鹿島槍ヶ岳(爺ヶ岳南尾根より)



2008年5月4日(晴)

信濃大町(5:40)-扇沢左岸(6:50)-八ッ見ベンチ(8:30)-爺ヶ岳南尾根取付(8:35)-ジャンクションピーク(10:50,標高2,310m)-爺ヶ岳南峰(12:45〜13:00)-中峰(13:35〜13:45)-冷乗越(15:45)-冷池山荘(16:20)テント設営(泊)
2008年5月5日(曇り→雨→深夜 雪)
冷池山荘テント場(7:30)-布引山(8:40)-鹿島槍ヶ岳2,889m(9:35〜9:45)-山荘テン場(11:30)-テントで14:00まで寝る
山荘テン場15:00-北峰(黒部側を巻く)-中峰-爺ヶ岳南峰(17:00)-ジャンクションピーク(幕営17:30)

2008年5月6日(晴)
ジャンクションピーク(8:00)-扇沢(柏原新道登山口)12:00-大町温泉(14:00〜15:30)-信濃大町16:00



五月四日(晴)
重いザックを肩に食い込ませぬかるんだ残雪の山道を歩いていく。

扇沢の沢の音は南尾根に取り付くあたりになると遠のき、代りに木々にとまる小鳥たちが寝不足の自分を励ましてくれるように囀っている。

柏原新道は八つ見ベンチより先は雪で覆われ道が無い。木の根と熊笹と雪で覆われた尾根筋を忠実に進み、ジャンクションピークまで我慢の登りを続ける。

八ツ見ベンチ 南尾根


GWのせいか一般登山道なみに人に会う。ジャンクションピークに着くとテントが数張張られていて爺ヶ岳南峰が見えてきた。この辺りが森林限界だ。爺ヶ岳までの尾根には登山者がたくさん取り付いている。南峰までは春先の雪で歩きずらいのでガレ場の雪の無い岩の上を歩きスピードUPを図る。昼過ぎに爺ヶ岳南峰に立つ。

ジャンクションピーク(2,310m) 爺ヶ岳南峰


ここからの眺めは兎に角良い。剱岳、鹿島槍、針ノ木岳、薬師岳、槍ヶ岳と日本アルプスの名だたる峰々が手にとる様に眺める事ができる。とりわけ厳粛な剱岳はヒマラヤの様だ。

剱岳を望む


爺ヶ岳南峰より目的地の冷池山荘まで爺ヶ岳中峰、北峰を越えていかなければならない。日頃の運動不足と寝不足で体が思うように動かない。それでも黒部側をトラバースしたりアップダウンを繰り返しながら何とか幕営地まで楽しく縦走できた。

爺ヶ岳中峰 冷乗越


五月五日(曇りのち雨)
雪氷の上での幕営は朝方がつらい。プラティパスの水が凍っている。おまけに外に出ると小雨が降っている。
気を取り直してテントをそのままに身支度をして鹿島槍のピークハントに向かう。

雲上散歩


布引山まで見えていた鹿島槍南峰は、生憎のガスで隠れては消え、信州側は雪ピが不気味に張り出している。露岩のガレ場道を外さなければ子供でも歩けるが雨風のため慎重になる。山頂直下の雪壁十メートルをアイゼン、ピッケルを使い鹿島槍登頂。八峰キレットに目をやるがガスで全く見えない。
嬉しさのあまり記念撮影。山頂には東尾根から北峰を経て南峰まで来た山岳会のグループが七名程と地元大町の山スキーヤーがいて団欒した。

布引岳 鹿島槍ヶ岳山頂(南峰)


テントに戻りカレーを温めアルファ米にかけて昼食を取る。睡魔に襲われ2時間程寝てしまった。雨なので停滞泊しようと思ったが、小屋番がラッセルマシンでテント場を整地し始めた。ガーガーうるさく寝てられない。「ヘリコプターが来るから平らにするんだ。」となかなか仕事熱心なヤツだ。仕方なく雨の中テントをたたみとりあえずジャンクションピークまで下山する事にする。日没までに着くだろう。(雨なのに遭難したら小屋番のせいにしてやる。と腹を立てる)

縦走路


テントをたたんでいると山頂で会った山スキーヤーのオジサマが現れ爺ヶ岳南峰まで一緒に行きましょう。と心強いお言葉。ブラックダイヤモンドの板をザックに着け、スキーブーツと言う出で立ちで「歩くのが遅い」と説明を受ける。
「自分も遅いので」と意気投合する。雨の中二人でスキーの話などしたり雷鳥に出くわしたりまたまた楽しい稜線歩きをして爺ヶ岳南峰に到着。オジサマはヘルメットを被り扇沢まで今日中に滑り降りるとの事。「気をつけて」と声をかけて別れる。

あたりは暗くなりだした。ここからは一人だ。爺ヶ岳南尾根を下る。雨が強くなり谷から吹き上げる強風で歩くのがしんどい。ジャンクションピークに着いてテントを設営し濡れた衣類を脱ぎ捨てシュラフに包まり朝を待つ。寒さとミゾレのため陰鬱な夜を過ごす。

五月六日(晴)
テントから外に出ると晴れている。

ジャンクションピークで幕営


稜線の峰々が大きく見える。テントを撤収し南尾根を扇沢まで下山。

下山 登山口に到着


汚れた体を大町で風呂に入り綺麗にする。後立山連峰の白嶺がまぶしく輝いていた。
松本からあずさで帰宅の途に着く。

以上