◆日産ディーゼル KC-RN系
左側面 右側面
加賀白山バス(北陸鉄道 分離子会社) KC-RN210CSN

<概要>
 平成6年排出ガス規制(KC-)適合の日産ディーゼル製小型バスで、1996年〜1999年に製造された。
富士重製の車体を架装した場合、全車R18型ボディー(8E)が架装される。
他の車体架装例には西工がある。

 そのスタイルから,バスファンから「チョロQ」と呼ばれる当型式は、京王帝都電鉄(現 京王電鉄)の要請に基づいて
日デ・富士重工および同社の3者により開発された。
それまで小型車といえば、1995年に発表された日野KC−RX4WFAA(リエッセ)に至るまで、中型車以上とは異なるコンセプトで製造され、
車体幅は狭く車体高も低い、いわゆる「マイクロバス」であった。
 しかし、当型式は路線バス専用車として、中型車の全長のみを小型車並みにした規格で開発された。
さらに前中扉間はワンステップ構造をとるなど、革新的な構造になっている。
このため、従来の小型車より定員を多くとることができ、またスロープ板を取りつけることも出来る。
 発売以降、路線バスのダウンサイジング化、ならびに自治体主導の小型車によるコミュニティ路線の運行開始が相次ぐなどの時流にあい普及した。
そして、同規格の車輌は他社からも、1998年に三菱+MBMからKC-MJ219FVF(→KK-MJ23HE)が、また1999年にいすゞ+IBUSからKK-LR233E1、
日野+日野車体からKK-HR1JEEEが発表された。しかし、採算性などの問題から、後に全社撤退する。

<8E架装車の特徴>
・8E架装唯一の小型車で、右側面最後部に台形のエンジン開口部がある。
・殆どの車輌は逆T字窓を採用しているが、一部にメトロ窓の車輌も存在する。
・ドア配置は前中折戸が殆どであるが、一部トップドアの車輛が存在する。
・なお京王電鉄(および京王バス)が導入した車両は一部を除き、前面が変形している。
 これは関東バスが導入した車両でも採用されている。

変形前面車
特別仕様の前面を採用した車両
関東バス KC-RN210CSN

<型式内容>
 1990年(U-)以降〜現在に登場した型式で使用されている型式基準で、大型のUA、中型のRM・JM、 9m大型のRP等と同様である。
(1)は車種を表している。
(2)はエンジン型式、(3)は車種またはエンジン単位での使用変更順位をあらわしている。
(4)は軸距である。Cのみの設定である
(5)はサスペンションで、S=リーフサスのみの設定である。
(6)はブレーキで、路線バス系車輛は基本的にNのみである。

KC- R N 21 0 C S N
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)
意味 当系列の適用例 他系列の適用例(参考)
排出ガス規制 KC=平成6年規制
(1) エンジン
フレーム
R=リア(フレームレス) U=リヤアンダー
J=リヤ(フレーム付)
(2) 車種 N=小型 M=中型
P=9m大型、中型ベースの大型
A=大型
(3)
(4)
エンジン
仕様変更順位
210=FE6E 460=PG6 (大型路線車 6気筒)
521=RF8 (大型路線車 8気筒)
(5) 軸距 C=3.25〜3.49m(3.40m) E=3.75〜3.99m(中型路線車 3.9m)
G=4.00〜4.25m(中型路線車 4.28m)(9m車 4.3m)
H=4.50〜4.74m(大型路線車 4.72m)
K=4.75〜4.99m(大型ノンステップ車 4.8m)
L=5.00〜5.24m(大型路線車 5.24m)
N=5.50〜5.74m(大型路線車 5.55m,JP 5.56m)
(6) サスペンション S=リーフサス A=エアサス
T=低床リーフサス
(7) ブレーキ N=空気油圧複合式

<KK-RN系について>
 KC-RN系は1999年に、平成10年排出ガス規制にあわせてKK-RN系(KK-RN252CSN)に移行する。
しかし、同年に富士重工はRN系の車体架装から撤退したため、KK-RNの富士重工架装例の存在は
サンプルカーの1台が製造されたに過ぎない。
KC-RNと比較して、KK-RMと同型のコーナーランプが装備され、
リアのフラッシャーが外側に位置し、またエンジン開口部が省略されてる等異なる点がある。

群馬県佐波郡境町(2005年に伊勢崎市に合併)の東観光バスに移籍し、同町のコミュニティバス(無料巡回バス)で使用されていたが、
2008年3月をもって運行を終了。その後、2011年に大阪市の日本城タクシーに移籍、更に2013年に岡山市の八晃運輸に移籍した。
左側面 右側面
東観光バス KK-RN252CSN

<KC-RN210CSN + 8E 採用事業者> 各架装例画像
事業者名扉配置窓形状導入数備考
山形県米沢市(80条バス)折折―逆T字2庄内交通、千歳相互観光バス(北海道恵庭市コミュニティバス)に移籍。
日立中央バス折折―メトロ5現:日立電鉄交通サービス(←日立電鉄バス←)。神峰営業所所属。
平和タクシー
(栃木県鹿沼市コミュニティバス)
折折―逆T字1愛称は「リーバス」。
矢島タクシー
(群馬県太田市コミュニティバス)
折折―逆T字51台が道の島交通に移籍。
十王自動車
(群馬県伊勢崎市コミュニティバス)
折折―逆T字3現:国際十王交通。岩手県交通に移籍。
日本中央バス折折―逆T字4スモークガラス採用。エンゼルキャブ(広島市)、魚沼中央トランスポート(新潟県南魚沼市コミュニティバス)に1台づつ移籍
エンゼルキャブから祐徳バスに再移籍。
永井運輸折――逆T字1群馬県前橋市。契約輸送用。のちに一般路線用に転用。
ボルテックスアーク
(群馬県安中市代替バス)
折折―逆T字1
朝日自動車折折―逆T字3全車、川越観光自動車に移籍、のち路線の委譲に伴い東武バスに移管。
その後、岐阜羽島バス・タクシー(岐阜県羽島市コミュニティバス)、椎名観光バス、茨城交通に移籍。
岐阜羽島バス・タクシーから、北鉄能登バスに再移籍。
協同観光バス
(埼玉県上尾市コミュニティバス)
折折―逆T字2愛称は「ぐるっとくん」。
山梨貸切自動車(山梨県甲州市コミュニティバス)に移籍。
西武バス
(埼玉県所沢市コミュニティバス)
折折―逆T字6愛称は「ところバス」。補助ステップ付きの為、中ドア下部の裾形状が変形。
永井運輸、伊豆箱根バス、岩手県北自動車、スター観光(静岡県袋井市コミュニティバス)、いわさきバスネットワークに移籍。
スター観光から、さくら交通(静岡県袋井市コミュニティバス)に再移籍。
西武バス
(埼玉県入間市コミュニティバス)
折折―逆T字3愛称は「てぃーろーど」。
2台は西武観光バスに異動し、一般路線バスに転用。その後、さくら交通(静岡県袋井市コミュニティバス)、山交タウンコーチに移籍。
1台が、いわさきバスネットワークに移籍。
日東交通折折―逆T字9
東洋バス、京成電鉄
(千葉県八千代市コミュニティバス)
折折―逆T字4愛称は「ぐるっと号」東洋バス3台、京成電鉄1台。
東洋バスのうち1台と京成電鉄は山梨交通(南アルプス市コミュニティバス)に移籍
千葉交通、ジェイアールバス関東
(千葉県八日市場市コミュニティバス)
折折―逆T字4のちの千葉県匝瑳市。千葉交通2台、ジェイアールバス関東2台。
千葉交通の車輛は大野観光自動車(福井県大野市コミュニティバス)、道の島交通に移籍。
ジェイアールバス関東の1台は、一般路線用に転用。
京王帝都電鉄
京王バス
折折―逆T字8通常前面車。
海王交通(富山県射水市コミュニティバス)、日本中央バス、
深山運送(三重県名張市住民バス)、十郷観光(福井県坂井市コミュニティバス)、島原鉄道に移籍。
75変形前面車。
山梨交通(山梨県甲斐市コミュニティバス、のち1台を山梨県南アルプス市コミュニティバスに転用)、平成エンタープライズ、九州産交バス、
島原鉄道、鹿児島交通(いわさきバスネットワークなど系列含む)、羽後交通、東運輸、名士バス、福島交通、会津乗合自動車、
宮古協栄バス、岩手県北自動車、スター観光(静岡県袋井市コミュニティバス)に移籍。
スター観光から、ハトリ(茨城県河内町コミュニティバス)、さくら自動車(茨城県・貸切用)、ブルーライン交通に再移籍。
東京都内の構内専用から、龍神自動車、ブルーライン交通に再移籍。
西東京バス折折―逆T字21山梨峡北交通、茨城交通(茨交県北バス)、山梨交通(山梨県甲斐市コミュニティバス、のち1台を山梨県中央市コミュニティバスに転用)、
西表島交通、岐阜羽島バス・タクシー(岐阜県羽島市コミュニティバス)
フィールド・あが(新潟市江南区横越地区住民バス)、京福バス、羽後交通、ボルテックスアーク(群馬県安中市代替バス)、スター観光、
名士バス、つつじ(福井県鯖江市コミュニティバス)に移籍。
岐阜羽島バス・タクシーから桜交通(宮城県名取市コミュニティバス)に再移籍。
スター観光から、さくら交通(静岡県袋井市コミュニティバス)に再移籍。
関東バス折折―逆T字5ケイビーバスに異動(2台は復帰)。変形前面車。
掛川バスサービス、ロイヤル交通(埼玉県鴻巣市コミュニティバス)、会津乗合自動車、ブルーライン交通に移籍。
ロイヤル交通から、茨城交通に再移籍。
自家用から、蔵の街観光バス(栃木県栃木市コミュニティバス)に再移籍。
江ノ島電鉄折折―逆T字5分離子会社に異動。大野竹田バス(大分交通分離子会社)、種子島・屋久島交通→鹿児島交通、いわさきバスネットワークに移籍
富士急行折折―逆T字4富士急静岡バスに異動。
北日本中央観光バス(青森県三戸郡階上町コミュニティバス)に1台が移籍。
静岡県磐田郡豊田町(80条バス)折折―逆T字2現:静岡県磐田市。愛称は「ユーバス」。
長野県東筑摩郡坂井村(80条バス)折――逆T字1現:長野県東筑摩郡筑北村。
能登西部バス(→北鉄能登バス、石川県羽咋郡志賀町コミュニティバス)に移籍。
富山県滑川市(80条バス)折折―逆T字1
新潟交通折折―逆T字3
北陸鉄道折折―逆T字8分離子会社に異動。大野竹田バス、スサノオ観光に各1台が移籍。
京阪バス折折―逆T字2ボルテックスアーク(群馬県安中市代替バス)に1台が移籍。
京阪宇治交通折折―逆T字87台は京阪宇治交サービス(→京阪宇治バス)に異動。
岩手県交通(岩手県一関市コミュニティバス)、羽後交通、カリー観光、魚沼中央トランスポート(新潟県南魚沼市コミュニティバス)に移籍。
残り1台は京阪バスに吸収合併の後、浜松バスに移籍。
一畑電気鉄道折折―逆T字1現:一畑バス。しおや交通(栃木県塩谷郡塩谷町)に移籍。
高田観光バス折――メトロ1大分交通分社会社。現:大交北部バス。
(サンプルカー)折折―逆T字1宮崎交通に移籍。

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