NO.5(作成:2001年9月22日)

(1RR−第3試合) VS 台湾(#17〜#20) 

2001/06/09 朝(10:00〜12:30)
(ホームテーブル) (ビジターテーブル)
平田 C.M.Lin
 Yen Ding Ming
(愛称:たほいや)
Lee Jung Fu 前田
HANA Allen Chao

(ホームテーブル) 
3N S/2 −100
 W  N  E  S
 た  平  リ  花
   1C  P 1H
 P 1S  P 2N
 P 3H  P 3S
 P 3N  P  P
 P
 OL:
1:D5 DA D6 D2
2:H6 H3 HK H5
3:S2 S4 S10 SQ
4:H4 H2 H10 HQ
5:S3 SA S8 S6
6:H9 HA D3 H8
7:HJ C5 C2 H7
8:C3 C7 CJ CQ
9:DJ D4 D9 C4
  CA。 C→CK。
日本:−2 IMP
#17
ディーラーN
ノンバル
K1053
Q86

KJ1042

9764
105
K10953
75
AQ
9743
J6
AQ986

J82
AKJ2
Q8742

(ビジターテーブル)
3N S/1 +50
 W  N  E  S
 林  L  前  C
   2C  P 2D
 P 2S  P 3N
 P  P  P
 OL:
1:D5 DA D6 D2
2:S10 SQ S2 S4
3:DJ D4 D3 C2
4:H7 H2 H5 HQ
5:S3 SA S8 S6
6:H3 HJ H10 H6
7:SJ S7 S5 C6
8:HA
9:HK
10:C3 C5 CJ CQ
(ホームテーブル)
(オークション)
 Nの1Cオープンに対して、Dをスキップして1Hレスポンスしたのは個人的な判断。 原則として、アップザラインでスーツを紹介する約束だが、インビテイション以下のハンドでは、さほどでないDをスキップするのは日常的な判断となっている。
 Nの1Sリビッドに対しては、平凡な2Nインビテイション。 Nの3Nレイズは当然の判断であろう。

(プレイ)
 Wから素直なDのフォースベストリード。 EはDJをアンブロックしておくプレイはあった。
 3Nの出来目は、限られている。 DKがWとすると、D2敗する可能性が高い。 従って、負けをSA、CAに抑えなければならない。 H4個、D1個だから、あと4個も。 Sの活用は必須である。 Sを、1敗だけで3勝になるWのホールディングは、(AQ)、(AQx)、(Qx)、(Q)くらいだ。
 Hでハンドに戻り、SをNに向けてリードするが、EのSQに負け。 すぐにDリターンをしないEのディフェンスは上手い。 13HCP持っているEからは、パートナーの点数は2〜4HCPの範囲と分かっている。 パートナーのEのDは、(Qxxxx)程度かもしれない。 それに、自分自身の将来のイグジットカードを無くしてしまうことにもなるので、ディクレアラー側の相互エントリともなっているHスーツで、ぼんやりイグジット。
 その後、僅かな出来目を求めてプレイを粘ったつもりだが、終わってみれば2ダウン。 まあ仕方なし。

(ビジターテーブル)
(Eの前田の感想)
 Nのプレシジョン2Cから、Sがメジャーを尋ねて3Nへ。
 WのD5のリードに対し、DJをアンブロックしておけば良かった。 S2、H4、D1,C1取られて、1ダウン。

(ホームテーブル) 
4S S/2 −200
 W  N  E  S
 た  平  リ  花
       P 1D
2C  X  P 2S
 P 4S  P  P
 P
 OL:
1:DA D2 D8 D5
2:DK D10 D7 D6
3:H2 HA H3 H5
4:S5 S2 SQ S4
5:H7 H6 HK H4
6:S6 S7 SJ C3
7:C2 C5 CK CJ
8:C4 D4 CA C6
9:DJ D3 S8 S10
10:SK SA。。。
日本:−3 IMP
#18
ディーラーE
NSバル
9865
AK8
102
K874


Q62
AKQ3
Q10653
K1072
J10943
874

AQJ3
75
J965
A92

(ビジターテーブル)
4S S/1 +100
 W  N  E  S
 林  L  前  C
       P 1D
2C  X  P 2S
 P 4S  P  P
 P
 OL:A    
1:      
2:      
3:      
4:
(ホームテーブル)
(オークション)
 Eがパス、Sの1Dオープンに対するWの2Cオーバーコールは、明らかでは無いだろう。 13HCPは立派であるが、Eはパストハンドで、ひ弱な5枚Cスーツ。 ただ、ハンドパターンが魅力的なのである。 HANAが持っていたら、軟弱なパスを選択して、NSに2S、3Sで簡単に売ることになったかもしれない。 現実は、2Cオーバーコールはオポーネントとの絡みで、大きな成功を記録する。
 Nのネガティブダブルは普通の判断。 Sの2Sテイクアウトも普通。
 Nの4Sレイズは、思い切った決断だが、3Sのインビテイションを嫌う理由は無いように見える。 この試合の流れから、焦る気持ちのオーバービッドでなければいい。

(プレイ)
 T4で、SKのフィネスが利きたよう。 S3−2ならば、Cスーツ自身で3勝できそうなので、HKでNに渡り、SKフィネスを再びした。
 Cスーツ自身で3勝出来そうというのは、WにCQJ10の5枚は無いだろう、ということから。 もし、QJ10揃っていたら、T3では、微妙なHでは無く、CQをリードしたであろう。 従って、Eに、CJかC10シングルトンがいることになるので、後にCAで取り、C9を流す要領でC3勝できる。
 だが、T6でWにSをショウアウトされ、S1ルーザー確定。 Cルーザーは消えそうにないから、普通は駄目そうだ。
 だが、諦めずに出来目を考えると、Sの側でS4勝、HAKの2勝、NでDラフを2勝、CAK生還の2勝になれば、10勝可能だ。 しかし、EのCはシングルトンが分かっている。 Dラフ、Hラフ、Dラフ(通ったとして)、CK、C→CAというプレイは、Eにラフされて、H出させてダウンとなるので、先にC2勝してしまわないといけない。 Eが4441で、かつ、CK、CとNからリードした時にHをディスカードする(ディフェンスミス)という僅かのチャンスを期待してプレイすることにした。 現実は、Eに幸便にDをディスカードされて、Dオーバーラフの後、逆狩りされて2ダウンすることとなった。
 T9では、冷静にNからCディスカードし、DQのラフィングフィネスすべきだったよう。
 非常に悪い流れでゲームが進んでいるのを大いに感じた。 こんな時は、辛抱、我慢が肝心である。 無理してもがいてはいけない。

(ビジターテーブル)
(プレイ)
 報告によると、S一回フィネスされた後、Dのラフィングフィネスを先にされた、とのこと。

(ホームテーブル) 
5C N/3 −150
 W  N  E  S
 た  平  リ  花
          P
 P 5C  P  P
 P
 OL:
1:HA H2 H7 H8
2:SJ SQ SK S3
3:SA S4 S7 S2
4:S10 S6 D5 S8
5:S5 S9 C9
日本: 0 IMP
#19
ディーラーS
EWバル
9643

−−
AKQ108763

AK105
753
J10986
J7
AKQ6
K5432
J9

Q82
J10942
AQ7
54

(ビジターテーブル)
5C N/3 +150
 W  N  E  S
 林  L  前  C
          P
 P 5C  P  P
 P
 OL:
1:     
2:     
3:     
4:     
(ホームテーブル)
(オークション)
 有利なバルの三番手のN。 悩ましいホールディングだが、実際は5Cオープン。
 5Cオープン以外にも、有力な候補がいくつかある。 パス、1C、3C、3N(ギャンブリング)。 残念ながら、頃合い味加減の4Cオープンは、「ナムヤッツ(NAMYATS)」というコンベンショナルオープン(Hで8トリック+サイドAかKあり)に占拠されていて使えない。
 プリエンプティブビッドに関する捉え方はいろいろある。 HANA特有と思われる考え方に;
「プリエンプティブで失点をしてはいけない」
「パートナーの相場な行動で成功するプリエンプティブがベスト」
というのがある。 前者は多分に誇張した表現ではあるが、反論がありそうだ。
「プリエンプティブで得点することもいっぱいある。」というのが、先ず言われそうだが、得点の原因が完全にプリエンプティブに起因したかどうか、を判断して記憶しなければならない。 結果が得点となったボードは、プリエンプティブが無くても得点だったかもしれないから。 往々にして、プリエンプティブしたディールの得点の記憶は上げ底されやすい。

(ビジターテーブル)
(Wの林の感想)
 Nの5Cオープンだった。 流れてきたが、ダブルをかける元気無し。

(ホームテーブル) 
4SXN/2 −500
 W  N  E  S
 た  平  リ  花
2S  X 4D  P
 P 4S  P  P
 X  P  P  P
 OL:
1:HA H3 C4 H4
2:H2 HQ S3 HK
3:C3 CA CJ C2
4:D7 D3 DA D8
5:S7 SA S2 S10
6:C7 C10 CK C6
7:H6 HJ S6 H8
8:D4 DK
日本:−12IMP
#20
ディーラーW
ボスバル
KJ9542
K84
K7
A10

A63
−−
Q10842
Q7543
Q10
A7652
J653
KJ

87
QJ1093
A9
9862

(ビジターテーブル)
2S N2 −110
 W  N  E  S
 林  L  前  C
 P 1S  P 1N
 P 2S  P  P
 P
 OL:
1: 
2: 
3: 
4: 
   
(ホームテーブル)
(オークション)
 Wの台湾2Sオープンは、5S&5Hのウィークか、5D&5Cのウィークハンド。
このオープンに対する平−花ペアのディフェンシブビッドは;
(2S)ダブル  :立派な5+S紹介。 オープンハンド以上をだいたい保証している。
    2N   :15−17、バランスハンド。 1Nオープンと同様。
    3C〜3S:ナチュラルオーバーコール。
    パスして、後のダブルは、テイクアウトダブル。
 Wの台湾2Sに対して、Nはダブルを掛けることで、1Sオープン以上のハンドを紹介した。
 Eの4Dは、パスオアコレクト。 即ち、Wが5D&5Cならば、4Dをパスして貰い、そこでプレイしたい意志表示で、もしWが、5S&5Hならば、4Hにコレクト(直す)して貰い、最低4Hか4Sはプレイアブルであることを表現している。 このEのハンドでの4Dは、ギリギリのチャンスメイカーとなるだろう。 Wが2155ならば、EWは9枚D、NSは9枚Sフィット。 単純に18トータルトリックと見当するならば、EWに3Dメイク、NSに3Sメイク、という計算になる。 ならば、4Dプリエンプティブは、ぎりぎりのところを突くビッドとなる筈。 だが、EのハンドのSマイナーアナー(Q10)の存在、Dスーツ自身の内容が薄い、ことを考慮すると、Eの視点からは、17トータルトリックと見るのが妥当な見当だろう。
 でも、敢えて4Dビッドを頑張るのが競り合いのコツといえる。 コンビネイションプリエンプティブ(二人によるプリエンプティブ)は、単独プリエンプティブより効果的で、かつ安全度(ペナルティダブルで捕まりにくい)は高い。 冒す「リスク」より、現実に起こったような「リターン」が大きくなる。
 Eの4Dプリエンプティブに誘われるように、Nは4Sをビッド。 頑張るなら、Hスーツを世に出すダブルもあっただろう。
 Wのダブルは、ライトナーダブル(通常で無いリード要求)の応用と思われる。 Eからの普通のリード選択は、フィットしたD、セカンドスーツのCだから、ダブルすることで、Hスーツをリード要求になればいい。

(プレイ)
 EのHAのオープニングリードから、流れるようなディフェンスが展開されていた。 T8で、WがCリードを判断していたら、EのSQがプロモーションで取ることが出来て、3ダウンであった。 Eのカーディングに何か問題があったのかもしれない。 プレイ終了後、何かしら台湾語で議論していた。

(トトロの感想)
 プリエンプティブ2スーターオープンが、完全に機能したボード。 2Sオープンの典型的な成功例といえる。 飛び道具の無い林−前田ペアのビジターテーブルの展開では、Wがオークションに介入しにくい。 リオープン2Nで競り合えば「当たり」だが、勇気の出ないバルとスーツ内容に見える。 それでも、出て行くべきハンドパターンだったかもしれないが。

 日本 22IMP 台湾 78IMP
 −56IMP → 4VP

《トトロのPABFこぼればなしコーナー》

 勝負事には、当然負けはつきもの。 時に大きく負けてしまうこともあり得る。 それは仕方がないこと。
 大負けな結果が判ると、チームメイト、キャプテン、誰しも明るくは、なれない。 なんとか少しでも良い精神状態で次の試合に臨めるよう、この試合に出てなかった清水、小林は、チームメイトをさりげなく元気づけている。 チームワークが試される場面だ。 そんな折り、わたしも、近くでいつものように汗を拭いていた林に、声を掛けた。
 トトロ:「だいじょうぶ?」
     パートナーシップを気遣う曖昧な言葉を発したトトロだったが、彼の返答がふるっていた。
ハシム林:「めげてはいない、が、はげてはいる!
     と、軽い笑顔を作りながら、額に手をやって、髪を後ろに掻きなでる仕草をした。

 トトロの選ぶ「明るさ百万ワットの一言」大賞である \(^_^)/

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