いつものごとく、雑談です……といっても、3人そろうのはめちゃめちゃ久しぶりだったりしますが。
 
 
高 任:「さて…」
吉 井:「しかし、なんというか…」
高 任:「……」
ラオウ:「……」
吉 井:「お久しぶりです、ラオウさん」
ラオウ:「どーも、お元気でしたか(笑)」
吉 井:「1年……以上ぶりですよね?」
ラオウ:「えーと、夏コミ、冬コミをそれぞれ1回ふっとばしてますから…そーですね、1年半ぶりぐらいですか」
吉 井:「そーですねえ…前の対談が、『ペット探偵』ですもんねえ(笑)」
ラオウ:「ですねえ」
高 任:「そういや、去年の夏コミって吉井さんもいなかったんですよね…ラオウさんって今度の夏コミに来られたら1年半ぶりですか?」
ラオウ:「(しみじみと)1年半ぶりだなあ…」
吉 井:「失われた同人誌が、段ボール2箱か3箱分ですね(笑)」
ラオウ:「そ、その表現はちょっと…」
高 任:「まあ、何はともあれ、今回も夏コミ当選したですよ」
吉 井:「4期連続ですか」
ラオウ:「高任さん」
高 任:「何よ?」
ラオウ:「怒らないから正直に言ってみ?キミは、誰かを脅迫したり、買収したりしてはいないかね?(笑)」
高 任:「してません」
ラオウ:「じゃあ、なんでよ」
高 任:「それはこっちが聞きたい(爆笑)」
吉 井:「相変わらず幸せに慣れてないなあ、うちのサークル(笑)」
高 任:「まあ、一応の推測として……ギャルゲーサークル総数が減少というか、イメージで言うと申し込み時点でゲーム10種類で500サークルだったのが、ゲーム80種類で400サークルみたいな感じになってるんではないかと」
ラオウ:「なるほど。総数は減ってるけど、ジャンル総数が増加して、ギャルゲージャンルとしての総数をおいそれとは減らせない状況による倍率低下の影響だと?」
吉 井:「まあ、チョコキスはウチだけでしょうし」
ラオウ:「すでにチョコキス以外の何かに変質しているような気もしますが」
高 任:「ついでに言うと、最近申し込み書類の不備(記載ミス)が全体の2割ぐらいあるそうだから、実質的な競争倍率は下がってるかもしれない(笑)」
ラオウ:「は、2割?」
高 任:「聞いた話ですけどね……でも、その計算だと5万サークルが申し込んできたとして、1万サークルがきちんと申し込みできてないと言うことに(笑)」
吉 井:「とか言ってると、高任君がやってしまうんだよ(笑)」
高 任:「書類不備による落選の場合、きちんと『不備』って記載されるらしいんだが……したことないので、本当か嘘かわかりません」
吉 井:「そういや、この夏コミからネットで申し込みができるようになったとか聞いたけど?」
ラオウ:「そうなんですか?」
高 任:「らしいですね…なんか、余計に金がかかるらしいですが、忙しくて郵便局による暇のない人にとっては便利でしょうでしょう。ただ、サークルカットとかそっちで描かなきゃいけないんでしょうけど」
 
 ちょい脱線。
 
ラオウ:「ま、それはそれとして……何かの話のネタになるかと思って、この前高任さんと一緒にメイドカフェ行って来ましたよ(笑)」
吉 井:「メイドカフェですか」
ラオウ:「いや、1年ぶりぐらいに秋葉原行ったら、メイドさんが歩いてるは知らないビルが建ってるわ……こう、無意識に『秋葉は死んだ…』などと呟いてしまいました」
高 任:「メイドさんのいる、パチンコ屋ができるぐらいですからね…確かにある意味死んでると思います(爆笑)」
吉 井:「で、死んだ秋葉でメイドカフェに行って来たと(笑)」
高 任:「いや、個人的にはメイドカフェより執事カフェに行きたかったんですが、場所がわからなくて(爆笑)」
吉 井:「し、執事カフェですか…何やら、大人気らしいですね」
高 任:「まあ、乱立してるメイドカフェに比べたら、社員教育というか、情熱のベクトルの総量が違うみたいですな、聞いた話によると」
ラオウ:「あ、誰か知り合いは行ったことあるんだ?」
高 任:「いや、間接的に伝わってくる噂ではみな大絶賛というか。知り合い……レベルだと、例のおっきなおねーさんぐらいで(笑)、1年以上前から『メイドカフェがあるのに、どーして執事カフェがないのよっ、くきーっ!』とか言ってた剛の人だから、もうオープン直後に速攻かましたらしいです(笑)」
ラオウ:「んー、行ってみたかったな」
高 任:「あ、ラオウさん…聞いた話によると、なんか場所がわかっても今や予約いっぱいでなかなか入れないらしいですぜ」
吉 井:「予約いっぱいっ!?」
ラオウ:「つーか、カフェで予約って何?」
高 任:「さあ……詳しくは未確認ですが、それだけのクオリティを維持しようとしたら、そうなるんじゃないですか?メイドカフェなんか、あの有様でしたし…個人的には、面白くも何ともないというか」
吉 井:「あれ?ダメだったんですか?」
ラオウ:「いや、『ご主人様4名お帰りです』の台詞には笑えましたが」
高 任:「ご主人様4名って、どんな屋敷やねん!(爆笑)」
ラオウ:「まあ、確かに心の中でツッコミ入れましたけど」
吉 井:「冷静に考えたら、店の中ご主人様だらけですし(笑)」
高 任:「101匹ご主人様(大爆笑)」
吉 井:「ご、ご主人様に匹はどーかなあ?(笑)」
ラオウ:「いやあ、無料で振りまくスマイルの裏では、『ちっ、このクソオタども、うっぜーんだよっ!』とか心の中で叫んでるメイドさんはいるでしょう(笑)」
吉 井:「ラ、ラオウさん…」
高 任:「と、いっても……そもそも客がそういう振る舞いができないのでは?アンミラでフォーク床に落として、店員さんに拾って貰う…みたいなことはできるような状況でもないでしょうし?」
ラオウ:「何よ、そのフォーク床に落としてって?」
高 任:「いや、そんで店員さんの胸元をのぞき込むんだそうだ(笑)」
ラオウ:「……」
高 任:「ちなみに、アンミラってのはこう、胸を強調するような制服の…っていうか、まだアンミラってあるんですか?」
ラオウ:「そーじゃなくて、そんな客、いるの?」
高 任:「そりゃ、荷物にカメラ仕込んで盗撮するような客がいるんだから、偶然かどうかはさておきいるだろうとも」
吉 井:「ウエイトレスは、顔で笑って、心で呪って(大爆笑)」
高 任:「既知外に刃物、戦争既知外にヤマトといいますが、ウエイトレスにデスノートってのはどうでしょう?(爆笑)」
吉 井:「怖い、それは怖いよ、高任君」
高 任:「客の何割ぐらい死にますかね?(爆笑)」
ラオウ:「そういや、連載終わったねえ」
高 任:「終わりましたけど、アレは…」
ラオウ:「まあ、元々緻密も何もコロンボ形式でしたからね。個人的には一応読んでおくか、のレベルでしたが、何を勘違いしたのか、ラストで妙に思想的テーマを…(怖いので以下省略)」
吉 井:「(やけに慌てて)いやもう、メイドさんやらウエイトレスは大変だよねえっ」
高 任:「大変といえば、なにやらメイドカフェ閉店後にバイトの女の子が店から出てきたところを誘拐されそうになった事件があったとか」
ラオウ:「マジですか?」
吉 井:「何考えてるんだか…」
高 任:「バイトの女の子誘拐する行動力を発揮するぐらいなら、彼女作って土下座でもして頼み込むか、正真正銘の金持ちになってリアルメイドさんを雇うぞ…ぐらいに、アグレッシブに生きた方がよいと思うけど」
ラオウ:「いや、多分リアルメイドさんでもやったらいけないことだと思うぞ、その犯人が望んでたのは」
 
 また脱線。
 
ラオウ:「しかし、去年から今年にかけて、総選挙やら、阪神優勝やら、某ナカムラが嘘で固めた本を出したとか、耐震偽造とか、どこかの馬鹿が捕まったとか……話題には事欠かないですが、どのネタをいきます?」
吉 井:「どのネタも、もう古いです(笑)」
高 任:「何よ、某ナカムラの本って?」
ラオウ:「ん、タイトルが『ごめんっ』だったか……早い話、例の裁判の顛末というか……日米の司法制度の差異に対する嘆きというか、研究者の地位を高めるために頑張ったけどこんな結果に終わってごめん……ってな感じに、足りない分を少しでも印税で取り返してやらあってな本だよ。例によって、自分に都合のいい嘘で塗り固めた、ステキな内容になっております」
吉 井:「日米司法の差異って……それ、どっちが正しいとかの問題と違いますやん。結局、一部の研究者にとって有利なのはどっちか……という話ですよね」
ラオウ:「いや、まあ……基本的に人間って生き物は、自分に有利な制度を正しいとするから」
高 任:「また、実も蓋もないですな」
ラオウ:「まあ、そんな本買って某ナカムラの懐を暖めてやる必要はありません(笑)」
高 任:「本と言えば、なんか去年の夏頃だったかな。『新卒はツライよ』とかいうのが面白かった……というか、読んでて泣けたな。ただ、あの本を読んで泣けたり、笑えたりするする人間が多ければ多いほど、日本の会社ってのは病んでるなあと思うわけで」
吉 井:「なんですか、テーマは読書の秋ですか?(笑)」
ラオウ:「いや、テーマにできるほどネタがないです…っていうか、今は夏です(笑)」
高 任:「パソコン壊れてたから、わりと本を読む時間はありました(笑)」
吉 井:「何故さっさと直さないかなあ」
高 任:「お金がなかったから」
吉 井:「だったら仕方がないね(笑)」
ラオウ:「いや、何でお金が?」
高 任:「悪い歯医者さんに捕まって4ヶ月ほど治療に時間の金を奪われて、さらに春先に年金代を稼ごうとして競馬で失敗したから(笑)」
吉 井:「ギャンブルはやめようよ」
高 任:「なんというか……個人的に年金否定論者なので、できる限りまともに稼いだお金で支払いたくないのですよ(金)」
ラオウ:「や、金は金だから」
高 任:「まあ、競馬で稼ぐ…なんて甘い考えは持ってませんよ。冗談抜きで競馬で食ってる人を一人だけ知っているのですが……なんというか、あそこまでしなけりゃ勝てないかと思うと、普通に仕事やった方がましです」
ラオウ:「はい?」
高 任:「競馬中継は、ケーブルテレビかなんかと契約して全部録画。月曜から火曜は、その録画したレースをパドックも含め最低でも3回は見て、各馬のコース取りから始まって、実走距離からラップタイムの計算……やらを、丹念に分析して、自分なりの指数を整理しつつデータとして蓄積」
吉 井:「うわ」
高 任:「水曜、木曜は各馬の追い切り調教タイムの分析というか、過去のデータから調教の変更とかなかったかを丹念にチェック。金曜は週末のレースに向けて出る馬の調子が良かったとき悪かったときのパドックのデータを引っ張り出して確認および、ラップタイムや騎手の傾向などから分析してどういうレース展開になるかを…」
吉 井:「意味はよく分からないけど、とりあえず大変そうだ」
高 任:「生活のほぼ全てが競馬に向かってて、娯楽の時間なんかまったくないらしいんですよ。まあ、中学の頃からやってたらしいけど、どう考えても趣味のレベルでは、レース予想の時間が足りないらしいです。結局、その人にとっては競馬は仕事な訳ですな。それでも、時々無性にさいころでも振って買い目を決めたくなるときがあるそうです(笑)」
ラオウ:「どの分野でも楽して金は稼げないと言うことですな」
高 任:「そこまでやってて、アクシンデントが発生したら絶対の自信を持った予想ですら外れるときは外れるらしいですし(笑)」
吉 井:「しかし……競馬で食ってる人って本当にいるんですか」
ラオウ:「食ってると言っても、ピンキリでしょう。俺の感覚としては、少なくとも普通に働くより稼いで初めて食ってると言えると思いますが」
吉 井:「それを言うなら、普通に働いた給料もピンキリでしょうに(笑)」
ラオウ:「それはそうですが」
高 任:「でも、それまできちっと勝ってた人でも、ちょっと歯車が狂ったらいきなりダメになるケースも多いとか。だから、10年以上きちっと結果を残して、初めて競馬で食ってる…という表現を使えるかなあ…とかその人は言ってましたよ。2年3年じゃお話にもならないねって」
ラオウ:「シビアな世界だ」
 
高 任:「元々、不意に連絡をくれて面白そうなレースを教えてくれた人なんですが……ここ1年ほど音信不通なのがすげえ気になります(笑)」
 
ラオウ:「……それは、歯車が狂ってしまったのでは?」
吉 井:「それにしても、なんでそんな知り合いが…」
高 任:「いや、大学の時、阪神競馬場でちょっと(笑)」
ラオウ:「学生は馬券を買っちゃいけない」
高 任:「あ、去年から20歳以上だったら学生だろうがなんだろうが買ってもおっけーになりました」
ラオウ:「え、そうなの?」
吉 井:「(ぼそっと)…去年から良いということは、高任君の当時では…」
高 任:「まあ、学生の立場でむやみに射幸心をあおるギャンブルは…とか言ってたのが、売り上げが落ちてきたせいか、将来のカモをいち早くゲットとばかりの方針転換がなんともはや(笑)」
吉 井:「まあ、所詮は金ですか」
高 任:「去年のディープイ〇パクトなんかも無理矢理盛り上げようとしてひどかったよ?3冠目のレースの菊花賞なんか、ディープのポスターやもん。すでに、ディープ以外勝つんじゃねえってなオーラがひしひしと(笑)」
ラオウ:「……普通、去年の勝ち馬とかだよね?」
高 任:「なんだけどね……もう、去年は『よっしゃあ、強い馬が出てきた。これをプッシュして、馬券の売り上げアップをねらうぞっ!』的な狙いがあからさますぎて」
ラオウ:「まあ、勝ったし」
高 任:「有馬記念で負けたとき、JRAの関係者が勝った馬に対して舌打ちしながら、『余計なことしやがって』と言ったとか言わないとか(爆笑)」
吉 井:「じぇ、JRAの関係者が、ですか?」
高 任:「まあ、単なる噂ですが」
 
 
高 任:「さて、もうすっかり旬が過ぎてしまった耐震偽装の件ですが(笑)」
ラオウ:「むう、何やら高任さんの目が危険な光りかたをしている」
高 任:「私の実家は、小さいながらも建築というか土木業を営んでまして……こう、テレビやら新聞やらでは出てこない色々なやばいネタがですね(笑)」
吉 井:「個人的には聞きたいけど、対談では勘弁して」
高 任:「まあ、真面目に語ろうとすれば何日もかかるネタだし。それを、テレビでは高々10分や20分でてきとーな事言ってますから、問題の本質はいつまでもほったらかしですね」
ラオウ:「じゃあ、偉そうにいう貴様。問題の本質とやらを、簡単に語ってみい」
高 任:「建築および土木業の特徴として、まず需給が不安定なことと、作業行程においてある程度の経験を積んだ職人を必要とすること、ほんでもって本質的に地域密着型職業ってのがあるのよ」
ラオウ:「ほう」
高 任:「最近はちょっと違う側面が出てますが……一昔前だと、たとえばT県で国体が行われます。それに伴って必要な競技場を作ったり改修したり、道路の整備とか…エトセトラエトセトラ」
吉 井:「某田中さんを中心として作り上げた分配システムですね」
高 任:「別に国体じゃなくても、建築および土木ってのは仕事が時期的に集中しやすいんですよ。で、そういう時期の100の仕事をこなすには100の力が必要なわけで」
ラオウ:「ふむふむ」
高 任:「で、仕事がないときは仕事の量が10ぐらいなんですよマジで(笑)」
吉 井:「そんな極端なの?」
高 任:「極端ですよ……最近散々たたかれてますが、年度末の予算調整のための工事なんかを考えると、1年というスパンの中でも仕事の需給ってのはかなり極端なことが多いです」
ラオウ:「で?」
高 任:「需要においつくための供給強化の段階があって、適切な供給量を越える、もしくは需要そのものが減少する事によって競争加熱となり、今度は減っていく…という流れになるんですが」
吉 井:「ああ、なるほど……ある程度の経験を積んだ職人さんが必要と言うことは、供給サイド側が需要の波に合わせた素早い生産調整をやりづらいと?」
ラオウ:「と、いうか…減らすのは簡単だけど、一旦減らしてしまうと、今度は増やすのが難しい職種という事か」
高 任:「まあ、極端なイメージで言うと、伝統工芸タイプですかね。もちろん、昔と違って現在はかなりそういう要素が薄まりつつありますけど、それはそれで問題があって」
吉 井:「と、いうと?」
高 任:「これもちょっと旬を過ぎた話ですが、今さらというかアスベストが問題になりましたやん」
ラオウ:「あれって、俺らが子供の頃に問題になったよな?」
吉 井:「なんかあの後バブル景気に入って、現場の要請に押し切られる形で、減少傾向にあったアスベストがまた大量に使用されたらしいです」
ラオウ:「愚民どもの命より経済優先か、うむ、さすが資本主義(笑)」
高 任:「話戻しますが、アスベストが問題になったから、いまちょっとしたアスベスト建築物解体バブルになってまして」
ラオウ:「ほう」
高 任:「で、元々アスベスト建築物解体には資格が必要なだけじゃなく、しっかりとした経験が必要な作業なんですけど……金になるというので、その資格拾得者というか、解体企業がどかんと増えまして」
吉 井:「……で?」
高 任:「結局、仕事を受けるためだけに資格を取った……そもそも、資格そのものはちょっとした研修を受ける程度のものでして。ろくな経験もない連中が、うろおぼえな知識を元にずさんな工事をしてアスベスト漏らしたりしてるみたいですね。あまりニュースにはなりませんが」
ラオウ:「……まあ、働いてる人は命がけだが(笑)」
高 任:「夏休みになると、小学校や中学校でアスベスト撤去工事が行われるところも多いんでしょうけど、まあ、近づかない方が無難でしょうね」
吉 井:「……イヤな話だよ」
高 任:「ちょいと話がそれましたが……本質的に地域密着型ってのが生産調整の困難さに拍車をかけるんですよ。高度経済成長の時ならいざ知らず、各地域ごとじゃなくて日本全国で見ると需要の波ってのはもうちょっと緩やかになるんですけどね、その地域ごとで将来必要とされるマンパワーをいろんな手段で確保し続けてきた……ってのがまず背景にあるんです」
ラオウ:「……全部じゃないにしても、談合やら、予算調整のための工事にかかった金が、その確保資金として流れた、もしくは流れ続けている、と?」
高 任:「まあ、基本的骨組みとしてはそんな感じ。結局談合を禁止するための政策とか言っても、基本的に談合するな…だけでしょ?本来、何故その問題が起きるのか、その原因をどうやって取り除いてやるか……ってのが政治のあり方のはずなんですが。人間の欲望云々もあるだろうけど、システムとして金が流れるのには大抵は背景があるんですから」
吉 井:「うん」
高 任:「もちろん市場経済云々の仕組みが働けば、各地域ごとで業者の取捨がおこなわれ、それはやがて地域の枠を越え……理想で言えば、日本全国にまたがる建築業者が5つぐらいになって、全国レベルでの需要の波に対応…なんてのは、現実的に無理です(笑)」
ラオウ:「ふむ……それはそうと、それが何故耐震偽造につながるの?(笑)」
高 任:「色々あるでしょうけど、マンパワー維持のために金が流れにくくなったからってのは確実に原因の一つでしょうね」
吉 井:「……と、いうと?」
高 任:「これまた真面目に話すと長い話になるんですが…建築および土木の談合というか、あれの予算ってどういう風にして組まれるか理解してる人が少ないんじゃないかと」
ラオウ:「理解も何も……建築資材なり、なんなりのコストを積み上げて、後は企業としてどれだけの利益を見込むかなどを、計算するだけでは?」
高 任:「うん、資材とかは確かに計算できるよ……でもね、問題なのは人件費」
吉 井:「……ひょっとして、工事日数?」
高 任:「それです。工事に際して、職人さん……というか、複数の下請けの業者さんを押さえる必要があるんですが、何らかの事情で工事ができなくても業者さんは押さえておかなきゃいけないんですよ」
ラオウ:「ふむ」
高 任:「専門的な話は省きますが、建築および土木に関してのコストダウンってのは、実質問題、材料の劣化と、工事日数の縮小の2つしかないんです」
吉 井:「材料の劣化…はまずいよね?」
ラオウ:「いや、企業としては建築基準を満たしている範囲内というか、企業のメンツがかかっているとかいう工事じゃない限り最低水準でコストダウンをはかるでしょう(笑)」
高 任:「まあ、資材を搬入してすぐに現場写真を撮って、その資材を別の現場に」
吉 井:「ちょ、ちょっとちょっと(笑)」
高 任:「程度の差はあっても現実にそれはあります……それをやらないと赤字になる、会社がつぶれるという状態なら、大抵の人間はそれをやりますから。自分が死ぬことを考えたら、他人が死ぬ事なんて平気ですよ」
ラオウ:「むう」
高 任:「でも、それはどっちかというと最後の手段で……工事日数の縮小ってのがメインですね。逆を言えば、工事日数が増えれば増えるほど費用は増大します。でもね、冷静に考えて工事日数ってそんなポンポンと縮小できると思いますか?」
吉 井:「……」
高 任:「雨だと工事ができない、もしくはすすみが遅くなるってのはある意味、一部の現場を除けば常識なんですけど……だとすると、工事期間中にどのぐらい雨が降るかってのは計算しなきゃいけません」
ラオウ:「ふむ」
高 任:「さて、談合はありませんという状況でこの工事はなんとしても欲しいという時……やはり人間としては、いい天気が続き、滞りなく工事が進むってのを想定しますわな(笑)」
ラオウ:「まあ、な」
高 任:「もちろん、予備日ってのは想定するだろうけど…下手すると半年や一年という工事期間で、雨の降る日がたったの2週間とかいうふざけた予定になったりしてる事もあるとかないとか」
吉 井:「……」
高 任:「ビルの建築とかだと、工期日程縮小のために内装工事やら配管工事やら、とにかく気が狂うような数の業者さんを、昔なら今日はこの業者、明日はこの業者などと、日単位で調整してたわけですが、今はそれらを30分刻みのスケジュール組んだりするわけです、何時から配管工事業者入れて、一時間後に内装工事業者…みたいな」
ラオウ:「一つこけたら?」
高 任:「全部こける(笑)」
吉 井:「……」
高 任:「つまり最近の傾向として、多かれ少なかれ工事現場においては、仕事の質よりもスケジュール厳守って状況が多いんですわ…スケジュールオーバーすると赤字になるどころか、下請け業者との契約には、指定日時をオーバーすると違約金払ってもらいます…ってのもあるので(笑)」
ラオウ:「なるほど」
高 任:「もちろん、理想の状況において談合を認めるつもりはないけど……そもそも、公共事業において、まず自治体側が見積金額を算定するわけです。で、談合がなければ算定した金額の7割から6割の価格で落札されて……安上がりかほんまにっ?(笑)」
ラオウ:「おいおい」
高 任:「いや、だってそもそも自治体が、建築基準を満たすような工事を想定して、妥当な資材の費用を計算して、じゃあ、この価格から……で、落札するんですよ?もちろん、業者には有利なルートがあったりするでしょうけど、そもそも算定価格の6割とか7割の落札になるような計算した自治体の判断が変なのか?それとも、自治体の計算は妥当で、6割とか7割で工事できますよ〜という業者の方が変なのか…という、問題定義がなされたこと有りますかね?」
吉 井:「……むう」
高 任:「もちろん、自治体の計算が甘いのは認めますよ……でもね、俺は業者の計算も違う意味で甘いと思います」
ラオウ:「甘いかね?」
高 任:「そもそも落札てのは、基本的に請け負い事業なわけでしょ?実際にどんなけコストがかかろうとも貰う金額は同じで、安くあげれば利益が上がり、高くかければ赤字なる…と」
ラオウ:「で?」
高 任:「いったん請け負ったからには、結果として会社をつぶす事になったとしても最後まできちっと工事をおこなう……という覚悟を決めて落札に挑む業者がそんなに多いとは俺は信じられません」
ラオウ:「つまり、自治体の算定はアクシデントをも想定した費用なんだけど、業者のそれはアクシデントが起こらない前提による費用だと?」
高 任:「これまでの話で何となく想像つくでしょうけど、工事をおこなうに業者が複数の下請けと契約して、その下請けはまた複数の下請けと……で、結果としてたくさんの業者がそれぞれの思惑と事情を抱えて、利益を上げることと、スケジュール通りこなすことを優先するんですよ。ちりも積もれば…じゃないですが、予算と時間の余裕がない工事ほど恐ろしいモノはないです。もちろん、こんなこというと腐敗した業者側の言い分だ、この売国奴などとののしられるんでしょうけど(笑)」
吉 井:「いや、そこまでは」
高 任:「思うんですけど、日本って資本主義の限界というか市場競争の限界がある事と、コストの概念が希薄な人間が増えてきましたね」
ラオウ:「何をいきなり」
高 任:「いや、電話は安い方がいいとか、電気がどうとか……生活基盤インフラに限った事じゃないですが、消費者ってのは要求をある程度のところでとどめておかないと将来負の資産によるしっぺ返しを食いますよね。アメリカの電気なんか顕著な例ですけど、安いからこっち……じゃなくて、このぐらいが限界だろう…自分たちの安全のためにこれ以上の価格競争はさせるべきじゃないぐらいの理性と知識は持たなきゃいかんと思いますし、そもそも資本主義ってのは国民一人一人にめちゃめちゃ負担と責任がのしかかるシステムですからね。その負担を無視して、『市場原理は神様です〜♪』じゃ、民主主義と資本主義の名が泣くでしょ」
 
 ちょい脱線。
 
高 任:「さて、大きな話だけではちょいとイメージできない人もいると思うので、今度は細かい話というか、コンクリートに特化したお話を」
ラオウ:「よく続くなあ(笑)」
吉 井:「まあ、正しいか正しくないかはともかく、確かにテレビや新聞では話題にすら上らない話なので面白いことは面白いですが……対談の雑談ネタとしてはどうかと」
ラオウ:「まあ、だからこそ雑談かもしれませんけど(笑)」
高 任:「わりとニュースで採り上げられるのが、コンクリートの強度問題ですね。もっともコストがかからずに基準の強度を出すためには、砂や砂利がこのぐらいで、セメントがこのぐらいってな配合の職人(笑)がいるわけですが…で、コンクリって早い話、セメントと水との化学反応によるものなんですよ」
ラオウ:「そりゃそうだろう」
高 任:「で、建築基準法にコンクリの処理の仕方みたいなのがあって……たとえば、セメントと水との化学反応をきちんと起こさせるために3日の期間を与えること…みたいな(笑)」
吉 井:「え、そんなかかるの?」
高 任:「日差しの強い夏期においては、水分の蒸発を防ぐため、上部を毛布などの布で覆い、その布を水で湿らせるなどしてコンクリが本来の強度を発揮するように処置すること…などと、結構細かいんですな、これが」
ラオウ:「へえ」
高 任:「結局、コンクリの表面から水分が蒸発しちゃうと、コンクリの強度を出すために必要な化学反応が中途半端になっちゃうと言うか……実際に現場とか見てないとわからないかもしれませんが、夏の炎天下の現場とかで、コンクリの表面が風化してるような感じのとかは、特に危険ですね」
吉 井:「な、なるほど」
高 任:「さて、これからちょっとフィクションとして聞いてください(笑)」
ラオウ:「やばい話の枕詞だな(笑)」
高 任:「そう、あれは暑い夏の日……農村の水田の用水路工事があったと思いねえ」
吉 井:「……えらく具体的なフィクションだね」
高 任:「木で型枠を作り…」
ラオウ:「型枠って?」
高 任:「あ、コンクリを流し込むための囲いです……木で囲いを作って、コンクリが固まったらはずすんですけどね…一回使った木は再使用を禁ずるとか、型枠についてもこれまた細かい規則があって……例の耐震偽装でちょっと話題になりましたけど、最近は発泡スチロールで囲いを作り、そのままはがさずに防音材として利用する工法とかあって……だから安いんです…んなわけあるかっ…などとツッコミ入れましたけど(笑)」
吉 井:「むう」
高 任:「で、型枠作って後はコンクリを流し込む…もちろん、コンクリは生コン業者から買うんですけど…『おお、いい天気だから明日には乾いて工事が進むなあ』なんて感じに、当然次の日には型枠外して、コンクリに穴掘って柱建てたりすると、本当は基準法違反です(笑)」
ラオウ:「そ、そうか…」
高 任:「まあ、近くで生コン使ってる工事現場とかあったら観察すれば一発ですが、3日寝かせるとか、毛布かけて水分の蒸発を防ぐとかやってるとこ俺は見たことないです(笑)」
吉 井:「み、見たことないんだ…」
ラオウ:「つーか、ビルの工事なんか、ガンガン進んでるし」
高 任:「で、ビルなんかの大きな工事はさておき、小さな規模の工事だと生コンはミキサー車で運ばれてくるんですが……生コンって練るというか、ミキサー車が現場に到着する時間まで計算して作るんですよ。つまり、渋滞なんかでつかまったら、色々調節しないと、こう、おかしな生コンになるというか。反対に早く到着すると、現場でしばらくミキサー回転して待ってたりもします」
吉 井:「へえ…」
高 任:「詳しくはさておき、作り置きなんてできないモノなんですよ。何時に、どこの現場でどのぐらいの量の生コンが必要か……で、作って、ミキサー車で混ぜながら完成に近づいていく…感じで」
ラオウ:「なるほど、『生コンは、はやさが命じゃけんのう』というコマーシャルはそういうところからきてるのか(笑)」
高 任:「懐かしいなあ、そのフレーズ」
吉 井:「?」
ラオウ:「いや、T県のローカルコマーシャルです(笑)」
高 任:「で、このミキサー車の運転手は、何時にここ。その次には何時に戻って何時にここ……みたいな、スケジュールで動いてる訳で」
吉 井:「またなんかイヤな話に…」
高 任:「さて、生コンを型枠の中に流し込む時に……そりゃ当然、軟らかい方が作業が早いんですよ」
吉 井:「ん?」
高 任:「えーと、イメージで言うと、コンクリが硬いのはご飯をもくもく食べる感じで、軟らかいコンクリはお茶漬けかきこむような感じですか」
ラオウ:「わかりやすくはあるが、それは本当に正しいイメージなのか?(笑)」
高 任:「型枠に流し込むっていっても、幅の狭い型枠だったりしたら、ちょっと流し込んでは棒やバイ〇でならしたりしますんで、作業がストップアンドゴーになるんです」
吉 井:「いや、〇イブって…(笑)」
高 任:「多分想像通りですけど、こう、土木作業用のそういう工具があるのですよ…長さ1メートルぐらいの、振動する金属棒が(笑)」
ラオウ:「そのまんまですか?」
高 任:「正式名称は知りませんけど、基本的にはバイ〇レーションという名前で、バイ〇レと呼ばれたり、そのまんま〇イブと呼ばれたり……現場と作業員によっては女性には耐えられないぐらいのセクハラ発言飛び交います(爆笑)」
吉 井:「つーか、それは必要なの?」
高 任:「早い話、コンクリに細かい振動を与えて空気の泡を外に出すんです。中が空気の泡ですかすかのコンクリと、みっちり詰まったコンクリだと強度の差が出るのは当然ですしね。陶芸で粘土をこねるのも同じですし、デザート作りでも空気抜きが必須なのと同じですね」
吉 井:「なるほど」
ラオウ:「まあ話を戻すけど、型枠の形にもよるけど、結局コンクリが硬いと、流し込むのに時間がかかる事が多いのだね?」
高 任:「そういうこと。で…スケジュールに追われてる運転手の中には、『ああ、さっさと会社に戻らないとまにあわねえよ…』などと」
吉 井:「などと?」
高 任:「ミキサー車って、ホースとブラシがついてまして。最近はともかく、昔は道ばたで生コンのかすを洗ったりしてる光景を見たことあると思います」
ラオウ:「あるなあ……あの水は、車自体にタンクがあるんだよね?」
高 任:「そう……で、焦ってる運転手の中には、現場に到着する前に水入れちゃう人がいるんです」
吉 井:「入れるって…?」
高 任:「回転してるミキサーの中に」
ラオウ:「……それ、本来きちんと計算して配合された生コンに水入れて軟らかくして、作業時間を短縮するということ?」
高 任:「早い話がそう(笑)」
ラオウ:「そ、それって…」
高 任:「もちろん、やりすぎるとべしゃべしゃになってばれちゃうから、ばれないぐらいに軟らかくするのが運転手としての職人芸で、回数を重ねて経験を積むとか積まないとか(大爆笑)」
ラオウ:「おいおいおいっ(笑)」
吉 井:「それって、当然コンクリの強度は…」
高 任:「ダメダメに決まってるじゃないですか……でもまあ、運転手はそんなこと知った事じゃないですよね。他人の現場より、自分の会社のスケジュール守る方が大事ですもん(笑)」
ラオウ:「……」
吉 井:「……」
高 任:「もちろん、現場の監督が『おい、このコンクリやわ(軟らかい)いんちゃうんか?』などと文句を言うこともありますけどね」
ラオウ:「…そう言うときは?」
高 任:「とぼけて、『いや、ちゃんとやってると思いますよ』などと(笑)」
吉 井:「……」
高 任:「後、ミキサーとかでちゃんと混ざってない事もあるんですよ……途中、明らかに色が違うのが出てきたりとか、コンクリの出始めが水みたいなのが出てきたりとか…(以下略)……まあ、もう一回戻って作り直してきます…みたいなこともあるけど、結局力関係とかも絡んできますし」
ラオウ:「むう…」
高 任:「耐震偽装の設計図がどうのこうの言ってますが、金銭的に恵まれた工事じゃない限り、基本的に設計図通りの工事が行われているなんて考えない方がいいですよ(笑)」
吉 井:「き、聞くんじゃなかったな、この話…」
ラオウ:「え、えげつない…」
高 任:「いや、もちろんフィクションですから、安心してくださいよ(笑)」
ラオウ:「これほど虚ろに響く言葉も珍しいな…」
高 任:「後は、業者レベルで言うと本来使用するセメントを10%節約すると、10階建てのビル一つで(ぴー)百万ぐらいの金が浮くとか」
吉 井:「む、むう」
高 任:「セメントじゃなくても、コンクリに混ぜられてる砂とか砂利なんかは川砂を使うんです……っていっても、昔と違ってそんな選り好みができるような状況じゃなくなりましたが。まあ、海砂には当然ながら塩が含まれていて、そのまま使うとそれが化学反応を邪魔して強度がでないんで、実際は海砂の場合洗浄する手間がかかるんですよ。当然その手間の分コストはかかる」
ラオウ:「なるほど……つまり、金をかけたくないから海砂の洗浄もろくにせずに使ってしまう、と?」
高 任:「そういう業者もいるとかいないとか」
吉 井:「……」
高 任:「基本的に、セメントと水の反応ってかなりデリケートなんですよ。一番まずいのが糖分でしてね……生コン1トンの中に、オレンジジュース1リッター叩き込んだだけでいつまでたっても固まらない…みたいな話を聞いたことがあります」
ラオウ:「ほう」
高 任:「で、工事現場で生コンをうってる…じゃなくて型枠に流し込んでる最中に一休みしてる人間が缶コーヒーを飲んでて手が滑って生コンの中にちょっとこぼしちゃった…」
ラオウ:「うわあ」
高 任:「そんな基礎の上に建てられた家に住みたいですか?」
吉 井:「フィクションだよね?」
高 任:「もちろんフィクションですとも……だから、偽チョコでもちょっと書きましたが、工事の妨害なんてある意味簡単ですよ(笑)」
ラオウ:「…いや、それって、作業員とか知識として持ってないの?」
高 任:「どうだろなあ…少なくとも、土木、建築共に資格二級を持ってないとどんなに小さい工事でも現場監督というか、責任者にはなれないね」
吉 井:「その、二級資格にはそういう知識を持った人が…」
高 任:「そりゃ資格を取った当時の知識はあるでしょうけど、基準なんて年月と共に変わっていきますからね……あ、でも資格の更新なんかで研修があったかな?」
ラオウ:「そりゃ、あるだろう」
高 任:「でもまあ、人間は忘れることで生きていけますから(大爆笑)」
ラオウ:「うむ、至言だな」
高 任:「ちょっと話を戻しますが、砂に関しても最近の日本では川砂なんて無くて、海砂に関しても、採取規制がかかりまくるような現状で、昔は瀬戸内海が主な採取場所だったけど、今は九州が…といっても、いつ瀬戸内海と同じように規制がかかるかしれないけどね……ほら、10年ぐらい昔、広島で海砂採取の件で大騒ぎになったことがあったでしょ」
吉 井:「むう?」
ラオウ:「そういや、あったようななかったような……あ、結局全面規制になったあれか?採取業者全体が賄賂送って、みんながみんな規制をぶっちぎって採取してたやつか?」
高 任:「うむ、それそれ……まあ、規制をぶっちぎってやらなきゃいけないぐらい、ある意味必要なモノなんだけどね。で、じゃあ、今の日本はコンクリの砂をどうしてるかというと、中国からの輸入に頼っているのが現状で」
ラオウ:「ちょいまて」
高 任:「うむ、さすが察しがいいな(笑)」
吉 井:「会話のつながりが変だよ2人とも(笑)」
高 任:「ラオウさんが気づいたとおり、砂ってのはコンクリ建造において貴重な資源なわけで、中国は中国である意味建築ラッシュというか……近いウチに、中国から砂を輸入するのはできなくなると思う…というか、既に今年の5月から川砂の対外輸出を禁止したけど」
ラオウ:「国や業界はどういう対応を?確か、後10年ぐらいしたら、コンクリ建造物で大量の建て直しが必要とされる…ってな話を聞いたことがあるんだが」
高 任:「まあ、一応代替物ってのはあるんだけど……えーと、アスファルト舗装でつかう小石とかつくる採石場なんかで、もっと細かく砕いて砂を作るわけだ。砕砂っていうんだけど」
ラオウ:「ほう」
高 任:「ただ、岩を砕くための燃料代、岩の洗浄、洗浄した後の汚水の処理費用点…なんかで、現状ではほとんど採算が採算がとれないという話を聞いたことがある」
ラオウ:「ふむ」
高 任:「まあ、他にも鉄鋼を作るときに出る鉄鋼スラグ…だったかな?ただ、これは水分を含むと固まる欠点があって保管の面で問題があるし、コンクリート廃材から作る再生骨材とか……まあ、結局採算がとれないおよび、現状では安全性や質の保証ができないと言われてます。ついでに言うと、業界の間で危機感は高まっているけど、政治レベルでそれの対応策はほぼなし……まあ、にっちもさっちもいかなくなってからやっと腰を上げるお国柄ですし(笑)」
吉 井:「……って事は、今後コンクリート建造物のコストは跳ね上がる可能性が高いの?」
高 任:「既に中国の川砂輸出禁止で、海砂の値段が跳ね上がってます……このあたりは、株とかやってる人の方が詳しいのではないでしょうか?(笑)」
ラオウ:「コストが上がると、またいらんことをする業者が出てきそうだな(笑)」
高 任:「出て来るじゃなくて、ばれちゃうレベルでやっちゃう馬鹿が出てくるだけの話です」
 
 ちょい脱線。
 
高 任:「とにかく、俺が知る限り土木、建築は資格が細かいんです。公共工事の発注にしたって、この企業は4500万円の資格まで、特殊建築材を使用する工事だからここはダメ……で、実際はダメなとこに下請けで仕事が回ったりするんだけど(笑)」
ラオウ:「……確か、公共の工事の場合、下請けに工事の丸投げはダメとかいう決まりができたのでは?」
高 任:「禁止といわれても、そもそもやる気と技術があっても、工事を受注するための資格をもってない業者が多いのですよ、だから、資格を持ってる業者が受注して、その経由で金を抜かれて回ってくる…ってのが、基本的に丸投げの実態ですね」
吉 井:「でも、丸投げって…」
高 任:「うん、丸投げはダメだから書類上は現場監督に一人派遣してる…みたいな処理を。名義貸し…なんかもこのあたりから出てくるわけで(笑)」
吉 井:「むう」
高 任:「100万でとった仕事を、下請けに80万でそのまま発注とか……まあ、色々形はありますよ。設計図だけ書いて、下請けに現場作業だけをやらせるとか」
吉 井:「んー」
高 任:「丸投げされるごとに、実際の工事に対しての予算が減っていくわけだから……まあ、えらいことになりますよね」
ラオウ:「えらいことだよなあ」
高 任:「まあ…今はどうか知りませんけど、そもそも図面の読める人間がいない地方自治体なんて珍しくもなかったですからね。現場視察にきて何して帰るんだ、そもそも書類を提出させてもわけわからねえ人間が建築許可を出す…みたいな(笑)」
吉 井:「え?」
高 任:「国やら大都市はさておき、本当の意味での地方自治体なんてそんなレベルですよ…いや、だったんですよ」
ラオウ:「言い切るな言い切るな(笑)」
高 任:「いや、何というか……一級設計士の人数とか、ニュースで出てきたでしょ?ビルの設計なんぞ、一ヶ月以上もかかる仕事になるわけで。ビルを建てる数だけ審査する作業が必要で……生産側としての需要と審査側としての需要を考えると、はたして、地方行政レベルで必要な人数をそろえられますか?」
吉 井:「……」
高 任:「で、そのあたりが問題になって、阪神大震災の後に民間委託というか…そういう審査体制が穴だらけであることは抜きにして作られた……あたりは、またやたら面倒な話になるのでパス(笑)」
ラオウ:「うむ、聞き手としてもパスだ(笑)」
高 任:「……そういや、耐震偽装マンションを買った人間のインタビューで、『一生の一度の買い物だから、いっぱい調べて…』とか言ってる人が何人もいましたけど、結局調べてるのは、他の会社との比較だけみたいなんですよね。『なんでこんなに安いんですか?』との質問に『モデルハウスを造らないなどの徹底したコスト削減が…』ってな答えで納得してるあたりが…被害者には申し訳ないですが、俺としてはモノの値段を知らなさすぎではないかと」
吉 井:「そうかもしれないけど、現実問題として、そこまでは調べられないと思うよ」
高 任:「そりゃそーかもしれませんが……基本的に、資本主義の会社なんて信用しちゃいけないでしょ(笑)」
吉 井:「…相変わらずシニカルな」
高 任:「大学の時借りたアパートで痛い目見てますし(爆笑)」
ラオウ:「あれって、近辺でキミのアパートだけぶっつぶれたんだっけ?」
高 任:「そりゃ、一階の住人なんかドアが歪んで外に出られなくて、外から強化ガラスを叩き割って外に脱出させてあげましたし」
吉 井:「そんなアパート借りた高任君はどうなのよ?(笑)」
高 任:「親が、歩くの疲れたからここでいいとか言って決めちゃったんですよ……まあ、書類の建設時期は嘘っぱち、施工は手抜きで…そのおかげで、敷金礼金全額戻ってきましたけど」
ラオウ:「あんまこだわってないようやね」
高 任:「話のネタになるぐらいですかね……さっき吉井さんが言ったとおり、ここでいいと決めて借りたわけですから、それこそ自己責任でしょ」
吉 井:「いや、それはどうだろう…」
高 任:「というか、あのアパートで一番印象に残ってるのが隣に住んでたねーちゃんなんですよ。土曜日の夜7時になると、テレビに合わせてレイアースの主題歌を大声で歌い出すんです(大爆笑)」
吉 井:「あれ?レイアースの放送って土曜日でしたっけ?」
高 任:「土曜だったと思うんですが…?」
ラオウ:「って、何でレイアース?」
高 任:「それは俺が聞きたい。別に他のアニメの時間とかは静かなもんだったけど(笑)」
吉 井:「女性…だったの?」
高 任:「女性でしたよ、結構礼儀正しい人で、美人さんでした」
ラオウ:「でも、レイアース(爆笑)」
高 任:「そう、レイアース……まあ、アニメはともかく、歌に関しては俺も結構好きでしたが(笑)」
吉 井:「……夜の7時になるといきなり、『とまーらーない〜♪』とか聞こえてくるわけ?」
高 任:「その時だけテレビのボリュームも上げて、もう、デュエット状態(笑)」
ラオウ:「……男連れ込んでるのをごまかすためとか?」
高 任:「仮にそうだとしても歌う必要はないだろう(爆笑)」
吉 井:「熱唱する彼女のそばで、彼氏どんひき(笑)」
高 任:「歌が終わったら、テレビのボリュームも下げて静かになるんですよね……もう、何から何まで謎で(笑)」
吉 井:「そんなのってないようっ!(大爆笑)」
 
 かなり脱線。
 
高 任:「……とまあ、耐震偽装なんてのは、建築という仕事の中のごく一部に過ぎないわけで。今回の件で話題になるのはかまいませんが、その他の部分も同じようにやばいってのは心に刻んでおいた方がいいでしょうね」
吉 井:「聞いて良かったような悪かったような…」
高 任:「まあ、今の日本人のほとんどは、意識的、無意識的に関わらず自らもそのやばい部分に手を染めてますからね」
ラオウ:「まあ、長い歴史と経験を経てそれをある種の文化として作り上げた欧米と違って……一度、というか二度も三度も悲惨な目に遭わないと、ダメかもな」
高 任:「悲惨な目といえば、阪神大震災の直後にあの近辺で建てられた建物って、大抵が建築基準を大きく超えるほどの強度で建てられてるらしいですね」
吉 井:「そうなん?」
高 任:「基本的に、建築基準なんてのは、最低限これだけは確保しなさいってな決まりですから、強い分には問題ないんですよ」
ラオウ:「そりゃな」
高 任:「でも、仕事だからできるだけ利益が上がるように、基準ぎりぎりでやるわけですな、通常は」
吉 井:「……冷静に考えると、それって怖いね」
ラオウ:「ぎりぎりの設計を、ぎりぎりの工事で(笑)」
高 任:「戦争と同じで、日本人ってのは悲惨な経験をした直後だけ、まともになれるんですかね」
ラオウ:「まさに、喉元過ぎれば…というやつだな。まあ、人間らしいといえば、これ以上人間らしいこともあるまい(笑)」
高 任:「……ん」
吉 井:「どうしたの?」
高 任:「いや、要約しすぎてどうも中途半端な話になったなと」
ラオウ:「(時計を見て)かなりしゃべってたぞ、キミ(笑)」
高 任:「まあ…本気で問題の本質とか語りだしたら、もっと洒落にならないからなあ」
吉 井:「コンクリートの世界は奥が深い(笑)」
高 任:「夏になったら工事現場に行ってみよう。コンクリがどういう扱いを受けているか、目撃して恐怖に震えるがいい(爆笑)」
ラオウ:「俺としては、お前が住んでるこのアパートの方が怖いよ(笑)」
高 任:「震度4で、結構なスリルがある(爆笑)」
吉 井:「あからさまに傾いてるもんね」
高 任:「既に補強工事ができないらしい(笑)」
ラオウ:「おいおい」
高 任:「地盤の関係で基礎があれだし、建て直すしかない状態だからねえ」
ラオウ:「それを知ってなおかつ平然と住んでるキミをちょっと尊敬」
吉 井:「え、それは…大家さんとか管理会社が説明してくれたの?」
高 任:「吉井さん、大家さんや管理会社が住人に対してそんな説明するわけないじゃないですか(大爆笑)」
ラオウ:「そりゃそーだ…みんな逃げるし」
吉 井:「じゃあ、何でそんなこと知ってるの?」
高 任:「何ででしょうね(笑)」
ラオウ:「それはそれとして……土木、建築じゃないやばい話をしていいですか?(爆笑)」
吉 井:「ラ、ラオウさんまでなんですかっ?」
ラオウ:「いや、さっき高任さんが電話や電気の料金がどうとか言ってたでしょ……そっちに関しては俺もちょいとやばい知識がたんまりと(笑)」
吉 井:「もう勘弁してください」
高 任:「まあ、まとめると……どんな素晴らしい図面を引いたところで、現場まで徹底されない限りはただの落書きに過ぎないわけで(笑)」
ラオウ:「まあ、土木建築に限った事じゃありませんが(笑)」
 
 
ラオウ:「ところで、最近やたらとツンデレツンデレうるさいけど、アレは一体何?」
吉 井:「何と言われても、もうそのブームは駆け足のごとく(笑)」
高 任:「なんか最近は妙な使われ方をしてますよね……俺が知る限りでは、ツンデレってのは元々キャラをカテゴライズする言葉じゃなくて、キャラの状態を示す言葉だったはずなんですが」
吉 井:「はい?」
高 任:「だから、委員長タイプ…みたいな、キャラカテゴライズの言葉じゃなくて、各キャラのイベントなりシーンにおける状態を示す言葉だったと。一見ツンツンしてるけど、内心はデレデレっつーか、照れ隠しの固まりみたいな」
ラオウ:「一緒やん」
高 任:「いや、そういうイベントが出るキャラってある意味決まり切ったパターンになるでしょ。素直になれない、負けず嫌い…みたいなキャラ限定というか、そのあたりで、いつの間にかキャラカテゴライズの言葉に変化しちゃったんじゃないかと」
吉 井:「なるほど」
高 任:「で、それからさらに変化が続いて、『最初はツンツンしてるけど話が進むとデレデレになるキャラ』とか『好きな相手以外にはツンツンしてて、好きな人にはデレデレ』とか……もう、収集つかなくなってますね。以前の対談で出てきた誘い受けと同じで、きっちり他人に対して言葉の意味を説明できる人間はかなり少数じゃないでしょうか」
ラオウ:「……好きな相手にはデレデレするって、それはもう普通のキャラでしょう(笑)」
高 任:「キャラカテゴライズの言葉だとすると、好きな相手とつきあいだしたとしても照れ隠しとはいえツンツンしてるわけでしょ。そういうキャラが不可能とは言いませんが、ごく単純に、『おっときたきた、ツンデレイベント』とかいう使われ方が自然だと思います」
吉 井:「なるほど、『ツンデレイベント』ねえ…それは、なんかわかりやすい」
ラオウ:「……それにしても、何故ネット環境もない貴様が、そんな知識を無駄に持っているんだ?」
高 任:「うむ、生きるということ、それこそが勉強だからな(笑)」
吉 井:「間違ってる、勉強の方向を間違ってるよ高任君…」
高 任:「まあ、近年社会構造の複雑化が進んでる故に、どうしても一人一人の勉強は専門化せざるを得ないわけで…」
ラオウ:「難しい表現をしてごまかしているが、それって意訳すると『オタク』だよな(爆笑)」
高 任:「うむ、そういうことだ(笑)」
 
 
……例によって、ぐだぐだと。(笑)
 
 
 
 
 

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