学習指導要領の改訂と地域学校協働活動

                         ~29年度 宇城教育事務所 地域学校協働活動実践交流会 まとめ~

 


 皆さん こんにちは。県統括コーディネーターの中川でございます。どうぞよろしくお願いします。
 グループ協議が活発に進められている中で、時間となってしまいました。
 これが宴会であるなら、「宴たけなわではございますが、時間となりましたので・・・・」となり2次会、3次会へと続くわけでございますが、本日の研修会では2次会のセットはありません。各で、中身を深めてください。
 私は、お三方のすばらしい実践発表、そして中身のある協議についてまとめる力を持ち合わせてませんので、2年後から施行されます改訂学習指導要領と地域学校協働活動の関連、実践発表からが学んだこと、そして、この地域学校協働活動について日頃から私が考えていますことをお話ししてまとめに替えさせていただきます。
 まず、学習指導要領の改訂と地域学校協働活動との関連についてであります。
 指導要領はこれまでほぼ10年に1度の割合で改訂されています。改訂は、その時代の社会が要する学力であったり、社会が求める人としての資質であったりといろいろな要素があります。


 私は昭和42年に教員になりました。昭和43年から45年にかけての改訂はよくおぼえています当時、アメリカとソ連が宇宙競争をしていました。それにアメリカが負けたのです。いわゆる「スートニクショック」です。それで、時代の進展に対応した教育内容の導入が世界的に求められました日本では、教育内容の現代化といって小学校の算数に集合の考えが導入されました。そして、教育夜の詰め込みが始まりました。
 このように改訂時の社会の要請を見ていきますと、教育の変遷がよく分かるのですが、本日は時がありませんのでそれぞれの改訂時期の社会の要請等について見つめることはできません。先生方時間にゆとりがおありの時調べてみてください。おもしろいことがたくさんありますよ。例えば、成元年の改訂です。この当時、「お受験」と言う言葉が流行しました。幼稚園入園に際しても受験争が激しかったのです。いわゆる学歴偏重社会です。今何ができるかではなく、どこの大学を卒業たかが重視されていました。そのような中で、学校では、いじめ、不登校、校内暴力が大きな教育題となっていました。昭和59年から62年にかけて、臨時教育審議会が4次にわたって内閣総理臣に答申を出しました。その柱は、個性重視の原則、変化への対応、生涯学習体系への移行でしたそれを受けて、改訂の大きな主眼は社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成でした。
 では、今回の改訂の主眼は何でしょうか。
 第1は、人口減少社会における持続可能な社会づくりという社会の要請です。総務省統計局が平29年12月1日現在の日本の総人口を発表しました。それによりますと、日本の総人口は、1億670万人で,前年同月に比べ22万人減少といっています。一口に22万人減少と言ってもピンきません。それで、熊本の人口を例に見てみます。平成28年10月1日の宇土市の人口が約3万千人です。宇城市が5万9千人です。八代市が12万7千人。この3市の合計が22万3千人ですということは、28年から29年までの1年間で、宇土市、宇城市、八代市がなくなったというこになります。これだけ、急激に日本の人口は減少しているのです。これから10年後、20年後はとより100年後、200年後と持続可能な社会づくりをすることは喫緊の課題です。
 私は、走潟小学校の学校運営協議会長さんの話を聞く機会がありました。会長は、「私は、学校協力しようと思って学校運営協議会長を引き受けているのではありません。走潟校区の子どもたち将来、自分が生まれ育った走潟地区を背負って立つ人材となるには、子どもたちにどのような力をにつけてもらったらよいか。そのためには地域で何ができるかを日頃考えています。その延長とし協議会長をしています。」と。
協議会長のようにお考えの方が多くなっています。ですから、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において、必要な教育内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを明確にしながら、社会と連携・協働しての学校教育が求められているのです。
第2は、人工知能の発達による職種の減少への対応です。アメリカのキャシー・デビッドソンは、2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもの65%は、大学卒業時、今は存在ていない職に就くだろうと予測しています。野村総合研究所は、今後10から20年以内に本の労働者の約49%の仕事が、ロボットや人工知能の発達により代替できるようになるだうと予測しています。昨日、NHKの朝7時のニュース、今朝のクローズアップでは、人にわってロボットが労働の主流となる職種がかなり増えるだろうと報道していました。これかは、人とロボットが融合した職場が主流になると予測していました。NHKでは、ピョンチャオリンピックのアイスホッケーの試合で、ロボットがアナウンサーの補助をするそうです。
 この大きな社会の要請を受けての今回の改訂の主眼は


 予測困難な時代に、未来の創り手となる子供たち一人一人が、予測できない変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、自らの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となっていけるようにすること。

です。
 目の前にいる子どもたちにどのような力を身につけさせればよいかの命題に応えるのが「社会にかれた教育課程」です。これはこれからの教育課程作成の理念だと私は考えています。
 社会に開かれた教育課程については、先生方はこれまで、改訂学習指導要領についての説明会等何度も学習しておいでと思いますが、ここで改めて温め直してみたいと思います。
 社会に拓かれた教育とは、


 よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において、必要な教育内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを明確にしながら、社会との連携・協働によりその実現を図っていく。

です。

 その視点として次の3つを挙げています。


 ① 社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち、教育課程を介してその目標を社会と共有していくこと。
 ② これからの社会を創り出していく子供たちが、社会や世界に向き合い関わり合い、自分の人生を切り拓いていくために求められる資質・能力とは何かを、教育課程において明確化し育んでいくこと。
 ③ 教育課程の実施に当たって、地域の人的・物的資源を活用したり、放課後や土曜日等を活用した社会教育との連携を図ったりし、学校教育を学校内に閉じずに、その目指すところを社会と共有・連携しながら実現させること。

  育成すべき新しい時代に必要となる資質・能力として、次の3つの力を示しています。


 ○学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性
  (どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか)
 ○生きて働く知識・技能
  (何を理解しているか 何ができるか)
 ○未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力
  (理解していること・できることをどう使うか)

 教育課程の作成にあたっては、アクティブラーニングの視点からの授業改善を挙げています。

 
 「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善を行うことで、学校教育における質の高い学びを実現し、学習内容を深く理解し、資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにすること。

○主体的な学びとは、
 学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持ってり強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。 
○対話的な学びとは、
 子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。
○深い学びとは、
 習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせがら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見だして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できいるか。

 ある学校の先生から、「私の学校は、1クラス10人前後の学級です。担任が子どもたちの活動目が行き届きます。地域の人の支援は必要としません。」と聞いたことがあります。振り返りますと学校支援のうったちは、先生達の「困っています。助けてください。」、地域の人たちの「何か加が要ることはありませんか。」から始まりました。これが今では、地域の人に自分の考えを聞いてらって思考を整理したり、よりわかりやすく伝えるにはどう表現すればいいかと表現の仕方を工夫たり、学びたいという欲求を地域の人から後押ししてもらうなど、主体的な学び、対話的な学び、い学びの形態が地域の人の学習支援でどんどんふくらんでいます。「飲み水にしている水たまりのを遊びの中で汚してしまったことを今でも悔いている」という地域の方の戦時中の体験を聞いた生が、「自分たちは、水道の蛇口をひねればすぐに水を飲むことができる。もっと水を大切にしなけばならないと思った」と紹介がありましたが、これはまさに「地域の人の話、先哲の考え方を手掛りに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める」という対話的な学びでしょう?。地域の課題聞き、各教科で学んだ知識や技能を総動員して課題解決方策を考えるなどは深い学びそのものと思ます。このような観点から社会に開かれた教育課程の実現を各学校で図って欲しいと思います。
 次は、砥用小放課後子供教室の実践、豊野小地域学校協働活動の実践、鶴城中学校区地域学校協活動の実践の発表から私が学んだことです。
 第1は、「地域学校協働活動は、学校目標に迫り、学校課題解決のための取組である」というこです。
 先ほども述べましたが、地域学校協働活動は、先生方に対しての応援から子供の確かな生きる力育成へと変容しています。つまり、学校教育目標に迫る活動であり、学力向上やいじめ・不登校問等学校課題解決に向けた取り組みとなっています。そこで、先生方へお願いがございます。学校では校内研究に取り組んでおられます。学力充実であったり、生徒指導の充実であったり、キャリア教の充実であったり、豊かな外国語活動であったり多岐にわたっていると思います、その校内研究テマを策定の視点の一つに、子どもたちの生きる力を育むための効果的な地域学校協働活動の在り方是非採り入れて欲しいと思います。
 第2は、「地域学校協働活動は、行事消化ではなく、一連の流れ(知の統合化・総合化)をもつ組である」ということです。
 ご発表の中にもありましたが、苗の植え付けから収穫、さらには餅搗きや調理等収穫した物の加までの一連の流れがある体験活動の場を提供し、子どもの生きる力を養成しておられます。最近ではこの一連の流れのづくりに地域の人が参画する姿が見えてきました。「全てお膳立てしてある場で供を活動させるだけで、子どもの生きる力の育成に繋がるだろうか」の疑問が地域の人に芽生えてることです。これをストーリーのある取り組みと称する人もいます。
 平成14年、私が勤務している学校で5年担任の先生が「校長先生、5万円貸してください。」言ってきました。お金に困っているわけでもなかろうに何に使うのだろうと尋ねると、「種籾を買い小作料を払って稲作体験を子どもたちにさせたいと思います。」と言います。その先生は、農協職や4Hクラブ、保護者の協力を得て、苗床に種籾をまくことから始めて、田植え、草取り、稲刈り脱穀、餅搗き、餅や餅米販売で得た収益で次年度の種籾や肥料等の購入までしました。その間、子もたちは田んぼで稲の観察をしました。田植えの時は1株4~5本くらいの苗だったのに夏には2本以上に生育していることに驚いていました。3月には、5万円返してもらいました。利子はなかたのですが、子どもたちのたくさんの学びが利子以上にうれしかったことを鮮明に記憶しています。 第3は、「地域学校協働活動は、学校のおもい、地域のおもい、親のおもいをつなぐ取組であるということです。これも先ほど紹介しました走潟小学校の学校運営協議会長さんの話にありましたうに、地域の思いや親の思いを学校教育へつなげることです。学力向上の目的は、大都市で活躍す人材育成から我がふるさとを担う人材育成へと変わってきています。そのために、地域の特性を踏え、住民の専門性を生かした活動を新たに開発して欲しいと思います。
 第4は、「地域学校協働活動は住民の生涯学習と密接な関係にある取組である」ということですご発表の中でも触れられましたように、学校支援ボランティアの高齢化、固定化、減少化は全ての校に共通する課題です。行政関係者の皆さん、地域の方が、学びで得た知識や技能を社会参加活動生かす取り組みを是非推し進めてください。その一つが公民館との連携です。ボランティア養成講を開いて欲しいと思います。
 終わりに、地域学校協働活動に対しての私のおもいを述べます。
 地域とともにある学校づくりには、欠かせない3つの機能があります。それは、


 熟議:当事者意識をもって熟議 学校や地域の課題 目標の共有
 協働:学校運営に地域の人々が参画 共通の目標に向けて連携・協働
 マネジメント:目標達成に向けた校長のリーダーシップ 地域人材や資源を生かした学校運営

です。
 中でも、地域の人の参画が重要だと思います。「参画」を二重丸か三重丸で囲んでおいてください。きっと、新たな地域学校協働活動が開発されることと思います。
 本日は、2時間半という短い時間ではありましたが、とても中身の濃い研修会でありました。
 これを持ってまとめに替えます。