◆いすゞ P-LV系

秋田中央交通 P-LV314L(もと小田急バス)

<概要>
 昭和58年排出ガス規制(P-)適合のいすゞ製大型バスで、1984〜1990年に製造された。
 新排出ガス規制にあわせ、それまでのK-CJ・CQ系をフルモデルチェンジした車輛である。
とくに標準の川重(1986年にいすゞ・川重共同出資のIKCに移行)架装車輛は、「キュービックバス」と呼ばれるタイプになる。

 富士重製の車体を架装した場合、1988年までR15系が架装され、それ以降は基本的にR17系が架装されるが、
川崎市交通局等一部の事業者向けに1990年までR15系が架装された例がある。
 なお上記以外の車体架装例は西工(58MC)と北村が存在する。
ただし、後者は新潟交通向けに製造されたP-LV314Qがあるのみである。

<5E架装車の特徴>
・パネルボディーで、左側面最後部にほぼ正方形のエンジン開口部がある。
 これがLVであることを見分ける最大のポイントである。
 一方、右側面は非常口下に開口部があるのみである。
・後輪より後の車体裾が一直線である(但し左側面は扉がない場合に限る)。
・リヤのナンバーステーは標準タイプまたは両側から照らすタイプで、車体中心より右側面にある。
・ヘッドライトは基本的に角目である(北海道中央バスのP-LV214Nに丸目車が1台いる)。

<型式内容>
 1983年(P-車)〜現在まで使用されている基準で、中型のLR、9m大型のLTと同様である。
(4)はエンジンを表す。「14」は一般式を表し先代のK-CJ系と同じ6QA2型エンジンである。
また、「18」は高出力の6RB2型エンジンで、平成元年排出ガス規制(U-)車でも使用されている。
(5)は軸距である。このアルファベットは範囲を表し、発売車種の軸距が含まれるものが適用される。
なお、U-車とは発売車種の軸距設定が同じであるが、平成6年規制以降(KC-、KL-、NE-)車は異なるので注意されたい。

(A)は低床車をあらわす。
(B)はショート・オーバー・ハング車で、これは軸距がK(4.65m)の低床車にのみ設定されていた。
この(A)(B)は車種板には打刻されず、車体番号板にのみ表記されることがある。

P- L V 3 14 K   J S
(1) (2) (3) (4) (5)   (A) (B)
  意味 当系列への適用例 他系列への適用例(参考)
排出ガス規制 P=昭和58年規制  
(1) エンジン配置 L=リヤエンジン  
(2) 車種 V=大型 R=中型以下
T=9m大型
(3) サスペンション 2=エア
3=リーフ
 
(4) エンジン型式 14=6QA2(220PS 標準出力)
18=6RB2(275PS 高出力)
12=6BG1(175PS 中型・9m車)
(5) 軸距 K=4.51〜4.75m(4.65m)
L=4.76〜5.00m(5.00m)
M=5.01〜5.25m(5.20m)
N=5.26〜5.50m(5.50m)
Q=5.76〜6.00m(6.00m)
F=3.51〜3.75m(中型 3.75m)
J=4.26〜4.50m(中型、9m車 4.3m)
(A) 床高さ J=低床  
(B) オーバーハング S=ショート(軸距4.65mの車輛のみ設定)  

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