生涯学習で学んで得た成果を学校支援ボランティアに活かしましょう 集い・学び・つなぐ地域教育力研究大会in水俣芦北 平成25年度熊本県社会教育研究大会・第58回熊本県公民館大会 まとめ |
水俣市民会館 |
平成25年9月27日 |
1 テーマ「集い・学び・つなぐ」について
公民館の役割はいろいろあると思いますが、いくつかを項目だけ例示しますと
(1)地域の人たちが集まる際の中核となる場所
(2)住民(高齢者や子どもたちも含む)の生涯学習の場
ア.多様な学習機会の提供
イ.自発的な学習活動の支援
ウ.学習成果活用の場の配慮
(3)学習情報提供・相談機能の充実
(4)家庭教育支援拠点としての機能
(5)ボランティア活動・体験活動の推進
(6)小中学校と地域を結びつける役割
(7)保健福祉の実現の場
(8)高齢者を含む人材活用センター
これらを見てみると、公民館の役割は「集い・学び・つなぐ」そのものです。
2 芦北町計石自治公民館の取り組みについて
住みよい「ここが一番よかとこ」づくり
○公民館の役割の(1)(4)(5)(6)(7)に当てはまる活動が展開されています。
○新たなまちづくりは、「情報の連携から行動の連携へ」だと思いますが、このことが地域挙げて見事に実践されています。
○少子高齢化社会では、「教育と福祉がドッキングした活動が必要」との視点からの活動が展開されています。
21世紀を生きる私たちにとってもっとも大事なものは自尊感情。自尊感情は自己肯定感とも言われます。
生き甲斐づくり、困難を克服して前向きに生活するチャレンジ精神、忍耐力等々これらは自尊感情が高い故にでてくる行動です。老いも若きも自尊感情を高めることは重要なことです。自尊感情が低いとき、高齢者鬱病になりやすいといわれています。
ここに地域の方が互いに声かけをすることの大切さがあると思います。
3 氷川町学校支援地域本部の取り組みについて
地域ボランティアによる学校支援活動
○地域住民による学校支援活動は、地域の宝である地域の子は地域で育てるの具現化です。
○学校支援活動は、学校支援にとどまらず地域の教育力向上を目指すまちづくりでもあります。
○学んで得た知識や技能をボランティア活動に生かすことは、生涯学習のまちづくりに直結します。
○生涯学習のまちづくりとは、個人が高まりまち全体が高まること まちが活性化することです。
生涯学習のまちづくりは住民が主役のまちづくりです。住民の学びの場を提供する学習機会の充実や指導者の養成、学習情報提供などを通して学びを中心とした新たなコミュニティが生まれます。
子どもたちは、学校支援ボランティアを人としての理想像としています。
学校支援によって、一人一人が生き生きと生活するということは一人一人が高まりまちが活性化すること。まちが活性化することは、住民がここに生まれて良かった、ここで生活できる喜びを実感していること。これを子どもも実感する。これがこれからのまちづくりであると思います。
4 行政の方 社会教育委員の方へのお願い
教育基本法第3条 (生涯学習の理念)
国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。
とありますが
生涯学習の定義は百人百様、自治体毎に微妙に違っていると思います。
学歴偏重社会の弊害を是正するために生涯学習が叫ばれ、推進施策の中で
「カラオケも生涯学習」からと例示したものですから趣味などの個人の学習要求が広がってきました。それで、
「地域を忘れた社会教育は、後ろのお山に棄てましょか」
のような戯れ歌まで生まれました。
この戯れ歌は、公民館講座が趣味などの要求課題中心になることへの警鐘だと思います。
公民講座には、市町村行政の必要課題 例えば人権問題、福祉問題、環境問題等
と
個人の要求課題 例えばカラオケ、外国語会話、囲碁・将棋 ダンスなど
この2つの課題を調和させた学習機会を提供することが大事だと思います。
そこで、
行政の方にお願い
市町村の必要課題を首長部局との協議によって設定して欲しいのです。
また、学校応援ボランティアの養成講座開設、土曜学校再開に向けての子どもの学びの場の開発をお願いします。そのために、社会教育委員の皆さんにその方策を諮問していただきたいと思います。
社会教育委員・公民館関係の方にお願い
行政の必要課題を住民の要求課題となる架け橋になっていただきたいと思います。
そのため、年3回程度の社会教育委員会議があると思いますが、教育委員会の諮問に対する答申や青少年健全育成に関する建議等を委員会としてまとめていただきたいと思います。
社会教育委員の皆様の中には校長先生がいらっしゃるだろうと思います。市町村の校長会等で学校と地域が連携した教育活動の必要性をさらに啓発していただきたいと思います。
教育基本法
(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第十三条 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。
とあります。
全県下に氷川町での取り組みが広まるよう啓発をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
5 おわりに
先日、岡山名物の吉備団子をいただきました。吉備団子を食べながら桃太郎の鬼ヶ島の鬼退治の話が浮かんできました。
桃太郎がサル、キジ、イヌを家来に鬼ヶ島に鬼退治に行きました。
キジがが空中高くから鬼ヶ島の情報を手に入れ、それをサルが分析し攻撃の戦術・戦略を練りました。それをイヌが実践行動に移し鬼を退治しました。
私たちも、キジの情報収集能力、サルの分析し戦略を立てる能力、イヌの実践行動する能力を身につけ、さらなる社会教育の充実・振興、そして公民館活動の活性化に力を注ぎましょう。