか。
【大阪府】 監査で行ったさいに、控除が漏れていることはあまりない。不正受給とされているケースでは、控除を知らない場合もあるかもしれないので、監査のときに制度周知を図るように伝えていきたい。


〈前回からのつみのこしについて大阪府の解答〉
■収入認定について
◇茨木の件についての回答
【大阪府】 7月に6月の過払い分と、収入の見込みで6万円を収入認定した結果、家賃を含めて68000円(家賃4万円)の支給になった。府からはそのような金額では生活維持が困難でないのか確認したのかを確認した。市としては今回の対応は不十分なところがあったとの回答だった。今後の対応については充分留意するよう、府としても監査等で指導していきたい。
◇泉大津の件についての回答
【大阪府】 年金担保の借金を毎月4万円返済していたのでその返済が終わったため毎月3万円を返還するよう話をしたということだった。しかし、今まで返済ができていた金額だからといって安易に返済金額を決めるのではなく、そのつどの生活実態で判断すべきだと話した。

■移送費について
◇吹田の件についての回答
【大阪府】 確認したところ移送費の支給はされていないが、移送費についての請求も相談もなかった。術後の病状経過の都合もあるため通院を認めており、転院指導はしていないし、考えていない。通院費がかさんで生活を圧迫しているのであれば相談して欲しいとの回答だった。
◇富田林の件についての回答
【大阪府】 ケースワーカーは、パジャマで救急車で運ばれたというような具体的なことは聞いていなかった。移送費についての請求もなく、移送費を支給しないということではないとの回答であった。
◇貝塚の件についての回答
【大阪府】 移送費の請求がなかった。お金の管理をしている地域包括支援センターに聞くとコミュニティバスが時刻変更がされたため、タクシー通院になり1回2000円ほどかかりつきに10日ほど通院している。以前に通院費が生活費の中から捻出可能かケースワーカーが確認すると可能との答えだった。普段より困ったことがあるなら相談して欲しいと伝えている。

【大生連】 府が聞取りした市の回答は、相談があれば言って下さいということだった。保護世帯は知らないことが多い。ケースワーカーのほうから移送費が支給されること、困っていることはないかどうか聞く必要がある。岸和田では、保護のしおりに移送費について書かれていない。
【大阪府】 ケースワーカーと被保護者とのコミュニケーションがうまくとれていないことがある。しおりはわかりやすいものであることが必要だと思う。
【大生連】 医療券を出すときにどこの病院へ行くかがわかるはず。その時にバス代、電車代など必要か確認すればいいのではないか。
【大阪府】 了解しました。
【大生連】 「生活保護のしおり」がない市町村を府は把握しているのか。大阪市では「しおり」で説明した後、サインをするようになっている。実施機関は教示義務があり、このようなしおりに基づいての説明が必要ではないか。
【大生連】 申請後の家庭訪問の際に、家の状況を見て雨戸など必要なものはないのかなど、一言かけることでケースワーカーとの信頼関係が生まれるのではないか。
泉大津 泉大津では、車の保有をしていると生活保護は受けられないと大きく書いてあるのに、移送費についてはなにも書かれていない。

■新規就労控除について
【門 真】 40代の女性で生活保護を利用し2年になる。今まで病気で働けなかったが、働けるようになったため新たに就職した。仕事をするために黒いスカートと白いブラウスを購入しなければいけなかった。新規就労控除は認められるのか。
【大阪府】 この場合は必要経費として認められる。新規就労控除は、中学や高校を卒業し働き始めるときのもの。

■保険料の引き落としについて
【摂 津】 大阪市内から転居してきて現在、生活保護受給中。転居してきてから保護を受けるまでの間の滞納分の国民健康保険料が口座引き落としになっていた。本人の了承もないまま引き落としていいのか。
【大生連】 生活保護受給中は徴収猶予(公租公課の禁止にも触れる)になるのではないか。
【大阪府】 市へ確認し、後日、大生連まで連絡する。

■ケースワーカーの対応について
【高 槻】 京都から高槻に越してきた。今年1月に結婚し、4月に妻の妊娠がわかり出産と費用などのことをケースワーカーに相談した。すると検診費用は出るけれどお産は親戚から借りて自分でしてと言われた。お産する費用がないので中絶しないとしかたがないかと 135000円かかるといわれどうしようもなくなり生活と健康を守る会へ相談し助産制度があることがわかった。ケースワーカーに言うと知っていると思っていたとの答えだった。
【大阪府】 出産の問題は夫婦の問題。どうするのかその結果についてケースワーカーは説明し対応すべき。
【高 槻】 ケースワーカーはこちらが聞かないと教えてくれない。
【大生連】 このようなことのないように指導徹底して欲しい。

■稼働能力の不活用による申請却下について
【岸和田】 夫37歳、妻41歳の夫婦は、3月下旬に大東市から引越してきた。転居後、夫は「中学校卒、運転免許なし」妻は「体調不良」というなか、いろいろたよって仕事にありつこうとしたがダメだった。5月の末になっても仕事は見つからず、市役所(生活福祉課)に電話をすると「どうぞ、相談に来てください」とのことだったので出かけていくと、カウンターごしに立ったままの応対で「病気でもないなら、仕事をさがしてください」と追い返された。6月22日生活と健康を守る会へ相談があり、6月24日に求職活動の経過をメモにまとめて会の同行のもと生活保護の申請に出むき、受理された。しかし、翌々日には、地域担当ケースワーカーが家へやってきて、社会福祉協議会の借入金を活用するようしきりにすすめられた。その後、「稼動能力の不活用」による却下の決定通知書が届き、すぐに7月7日に再度、生活福祉課へ出向き「一生懸命仕事先を見つけようとがんばっている。仕事が決まって生活していけるようになるまで、ささえてほしい。」「稼働能力があるからということだけで却下するのはまちがっている。」として、同時にその場で再申請をおこないましたが、岸和田市からは、7月28日付で「稼働能力の活用が図られるため最低生活維持可能」の理由により却下の決定通知書が届いた。8月10日現在も給与はまだ出ていない。稼働能力の不活用のみをもって却下することは正しいことか府の見解を聞かせて欲しい。
【大阪府】 稼働能力があることのみをもって却下することはおかしい。個々の状況に応じて判断すべきこと。
【大生連】 2008年生活保護手帳155ページにも書いてある。
【大阪府】 その通りです。
【岸和田】 再申請したときは稼動能力の活用が図られるため最低生活の維持可能という理由で却下された。これもおかしい。
【大阪府】 文面見る限りではおかしい。
この事例は、本人とも相談し、@審査請求を行い、A再申請もすることを検討。

■過払い金の扱いについて
【枚 方】 63条の費用返還について、具体的判断をどのようにしているのか教えて欲しい。
【大阪府】 世帯の状況は個々に違う。返還はよく話し合ったうえで判断する。判断はケースワーカーひとりでするのではなくケース検討会議などで福祉事務所内で検討し、決定する。
【枚 方】 実施機関で実際にそのようになっているのか。
【大阪府】 自立の助長につながるものは返還額から引くことはある。
【大生連】 府として検討して欲しい。

■地上デジタル放送について
【門 真】 地上デジタル放送についてわかっていることがあれば教えて欲しい。
【大阪府】 総務省から現物支給をするという話も出ているが、具体的にはまだわかっていない。

■問題提起
【大生連】 一時金について、一般世帯の水準に達したという回答だが、お風呂に2週間に1回しか入れない現実だ。これが憲法で保障された健康で文化的な生活といえるのか。自治体としてできることはとりくみ、国へ言うべきことは言って欲しい。一時金の復活は、府の財政規模からいっても決して大きな要求ではない。知事に対しても担当課として意見を言ってほしい。
【大阪府】 府の方針として個人給付は行わないことになっている。財政当局へは一時金の話をできる状況にない。生活保護世帯の実態に見合った保護基準になるよう国へは要望していく。大阪府としては夏季加算を創設するよう国へ要望しているが、各市町村からはそのような要望は上がっていない。
【大生連】 国へ要望するだけではなく、大阪府として独自に対策を立てて欲しい。
【大阪府】 新たな施策の実現はむずかしい。
【大生連】 個人給付だけの問題ではない。社会的な問題だ。
【大生連】 交渉1日目に提出したアンケートは誰にまで届いているのか。
【大阪府】 上司には報告し、健康福祉部長へは渡した。
【大生連】 課内だけではなく知事にも見せてほしい。

〈一時金の復活を求めてひとこと〉
▼スポーツジムの掃除に行っている。本当はだめだがそこでシャワーを浴びて帰るときがある。お風呂の回数も減らしている。一時金を元に戻して欲しい。▼クーラーを買いたい。お金を貯めようにも物価も上がり貯められない。一時金でまかないたい。▼実家に帰り、お墓参りもしたい。一時金を元に戻して。▼丁稚奉公で大阪に来た。お墓参りも同級生に会うこともできない。孫に物をねだられても何もやれない。一時金を復活して。
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