NO.1(作成:2001年10月5日)

バーミューダボール出場権獲得KOステージ

第1試合: VS 中国 (1/3ラウンド目)(#1〜#4)

2001/06/15 宵(19:00〜21:00)
(ホームテーブル) (ビジターテーブル)
前田 Li Xin
 Zhou Qinghong Liu Haitao HANA 平田
Sun Shaolin
(シン−シャオリンペアのシステム概要)
(*)5M。 2/1だいたいFG。 セミフォーシング1Nレスポンス。
(*)ランダムプリエンプティブオープン。 マルチ2D(ウィーク2H/S)、タータン2H/Sオープン。
(*)1Nのディフェンシブビッド=2C:両メジャー、2D:メジャー1スーター、2H/S:タータン。

(*)スーツは、3、5リード。 NTは、フォースベストリード。 ナチュラルアナーリード。
(*)シグナルは普通。

(クローズドテーブルの開始ボードは#5から)
(ホームテーブル) 
4S S5 +450
 W  N  E  S
 Q  前  H  林
 P 1C  P 1S
 P 3S  P 4S
 P  P  P
 OL:
1:C4 CA C8 C6
2:S4 S3 SQ SK
3:D4 D3 DQ DA
4:S6 S2 SA S5
5:S7 S8 S10 H2
6:CJ C2 C3 D7
日本:+11IMP
#1
ディーラーN
ノンバル
AJ74

K653
AK53

K2
A97432

Q742
853
J1065
Q10987

Q1096
Q8
AJ2
J1096

(ビジターテーブル)
4S S/1 +50
 W  N  E  S
 花  X  平  S
   1D  P 1S
2H 3S  P 4S
 P  P  P 

OL:4  
   
1:C4 CA C8 C6
2:HK H5 H8 HA
3:C2 CK S3 C9
4:D10 DA D4 D3
5:S10 S2 S4 S5
(ビジターテーブル)
(オークション)
 1D−パス−1Sの展開で、Wのハンドは2Hオーバーコールに値するか、どうか。
 HANAは、必要なオーバーコールと評価した。 アンビッドスーツの6−4形で、3コントロール、6+ルーザーハンドである。 最良の日には、パートナーのEが;
E(xxx Kxxx xxxx Kx)
E(xxx Kx Axxx KJxx)など、4Hメイクするハンドを持っているかもしれない。 普通の日でも、Hでパートスコアが適当に競れて、オポーネントをプッシュする事が出来るハンドはいくらも想像できる。 オポーネントスーツのSとDが共に短い事、オポーネントスーツに関してはピュアなホールディングをしている事が、フィットしたディールを想像させるので、少しの危険を冒して2Hオーバーコールをする価値はある、と考えた。
 Nの3Sジャンプレイズに対し、Eは4枚Hサポートを持っているが、パスを選択した。 ノンバル同士、オポーネントスーツのDがセカンドスーツであるから、4H、5H!レイズは、今いち元気が出ないハンドである。 もし、3514、3415形ならば、プリエンプティブな5Hレイズが面白かったりするだろう。

(プレイ)
 D4のシングルトンリードが目に付くが、そのリードは避けた。 理由は、自分(W)のハンドが強いので、Eへのエントリ(バリュー)が期待できないこと、ラフしても得するかどうか判らないSのホールディングなこと、Dスーツはダミイのメインスーツで、エスタブリッシュに協力する可能性が高いこと、などである。
 結局、パートナーに、CKとDQなどを期待して、S1、H1、D1、C1の4個を目指すプランで、Cリードを選択した。
 CAで勝ったディクレアラーは、HKでWのHAに負けて様子を見に来たよう。 HAで勝ったWのHANAは、全体のハンドを見極めようとカウンティングするが、結局、全然わからない。 全体が読めなくても、とにかく良さそうなリードを見つけてリードするしかない。 T1で、あっさりCAをアップしたディクレアラーのハンドには、C(Jx)、(Jxx)等は持っていそうにない、もし持っていても、WのC4から次のC2のリードに対して、ダミイからローはプレイしにくい(WのCがダブルトンの場合、EのCQに負けて、Cラフされてしまう)だろうことから、結局、C2を選択することにした。
 しばしの後、ディクレアラーはダミイからCKをプレイし、パートナーがそれをラフした。 EがD10をリターンしてきた時、ディクレアラーは、意を決したようにDAで上がったが、それはハズレ。 Wの2Hオーバーコールから、DQはWにある、と読んで、WのDQシングルトン、ダブルトンを狙ったプレイである。
 ディクレアラーはSKのフィネスはしたものの、WのCQ、EのDQには負けざるを得ない形で、ついに1ダウン。
 後からハンドを見て、ディクレアラーの立場でのプレイの悩ましさに納得するものがあった。
 
(ホームテーブル)
(プレイ)
 T2で、SKに潔く負けに行ったのが結果的にラッキーをしたよう。 Wのオーバーコールは入ってないので、SKに負けても、CQのフィネスか、DQのフィネスのどちらかが利けばできる、というプラン。 それならば、T1でいきなりCQのフィネスをするプランとか、T2でDJのフィネスを試みて、SKのフィネス、DQのフィネス、CQのフィネスの3つともトライするプランも有力だったかもしれない。

(ホームテーブル) 
1N W2 −120
 W  N  E  S
 Q  前  H  林
       P  P
1N  P  P  P
 OL:
1:H2 HJ HQ HK
日本: 0 IMP
#2
ディーラーE
NSバル
K102
A952
K9
K732

Q865
K4
AQ2
QJ104
AJ9
J107
J10654
95

743
Q863
873
A86
(ビジターテーブル)
1N E2 +120
 W  N  E  S
 花  X  平  S
       P  P
1C  P 1N  P
 P  P
 OL:
(ビジターテーブル)
(オークション)
 1Nオープンの好きなHANAであるが、このWのハンドは1Nオープンしなかった。 理由は、3コントロールしかなく、ミドルカードも豊かではないから。 EWだけノンバル、裏ペアはシステム上1Nオープンをしているだろう、という要素は、1Nオープンを魅力的にするが、自分自身の評価が1Nオープンに値しないので、やはり1Nオープンはしない。
 Eの1Nレスポンスは、巷でよく見かけるレスポンスなのだが、1Dレスポンスを嫌う理由は無いと考える。 幅の広い1Cオープナーのハンドを一番聞き出せる1Dレスポンスは便利なもの。 1Nレスポンスしてしまうと、パートナーをプリエンプティブする事にもなりかねない。 また、自分のハンドを示す意味の1Nレスポンスとした場合、4枚Cがある3334、3244の7−10点のハンドと、2枚Cサポートしかない3352のハンドを同じ表現で示すことになっては、1Cオープナーがアンバランスハンドだった場合のハンド評価とその後の展開に支障をきたす事もあるように思う。
 結論として、1Cに1Nレスポンスは、4枚以上のCを保証し、4枚メジャー無しの、7−10点とするのが扱いやすい。

(ホームテーブル)
(オークション)
 Wの1Nオープンは、13−15HCP、だいたいバランスハンド。

(プレイ)
 NのH2はフォースベストリード。 ディクレアラーの立場では、EからHJのアナーをプレイして、SのHQのカバーを誘うプレイは基本プレイである。 もしHQをカバーして貰ったら、H10がセカンドウィナーになるチャンスがある。
 H2−HJ−H?  HQをプレイすべきかどうかが、Sの問題となる。
 一般に、NTのオープニングリードでは、サイドエントリの豊富でない(AKxxx)からはフォースベストリード、(AKxx)からはKのリードをして様子を見るのが基本である。 従って、NがH2をリードして来た時は、HQをカバーしない判断をし、H8(普通のカモンシグナルとして)をプレイしておくのが基本形となる。
 以上の事を当然知った上で、敢えてHQをカバーしたSの林の感想は;
「Eのダミイを見ると、S取れそうになく、Dスーツがエスタブリッシュする前に、H4、D1、C2=7個か、H4、D2、C1=7個を目指す必要がある。 Nが(HAxx2)の時の、H3、D2、C2=7個を目指すのは時間不足だろう。」
 実際のハンドで、NのSKとWのHKのアナーの位置を交換したハンドを想像すると、納得できよう。

(ホームテーブル) 
6D S6 +920
 W  N  E  S
 Q  前  H  林
         1S
 P 2C  P 2D
 P 3D  P 4D
 P 4N  P 5C
 P 5D  P 6D
 P  P  P H3
 OL:
1:H3 HK H2 HJ
2:DA D3 D2 DJ
3:D4 D8 DK H6
4:S5 S2 SK S9
5:S3 H4 SA S4
6:S6 S8 D5 D9
7:D10 DQ C3 D6
8:HA H10 C5 H5
9:D7 
日本:+14IMP
#3
ディーラーS
EWバル
K3

A654
AJ10852

J10842
1063

KQ93

987542
10983
64

AQ765
AQJ
KQ72

(ビジターテーブル)
7D S/1 +50
 W  N  E  S
 花  X  平  S
         1S
 P 2C  P 2D
 P 3D  P 4N
 P 5H  P 5N
 P 6S  P 7D
 P  P  P
OL:J 
1:DJ D4 D3 DK
2:S5 S2 SK S9
3:HK H2 HA H3
4:HQ H6 S3 H4
5:S6 S4 D5 D8
6:D10 D2 C3 DA
7:D6 D9 DQ C9
8:HJ H10 C2 H5
9:D7
(ビジターテーブル)
(オークション)
 基本的な2/1ゲームフォーシングシステム、基本的なRKCBを使って、NSはギリギリの7Dに到達した。 D3−2は絶対必要条件、さらにS3−3か、4−2ブレイクもだいたい必要なグランドスラムといえるので、60%弱の出来目といえる。
 一般に、IMP戦でのグランドスラムのボーダーラインは、60%弱である。 それは、対抗テーブルがスモールスラムに行っていると仮定して考えると、グランドスラムへ行って成功すると、バルなら+13IMP、ノンバルなら+11IMPゲインする。 行って失敗の場合ならば、バルなら−17IMP、ノンバルなら−14IMPになるという見当の計算からだ。

(プレイ)
 WのHANAは、「グランドスラムにはトランプリード」の格言に従って、DJをリード。
 ディクレアラーは、丁寧に、HでSを1枚ディスカードし、S3−3、4−2を期待して、Sをダミイでラフする。 Eはオーバーラフし、1ダウン確定。
 もし6Dならば、ここでのEのCリードが、WをC&Sのシンプルスクイズから救うことの出来るエントリキリングとなる華麗なディフェンスチャンスである。

(ホームテーブル)
(オークション)
 Sの4Dレイズは、DのRKCB。 Nの4Nは、2KC+DQ無し。
 Sの5Cと、Nの5Dの意味は不明。 特に説明は受けてないが、何か密かな誤解があったのかも。

(プレイ)
 会報の記事(第48巻第3号、P9)を参照されたし。
 まとめるなら、「それにつけても、林の人徳」


(ホームテーブル) 
3H W/2 +200
 W  N  E  S
 Q  前  H  林
 P  P 1D 2C
 X 3C  P  P
3H  P  P  P
 OL:
1:
日本:+3 IMP
#4
ディーラーW
ボスバル
AJ94

KJ765
862

KQ103
K10864
10942
−−
865
Q52
AQ8
KQ95

72
AJ97

AJ10743

(ビジターテーブル)
3C S3 −110
 W  N  E  S
 花  X  平  S
 P  P 1C  P
1H  X XX 2C
2H  P  P 3C
 P  P  P
 OL:
1:SQ SA S8 S2
2:H3 H2 HA H4
3:S7 SK S4 S5
4:D4 DJ DQ D3
5:C5 CA H6 C2
6:H7 H8 C6 H5
7:SJ S6 H9 S3
8:D5 D8 C3 D2
9:HJ H10 C8 HQ
10:D6 DA C4 D9
11:CJ S10 D7 CQ
  CK9→C107 
   
(ビジターテーブル)
(オークション)
 Nのテイクアウトダブル、Eの3枚Hを紹介するサポートリダブルの展開で、Sは2Cナチュラルで競り合ってきた。 Wの2H競り合いに対して、Sは更に3Cで頑張ってきた。 EWのHが8枚フィットしていると仮定すると、NのHはシングルトンの計算になる。 そうなると、テイクアウトダブルしたNに3枚Cを期待できる、という読みだろう。 Hそこそこの内容を持っているが、8枚フィットと9枚フィットの競り合いだろうから、3Cまでは競っておこう、という判断。

(プレイ)
 ダミイでのHラフを防ぐ狙いの、EのC5のリードに対して、SはCAで上がった。 WがCボイドでも、実戦の展開でメイク出来るのが見えている。 SJでH1枚ディスカード出来て、NでHが2回ラフが通るのは知っている。 SでDラフを2回出来るので、最後は、トランプでEにスローインすることが可能だ。 Eが、4324でも大丈夫。 ちなみに、CJでフィネスするのも問題の無いプレイである。 もしWにCQで負けても、オークションからC1−3ブレイクだろうから、Wからトランプリードされる心配は無い。

(ホームテーブル)
(オークション)
 Eの1Dオープンは、ストロング1Cオープンを使っている関係で、2枚以上のD、5枚メジャー無し、の意味。

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