阿弥陀岳南稜[小屋泊1泊2日] 
2007年6月
@自宅−首都高速-新宿-(中央道)-小淵沢IC−八ヶ岳美術館−舟山十字路-阿弥陀聖水(水場)-旭小屋(泊)
A
旭小屋-南稜取付-立場山-青なぎ-無名峰-P1-P2-P3-P4-阿弥陀岳山頂-行者小屋-南沢-美濃戸-舟山十字路(車P/U)-諏訪南IC(中央道)-新宿-自宅
阿弥陀岳 南稜

阿弥陀岳 南稜


南稜取付(末端)からの展望


梅雨の晴れ間の休日を利用してバリエーションルート
(一般登山道ではないルート)の阿弥陀岳南稜を登りました。
積雪期の登路として有名ですが、6月なので雪は全くありま
せん。

美術館の先を東に入り突き当たりの舟山十字路(実際には
T字路)に車を止め、林道を進み、無人小屋の旭小屋で朝を
待ちました。

朝7時に小屋裏のガレ場を尾根に目掛けて登り始めます。
稜線からは写真のように新緑に覆われた山々が望めました。

立場山山頂(2,363m)

【尾根道】

尾根上をひたすら登ります。踏み跡は明瞭。
両脇の樹林は「きのこ山」らしく立入り禁止のワイアーが張ら
れていました。赤ペンキで「立ち入った者は罰金50万」と看板に書かれています。
50万ならスーパーマーケットで買った方が安いな?などと
呑気な事を考えながらどんどん高度を上げ、バテてきた頃に
やっと立場山山頂に到着しました。

展望はなく樹林帯の中の山頂です。行動食をザックから取り出し腰をおろして休憩です。すると何やら獣(けもの)のうめき声が聞こえてきました。熊かもしれない。と思いあわててゼリー飲料片手にその場を立ち去りました。(たぶんカモシカ!)

阿弥陀南稜

【阿弥陀南稜】

立場山を過ぎると阿弥陀南稜が見えてきました。
天気も良く見事な山岳景観です。

稜線のP3とP4を双眼鏡で確認しました。先行者は誰もいない
様です。

青ナギのコル


【青ナギ】

尾根の南側斜面がすべて小さな岩の崩壊地となっている青ナギと呼ばれているところです。

どうしてここだけこのように
なっているかは地質学者でないので解りませんが、とにかく眺めの良い場所です。

振り返ると「北岳」、「甲斐駒ヶ岳」、「仙丈ヶ岳」が並んで
はっきり望めました。

P3 

【稜 線】

「無名峰」の立て札が立っているピークを通過してから小さなアップダウン(P1、P2)を過ぎると目の前に大きなが岩峰が立ちはだかります。三番目のピーク,「P3」の基部です。

ザックからハーネスを取り出し装着。体にスリングをかけました。ヘルメットをかぶり岩峰下部の草つき(写真の白い所)バンドをトラバースし左のリッペを乗り越えます。

カブリ気味の岩の下にロープが垂れているのを見つけました。

P3

【P3の登り】

正面からの直登はザックも重く単独で攀じ登る事は無理なので、このロープのあるルンゼ状のルートを三点支持で登ります。岩は雪解けの為、濡れています。

このルンゼの登りが核心部です。

落石に注意しながら手と足でホールドを取り、フィックスロープを頼らず登る事が出来ました。

P3上部からは赤岳権現岳が真近に感じられます。

ナイフエッジを進んで行きます。

P4 


【P4】

P3の次はP4です。ここも岩峰基部を左へトラバース気味に巻いて進みます。

岩に打ち込まれたハーケンを見て冬は岩が雪に覆われてしまい掴むところがないので苦労する所だと思いました。

そしてP4のピークはどこだろう?
と考えながらガレ場を上へ上へと進むとそこが「阿弥陀岳山頂」でした。

阿弥陀岳山頂(2,805m)

【阿弥陀岳山頂】

山頂に到着しました。

赤岳、権現岳はもちろんの事、穂高連峰、南アルプスと
360度の展望です。

御小屋尾根を下るか、行者小屋から南沢を通り、美濃戸に
降りるか迷いましたが、にぎやかな行者小屋に向かって
下山しました。南稜はとても楽しいルートでした。



(参考資料)
岳人 2007年6月号 P186,187 阿弥陀岳南稜単独登山
[ 舟山十字路から阿弥陀岳まで所要6時間 ]