これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.35〜 2008.8

飛鳥山の隠れ狛犬

飛鳥山(北区王子1-1)

JR王子駅から飛鳥山に沿って明治通り(飛鳥山坂)を登って行くと右に音無橋があります。その橋の少し手前から飛鳥山の中腹を見ると狛犬が一対、石垣から首を出しています、以前はツツジに覆われていましたが、今は枝を刈り込んでいるのでよく見えます。

「北区の昔話・飛鳥山の狛犬」に依れば、この狛犬は嘗て飛鳥山にあった飛鳥明神の参道に居た狛犬で、寛永10年(1633)に飛鳥明神が王子権現社に移転した際に置き去りにされたものではないかとしています。
飛鳥山周辺は明治になってから道路の整備が始まったようで、明治10年に日本初の公園に指定、鉄道の敷設と共に飛鳥山を削って道路が拡げられ、明治16年には王子駅が開業となり現在のようになりました。
道路の拡張工事が行われた時、そこには低い石垣が既にあって狛犬は手の届く程の所に居たと云います。
だがその由来については不明でした。
そして工事終了後、かつていた場所より上の場所に再建されたと云うことです。
遠くからしか見えない狛犬(隠れ狛犬とも呼ばれています)、いささか危険な場所に居るのですが調べて見ました。

狛犬は石垣から上半身だけのぞかしています。
頭部とタテガミ、そして胸を挟んで突き出ている短い前足、目には色違いの石をはめ込んでいます。
どうやら元々石垣にはめ込む為に造られたもので、神社仏閣の柱にある獅子鼻(木鼻)と同じものです。
石垣を守る為に造られた石の獅子鼻と云うのは他に類がなく超珍しいものと云えます。

                                    (写真・文 山田敏春)

 この狛犬は、「狛犬の杜」2000年9月第21号の「東京の狛犬今昔」で鈴木利雄さんが
 「音無橋から飛鳥山を見ると山腹に一対の狛犬が見える」と昭和52年ごろの北区の文書にあったが、
 今は見つからない…と「
飛鳥山の幻の狛犬」と題して書いていたものです。
 その頃は、ツツジに覆われていたようですが、今では「北区の昔話」探訪コースにもなっていて
 それなりに知られる存在のようです。