スポーツの秋ということで雑談のなからそれっぽいのを主にチョイス。
 
吉 井:「ところでラオウさん、俺、引っ越しましたので」
ラオウ:「そりゃ、HPみりゃわかりますよ(笑)……というか、高任さんから聞きましたが。理由とかは……本人に聞いてといわれたのでアレですが、聞いてもかまわんのですか?」
吉 井:「理由は…その…何というか、まあ……(ぴー)という事情がありまして」
ラオウ:「むう、それはまた…」
高 任:「で、どーですか?多少は落ち着きましたか?」
吉 井:「いや、1週間やそこらではさすがに……本屋とかおもちゃ屋とか、映画館とか…色々とチェックしなきゃいけないことは多いですし」
高 任:「普通は、スーパーとかじゃないでしょうか?ライフラインの確保というか」
吉 井:「まあ、どこに行ってもコンビニはありますからね」
ラオウ:「……吉井さんは、本当の田舎というモノをご存じないようで(笑)」
高 任:「街灯がない程度の田舎には、コンビニはおろか商店が存在しませんし……買い物行くのに、車で街まで出かけるというか」
ラオウ:「まあ、俺の引っ越し先はごく普通の地方都市…ってところでしたが」
高 任:「その割には、『本屋でアフタヌーンがみつからねえよ』などと、泣き入ってなかったですか?(笑)」
吉 井:「それはまた……え?」
高 任:「どうしました?」
吉 井:「ラオウさん。今さらっと、引っ越し先とか言いませんでした?」
ラオウ:「ああ、去年の話ですよ、去年の。別に、最近引っ越したというわけでは」
吉 井:「……ということは、今ラオウさんは(ぴー)に住んでるわけではないと言うことで?」
ラオウ:「(不思議そうに高任に視線を向けて)……高任さん?」
高 任:「そういえば、吉井さんに言った覚えがないや……吉井さん、今さらですが、ラオウさん去年またまた引っ越しまして。なんか、俺はもっと花粉の少ないところを目指すとかなんとかで(笑)」
吉 井:「聞いてないよっ!(笑)」
高 任:「いや、だから話してませんし(笑)」
ラオウ:「なんか吉井さんの情報は素直に俺に伝わってくるのに、俺の情報が吉井さんに素直に伝わってないこと多くないか?」
高 任:「や、ラオウさんってかなりプライバシー気にする方じゃないですか。どうしようっかなぁ…とか、悩んでしまうんですよ」
吉 井:「というか、思いっきり単純に忘れてなかった?」
高 任:「いや、こう…無意識下で精神が悩みに悩んで、そのまま忘れてしまうんですな。判断に迷うことはそのまま手をつけない……標準的日本人そのものデスやン(笑)」
吉 井:「…って、今ラオウさんどこに住んでるんですか?」
ラオウ:「(ぴー)ですが?」
吉 井:「去年から、やたら対談のスケジュールが合わなかったのはそのせいですかっ!?」
ラオウ:「いや、仕事が忙しかったのも事実ですが…まあ、ここに来るのはちょっとした小旅行から冗談抜きの旅行レベルになってしまいましたし(笑)」
高 任:「今度の引っ越しで、吉井さんは結構近場になりましたね…小旅行レベルに」
吉 井:「そりゃ、前に比べたら……っていうか、ラオウさんが遠くへ。遙か遠くへ…どこまで行くつもりですか(笑)」
ラオウ:「花粉がこないとこ……といっても、海外だとさすがに仕事に支障が出ますし」
 
 などと、初っぱなからぐだぐだに。
 
吉 井:「さて、高任君……某亀田選手のボクシングの試合について、熱く語ったりしないの?」
高 任:「いや、あの試合は直接見てないので……つーか、基本的にあの選手の試合はみて面白くないから見ませんし」
吉 井:「試合内容はさておき、テレビ放映では、試合に至るまで1時間半ばかり延々と某亀田のプロフィールが放送されまして…もう、うんざりというか(笑)」
高 任:「なるほど」
ラオウ:「……なんか騒いでたけど、結局何なん?」
吉 井:「何…といわれると、どう考えても判定負けだろってな内容なのに、勝っちゃったという感じで」
ラオウ:「はあ、なるほど」
高 任:「知人の一人が見てたらしいけど、『あの試合の一番の見所は、採点結果が発表されたときの某亀田親子の表情』って言ってたなあ」
ラオウ:「は?」
高 任:「いや、知人が言うには『うそっ、俺やの勝ちなんっ?』って感じに、びっくりした感じだったらしいが(大爆笑)」
吉 井:「ああ……だとすると、試合が終わった後の、あの滑りまくったパフォーマンスも納得がいくような(笑)」
高 任:「余談ですが、知人曰くパンチを当てた数じゃなくて、前に出る圧力を重視すれば、あの判定でもそうはおかしくないだろうと言ってましたが……結局、判定なんてモノは、何を重視するかで大きく変わりますし」
吉 井:「それはそうだけど…」
高 任:「ジャブ10発当てたのと、ちょっと身体をぐらつかせたパンチ1発……で、後者を優位に取るジャッジも少なくはないですし、カウンター狙いの引き気味のパンチは一切考慮しないジャッジとかもいますし」
吉 井:「いや、それはあの試合を見てないから言えることだよ」
高 任:「まあ、見てませんからね(笑)」
ラオウ:「高任さん…確か、ダウン取ったら取った方が2ポイント優位になるんだっけ?」
高 任:「試合ごとに取り決めがあるんですが、おおむねそうです……仮に、1ラウンドで100発ぐらい殴られて手も足も出ないままダウン寸前だった選手が、そのラウンドで初めて出したパンチが一発当たってそれで相手がダウンしたら、そのラウンドは10対8で、殴られ続けてた選手のラウンドになります(笑)」
ラオウ:「難しいな、それ」
高 任:「……まあ、試合が終わった後で『対戦相手が可哀想』ってな抗議が多数寄せられたらしいが、日本ってホント平和な国ですよね。一部の海外だと、挑戦者がダウン3回奪って圧倒したのに判定負けした……ぐらいのホームタウンデジションは日常茶飯事なんですが(笑)」
ラオウ:「いやまあ、せめてフェアな国民性といってやれよ…」
高 任:「どことは言わないが、これは自国のチャンピオンが負けそうだって判断したのか、会場の照明を停電させて、試合そのものを不成立にしてしまう荒技を持つ国だってありますし(爆笑)」
吉 井:「え、マジ?」
高 任:「挑戦者の宿泊施設の前で騒いで睡眠を妨害したり、悪戯電話かけたり……倒されたチャンピオンをレフェリーが抱き起こしたり…そんなのが当たり前の国に比べたら、可愛いもんでしょう。まあ、日本の場合その手の黒い話がでるのって決まって某有力ジムの選手ばっかりですが……いわゆる、毒入りオレンジ事件なんかもそうですし(笑)」
ラオウ:「え、あれってボクシングの話だったん?」
高 任:「いや、元々はボクシングじゃなかったと思うが…」
吉 井:「毒入りオレンジ?」
高 任:「まあ、あくまでも噂ですが、相手選手の食事にちょっと細工を(笑)」
ラオウ:「なるほど」
 
高 任:「でもまあ、試合に勝つためにあらゆる努力を惜しまないのがスポーツマンシップですし(爆笑)」
 
吉 井:「いや、違うよそれは」
ラオウ:「……というか、仮に金で審判が買収できるんなら、なんであのバブル真っ最中の時、日本人はこれでもかってばかりに、タイトルマッチで負けまくったのよ?」
高 任:「まあ、正直な話、世界に挑戦してどうするよ…という選手が、金の力で何人もタイトルマッチに挑んでいったけどな。つーか、ノックアウトされたら判定もへったくれも(笑)」
ラオウ:「なるほど」
高 任:「ただ……黒い話が出るのはきまって某有力ジムって事は、やっかみ半分の言われない中傷も死ぬほど多いって事でして」
吉 井:「へえ」
高 任:「たとえば今回の某亀田選手にしても、有名になるに従ってバッシングがすさまじいというか…これまでの対戦相手のことを調べて、普段は荷物運びをしている……みたいなインタビューのせて、ちゃんとしたボクサーは一人もいないってな事言ってるマスコミもいたけどさ、基本的に世界チャンピオンでもない限り、ボクサーはみんなボクシング以外で普通に仕事してますよ。日本チャンピオンにしたって、毎日自動車工場で車を整備してますとか、警備員やってますとか、それが終わってからジムに通って1日2時間ほどの練習するとか、そんな人ばっかりですよ。ボクシング以外の仕事持ってて、毎日働いてます……で、まともなボクサーじゃないみたいにとらえる方がどうかしてるよな……ってな感じのレベルの低いゴシップ記事も多いですし」
ラオウ:「なるほど」
高 任:「結局、強い弱いというか、その選手のボクシングは客を呼べるか?が重要なんじゃないの。で、俺の意見としてはあの選手の試合はつまらない…そんだけ(笑)」
吉 井:「ふむ」
高 任:「つーか、あのタイトルマッチで一番問題なのは日記でもちょっと書いたけど……チャンピオン不在により、ランキング1位と2位の選手が戦ってチャンピオンを決めるのに、2人とも本来あの階級の選手じゃないってとこでしょ」
ラオウ:「……ごめん、ちょっと意味が分からない?」
高 任:「だから、某亀田選手は元々フライ級でライトフライ級で戦ったことがない。某ランダエダ選手は本来ミニマム級の選手で(以下略)…なのに、その2人がランキング1位と2位なのよ。で、チャンピオン決定戦(笑)」
ラオウ:「……それ、ライトフライ級の選手は何をしてたん?」
高 任:「何をしてたんだろうね(笑)」
ラオウ:「いや、だって…世界ランキングって…最近の試合結果とか、そういうのを考慮して決めるんだろ?でも、その2人はその階級で試合してないんだろ?」
高 任:「判定結果がおかしいとかどうでもいいのよ。本当の問題はそこでしょ?たとえばラオウさんが、明日になったらいきなり世界ランカーになってたりするかもしれないんですよ(爆笑)」
吉 井:「いや、それはないでしょ(笑)」
ラオウ:「ライセンス持ってないよ(笑)」
高 任:「それはさておき、そもそもチャンピオンに挑戦する資格となるランキングが、こんな適当なことになってますからね。タイトルマッチの直前に本人は試合してないのにランキングが急上昇したり……確かに、違う地域で戦ってる選手をランキングするってのに無理はあるんですけど、日本の新人王取ったら日本ランキング10位……みたいな、ある程度の目安は必要なはずなんですよ。北米チャンピオンとか、東洋太平洋チャンピオンとかで、ある程度の基準を設ける…で、そこのランキングを元に試合があって、過去の戦績とか考慮して…(以下略)」
ラオウ:「わかった、もうええ(笑)」
高 任:「じゃあ、話変えますが……ごくごく個人的な意見ですが、疑惑の判定で、リベンジマッチ……の話の流れって、めちゃめちゃプロレスっぽくないですか?」
吉 井:「と、いうと?」
高 任:「仲の悪い2人、因縁の2人が戦う……それしかやってこなかったプロレスのそれと同じというか、この疑惑判定のおかげで、今度の再戦もそれなりに話題になるでしょうし……商売のやり方がプロレスとおなじってのは、テレビ局が主催してるにしてはちょおっと、ひっかかりますけど」
ラオウ:「……?」
高 任:「例えば、あの試合が、見た目が派手な乱打戦でダウンの応酬…で、最後にポイントでちょっとリードされてる感じのところ、最終ラウンドで劇的な逆転ノックアウト勝ち……だったとしたら、観客は文句言わないよね?」
吉 井:「それは……まあ、理想的な試合なんじゃないかな(笑)」
高 任:「……ボクシングに限った事じゃないですが、強すぎるチャンピオンって金にならないんですよ。だから、今回の疑惑がマジで疑惑だったとしたら……テレビ局としては、某亀田選手を既に使い捨て状態に入ってるようなシナリオの書き方なんですよね」
吉 井:「……よ、読みが深いと言うべきか…」
高 任:「いや、八百長とかだったら、小説なり漫画を書くのと同じじゃないですか……どうやったら読み手が盛り上がるかを考えるわけだから、おのずと、キャラの寿命によってシナリオが変わるというか……例えば、今度の再戦で誰からも文句のでないような圧勝劇を演じると、長期安定政権の道を進むか、もしくはその次ぐらいで負けさせて復活への道筋…みたいなシナリオになるでしょうし、今回もドロドロの判定とかになったら、違うキャラを出して人気のてこ入れをするか、さらにもう一戦挟んで、因縁の2人が三度戦う…みたいになるか……モハメドアリのプロモーターの言葉じゃないですが、観客の心に『もし』がある限り、商売は成り立つって展開に」
ラオウ:「なるほど…観客の心に『もし』がある限り…か。名言やな」
高 任:「まあ、あくまで疑惑だったらの前提ですが……疑惑なら疑惑で、もうちょっとましなシナリオ書いて欲しいし、現実なら現実で俺の趣味じゃない……としか言いようがないです」
吉 井:「……要するに、ドラマとしてもボクシングとしてもさほど興味はないと(笑)」
ラオウ:「ところで……前から不思議だったんだが、何でタイトルマッチってテレビ局が絡むわけ?」
高 任:「金が必要だから……日本人の世界タイトルマッチって、大抵が軽いクラスで、しかも日本開催になるよね?あれは何故かというと……タイトルマッチそのものが一つの商売なのよ?両者に払うファイトマネー、会場の賃料、諸経費……ってのを、入場料なり、放映権というか、コマーシャルスポンサー料…でまかなうわけで」
吉 井:「そういう言い方すると、夢も希望もないね」
高 任:「ちなみに、ミドル級より上の重い階級になると、これはもうアメリカでは絶大な人気を誇るから……そもそも、日本人では商売にならないというか、向こうのチャンピオンを日本に呼ぼうと思っても、それだけの収入が得られないのよ。ついでに言うと、日本人が挑戦者になると、向こうでは客が呼べなくなるので……タイトルマッチそのものが成立しないのね。だから必然的に、日本人は軽い階級での世界挑戦が多くなり、重い階級ではタイトルマッチそのものに縁がなくなる……という図式があります」
ラオウ:「そ、そうなんか…じゃあ『はじめの〇歩』の某鷹村のようなケースは…」
高 任:「絶対にないとはいいきれんけど……一言で言うと、漫画。そのあたりは作者が一番よくわかってるだろうから……あの、ジュニアミドルって階級だったところに、作者の誠意を感じたね(笑)」
吉 井:「お、重い…話が、予想とは違う方向に重い…」
高 任:「で……すごく言葉は悪いけど、東南アジアなり中南米でタイトルマッチやった場合と、日本でやった場合……賃金格差なんかもあるけど、実入りが多いのは圧倒的に日本なのよ。つまり両者に払われるファイトマネーなんかも、祖国の英雄とか言われてるチャンピオンとかの例外を除けば日本でやった方が多くなる。で、日本で開催する場合、相手選手なりジムは金を貰うだけ……で、その金を稼がなきゃいけないのは日本サイドになるわけで……まあ、プロ野球とかで散々語ったけど、テレビってのは収入源としては一番お手軽なのね。もちろん、それなりの視聴率がとれないとダメだけど」
ラオウ:「むう」
高 任:「まあ、今の日本のボクシング人気なんてのは、こうプロレスもだけど、バサロ泳法でして(笑)」
吉 井:「総合とかは、わりといけてるよね?」
高 任:「まあ、わりとですが……すぐに飽きられるんじゃないですか?それはそれとして、わかりやすい例を挙げると、たとえば某ガッツ石松選手の場合、人気もありましたがチャンピオン当時のファイトマネーが六千万だか七千万だったんですな」
ラオウ:「ほう」
高 任:「某亀田選手の話はおいといて…今、日本人が世界チャンピオンになって初めての防衛戦に挑みます。もちろん、日本開催でテレビ放送もゴールデンアワー……さて、ファイトマネーはどのぐらいだと思いますか?」
吉 井:「某ガッツ石松って…もう、30年は前の話だよね?あの頃で六千万だとすると…」
ラオウ:「いや、話の流れからして今の方がかなり少ないな……1000万ぐらい?」
高 任:「(ぼそっと)…選手にもよりますが、(ぴー)百万ぐらい」
 
吉 井:「デフレスパイラル?(爆笑)」
 
ラオウ:「いや、ちょっと待って。世界チャンピオンって年に精々三試合だよね?で、ファイトマネーのうち、何割かはジムの取り分で……それは、下手をすると世界チャンピオンになってもボクシングだけでは食えないのですか?」
高 任:「まあ、世界チャンピオンになれば収入がファイトマネーだけって事もないでしょうし、そこまでは言わないけど……昔と違って、今の日本ボクシングにはアメリカンドリームなんてないよ……というところで、某亀田選手の登場(笑)」
吉 井:「おお」
高 任:「結局、視聴率が50%近かったんですか?で、いろんな意味で話題性は抜群、いろんな意味の人気も抜群……もちろん、某亀田選手のファイトマネーは桁が違います…というか、違うという話は耳にしました。結局、人気なり話題性がなければ、強い弱いに関係なく金にならないという哀しい事実だけがあるんですな」
吉 井:「……ちなみにいくら?」
高 任:「いや、噂というか、信憑性ないけど……1億とか?」
吉 井:「ほう」
高 任:「まあ、それ以前に写真集とか出してるし。副収入の方が圧倒的に多いと思いますが(笑)」
ラオウ:「……にしても、30年前からインフレ率考えると……やっぱり、昔の世界チャンピオンはすごかったと」
高 任:「まあ、日本人初の世界チャンピオン…とかの時代は、階級が少なくて世界チャンピオンが8人しかいませんでしたから。フライ級、バンタム級、フェザー級、ライト級、ウエルター級、ミドル級、ヘビー級…あれ、7つだ?何か抜けてる…けど、ジュニアなんたら、とかいう階級はなかったんですよ。それが、クラスは増えるは、組織も増えるは……世界チャンピオンの価値大暴落になるのも仕方ないというか。単純に人数が6倍になれば、価格は6分の1ですし(笑)」
ラオウ:「資本主義って哀しいなあ…」
吉 井:「ちなみに、日本チャンピオンのファイトマネーってどのぐらい?」
高 任:「50万ぐらいと聞いてますよ…まあ、そのうちの半分ぐらいはチケット支給だったりするでしょうけど(笑)」
ラオウ:「ちなみに、プロ野球の…」
高 任:「一軍のベンチ入りしてれば、最低保障が1200万ぐらいだったかな…?」
ラオウ:「むう…」
高 任:「この現実を前に、野球ではなくて敢えてボクシングを選ぶ人ってのは、俺の琴線をぴしぱしと刺激するわけで……地方在住の人には申し訳ない言い方ですけど、野球の試合見るぐらいなら、値段もそう変わらないし一度ぐらいは後楽園ホールでボクシング見るのも悪くはないかと」
 
吉 井:「昼間は、ヒーローショーを?(大爆笑)」
 
高 任:「や、ヒーローショーは週末ですが、ボクシングは平日が多いで……つーか、最近はどうなのかな?」
ラオウ:「(何かに気づいたように)…ああ、後楽園でボクと握手ってやつか」
高 任:「今はドームシティーですが……ドームシティですよね?」
吉 井:「いや、俺に振られても(笑)」
 
 なんか、怪我をしたとかで再戦が延期になったとか。
 
高 任:「まあ、つまるところどのスポーツ業界も担ぎ上げるための御輿を必死に探すというレベルを通り過ぎて、こっちでめぼしいのは次々に御輿にしてしまおうってな感じですね。某亀田がそうですし、最近で言えばハン〇チ王子なんか露骨すぎですよね」
ラオウ:「その、ハ〇カチ王子ってやたら耳にするけど、いったい何なん?」
吉 井:「…ラオウさん」
ラオウ:「いや、高校野球の選手ってぐらいは知ってるけど」
高 任:「まあ、俺も聞いた話だけですが、早い話……マウンド上で、汗を拭くのにポケットタオルを使う…だけ(笑)」
ラオウ:「……は?」
高 任:「まあ、甲子園に出てきて結局は優勝したし……マウンド上で汗を拭くのに、わざわざポケットタオルを使うような選手はいないし……こりゃ、ネタになると、御輿にまつりあげようとした結果だと思うが」
ラオウ:「ふーん…」
吉 井:「……というか、汗ふくのにタオルぐらい使うでしょ?」
高 任:「いや、野球選手というか、ピッチャーで、マウンド上で汗を拭くのにタオルを使う選手はいないと思います
吉 井:「いないの?」
高 任:「いや、ルールが変わったのかもしれませんけど、マウンド上でピッチャーがタオルとか使って汗ふくのは、違反投球の疑いを招くという理由で禁止されてますから(笑)」
ラオウ:「もしもし?」
高 任:「その『もしもし?』は、タオルで汗拭くのがなぜ違反投球の疑いを招くのかという意味か?それとも、禁止されてる行動を止めるどころか、ハンカ〇王子などとニックネームにしてしまう周囲の人間は何を考えてるんだという意味か?」
ラオウ:「いや、どっちもだけど…強いて言えば、周りの人間は何を考えてるのかという方が…」
高 任:「うん、だから俺も最初にそれを聞いたときルールが変わったのかな…と。例えば、手のひらで顔の汗を拭うとかも絶対やっちゃいけないんですよ、ピッチャーは。だから、帽子を外してユニホームの袖で汗を拭う…のと、ロージンバック(すべりどめ)触るだけ」
吉 井:「へえ…」
高 任:「だから、ポケットからタオルを取り出して汗を拭う……なんてピッチャーはいませんよ。実際、そういうのやろうとして、審判にタオルはベンチにおいてこい…ってな指示を受けた選手を見たことありますし。ルールが変わったんじゃない限り……あ、ベンチに戻ってタオルで汗を拭くのは問題ないですから」
ラオウ:「だとすると、〇ンカチ王子って…(笑)」
高 任:「だから、俺も直接見たことないから詳しくは……それが本当にマウンド上でやってるなら、誰か止めろよ、と。ついでに言うと、野球も手っ取り早く御輿を必要としてるぐらい人気的に追いつめられてるんだなあ、と」
吉 井:「…と、いうか、違反投球って?」
高 任:「ボールに唾をかけたり、ワセリンやグリスを塗って投げるスピットボールの分類ですね。例えば、ボールの縫い目を汗で適度に湿らせると、繊維がキュッと締まって引っかかりが良くなりますし、ボール全体じゃなくて、表面の一部分を濡らして投げると……まあ、面白い変化をするかも知れないよ(笑)」
ラオウ:「やったことあるんやな、お前?(笑)」
高 任:「まあ、雨の日に練習とかしてると、濡れたボールのせいでたまに妙な滑り方というか引っかかり方をして不思議な変化が起きたりするし……だったら、色々と調べたくなるのが人情ってもんだろ」
吉 井:「なるほど…」
高 任:「でもまあ、高校野球はプロと違ってボール交換がそんなに多くないし……地面とこすれて表面がざらざらになった部分に指をかけて投げるとかは、誰でもやってるでしょうし」
吉 井:「え?」
高 任:「えーと、ちょっと待って下さいね……(押入捜索中)……多分、普通の人は野球のボールといえば軟球なんでしょうけど、これが硬球です」
ラオウ:「や、俺は昔見せてもらったし、キャッチボールしたこともあるし」
高 任:「キャッチボールって、アンタ俺が投げたら逃げたやン(笑)」
ラオウ:「素人に、硬球であの球威は殺意があるとしか思えんぞ(笑)」
高 任:「あの球威って……肩慣らし程度なんですが。じゃなくて…吉井さん、こっちが軟球です。一応どちらも試合球です」
吉 井:「あ、なんか硬球の方が重いような…」
高 任:「まあ、硬球と軟球、何が違うと言えば……この縫い目じゃない表面の部分で。軟球は基本的に縫い目がなくても滑らずに投げられますけど、硬球はちょっとやばいです。で、硬球の場合、ゴムじゃなくて革なんですよ……だから、地面というか、ざらざらしたモノに擦りつけると、表面がささくれるというか…」
吉 井:「へえ…」
高 任:「で、サンドペーパーで球を擦るとかいう話聞いたことないですか?早い話、球場によっては、下の黒土といってもピンからキリまでありまして。強い回転をかけてバウンドさせると、表面にヤスリをかけたような状態になったりするんです。つまり、そこだけグリップが強くなって…(以下略)」
ラオウ:「むう」
高 任:「プロの試合だと、1試合で4ダースぐらい使うらしいですけどね……高校野球だと、ボールを交換すると言っても、ファールボールとかは拾ってきてまた使い回すわけで、ボールによって結構差があるんです。軟球と違って、硬球はフェンスとかネットとかにぶつけると、微妙に重心がずれたりしますし、革がねじれて、縫い目が高くなったり低くなったりで、引っかかりやすかったり、すっぽ抜けたりするボールがあるというか」
ラオウ:「それ、交換とか?」
高 任:「1回ならともかく、何回もやると審判怒る。ついでに、交換しても、そのボールはまた交換球に回るから、しばらくしたらまた同じボールが(笑)」
ラオウ:「意味ないじゃん」
高 任:「そりゃ、あんまりな状態のボールは使いませんよ。まあ、甲子園レベルとかだと、また違うんでしょうけど……地方予選とかだと、金がないですからね。日記で書いたことありますが、照明をつけるかつけないかでもめるもめる。電気代滅茶苦茶かかるんですよ、アレ(笑)」
吉 井:「切ないなあ…」
高 任:「そういや、試合では一回しか使えないけど、ここぞの場面で使う消えるボールがあります」
吉 井:「何それ?」
高 任:「いや、あんまりやりすぎると無効にされますから加減が必要なんですけど……こう、いかにもこの一球に全てをこめているかのようにロージンバックを念入りに使ってですね…」
ラオウ:「ふんふん」
高 任:「ボールと手についたロージンの量を確認してから…投げる」
吉 井:「え、それだけ?」
高 任:「するとですね、リリース(ボールをはなす)するときの衝撃で、ロージンの粉がぱっと飛び散るんですよ。これが煙幕の役割を果たして、バッターは一瞬ボールを見失い……消えるボールの完成(笑)」
ラオウ:「ほ、ほう…いまいち、ピンとこないが」
高 任:「サッカーで言うなら、シュートのインパクトがブラインドかけられるようなもんですよ。その瞬間が見えなきゃ反応できないでしょ」
ラオウ:「むう、確かに」
高 任:「で、飛び散る量の加減にもよりますが、大抵はこの後審判に『あまり滑り止めをつけすぎないように』などと注意されますから一回しか使えませんし、最終回サヨナラ負けのピンチとかで使うのもまずいです。だから、試合の中盤なんかで、ここは押さえなきゃというポイントで使うのがベストですね(笑)」
吉 井:「ベストですね、って高任君…(笑)」
高 任:「うむ、野球ってのは奥が深い(笑)」
ラオウ:「こ、この男……この男が、高校野球の監督になったらどういう野球をするのかちょっと見てみたいような気がする(笑)」
高 任:「まあ、選手が監督の言うこと聞かなきゃどうにもならんでしょう(笑)」
吉 井:「それは、まあ」
高 任:「というか、この消える魔球は結構メジャーなはずですよ。偶然だろうが意識的だろうが、大抵の選手は一回ぐらいは経験してるんじゃないかな?」
ラオウ:「だからといって、それをわざとやろうとする人間は…(笑)」
高 任:「まあ、煙幕が張れるぐらい…ってのは、おろしたてのロージンバックじゃないと難しいですからね。いつ使うかのタイミングが重要」
吉 井:「むう…」
高 任:「後は応用編で…ロージンの粉を、ボールの縫い目の一部だけにつけるとか、バッターの目線の位置とスコアボードから計算してリリースポイントを調節するとか」
ラオウ:「はい?」
高 任:「縫い目の摩擦力を変化させると回転が強くなったり弱くなったりするし、スコアボードの白い部分と、ボールの白を重ねるように投げると、これまたバッターからは見えづらくなるんです……ほら、ドカベンで照明の角度を計算した山なりのボールとかあったでしょ。アレと一緒」
ラオウ:「……まあ、普通とはベクトルが違っていても、高任さんが野球に対して真剣に打ち込んだことは良くわかる(笑)」
高 任:「そういや、『高校野球は日本が誇る残酷ショー』とかいう見出しで始まった野球漫画があるんですけど(笑)」
ラオウ:「はい?」
高 任:「最初、イブ〇ングかなんかで…好評だったのか、モ〇ニングで始まりました。ただ、普通の人はアレを読んでギャグと思うんだろうけど、実際に高校野球やってた人間からすると、微妙に笑えない部分が多すぎて違う意味で面白いです。まあ、『ギャン〇ルレーサー』なんかも洒落にならない漫画でしたけど」
 
 ちょい脱線。
 
ラオウ:「しかし高任さん、大抵のスポーツの話題なら語れるのな(笑)」
高 任:「いや、そんなことないですよ……つーか、わからない方が多いんだけど、結局吉井さんやラオウさんが話題をふれるスポーツが限られてるだけの話と違いますか?」
ラオウ:「まあ、それはそうだが」
高 任:「というか、ネットならこのぐらいの情報はとびかってるんと違いますの?」
吉 井:「ネットの情報は玉石混淆というか…ほとんどが石ばっかりだから、読み手の情報取捨選択力が必要になってくるし」
高 任:「や、俺が真実を語ってるとは思わない方が(笑)」
ラオウ:「高任さんは聞き手の情報取捨選力を要求する語り手だからなあ(笑)」
高 任:「お褒めにあずかり恐悦至極」
吉 井:「微妙に誉めてないような気がするけど(笑)」
ラオウ:「そういや前の対談ちょっと引っ張る形になるけど…えーと、凱旋門賞だったけ?アレに挑戦するとかしないとかで…」
高 任:「ああ、ディープですか…するみたいですね。もう二ヶ月ぐらい前からフランス入りして調整してるって話ですけど」
吉 井:「ああ、凱旋門賞ってフランスですか…そりゃそうだよね、凱旋門だし(笑)」
高 任:「なんか3強とか言われてるけど……負けるでしょうね」
ラオウ:「非国民だなあ」
高 任:「いや、自分で馬券が買えないレースなんかどうでもいいというか……つーか、元々凱旋門賞って、前評判を覆す形で三歳馬が勝つ確率が高いんですよ」
ラオウ:「は?」
高 任:「いや、負担斤量の関係だと思うんですが……三歳馬と四歳以上馬では3.5キロだか4キロぐらい差が付けられるわけで」
ラオウ:「4キロも?」
高 任:「ラオウさんは多少競馬やってたからわかるでしょうけど……1マイルで1キロの負担増は、およそ0.2秒の差になって現れるってのが定説ですが、2400メートルで4キロはね……しかも、海外で……かなりの遅いペースでしょうし、負けるんじゃないですか?少なくとも、俺は単勝馬券を買う気にはなれないです」
吉 井:「へえ…」
高 任:「昔、みつめてナイトのパロディ書くときに馬の事を色々調べたんですが、馬の体重の13%あたりが負担重量の分岐点になるとかいう実験がありまして。早い話、体重の13%を越えた重量を背負わせると、馬の競走能力はがくんと落ちていく…みたいな」
ラオウ:「で?」
高 任:「で、欧州の馬って力のいる馬場の関係もあるんでしょうけど日本よりも多少骨格がしっかりしてる馬が多くて、対照的にディープは日本の中でも小柄な馬で、440キロぐらい。あの馬が強いのは認めますが、60キロ背負わされて、力のいる馬場を走って、折り合いが難しいペースで……で、相手馬は欧州の強豪馬。やっぱり不安材料の方が多いですよね……それ以前に、この手に関して日本のマスコミは良いことしか言いませんし(笑)」
ラオウ:「体重の13%ねえ……それは初耳というか、後でちょっと詳しく教えてね。参考にしたい……というか、甲冑つけた騎士が乗る馬って(笑)」
高 任:「甲冑の重さは種類にもよるけど大抵30キロや40キロは越えるよ。もちろん、軍馬はサラブレッドとはまた違うけど」
吉 井:「みつめてナイトで馬のこと調べてって…」
高 任:「いや、パロディというか小説を書こうとするたびにいろんな勉強……というか、知識が増えるのが楽しいです(笑)」
ラオウ:「ネットつなげよ」
高 任:「つーか、ネットだとあるキーワードで検索…で、調べるなら、辞書というか学校の教科書読むのとかわらんじゃないですか。探していた情報に辿り着くまでの寄り道が、後々の役に立つというか。知識ってのは、包括的にとらえないと意味ないですし」
 
 負けましたね。
 まあ、負けてなお強し……という印象を受けましたが。
 
吉 井:「シュー〇ッハが引退するですよ…」
高 任:「そんなこと言ってましたねえ…」
ラオウ:「……」
吉 井:「ラオウさん、まさか…」
ラオウ:「いや、知ってますよさすがに…でも、知ってるだけというか(笑)」
吉 井:「興味ないですか?」
ラオウ:「特には…」
高 任:「ちなみに俺は、車よりバイクの方が…つっても、F1と違ってバイクの方は放送しませんからね、ほとんど」
吉 井:「夜中とかにやってたような…」
高 任:「まあ、最近は俺もほとんど見てませんが……個人の趣味でしょうけど、車よりバイクの方がコース取りとかがシビアで楽しいです。車だと大体1対1ですけど、バイクだと5人ぐらいが固まって、1人のミスが周囲に影響を及ぼして、一番後ろの選手がさっと抜いていったりしますし…やっぱり、複数人の思惑が絡んでる方が」
吉 井:「俺は、バイクのそういうとこがあまり好きになれないんだけど……まあ、そのあたりは本当に個人の趣味というか」
高 任:「車なら、俺はラリーですね」
ラオウ:「んー、もうちょっと俺がわかる話題にしていただきたい(笑)」
高 任:「むう、これは失礼」
ラオウ:「というか…なんか、今回はやたらスポーツネタが…」
吉 井:「スポーツの秋ですし」
ラオウ:「そういや……今年はやっぱり阪神ダメですか?」
高 任:「ダメでしょう……というか、良く粘ったと思いますよ。今ぐらいに中日が優勝決めるだろうと思ってましたし」
ラオウ:「……なんか、こう阪神と違って、中日の扱いって悪くない?」
高 任:「某落〇監督が嫌われてますから……後、中日と阪神なら、阪神が優勝した方が経済効果が大きいなどと、情緒のない方もいらっしゃるし(笑)」
吉 井:「経済効果で決められたら、スポーツもうかばれんよなあ」
ラオウ:「なんで〇合監督嫌われてるの?」
高 任:「まあ、マスコミウケが悪いというか……すっごい極端な例を挙げると、『なぜあそこでそうしたか?』って質問に『説明してもアンタ達には理解できねえよ』などと(笑)」
ラオウ:「なるほど」
高 任:「まあ、本当にそういったかどうか怪しいですけど。日本のマスコミって、気にくわないことがあると、あることないこと書きますし……結局、〇合監督はマスコミを喜ばせるような発言をしないってあたりが真相でしょうね」
ラオウ:「取材にならない…ってとこか」
高 任:「そういう意味では、個人的に某巨人の監督はすごいらしいですよ。どんなに惨敗しても……他の人なら『今日は勘弁してよ』とか『ノーコメント、話すことはない』などとばっくれてしまうような時でも、ちゃんと対応してるそうですし」
吉 井:「へえ」
高 任:「まあ……それにしても、5月に入った頃は今年は絶対巨人優勝とか言ってたのが嘘のようですな(笑)」
吉 井:「すごい負けッぷりだったし」
高 任:「まあ、故障者続出なのは確かで…故障者続出といえば、今年のオリックスはすごかったですよ。もう、怪我人の嵐で……なんせ、ベンチ入りするピッチャーの数が足りなくなるぐらい怪我人が出ましたし」
ラオウ:「足りなくなるって?」
高 任:「いや、ベンチ入り25人で、大抵はピッチャーを9人ぐらい入れるのよ……それが、7人とか6人とかしか入れられない状態で……そりゃ、試合にならないというか…なんせ、今年は楽天と壮絶な最下位争いでしたし(笑)」
 
 
高 任:「まあ、野球人気が凋落……とか言ってますけど、考えたらあそこまで野球に偏っていることが異常であって、本当ならいろんなスポーツを楽しむのが普通ですよね」
ラオウ:「とはいえ、競技人口が分散したら、それはレベルの低下を生むんだが」
吉 井:「金も集まりませんし」
高 任:「まあ、それ以前に……公園でキャッチボールができない時代ですからね。野球とかじゃなくて、子供がスポーツそのものをできないというか、楽しめない傾向なのに、いくら各分野で御輿を担ぎ上げても、まずはそのあたりから始めないとどうにもなりませんよね(笑)」
ラオウ:「道路で遊んじゃいけません、公園でボール投げたり蹴ったり、走り回ってはいけません……じゃあ、家でゲームするしかないよな(笑)」
吉 井:「そう…ですよねえ(笑)」
高 任:「この近所でも、道路を挟んで壁にボールぶつけたりしてる子供いますけど……なんか見てるとかわいそうに思いますもん」
ラオウ:「まあ、俺や高任さんは田舎出身だから、同世代でもそういう意味では恵まれてたかもな」
高 任:「まあ、田舎だとキャッチボールの相手がいないんですけど、どっちがアレですかね(笑)」
吉 井:「それは……今の子供もそうでは?」
高 任:「まあ、それなりに上達するとキャッチボールにはあんまり場所は必要ないんですけどね。中学野球レベルになれば、学校の廊下で出来ます……つっても、30メートルか40ぐらいが限界ですけどね」
ラオウ:「そういややってなあ、お前ら」
 
高 任:「野球部全員、職員室の前で正座させられましたけどね(大爆笑)」
 
吉 井:「え?」
高 任:「いや、窓ガラスが割れたらどうするって」
吉 井:「危ないからと違うのっ?」
高 任:「田舎では人の命より、窓ガラスの方が大事ですから(笑)」
ラオウ:「こらこら(笑)」
高 任:「つーか、キャッチボールより、雨で濡れた廊下や階段を全力ダッシュする方がよっぽど危ないでしょ(笑)」
ラオウ:「……言われてみると確かに(笑)」
 
 もう、話がぐだぐだに。
 
ラオウ:「そういえば…結局、某小泉さんは最後までもってしまったねえ(笑)」
高 任:「もちましたねえ」
吉 井:「20年後、50年後の人間がどういう評価を与えるのか非常に興味があるけど」
高 任:「あれほどマスコミにたたかれ続けて、その上で任期を終了ってのは非常にレアなケースでしょ(笑)」
ラオウ:「結局は規制緩和がらみで、政治家じゃなくて社会の実力者には都合がよかったからだろ」
吉 井:「みもふたもない言いぐさですね(笑)」
高 任:「そういや、格差社会がどうのこうのいってる人がいますが……基本的に、資本主義って格差を付けるためのシステム構造ですよね?」
ラオウ:「まあ、そのとおりやけど、おおっぴらに頷くわけには。ほら、みんしゅしゅぎの建前があるし」
吉 井:「子供の頃から感じてましたけど、基本的に資本主義と民主主義は相容れませんよね?」
高 任:「学校の教師が生徒にそれ言ったら、多分クビです(笑)」
ラオウ:「いや、豊かになるために資本主義のシステムがあると信じ込んでる人もいるでしょうし」
高 任:「豊かになるも何も……じゃあ、一生生活できるだけの金を稼いで、遊んで暮らすのが目的の人は結構いると思いますが、ここで仮に全員が、現段階の一生を過ごすのにかかる費用を手に入れたとすると、さて、遊んで暮らせるかというと無理なんですよね(笑)」
ラオウ:「遊ぶのはもちろん、生きるために必要なサービスが提供されませんから……全員が遊ぶってのは不可能」
高 任:「サービスの供給が途絶えると……まあ、値段がつり上がるわけで、その値段を払えないモノから労働に従事する必要が出てきて、その値段でも払える人間だけか遊んで暮らす」
吉 井:「身にしみるね」
高 任:「システム云々でいうと、資本主義ってのは人のモチベーションも絡めて効率よく必要な生産を行うシステムで……基本的に、社会主義というか計画経済の場合、社会を維持するために必要な生産があり、それらを全員で均等に割り振られているわけですよ」
ラオウ:「いや、それは資本主義も同じだが」
高 任:「いや、資本主義の共通価値は貨幣ですから……効率よい生産のため、各個人はある特定の仕事に従事し、その成果を貨幣という物差しで測られ、それをもって自分が生活するためのサービスと交換する……極端な話、金を払って己のノルマをこなすための他人の労働力すら買うことができる」
ラオウ:「ああ、はいはい、そういう話ね」
高 任:「つまり……社会というか、実際は各国人の欲望の積み重ねなんだけど、要求されたサービスを生産するための労働が必要ってことは……人間が楽をしたいと思えば思うほど、社会全体での労働力が必要とされるわけよ(笑)」
吉 井:「…あれ?」
ラオウ:「吉井さん、今高任さんは聞く人間をだましにかかってますから」
高 任:「騙すとは失礼な……基本的に間違ったことは言ってないよ(笑)」
ラオウ:「まあな」
高 任:「資本主義ってのは結局植民地政策と同じ性質を持ってると思ってるので……拡大がとまればそこで破裂するしかなくて。全世界を民主主義やら資本主義が席巻し、全ての労働力が社会の要求するサービス…それはつまり人間の欲望と置き換えても良いけど、それに応えられなくなったとき…新たなシステムを構築しなきゃいかんのですが…そう遠い未来でもないよね」
ラオウ:「高任さん、わざとだろうけど、今なんか重要な部分をスルーしたな(笑)」
高 任:「わかりますか」
ラオウ:「わかるよ、そりゃ」
吉 井:「でもまあ、それなりに説得力が」
高 任:「まあ、社会的に要求されたサービスをそれぞれが分担して供給しているのは紛れもない事実で……格差ができて当然でしょ。はっきりいって、これまでの日本でそういう症状があまり目立たなかったのは、国内ではなく海外との格差があったからやん。経済そのものが世界規模になった現在、海外なら良くて、国内で格差が付くのはけしからんとか言ってる人間は、その論理の矛盾に気づいていないのかいないのか」
ラオウ:「他人が殴られてるのは我慢できるけど、自分が殴られるのはイヤなんだよ……人間の真理やん」
吉 井:「ラオウさん、それを言ったらおしまいです(笑)」
高 任:「そういや、『金を稼ぐのは悪いことですか?』などと人前で言った馬鹿がいましたが…」
ラオウ:「人前じゃなきゃねえ(笑)」
高 任:「資本主義というシステムの宿命はさておき、社会が資本主義を選択したのは、豊かさの追求とかより、社会全体の幸福のためなんですよね。そこまで考えたら社会全体の幸福に導かない行動は悪いことですよね、建前として(笑)」
吉 井:「建前って…」
高 任:「いや、あの発言に対してきちんと反論してる人ほとんどいませんでしたやン。大抵が感情論で、後は資本主義とは別の道徳論とかで、やっかみと取られても仕方ないような意見ばかりで」
ラオウ:「阪神ファンは仕方なかろう(笑)」
高 任:「いや、それは確かに(笑)」
吉 井:「感情論万歳(笑)」
高 任:「つーか、詳しい説明は省きますけど、あの手の行動って資本主義というシステムそのものを疲弊させるんですよね。資本主義というシステムを利用しながらシステムを疲弊させる……そりゃ、資本主義という観点から絶対悪です」
ラオウ:「うん、でもそれ言っちゃうと、今現在の経済システムそのものが…(笑)」
高 任:「ええ、だから誰も言えなかったんでしょうね……民主主義的な資本主義を突き詰めると、金儲けは悪いことですから(笑)」
吉 井:「そうなの?」
高 任:「吉井さんさっき、民主主義と資本主義は相容れないって言ったじゃないですか……民主主義における資本主義で、金儲けは悪ですよ。ただし、金儲けってのは他人よりも…の意味合いでですけど」
ラオウ:「例によって、かなりごまかしが入ってますな(笑)」
高 任:「わかりますか」
ラオウ:「わかるよそりゃ(笑)」
 
 
高 任:「そういえば……すんごい古い話で申し訳ないんですけど、某プロジェクト〇が終わってしまいました」
ラオウ:「え、そうなん?」
吉 井:「去年の年末ぐらいだったっけ?」
ラオウ:「あんまり見てないけど、ついにネタがなくなったか…」
高 任:「いや、なんか元々100回で終わる予定だったとか言う噂を聞いた」
ラオウ:「え、100回もやったん、あれ?」
吉 井:「個人的には……後半になるほど、ネタがしょぼくなった…とかいうとリアルの関係者に怒られそうですが(笑)」
ラオウ:「まあ、どれも同じノリでやってたから、マンネリもあるのでは?」
高 任:「つーか最終話ちょろっと見て、がっかりしましたわ」
ラオウ:「え?」
高 任:「いや、後のDVD発売とかの絡みも含めての編集なのかも知れませんけど……普通、最終話なんだから、こう、ラストできっちりなんかやるのかなと思ったら、結局いつものようなノリで、最終話とか関係なく終わったと言っても差し支えなかったぐらいで」
吉 井:「そうなの?」
高 任:「こう、俺だったら…100回目のエンディングが流れる……で、その最後の最後に、『この番組は100回を数え、終了するが…今こうしている間にも、名もなきプロジェクトが日本の、いや世界中で進行しているに違いない。これまで放映してきた数々のプロジェクト…その根底にあるモノは、あきらめない心であり、挑戦することであった……それは、人が生きるということに密接につながっているように思われる。人が生きると言うこと、それは未来に希望を見いだすことであり、あきらめないこと、挑戦すること……そう、人が生きると言うこと、それ自体がプロジェクトなのだ。』とか、渋めの声優さんに語らせるか、こう白い文字なんかで、『この世にを受けた人の数だけプロジェクトがある』画面に刻みこんだりする演出があってもええんとちゃうの?」
ラオウ:「ちゃうの?と言われてもなあ(笑)」
吉 井:「相変わらずさらっとそういう台詞が出てくるよね、高任君は(笑)」
高 任:「いや、甘々の文章なんか書いてると、そういう台詞がさらっと出てこないと困るので(笑)」
吉 井:「最近はそうでもないけど、一昔前のギャルゲーなりエロゲーのイベントって、こう、台詞込みのイベントが多かったですよね。この台詞はあのイベント…という感じに、台詞が一人歩きしたり」
高 任:「んー、俺の知ってる人……と言っても、知り合いの知り合いの知り合いレベルですが、シナリオだけじゃなくてそこら中の人間集めて『ここで殺し文句が必要なんだよぉっ!おまえらもっと真剣に考えろぉっ!』などとせっぱ詰まったやりとりがあったとかなかったとか(笑)」
ラオウ:「せっぱ詰まってるなあ、それは(笑)」
高 任:「ある意味イベントそのものがキャラ化というか記号化してた頃ですね。パターン化とはちょっと違って、その記号を認識させるために独自の台詞が必要というか…」
ラオウ:「わざわざ小難しい言い方せんでも、あのゲームと言われて最初に浮かぶのがキャラだったりイベントだったりってだけの話だろ」
高 任:「ラオウさん、そんなみもふたもない(笑)」
吉 井:「あ、でも……考えてみれば、こう、ユーザーの印象に残る決め台詞を、必死になって考えている人がいるんだ(笑)」
高 任:「吉井さん、何をしみじみと(笑)」
吉 井:「いや、なんとなく」
ラオウ:「そういや、マガジンでしたっけ?女子高生の人形をおっちゃんが操ってる漫画」
高 任:「ああ、あったなあ…つーか、あるなあ」
ラオウ:「あれって、一部の人間にとってある意味すごいシニカルな漫画なんだよな」
高 任:「…というと?」
ラオウ:「いや、高任さんが『チョコキス』でちびっこがどうのこうの言ってるやん……で、実際にはちびっこというキャラの作り手がいるわけで」
高 任:「ああ、はいはいそういう意味ね……要するに、このキャラ最高とか騒ぐのは、あの中年親父が操る人形最高って騒ぐのと本質的に同じってことと言いたいのだな」
吉 井:「うわ」
ラオウ:「うむ」
高 任:「甘いなラオウさん…俺はそれでも言うぞ、ちびっこサイコー(笑)」
ラオウ:「むう、鋼鉄の意志」
高 任:「それはそれとしてラオウさん、亜〇亜は?
ラオウ:「いや、別に何とも(笑)」
吉 井:「この2人って…」
 
 

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