これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.22〜 2007.7

木旭晨の獅子山 〜 木村弥七は木村旭晨なのか?!

榛名神社(埼玉県富士見市勝瀬791)
戸時代の文政年間から明治初期にかけて狛犬や石造物合わせて12点を残した「京橋太刀賣石工藤兵衛」と云う石工がいます。

明治15年に「木村藤兵衛」の名で赤阪の氷川神社の獅子山(写真左)を手がけたのを最後に足跡が途絶えました。

ちなみに「京橋太刀賣」とは江戸時代の地名で現在の銀座1丁目辺りにありました。

23区データから木村という石工を探したところ、木村弥七と云う石工が大田区矢口3丁目の東八幡神社の狛犬を造った事が分かりました。
氷川神社の狛犬から20年後です。
台座には「明治三十五年九月吉日 東京深川 石工 木村彌□」となっています。
「彌七」の「七」の字が今は読めなくなっていました。
だがもう一つ狛犬の尾の下の足座に「
木旭晨刻」と名が刻まれています。「もく きょくしん」と読むと思われます。
木旭晨は深川公園にある大きな石碑に「
木村旭晨」と名を刻んでいますので苗字は木村です。
また明治期に井亀泉(酒井八右衛門)等と共に「
御碑銘彫刻師」の肩書を持つ字彫りの名工だったことも分かっています。
木村弥七は木村旭晨なのか?また木村藤兵衛と、つながりがあるのか?
今のところ分かりませんが、気になる石工です。

回は富士見市の榛名神社に木旭晨の獅子山があると云うので見てきました。

主の父母の長寿祝で建立されたもので、
銘は「大正七年十一月吉日 東京深川冬木町
   彫刻師 石工 木旭晨」
となっています。

獅子山としては定型でこぢんまりとした感じですが彫りは細部にわたって行き届いていて、気持ちの良い作品となっています。

木旭晨の作品は他に
 富岡八幡宮 大正10年10月建
 神田神社  昭和7年9月建
 鉄砲州稲荷 昭和11年5月建
 田無神社  大正7年11月建
などがあります。

(写真・文 山田敏春)