〜ブレーキパッドの交換 [DIY]〜
2006/06/10


先日のパンクでタイヤを交換することになったわけだが、ついでにローテーションもやった結果、
フロントのブレーキパッドがかなりへこたれている事が判明。
スタンドで口頭による簡易見積もりを頼んだところ、代車込みで25000円程度の料金になるという。

前述タイヤ交換も終えたところで何かと出費がかさんでいたのであまり予算が無い。
ではどうするか。自分でやるしか無いじゃん。
「どうせチェロいじり、好きなんだろ?良かったじゃんまた触るところが出てきて」そう自分に言い聞かせる。
私のチェロキーの購入店の担当エンジニアに聞くと、
「パッドこそ一番安いもので十分!!」とのこと。
価格が2倍になってもその効果は5割も増えないとか。ふむ。そんなものか。
チェロライフのお供、ヤフオクで探そう。
お〜あるじゃん。送料・代引き手数料込み4680円なり。
いいですね〜。では、ご購入。翌日到着。早!


パッド買っちゃったよ、パッド。これを持ち込んでやってくれる整備工場はいくらでもあるが、
その多くは部品の手配から取り付けまで全てを含んだ料金よりも高い工賃を請求してくる。
要するに、もう自分でやるしかない、ということ。いまさらながら不安になる。
というわけで、いつもの掲示板にお世話になります。

ヘルプ!と書き込み。すると、管理人さんと軍団の鏘鏘(そうそう)たる団員が
我も我もと惜しみなく知恵を提供してくれるではないか!!
車体を購入した店の前述エンジニアが言うには、
それほど難しい作業ではないとのことだったが、この軍団は本当に強い。
すぐに「よしっ、じゃぁやってみよう!」という気になれた。

こうして手順をのんきに書いているということは、結果的に上手くいったわけ。
この情報をここで途絶えさせてはもったいないのでどうせなら文章に残しましょう、と言うのがこの手順。
失敗談から注意点まで可能な限り写真を交えて紹介する。

さてさて、まずやる事は、パッドの面取り。
新品のブレーキパッドをそのまま装着すると、若干車体側に当たる部分があり、
ブレーキを踏んだときにその部分の摩擦で高周波な音が出てしまう事がある。
いわゆる「鳴き」だが、それを防ぐ為に面取りをしたほうが良い。
面取り後の写真が↓こちら↓

右が未処理。左が面取り後。
※実は装着後にわかったのだが、この写真の面取り量では足りないようだ。
この写真の状態で装着したが、「キー♪」という鳴きが聞こえる。
いずれなじんで鳴きはなくなるようだが、もう少し面取りしても良かったのでしょう。


タイヤ左右それぞれ1枚ずつのディスク(ローター)があり、
それぞれをはさむようにして摩擦を生むことで車体を減速・停止させる装置なので、
右2枚、左2枚のパッドがある。
全てのパッドの面取りを実施。
写真は面取り完了のつもりで実施した後のパッドたち。
結論から言えばこの面取り量は少ないようだ。


パッドの面取りが終わったらいよいよ車体に向かう。
まずはタイヤを外す為にジャッキアップ。
ジャッキアップしたら必ずウマに乗せ変えましょう。

ウマより高くジャッキアップして、ウマを差し込んで、ジャッキを下げればウマに乗りますよね。
ウマを使用せずに、ジャッキアップだけした車の下で作業をするなんて自殺行為。
ちなみに作業するタイヤは片方ずつの方が無難かも。
タイヤを両方外してしまってもどうせ片方はやる事無いし。

※ちなみに外したタイヤはボディーの下に入れておきました。
万が一ウマが外れてもホイルの厚み分あれば最悪死ぬ事は無いかと。


タイヤを外すとブレーキの機構が見える。
パッドを外す(交換する)には、赤丸の位置にあるネジ2本で固定されているキャリパーを外す必要がある。
各部位の名称は以下の写真を参照。


ローターをつかんでいる格好のキャリパーは固着とまでは行かないが、
チカラワザで引っ張って取るしかないようだ。
その際にディスクに傷を付けないように注意。

キャリパーの内側には2枚のパッドが向かい合わせに設置されている。
まず、車の外側に位置するパッドを先に外す。
ネジ等の固定具があるわけではなく、
パッド裏面の金属のバネで固定されているだけなので、ドライバー等を使用して外す。
初めての管理人もわかったし。見れば判ると思う。たぶん。


外したら今度はピストンを戻す作業。
パッドがディスクをつかんで減速・停止等の動作をするわけだが、
ブレーキを踏む足の力はピストンに伝えられ、
そのピストンがパッドをディスクに押し付ける構造なので、
パッドが減ってくるとこのピストンが多めにディスク側に飛び出て、
厚みをフォローする仕組みになっている。

手で押し戻そうにもそんなに「ヤワ」な構造ではない。油圧ですから。
と言うわけで、この作業向きな工具を持っていない管理人は、
ドライバーの柄などをてこの原理でぐいぐいやって押しもどそうとしたがびくともしない。
思いついた。ナットとビスをはさんで、ペンチでまわしていったら?

はい、そこ!笑わない、笑わない。素人だよ!
え〜、無理です。無理無理。
だってね、また軍団の皆さんに「どのくらい押し戻せるの?」と問うたら、団長がすぐに、
「ほとんど全部隠れるくらい戻る」という。
最大でナットの厚み分しか戻せない。こりゃダメだ。

というわけで買ってきたのはC型クランプ。10センチ以上つかめるもので300円ほど。
もちろん他の車で買いに行きました。
自分の車、今タイヤもブレーキも無いので。

ささ、1時間もがんばって何とか押し戻そうとした挑戦が、この器具を使用すると?
1分かからなかった。早く諦めればよかった。
と、ここで注意しないといけないのはブレーキオイル。

ピストンを押し戻すと、油圧の中に充填されているオイルは
当然行き場を求めてリザーブタンクに押し戻される。
リザーブタンクの油位が上昇するのだ。

※もしもこれを無視して押し戻し続けると、当然タンクの上端からあふれ出る。
このオイルがもしもこぼれると、ただエンジンルームを汚すだけではなく、
塗装を溶かしたり、サビを発生させたりするらしいので厄介だ。
油位を常に見張り、あふれそうになったら布や紙で吸い取ってやる必要がある。


こんな具合に。



無事にピストンを戻し終えると、こんなに奥までピストンは入っていた。
※ピストンを傷つけないように、ピストン側の古いパッドを外さずにクランプを使用し、
ピストンが十分に戻ったら古いパッドを外す。


さて、いよいよ新しいパッドを、と行きたいところだが、ちょいと待て。
キャリパーの、パッドが当たっていた面にはグリスが塗られている。
古いグリスは土やホコリを含んで硬くなっているので
それを取り除いて、新しいグリスを塗布してやるのだ。
※写真は新しいグリスを塗布し終えたところ。
団長が仰るにはモリブデンラバーグリスというのがブレーキ用だそうだが、
ホームセンターにはモリブデングリスしか置いていなかった為、これを使用。
濃いグレーのグリスを塗ってあるのが見て取れる。



逆の手順で新しいパッドをはめ込む。
※パッドのグリスはあくまでもピストンやキャリパーの側に塗布するもので、
間違ってもディスクに接触する面やディスク自体にグリスを付けてはならない。
もしも付いてしまったら布などでよくふき取り、ホームセンターやカー用品店で売られている
ブレーキクリーナー等で徹底的に脱脂処理すること。
そのまま組み付けると生命に直結する。



反対側(タイヤの外側)も構造は違うが同じくバネでパッドを固定する。


最初に外したナットを元通りに差し込んで締める。
このとき、強く締めすぎてナットを折らないように注意する。


新しいパッドを装着完了し、ご機嫌なキャリパー。
本来パッドの残量はこの窓からのぞく事で確認出来るが、
この窓はタイヤを外さないと見えないのが面倒。

さて、元通りにタイヤを戻したら今度は右。

※左足の作業中はハンドルを右へ、右足の作業中はハンドルを左へきってやると作業がかなり楽♪
左足のときと同様に、キャリパーの裏側のネジを2本外す。


キャリパーが台座にしっかり食いついていた為、写真の位置にドライバーを差込み、
ディスクの面に平行に、手前に引くとてこの原理で外せた。


やる事は左とおなじ。
古いパッドごと、ピストンを押し戻す。


ここで失敗。もう少しいけるか?とピストンを押し戻し、
次にエンジンルームをのぞいたときには見事にあふれていた。
買い置きのパーツクリーナー840mlのスプレーを使い切って洗浄した。


この↑写真の位置に硬くなったグリスやらどろが溜まっているので、
これをそぎ落とし、新しいグリスを塗布する。


グリスを塗ったところ。


元通りに組み付ける。


なんとか出来上がった頃にはすでに日は落ち・・・。
タイヤをはめるときにすでにあたりが暗く、ホイルの穴にスタッドボルトがなかなか合わず苦労した。
地面に座り込んで体を安定させ、やっとの事でタイヤをはめ込み、
ナットで締めた後に試走を兼ねてスタンドに行き、本締めしてもらい、完了♪

タイヤが重いので結構疲れるが、次回はあっさり対応できそうな予感。
って、50000km後だけど。

※参考に作業をなさる方へ、あくまでも自己責任でお願い致します。
ブレーキ類は重要保安部品の1つだったそうです。
慎重な作業をお願いします。





おしまい









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