始業式 講話



                  1学期始業式講話「新しいものに挑戦しよう」

 今日から新しい学年が始まりました。今までの1年生は2年生に、2年生は3年生に、3年生は4年生に、4年生は5年生に、5年生は1番上の6年生に、それぞれ学年が一つずつ大きくなって、今日から出発することになりました。新しい1年生も入学します。きっとうれしい気持ちと、ちょっぴり心配しながら入学してくるでしょう。
 新しい学年になった皆さんは、1つ大きくなったお兄さん、お姉さんであることを忘れないで元気にがんばってください。
 皆さんは、今年1年間何をがんばろうと考えていますか。「国語の漢字をたくさん書けるようになろう」、「パソコンをもっと上手になろう」「校庭の木の名前を覚えよう」「友達と仲良くなろう」などとみんなそれぞれすばらしい目当てを考えていることと思います。
 新しいことをするには、今の自分がどうであるかを先ず知ることです。そして、何をどのようにすればよいかを考えて、実行していくことです。たとえば「漢字をたくさん書けるようにしよう」と考えた人は、今自分がどれだけの漢字を書けるかを調べておきましょう。次は、書けるようになりたい漢字を決めておきましょう。そうして、教科書を何度も読んで書けるようになるのか、作文を書いて書けるようになるのか、毎日漢字の練習をして書けるようになるのか方法を決めておきましょう。1日の量をあまり多くしないようにしましょう。毎日実行することです。「今日はテレビを見たいなあ」「今日は疲れたなあ」「他にすることがたくさんあるのにな」などと「したくないなあ」と思うことがあるかもしれません。しかし、計画に沿って根気強くすることです。「僕は自信がないな」「私はすぐ飽きてしまいそうだ」という人はいませんか。そういう人はどのようにしたらよいかを、お父さんやお母さんにまたは先生に聞いてみてください。きっとみなさんにとって良い方法を一緒に見つけてくださると思います。
 皆さんは「人間だけどうしてきついことをがんばらなければならないの」と思ってはいませんか。人間の他にも一生懸命努力しているのがたくさんいます。動物も植物も一生懸命努力していますよ。学校のウサギは自分の新しいすみかを穴を掘って作っています。ウグイスもきれいな声で鳴くことができるよう毎日鳴いていますね。
 校庭の木々を見てごらん。メタセコイヤの木からは、今新芽が吹き出しています。冬の寒い頃、北風がピューピューふいても冷たい雪が降ってもじっとがまんして春がくるのを待っていました。そして今、一斉に芽を出す努力をしているのです。そして、1年1年新しい芽や枝をだして太陽をいっぱいに浴びて大きく成長しているのです。でもやたらと枝を出しているのではありません。どの枝にも太陽がいっぱい当たるように、ある枝は上に、ある枝は横に隣同士の枝と重ならないようにいろいろと工夫しているのです。そして、毎年日の当たる場所を見つけて芽を出し、枝を伸ばしているのです。誰にも教わらないで、1日も休まないで、自分から続けているのです。
 皆さんは考えることができます。分からないときは本で調べることができます。1人でできなければ友達と一緒になってすることもできます。お父さんやお母さん、先生に聞くこともできます。もし、まちがったらやり直すこともできます。今年新しくしようと決めたことは計画に沿って1歩1歩踏みしめて進めていきましょう。きっとすばらしい結果が生まれると思います。
 皆さん一人一人が新しいものに向かって挑戦しているときは学校全体が生き生きとしてきます。今年は、学校全体が生き生きとなるようみんなで頑張りましょう。



                    1学期始業式講話「人間としての土台をつくろう」

 4・5日前までは桜の花がきれいでしたね。花見をした人もいたことでしょう。
 私たちをとりまく自然はもうすっかり春です。草や木がぐんぐんのびる季節です。
 私たち人間も草や木と同じように心も体も大きく成長するのです。
 皆さんは学年が一つずつ進級しました。今日は、学年のはじめの日ですので、どんな心がけで生活していったらよいかの話をします。
 私の友達の一人に、大変植木が好きなAさんがいます。彼は、よく植木屋さんなどに行って気に入ったものがあると買ってきます。
 3月、桃の木を買おうと思って植木屋さんに行ったそうです。たくさん植えてある桃の木のなかで、あれこれ見比べて1本選びました。それは枝のしげったつぼみのたくさんついたものでした。Aさんは気に入ったものを選んだ喜びで大きな声で「これをください。」と言ったそうです。すると、植木屋のおじさんが「こっちの方がいいですよ。」と言って指さしたものは、Aさんが選んだものより枝が少し細めで、つぼみも少ないものでした。「そうですか。そっちの方がいいですかね。」とちょっと疑うような口振りで言いました。植木屋のおじさんは「お客さんが選んだのは、太いけれど幹が曲がっています。花はたくさんつくように後で手入れすればいいけど、幹の曲がったのは直せません。」と言ったのです。
 植木に花をたくさんつけるには、肥料の与え方に注意したり、枝の切り方をうまくやればよい。しかし、幹が曲がりくねっていたり、二つに分かれてしまったりしたものは直しようがないと言うのです。Aさんは植木屋のおじさんが選んでくれた桃の花を買って庭に植え、花が少し開き始めているとのことです。
 私はこの話を聞いて「人間も、これと同じだな。」と気づいたのです。いろいろなことをよく知っている、考えをまとめるのが素早くて勉強がよくできるなどということはとってもいいことです。しかし、もっと大切なことは、人間として心がまっすぐなことです。正直な心、思いやりのあるあたたかい心、感動する心、悪いことは悪いといえる強い心など、人間として大切なことがちゃんと身に付いていることが1番大切だと思います。その上に、たくさんの知識、立派な考えが備わっていればますます人間として立派だと思います。人間としての土台がしっかりしていて、その上にいろいろなことができるということが大切なことです。人間としての土台つくりのために、学校では先生の話をしっかり聴く子、家庭ではお父さん、お母さん、お祖父さん、お祖母さんの言うことをよく聴く素直な子に成長して欲しいと思います。
 先ほどの植木の話のように人間としての幹がまっすぐでその上にきれいな花を咲かせるようになりたいものです。
 2000年代最初の学期です。21世紀は国際化の時代と言われています。その21世紀はもうそこまで来ています。ちょうどこのとき、ニュージーランドのオークランドで生活している嶋津さん姉妹が4月の1ヶ月間、皆さんと一緒にお勉強することになりました。皆さんはこの甲佐町、甲佐小学校のことをたくさんお話ししてください。嶋津さん姉妹は、ニュージーランドのこと、オークランドのことをたくさんお話ししてください。学校のお勉強のこと、言葉のこと、暮らしのこと、運動のことなどを。そして、日本と外国の似ているところ、違うところをしっかり見つめ、日本人も外国人もともに仲良く暮らしていく国際感覚を身につけて欲しいと思います。
 みなさん、がんばりましょう。



                         1学期始業式講話「すすんで なかよく たくましく」

 今日は、新しい年度、平成15年度のスタートにふさわしいさわやかな朝でした。日の出とともに澄み切った青空に飯田山、船の山、朝来山がきれいな姿を見せていました。校庭では、シンボルツリーのメタセコイヤに新芽が吹き出しています。楠の若葉が萌えるように輝いています。「中央小の子どもたち。今年もみんな輝いてくれよ」と語りかけているように感じました。春休みに、エネルギーをいっぱいためて登校した皆さんの顔もとっても輝いて見えます。「がんばるぞ」の気持ちが体からほとばしっています。
 新しい先生方、新しい友だちとの出会いの中で、平成15年度のすばらしいスタートができました。
 さて、益城中央小学校の校訓は、「すすんで なかよく たくましく」です。
 「すすんで」は、「先生やお父さん・お母さん、友だちから言われるまえに、自分ですすんでします」の「すすんで」という意味です。学級のお友達とすすんで学び合い、お勉強の楽しさ、わかる喜び、できる喜びなどを味わいながら「こんなことができるようになったよ」と実感できる力を付けていって欲しいと思います。
 「なかよく」は、「誰とでもなかよくします」の「なかよく」です。学級のみんなはもちろん、隣の学級の人、上級生、下級生ともなかよくふれあってすべての人が楽しいと思う益城中央小学校を創り上げていきましょう。そのなかで、思いやりのある優しい心を持った人になってほしいと思います。
 「たくましく」は、「たくましい心と体をつくります」の「たくましく」です。みんなで互いに鍛え合って、つよい心と体を作り上げてほしいと思います。
 この「すすんで なかよく たくましく」の校訓を自分自身の行動の道しるべとして、今日から始まる平成15年度の学校生活すべてを通して、先生方と一緒に「自分さがし」をしていきましょう。
 皆さんが「よい自分さがし」ができるように、毎日の学習や活動に「うちこめ」「ねばれ」「欲を出せ」をいつも自分に呼びかけて行動してほしいと思います。
 夢中になって自分の良い面を思いっきり伸ばしてください。あきらめないでねばり強くやり抜いてください。そして、「もっと良くなろう」「もっと力を付けよう」と目標を高く持って取り組んでほしいと思います。
 自分はどこを目指しているのかをいつも目にとめ、心にとめて自分を鍛えていきましょう。1学期は自分の根っこをしっかりと張り、1年間の土台を作っていきましょう。
 自分の持ち味を発揮するために、いろいろなことに「すすんで」チャレンジし、みんなと「なかよく」ふれあって、「たくましい」心と体をつくり、自分が輝く場を見つけていきましょう。
 先生方も皆さんが輝くよう力をかしてくださいます。
 平成15年度の益城中央小学校では、どのような学習や活動が生まれてくるでしょうか。それは皆さん一人一人のがんばりによってきまります。
 皆さんの力に期待しています。



                 2学期始業式講話「笑いで明るい子に 汗を出してがんばる子に」

 長い夏休みの生活はいかがでしたか。休み前に計画したように生活できましたか。お勉強は良くできましたか。病気はしませんでしたか。本はたくさん読みましたか。おうちの手伝いはできましたか。戦争の時の話は聞けましたか。きっとすばらしい休みを過ごしたことでしょうね。本校の目指す児童像「よく考え工夫する子」にそれぞれが近づいたことと思います。
 きょうは、「笑い」と「汗」についてお話ししますのでよく考えて七滝小学校の立派な子になるようしっかり努力してください。
 まず「笑い」についてお話しします。今、世の中で「笑い」がだんだん少なくなっていると言われています。「笑い」といってもいろいろありますが、なにも大声を出して笑いなさいと言うのではありません。にこやかな微笑み、明るい微笑みは人の心を楽しくさわやかにしてくれます。世の中には肩が触れたとか、足をちょっと踏まれたとかで、ののしりあったり、時にはつかみ合いの喧嘩にまでなることを聞いたり、見たりします。そのときに、ちょっとほほえんで「すみません」と言えばなにごともなくすむようなことがたくさんあります。
 「笑い」によって自分だけでなく、周りの人も明るく和やかにしていきます。このことは本校の目指す児童像の「明るく思いやりのある子」につながるのです。また、笑いは健康のもととも言われています。笑いで健康なからだ、明るく元気な学校を作っていきたいと思います。
 次に「汗」について話します。最近は汗を流す機会が少なくなってきています。皆さんの家でもクーラーがある家が多いと思います。夏を涼しく過ごすということは文化生活の一つの目標なのでしょうが、実際はどうなのでしょう。育ち盛りの皆さんにとっては、いい影響はないと思います。夏は暑いのが当たり前です。暑い中でからだを使うから汗が出るのです。汗は体温の調整という大きな働きのほか、体の中のいらなくなった悪いものをどんどん体の外へ出していく働きがあります。
 私も今年の夏はずいぶん汗を流しました。皆さんのお父さん、お母さんたちと一緒になってビーチボールバレーをしたり、日本一の石段や飯田山に登ったり、農作業をしたりで汗をびっしょりかきました。しかし、汗を流したあとのさわやかさは何とも言えません。
 皆さんは運動で大いに汗を流し、掃除など体を使う機会をなるべく多くして、より多くの汗を流しましょう。そして目指す児童像の「人に頼らず最後までがんばる子」を目指しましょう。
 2学期も頑張りましょう。



                     2学期始業式講話「習い 使い 見つける 学習をすすめましょう」

 夏休みも終わり、今日から2学期です。
 皆さんは、朝、家を出るとき「さー、今日から2学期だ。頑張るぞ」と心に誓ったことと思います。この気持ちをずーっと持ち続けてください。
 さて、この「頑張るぞ」で大事なことは、何をどのように頑張るかです。
 この2学期「何をどのように頑張るか」の目標を決めて下さい。
 今日は、皆さんが決めた目標に向かって頑張る参考になればと思い、学習とは何かについて、3つお話しします。
 1つは、「習う」ということです。習うという漢字は、「羽と白」ですが、「白」はもともと「自分の自」なのです。この漢字は「鳥が何回も羽を動かして飛ぶ練習をする」意味なのです。このことから「習う」というのは、先生から学習の基礎を教えてもらって、後は自分で繰り返し「練習」することなのです。勉強で大切なことは、基礎となることをしっかり身に付けるまで何回も何回も繰り返し「練習」することです。
 2つめは、「使う」ということです。学校で学んだことを繰り返し練習し身に付けたなら、それを毎日の生活や勉強で「使う」ことが大切です。5・6年生は「活用」という言葉を知っているでしょう。「活」とは、「いかす」ことです。役に立てることです。2年生の皆さんは、かけ算を学習しますが、1・2年で学習したたし算がしっかりわかっていないとかけ算も分かりません。かけ算はたし算がもとになっているからです。このように勉強とは「学んだことを使う」ことの繰り返しなのです。
 3つは、「見つける」ということです。「発見する」と言っても良いでしょう。自分自身の力で「見つける」ことが勉強では大切です。この見つけるというのは、「何かないかな」と捜し物をするのとは違います。学習するときに問題を解く「予想」をするでしょう。あの「予想」は、今まで学習したことを頭の中で使ってみて、「こうではないかな」と「予想」をたてるのです。その「予想」があっているかどうかを確かめていくでしょう。その「予想」が当たれば「見つけた」こと、「発見」したことになるのです。また、毎日の生活の中で、「みんなで仲良く、楽しく生活するにはどうしたらよいか」を考え、話し合うでしょう。そして、みんなで決まりを決めるでしょう。これも「見つけた」ことの一つです。自分で「見つけたこと」、「発見したこと」は皆さんの頭に心に、身体にしっかりと残るものです。この「発見」こそ勉強の目標なのです。しかし、一つのことを「発見」したら、勉強は終わりではありません。その「発見」したものが基になり、次の新たな勉強が始まるのです。ですから、勉強には終わりはありません。
 私たち人間は、よりよく生きるために生涯勉強を続ける動物なのです。
 いつも新しいめあて・目標に向かって努力する動物なのです。
 2学期は、「練習」、「活用」、「発見」の3つの言葉を頭に置いて頑張りましょう。



                  2学期始業式講話「進んでするから すっとする」

 長い夏休みが終わって2学期が始まりました。益城中央小学校の子ども全員がそろって始業式を迎えることができたことをうれしく思います。
 皆さん 夏休みを計画通り、元気に楽しく過ごせましたか。今日は長い夏休みが終わっての2学期の始業式ですので夏休みのことをふり返って、それから2学期の目当てを考えましょう。
 いくつか聞いてみます。
 「自分で決めた目当てがだいたいできた人、手をあげてごらん。」「本を5冊読んだ人は。」「けがや病気をせず元気に過ごせた人。」「よくお家の手伝いをしたと思う人。」「夏休みは楽しかったという人。」
 私は、朝早く起きて散歩しながら野鳥を観察すること、本を読むことを目当てにしました。朝の散歩は半分くらいしかできませんでしたが、朝できないときはなるべく夕方や夜散、歩しました。数えてみると31回散歩しました。観察した野鳥は、すずめ、つばめ、ほおじろ、むくどり、かわせみ、やまばと、ひよ、からす、こさぎ、ごいさぎ、あおさぎなどを見ることができました。本は5冊読みました。山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」、夏目漱石の「坊ちゃん」、井上靖の「桜蘭」です。5つとも手を挙げた人は夏休みのチャンピオンですね。目当てを持って過ごせた人はとても立派です。
 さあ、長い2学期が始まります。2学期の目当ては「進んでするから、すっとする」です。
 私は子どもの頃「宿題やった?」と聞かれるのが1番イヤでした。「勉強したの?」と言われるのもイヤでした。そのかわり、「勉強したの?」「宿題は終わったの?」と言われたとき、「もう、終わったよ」と言えるときはとても気持ちよかったことを覚えています。
 「進んでやろう」が2学期の大きな目当てです。お勉強や宿題を進んでしましょう。「進んでするから、すっとする」これが2学期の大きな目当てです。
 進んでするとどれだけ気持ちがいいのか、夏休み中に一つの作文を見つけたので聞いてください。
「運動会の準備」
 明日はいよいよ運動会だ。僕たち5年生は運動会の準備をしなければならない。でも、準備はとても面倒で、大きくて重い看板を運んだり、運動場の草や石をとらなければならない。こんなことはやりたくないので、ぼくは運動会の準備をやらないで仲のよい友だちとおしゃべりをしていた。クラスの班長が「まじめにやれよ。みんなやっているんだよ。」と言ってきた。しかし、無視しておしゃべりを続けていた。今度は先生が僕たちを叱った。「君たちは運動会をやりたくないのか。」そこで、僕たちは嫌々ながら準備を始めた。本当はやりたくないので自然と手抜きをしてしまう。その度に注意された。「運動会の準備などしなくて早く帰りたいな」と思っているときだ。2年生がこんなことをしゃべっていた。「明日は運動会。赤白どちらが勝つかな。」「楽しみだね。」「うわー、お兄さん、お姉さん達運動会の準備がんばっているよ。」「わたしたちも明日の運動会、がんばろうね。」ぼくはそれを聞いてハッとした。ぼくはがんばって準備をしていただろうか。その言葉を聞いたとき、ぼくは自覚というものを覚え、今までの自分が恥ずかしくなった。「これまでの分、2倍がんばらなくては」と思った。それからのぼくたちは全くしゃべらずに進んで準備を進めた。その1時間後に準備は終わった。とても立派にできたと思う。
 次の日、とうとう、運動会だ。その日の運動会は今までのなかで思い出に残る運動会となった。
 以上です。2学期は先生たちに指図されないで、進んでやれる学期にしましょう。



                  3学期始業式講話「新年を迎え、将来の夢や希望に胸を膨らませよう」

 第3学期の始業式にあたり、皆さんに将来への希望や未来への夢を持って欲しいことについて、作家の井上靖、画家の平山郁男両先生の夢や希望を例にお話しします。
 皆さんの中には、去年は何をやっても3日坊主だったから今年は1日でも長く続けようと考えている人、将来やってみたいこと、なってみたいことを実現するために今年からこんなことをしようと考えている人、サッカーや野球の選手になりたいと考えている人、百人一首の女王になりたいと考えている人、今が良ければそれでいいやと思っている人、何も考えていない人もいるかもしれません。
 では、二人の先生の夢はどうだったのでしょう。
 作家の井上先生は、ノーベル文学賞候補にもなった人で、ヨーロッパとアジアを結んだ道シルクロードを舞台にした作品などが有名です。学生の頃から未知や夢、そして謎と冒険に満ちているシルクロードにあこがれ、いつかは行ってみたいと願っていたそうです。たくさんの本を読み、シルクロードの山や川、砂漠の様子が実際に行ったかのように描かれた作品がたくさんありますが、シルクロードを旅する夢はなかなか実現しませんでした。ようやく先生の夢が実現したのは、先生が58歳の時です。学生時代の夢を叶えるのに40年かかったことになります。その後、5回ほど旅をされたそうです。そして、「遺跡の旅、シルクロード」という紀行文を書かれています。
 もう一人の平山先生もシルクロードに夢を持っていた人でした。先生は広島で原爆の被害に遭い、東京芸術大学の助手の頃、白血病が発病し貧血が続き死を予感したそうです。そこで、先生は自分がこの世に生きていた証拠を何か残しておきたいと考えました。その時頭に浮かんだのが、命がけでインドへ仏教の経典を求めに行った玄奘三蔵だったそうです。このお坊さんは三蔵法師といわれ、家来に孫悟空などがいたことで有名ですので皆さんも知っているでしょう。先生は、自分を玄奘法師に見立てて、平和の祈りをシルクロードに託して描こうと思われたそうです。先生は、これまで約40年間、中国やインドに100回も行き、歩いた距離30万km、スケッチは5000枚を越えているといいます。そして、今度、これまでのシルクロードの総まとめとして、玄奘法師の頭蓋骨の一部が分骨されていると言われている奈良薬師寺に壁画を残すことにしました。長さ50m、高さ4、2m。21世紀を迎える年、2001年1月1日に完成するそうです。
 この2人の先生の「未来にかけた夢、かける夢」どうですか。皆さんも大きな夢を持ってください。
 新しい年、平成10年(1998年)は、大きな夢や希望を持って進んで欲しいと思います。



                    3学期始業式講話 「やる気 元気 根気」を持って

 明けましておめでとうございます。
 皆さん、お正月は楽しく過ごせましたか。お雑煮やおせち料理を食べたり、ゲームを楽しんだりして、家族みんなで楽しく過ごせたこと思います。
 私は、元日に、氏神様と熊本市内の神社に、2日には阿蘇神社に初詣に出かけました。家族みんなが元気に過ごせますように、母が長生きしてくれますように、そして益城中央小学校の子どもたちが大きく成長しますようにとお参りしました。皆さんにとっても、自分の夢や希望が叶えられるよい年であるといいですね。
 さて、今日から3学期の始まりです。3学期は1学期や2学期に比べて1番短い学期です。3学期は1年のしめくくりであると同時に、次の学年に向かって準備をする学期でもあります。4月になると、6年生は中学校に進学します。5年生は最高学年の6年生になり本校の機関車となります。4年生は高学年の仲間入りをし、学校のために力を出します。1年生から3年生はそれぞれに進級し、学級や学年のためにがんばります。
 3学期は皆さんが先生方と力を合わせて心を一つにして楽しい学級、友達と協力してお互いに学び合える学級をつくって欲しいと願っています。
 ところで、「1年の計は元旦にあり」という言葉があります。この言葉は、「何でも物事は最初が大事で、1年間を過ごすときには自分の目当てを決めて生活することが大事ですよ」という意味なのです。皆さんは「今年こそは」と新しい年への決意ややりたいことを決めていることと思います。目当てを決めてもそれが達成できるように努力しなければ何にもなりません。また、その努力を続けることが大切です。どんな目当てでも、その目当てが達成でき、がんばり抜いた喜びは、自信につながります。これからを生き抜く力となります。
 かけ算九九をしっかり覚えよう、漢字を書けるようになろう、毎日10分読書をしよう、委員会や係活動を進んでしよう、友達とケンカしないで仲良く過ごそうなど、皆さんが決めた目当てに向かって、「やる気」「元気」「根気」の3つの「気」を持って努力することを願っています。
 まだまだ寒い日が続きます。寒さに負けず、風邪を引かないように気をつけて学校生活を送ってください。
 では、3学期も「すすんで なかよく たくましく」毎日を過ごしましょう。



                            3学期始業式講話「すすんで なかよく たくましく」

 新年おめでとうございます。
 平成15年を迎え、3学期を迎えました。今年は未年です。皆さんは自分の生まれた年を知っていますか。未年の人、手を挙げてごらん。5年生と6年生の一部の人がそれぞれ未年ですね。私も未年です。
 6年生はこの3学期で小学校の勉強を終えて中学校へ進学します。5年生は4月からいよいよ最上級生となります。この3学期というのはそういう大事な学期です。4年生までの皆さんも進級のために3学期を大事にしてほしいと思います。
 3学期は、3つの学期の中では1番短い学期です。「1月、行ってしまう」「2月、逃げてしまう」「3月、去ってしまう」と言われているくらい短いのです。短いけれどもとっても大事な学期ですから目当てを持って生活してほしいものです。
 益城中央小学校の校訓は「すすんで なかよく たくましく」です。校訓とは、「よく考え、進んで勉強する子ども」「心豊かで、思いやりのある素直な子ども」「互いに協力し、ねばり強くがんばる子ども」のめざす子ども像に近づく合い言葉です。
 何でも「すすんで」することはとても大切なことです。みんなと「なかよく」することも大切です。身体も心も「たくましく」成長することも大切なことです。
 皆さんにこんな子になってほしいと思って50音の歌を作ってみました。
「あかるいあいさつ 中央っ子」
  益城中央小学校の子どもたちの1日の始まりは、明るいあいさつです。 
「かがやくえがおの 中央っ子」
  お勉強をはじめ何事にもすすんで挑戦するとできた喜び、分かる喜びで輝きます。
「さわやかさっぱり 中央っ子」
  さわやかでさっぱりした環境の中で、気持ちよく過ごしましょう。
「たのしみたくさん 中央っ子」
  楽しいことがたくさんある中央小学校にしましょう。
「なかよくなごやか 中央っ子」
  528名みんなが、毎日仲良く和やかな生活ができるようにしましょう。
「はなしがはずむ 中央っ子」
  先生や友だちとお話しが弾んでいろんなことが学べる中央小学校にしましょう。
「まいにちまんぞく 中央っ子」
  きょうも力一杯生活することができた満足感をいっぱい持ちましょう。
「やさしさ やしなう 中央っ子」
  みんなが優しい気持ちを育てて仲良くしましょう。
「らくらくらくちん 中央っ子」
  毎日を少しずつがんばると、何でも楽にできるようになります。
「わらってわをうむ 中央っ子」
  仲良くすることを「和」といいます。
 楽しい3学期をみんなで創っていきましょう。