2001PABFオープンチームレポート

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(成田さんからの報告)

この事件、はっきり言って「ポカ」のお話です。

デイリーブリテン第7号に、 題名「Great Conventions(1)-DURRY(sic) check-back」 著者「by T.Nakatani」として既に載っていますが、「何がなんだかワカラン!」という読者が多いので、何が起こったのかを成田がレポートする事にしました。

例によってJAPAN-NPC成田は、離陸状態が悪いとされている前田-林ペアの最初の2ボードを観戦していました。
オープンチームの6日目。
Rd.2-4(vs Thailand)(日本はHome)(10:40〜13:40)
1番ボードを無難にこなした2ボード目で、事件は起こりました。

2番。NSバル。ディーラは「Nでは無く」E。
     K8654
     K4
     K8654
     5
J          Q3
10653       AJ97
103         J9
KJ9842     Q10763
     A10972
     Q82
     AQ72
     A
   前田    林
W  N  E  S
      P  1S
P  2C P  2D
P  3C P  3NT
P  4S P  P

成田はNの後ろ(NとEの間)に座っていました。Sの林が1Sでオープンして、トレイ(注)がこっちに来ます。(注)ビディングカードが乗っているトレイ。スクリーンを使っていて、NとE、SとWがそれぞれお話(筆談)できるようになっていて、ビディングは、トレイ上にビディングカードを置いて、カーテンの下をトレイが行き来することで行ないます。前田さんが考え始めました。
 ・成田thinking:「どんな飛び道具を出すのか、楽しみだなあ。」
前田さんはいろいろと迷ったあげく、つかんで出したカードは、な、なんと「飛んでいない」2C。同時にアラートカードも。
 ・成田thinking:「あれえ?」
タイのEが2Cが何かを前田さんに聞きます。前田さんは、筆談で自信をもって「DURRY」。
 ・成田thinking:「DRURYじゃなくてDURRY?新コンベンションか?」
トレイが一往復して、こちらに返ってきます。林の2Dに対して、前田さんがアラートカードを提示。前田さんは引き続く自分の3Cにもアラート。タイのEが2Dと3Cの意味を前田さんに聞きます。前田さんは「2D=full open, 3C=5+spades」と書きました。さすがにタイのEはけげんそうな雰囲気。
 ・成田thinking:「これはやはり前田さんが自分をパストハンドだと
思いこんでいる展開だ。あ、この3CはNF。やべえー。確か前田-林ペアは、このシーケンスだけNFなんだ。」 
またまたトレイが一往復しました。3Cは流れずに林が3NTとビッド。今度は前田さんがけげんな雰囲気をさせて、4Sをトレイ上に置きます。
 ・成田thinking:「良かったあ。あとはスラムルーズの心配だけ。」

OLは、ダイア10。スクリーンの中央カーテンが開いて、前田さんはダミーを開いて、プレイ開始です。林「ん?」林は第一トリックをハンドのダイアAで勝って、スペードを2回狩ってから、「6メイク」とクレーム。そして、何事もなかったかのようにカードをボードの中に戻して、中央のカーテンを閉めます。
 ・成田thinking:「林って、大物やなあ。」
でも、後で林に聞いたところによると、「あの時『前田さん、どうかしてしまったんだろうか』と思った。でも、その後の3ボードは普通のダミーだったし、(成田注:林は、この後3ボード続けてプレイした)あれは何だったんだろう、と思いながらこの試合を終えた。」という事でした。

結果は、心配していたスラムルーズ。それも大事なタイ戦で。成田は約束の2ボード後も引き続き観戦しようかどうか迷ったが、当初の予定どおり会場を出る事にした。前田さんに(こっそりと)一言残して。「not passed hand」

会場を出ると、すぐ近くの部屋がビューグラフルーム。もちろん、今と同じボードをやっている。成田は愕然状態で、ふらふらと入室。
 ・成田thinking:「フルハンドを再確認しなくては。」
ビューグラフルームには、ユースのNPC中谷さんが。ちょうど2番ボードが始まる直前でした。成田は少し前のショックを引きずりながら、今起こった事をビューグラフを見ながら中谷さんに話してしまいました。中谷さんには非常にウケタらしく、それがブリテンへの投稿という事になった訳ですが、成田がホッとしたのは、この試合最終的には、22−8で勝った事です。負けていたら、笑い話で済まなかったかもしれません。(ん?いや、このチームは笑い話で済ませた?)
 このDURRY事件、少なからずメリットもありました。シンガポールでは、最後までオープンチーム内(&others)の話題のタネ、笑いのタネ、になった訳で、何かの場面で「笑い」が欲しいと思ったら、このDURRY事件を持ち出せば良い、という意味で。

この試合、前田さんは(林も?)この後良く立ち直って、残りの18ボードはほとんど完璧なスコアでした。そう、ポカをやっても、その後ちゃんと立ち直る事が大切。もしかしたら、タイのEWはこのDURRYボードで面食らった?もしかしたら、これは前田さんの作戦?(んなバカな)

それでは、ブリテンの記事をもう一度読んでみて下さい。一粒で二度おいしいかも。蛇足ながら、ブリテン記事中の「a Yamada-san」と「a Hasyim Arief」に注釈をつけましょう。
「a Yamada-san」=前田。不定冠詞の「a」は、「〜と呼ばれている人」という意味。なので、「やまださん、と呼ばれている人」となります。7〜8年前、前田さんはNPCでシンガポールに来ていました。テーブルでスコアをつけていると、台湾の女性(林美麗さん)が後ろから「Mr.Yamada」と声をかけましたが、人違いと判明。この事を、クロージングパーティの時に、当事者の彼女が日本チームのテーブルにわざわざ謝りにきたので、関係者の間では有名になったとの事です。「a Hasyim Arief」=林。これはもう説明不要ですね。彼はインドネシアチームの一員。


<-僕と間違えられたってぇ、わははは・・・
へへ、似てないよなぁ・・・ブツブツ(前田)

<NZの若者達> (突然ですが、おまけ)
シンガポールからの報告で、NZチームの若者ACOLペアの事を、「クレームの時ハンドを見せないでボードにしまう、 アラートもせん。けしからん。」というような事をレポートしましたが、成田が少なからず勘違いをしていた部分があるので、彼らへのお詫びを兼ねてこの場で報告します。

・清水、小林、第一試合が終わってから、曰く。「あいつら、ほんとに良いヤツだったぜ。」彼らには悪気は全くなかった模様。NZでは、ハンドを見せずにそのままボードにしまう事、ウィークNTオープンなどは、日常的なのだと推定。
・日本が中国と台湾に2連勝した次の日の朝、JAPAN-NPCがJAPAN-レディスチームに「魔法のレモンジュース」を届けた後にふらふらしていると、この若者ペアのうちの一人が、JAPAN-NPCに向かって笑顔で歩いてきて、「Congratulations!」と握手を求めて来たのです。これには、感激。なんでNPCの顔知っている?そうだ。清水-小林と最初に対戦した時、試合開始前に成田はテーブル上で彼らにポーズをとってもらって、写真を撮らしてもらったんだっけ。
Mr.Ackerley, Mr.Smith, この場を借りて、お詫びします。もしかして、バリ島で会うような事があれば、写真を進呈するので、お楽しみに。

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