遊 旅人の 旅日記

2003年8月11日(月)曇りのち小雨

滑川から富山へ
今日も富山市までと距離は短い。AM6:00出発。太陽が出ていなく歩きやすい日になった。
三十分ほど歩き、滑川高校の前のコンビニで小休止。そういえば昨日ホテルマンが氷見市に<有磯>高校と言う名前の高校があると言っていた。校舎を見ながら思い出す。


暫く歩いてゆくとコインランドリーを見つける。そろそろ着替えも底を突いている。今日は少し時間の余裕がある。衣類の洗濯をしよう。
まだ明かりの点いていないコインランドリーの中で、おばさんが掃除をしている。声を掛けると明かりを点け、中に入れてくれる。洗濯物を洗濯機に入れながらおばさんと世間話をする。話好きのおばさんで暫く話をする。
途中、四人ほど洗濯に来た人たちは皆おばさんに頼んで帰ってしまう。次に来た二人連れのお年寄りは掃除のおばさんと親しげに話をしている。楽しげに話をした後、外に出てベンチに腰を掛けタバコをふかしながら洗濯の終わるのを待っている。
洗濯と乾燥が終わった着替えをたたみ、リュックにつめる。ほっかほっかに出来上がっている。リュックに詰め込むのは惜しいがやむを得ない。
話をしながらのんびりとしていたためニ時間近くかかってしまった。これも歩いての旅の楽しさだ。
仲良くなったおばさんたちに盛大に見送られコインランドリーを出る。


しばらく行くと常願寺川に架かる今川橋を渡る。波打ち際のすぐ上にかかっている。橋をわたったところの休憩場所で小休止。さらに歩いてゆくと趣のある松の木が見られるようになる。道沿いまた家の屋敷の中に立っている。旧街道のようである。昔はもっと並んでいたのであろう。
<浜黒崎の松並木>とある。さらに行くと<古志の松原>と言う案内板がある。
二代加賀藩主 前田利長が江戸参府の際 往還した街道であり、植樹した松並木であると説明されている。きれいな街道である。


市街地に入ると終点になっている駅がある。JR
<岩瀬浜>駅である。路面電車の駅のような雰囲気である。
暫く休んでいると浜松ナンバーの車に乗った若い男女が下りてきて、楽しそうに散策をし、写真を撮り走り去ってゆく。会社も一昨日辺りから夏休みに入ったのであろう。


富山に向け歩き出す。今日はもうホテルに向かうだけである。そう思った途端に全身を疲れが襲う。緊張感がなくなってしまったのである。気を緩めるとすぐに疲れが出てくる。まだ10km近くある。最後まで気を緩めないで歩かなくてはいけない。
次第に都会の雰囲気になってくる。JRの線路とずーと平行した道を歩く。
町並みがエンエンと続き、車の通りが激しくなってくる。
富山駅が見えてくると、町並の向うに突然一棟の超高層ビルが見えてくる。大都会の雰囲気だ。こちら側は正面出口の反対側である。
ホテルに電話をして場所を確認。駅の正面出口側、繁華街のど真ん中でわかりにくいかもしれないと言われる。
線路を渡ったところにある小さな公園で小休止。
駅の正面出口の一帯は高層ビルの建ち並ぶ大都会である。富山市には4回ほど来ているが、20年も前の話である。当時は駅もまだ、こじんまりとして、路面電車が走り、駅前も のんびりとした地方の小都市と言う雰囲気であった。今その俤は全く無い。大都会に変身してしまっている。恐ろしいほどの変貌である。
そんな思いを心に抱きながら宿を探しに歩き出す。教えられた場所を何度も歩くが見つからない。
ふたたび電話で場所を聞く。上を見ながら歩いてくださいと言われる。
急に激しく降りだした雨の中、飲み屋街のど真ん中を上を見ながら歩いていると、宿の看板を見つける。
急いで宿のフロントへの階段を駆け上る。フロントに行き着くまでにびしょぬれになってしまった。
フロントの女性は私の姿を見て、「少し早いが」と言いながらチェックインをさせてくれる。
都会の中を久しぶりに歩いたためか、部屋に入ると、どっと疲れが出てくる。
シャワーを浴びてベッドに横になっていると うとうととしてしまう。目を覚ますとすでに6時近くなっている。食事に行こうとホテルを出ると、廻りは飲み屋街、雨の中でネオンが華々しく輝いている。
早々にコンビニで弁当を買ってきて部屋で夕食を済ます。
明日は新湊の
<放生津>にゆき、高岡泊りだ。
俳聖 松尾芭蕉・芭蕉庵ドッドコム