◆多様な少数派
〜北海道中央バスの日野+富士7E〜
日野+富士7Eを新車で導入した事業者は、三菱に比べれば多いものの全体から見れば小数派です。
また、その採用事例を見ると、1社あたりの採用台数は少なく、それぞれの事業者での仕様も統一されていました。
そのような中で、バラエティーに富んだ車種を導入したのが北海道中央バスです。
ここでは、同社の日野+富士を見てゆきたいと思います。
●(1) P-HU236BA

まず登場したのが、昭和58年排出ガス規制車。
中央バスの大型車は、北海道らしくエアサスの長尺車が基本です。
左は札幌地区向けの逆T字窓、右は空知地区向けの2段窓車です。
左:713 2008.5 札幌市厚別区(新札幌)
右:705 1999.5 北海道美唄市
●(2) U-HU2MMAA

長尺主体の中にあって、唯一の例外が、小樽地区で導入されていた車輌。
ここだけは、市街地の環境もあるためか、余市方面の車輌を除き、標準尺車が選択されています。
小樽は富士重工架装車の新製配置が大変少なかったのですが、1991年度に1台だけ、標準尺の日野+富士が導入されました。
1243 2003.9 北海道小樽市
●(3) U-HU2MPAA

中央バスのU-HUで最も多かったのが、標準出力の前中引戸車。
逆T字窓の車輌は、合計10台が1990〜1992年度に導入されています。
なお、一部の車輌は右の画像のように、車体再生時にエンジン開口部の形状が変形し
大きな長方形になっています。
左:1794(1992年式) 2008.5 札幌市厚別区(新札幌)
右:1515(1991年式) 2008.5 札幌市厚別区(大谷地)

空知地区向けの仕様でも1991年度に2台が登場しています。
P-HUと同様、2段窓です。
1244(1991年式) 2001.6 北海道滝川市

1994年度に札幌地区で導入された2台は
当時の同地区の標準仕様にあわせ、ワイドドアの低床車となりました。
2436 2007.5 札幌市南区(真駒内)
●(4) U-HU3KPAA

一方、前中引戸の車輌は、エンジンが高出力に変更され、型式が変わりました。
全国的にみても平成元年排出ガス規制の日野高出力車への富士7E架装例は、この北海道中央バスの一例だけ。
車内はハイバックシートが並ぶ郊外線仕様(いわゆる中ロマ車)で、合計4台が、1994・1995年度に導入されています。
リアの3連の流れるフラッシャーが、これぞ中央バスという感じ。全般的に郊外線向け7Eの完成形という感じがします。
2673 2010.8 札幌市中央区(札幌駅・北3条)
●(5) KC-RU1JJCA

車輌のダウンサイズ化がはじまった1996年に現れた珍車。
日野の9m大型車に富士7Eが架装された唯一無二の例です。
逆T字窓・前中折戸は、同年に導入された日デの9m大型(KC-RP250GAN)と同じ仕様です。
詳しくはこちらを参照ください。
2890 2003.9 北海道小樽市
●(6) KC-HU3KPCA

日野+富士の大型車は、1996年度の導入がなかったため、1997年度が平成6年排ガス規制車の初導入でした。
高出力・エアサス・ハイバックシートは変わりませんが、窓は2段窓、中扉は引戸から折戸に、
一方で、郊外線仕様ですが標準床から低床になりました。
1997・1998年度に1台づつが導入されました。
なお左側の車輌は、当初旭川ナンバーでしたが、現在は札幌近郊で仕様されているためナンバーが変わっています。
左:(旭川)1245 2001.6 北海道旭川市
右:3113 2003.9 北海道小樽市
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