あの、『いただきじゃんがりあん』を制作したスタジオみりすより10月に『月陽炎』が発売されてから既に1ヶ月あまり。
……感想日記(いただきジャンガリアン)であれだけ煽っときながらノーリアクションですか?
等という小姑みたいな嫌味が右耳から入って来て、そのまま左耳へと突き抜けていこうとしたところ、さらに左耳に叩き返してくれる知人を持って高任は幸せです……知人とはいえこういったリアクションを返してくれるだけでもありがたい事だと思ってしまうわけですが……このゲームをネタにして笑いを取ることはまず無理なんじゃあっ!
あれだけやる気パンパンでネタフリしときながらリアクションを返さない理由ぐらい察してくださいお願いだから。(笑)
しかし、感想日記のネタとして高任があてにしていたのは事実。
だとすると、だとすると……クックックッ。
ああっ、高任の純真で汚れのない心が何やらどす黒いものに侵略を受け始めました。右耳では黒い悪魔が、左耳ではどす黒い悪魔がその甘美な囁きをもって高任を……
……って、高任の心には悪魔しかいないのか?
注:これ以後の文章に高任の良心は一切関知しておりません。この感想日記を元にしてゲームを購入するのはチャレンジャーな姿勢だと断っておきます。
良心回路……オフ。
巫女さん……その言葉を聞いただけで脳内物質を垂れ流す人間にとって、巫女さんゲームというのは諸刃の剣です。何故かっつーと、リビドーを完全に突き抜けた思い入れがある人種はストライクゾーンが狭くなりがちだから。
ちなみに脳内物質の中で有名なのはドーパミンとエンドルフィンですが、ドーパミンは恋愛という感情で、エンドルフィンは愛情という感情で垂れ流されると言われてます。
ぶっちゃけた話、ドーパミンは『うおおっ、好き好き大好き絶好調っ!』てな感覚をもたらし、エンドルフィンは『はあぁ…心が安らぐねえ…』といった感覚をもたらすそうです。
つまり高任が眼鏡娘ゲームに対して異常に辛口になりがちなのは、多分ドーパミンによる効果と己の思い入れが深い分だけ、自分のツボとゲームの中に語られている傾向とのズレが壁になるなどの効果が絡み合って……るんでしょうなあ。(笑)
それはさておき、とりあえず、このゲームのテーマは巫女さん。(笑)
しかも、時は大正……大正デモクラシーの名の下に(一部)浪漫が花開いたといわれる時代の日本を舞台にして神話・伝説の糸に翻弄される悲しき一族がシナリオの根幹を……なんか、巫女さんはともかく舞台を想像しただけで胸がわくわくします。
もう少し正確に言うと、大正時代の日本は日本でも、その地方都市の、そのまたある神社(だけ)を舞台にした局所限定の大正浪漫というより巫女さん浪漫。(笑)
……ごめんなさい、神社と巫女さんに焦点当てられても高任的にはあまりわくわくしないです。とすると、このゲームは高任よりも吉井氏の守備範囲のような……これ以上書くと吉井氏がアップしてくれなくなるので書きませんが。(笑)
ただし、このメーカーの前作はアレ。(感想日記の『いただき…』を参照のこと)
物を作る集団というのは良作を作り出すことが大切ですが、多分『集団としてのカラー』を作り出すことも重要です。
で、高任が前作を通じて認識し、かつ新作に期待するのはもちろんアレ。(笑)
ここぞとばかりにツッコミまくれる(かつ楽しい)『カラー』を求めていたことは言うまでもありません。
つまり……『これでこそスタジオみりす!』と声高に宣言できる作風。
というわけで、僅かな期待と巨大な不安を胸に高任がゲームショップに向かったのは10月下旬の……何故かラオウさんとばったり出会ってしまう。(笑)
高 任:「……何をしている?」
ラオウ:「ここに来て、『何をしている?』は愚問とちゃうか?脳細胞の崩壊が一般人より早いペースで進行してるのか?」
高 任:「……何か嫌なことでもあったんかよ?」
ラオウ:「別に……で、高任さんは何を買いに?」
高 任:「いや、例の『月陽炎』を……」
ラオウ:「……ああ、眼鏡娘は1人もいないらしいが?」
高任、購入意欲3割減。(笑)
しかし……敢えて自分のストライクゾーン以外のボールに手を出すフロンティアスピリッツが人間には必要だ。自分好みの小説やゲームばかりプレイしていたら……それだけに限らず、自分好みの情報に埋もれていては裸の王様になってしまう危険性……などと自らに内包する炎を盛り立てて、眼鏡娘のことは忘れてこのゲームをと思った高任がパッケージを手に取ったところ、『隠れ巫女属性(笑)』との呟きが後ろから聞こえてきました。
高 任:「なぜゆえ?」
ラオウ:「いや、『俺の巫女さん』とかも持ってたし(笑)」
高 任:「ふっ、俺という人間はそういうカテゴライズに収まらない。悪いが、並じゃねえんだ、並じゃ…」
ラオウ:「並以下だからな」
どうあがいても口では勝てそうにないので、高任は気にしないことにしました。
家に帰り、クラスチェンジを……じゃなくて、紙袋からそれを取り出します。
CD3枚組……修正バッチファイルは同封されていないようです。(笑)
しかし、何やら『月陽炎』インストールディスクの中に『いただきじゃんがりあん』の修正バッチファイルが入ってるのは何故?
ちなみに、この修正バッチファイルは感想日記の中で述べた通り、バージョン1.6が最終のものみたいです。
そして、このファイルによって修正される項目が添付されていたので以下に記しておきます。
<製品版からの修正項目>
・一部の三連刻が認識されない不具合
・上がり牌を鳴いて、牌を捨てずに上がることができる不具合
・リーチのみのロン上がりが認識されない不具合
・小三元が3飜として計上されていた不具合
・役無しで上がれた不具合
・ドラのみで上がれた不具合
・役無しで上がったさいに”yaku099>指定されたイメージは存在しません!イメージファイルが破損している可能性があります!”とメッセージが出て終了する不具合
・WAVE再生処理の改善
・かおりのイカサマ強化
・子のダブリ−一発が人和と認識されていた不具合
・一気通貫が認識されない不具合
・セーブデータの日付表示不具合
・一部の加カンでフリーズする不具合
・一部の上がり形取得不具合
・四カンツ四暗刻単騎が認識されない不具合
・一部の鳴いた場合の一気通貫が認識されない不具合
・一部の鳴いた場合の三連刻が認識されない不具合
・一部の泣いた場合の3色同順が認識されない不具合
・リーチ牌が鳴かれているのに一発がつく不具合
・タイトル画面とロード画面がループする不具合
・リソースリーク改善
・メモリリーク改善
・一部の相手のツモ上がり時の当たり牌が正しく認識がされない不具合
・OPの音が鳴らない不具合改善
・鳴いた場合の三連刻が認識されない不具合修正
・東場東家の東頭、南場南家の東頭の時、無条件でピンフがつく不具合修正
・待ち牌取得及び、上がり形取得において、刻子と認識できる形の順子(例:12223)の認識がされない不具合
・リーチ後一部の暗カンが出来ない不具合
・国士無双がどんな牌でもツモ上がり出来る不具合
・綾子のイカサマが正常に作用していなかった不具合
・一部の鳴いた場合の一気通貫が認識出来ない不具合
・天和地和人和が認識されない不具合
・フルスクリーン時、タイトルメニューのおしまいで終了した際、不正終了がでる不具合
・一部の確定三暗刻が認識できない不具合
・選択子でメッセージスキップをすると、Hしないが選択される不具合
・DirectXVerチェック追加
・単騎待ちの時、両面待ちと認識される不具合
・つもり三暗刻が認識されない不具合
・流局ボイスにおいてループ再生する不具合
この不具合につきましては、waveデータの作成時になんらかの要因で、ごみデータが混入した可能性があり、それが元でPC環境及び、WINDOWSの設定によって終了が検知されないことが原因で発生しておりました。
・鳴いた場合の3色系役が認識されない不具合
・連続してカンが出来ない不具合
・役が無い場合にロンした場合、手牌が増える不具合
・西部由紀乃のLV1のイカサマにおいてドラ表示牌が積み込まれる不具合
・1、9、字牌を暗カンした場合に、タンヤオが認識される不具合
・リーチ後、待ち牌に影響の無いカンが出来ない不具合
・リーチ後、明カンが出来る不具合
・対戦終了条件を満たした時に、連続クリックによって処理落ちが発生する不具合
・タイトルメニューを連続クリックすると、ボイスが多重に再生する不具合
・対戦モードにおいて、キャラを選択中、キャラをドラッグすると不正処理が発生する不具合
・対戦モードにおいて、相手キャラを選択後、選択したキャラ以外を素早くクリックすると、選択キャラが変更される不具合
・字牌による一盃口が認識される不具合
・字牌を含む3色同順が認識される不具合
・リザルト画面において、千点の積み棒が10本以上あると画面表示が乱れ不正処理で落ちる不具合
・子の役萬の点数が36000点と計算される不具合
・ニ盃口の場合、純全帯公、全帯公、清一色、混一色、大車輪が認識されない不具合
・一部のニ盃口が認識されない不具合
・一部の上がり形が正しく認識されない不具合
・相手が役無しで上がる不具合
・一部ピンフが認識されない不具合
むっちゃ多っ!(笑)
この不具合を書き出すだけで、原稿用紙換算にして6枚ほど必要やんけ。さすがは伝説のゲーム。(爆笑)
まあ、今回の『月陽炎』に関しては選択肢を選ぶことによって分岐していくノベルタイプのゲームですから、こんな大量の不具合はあるはずも……っていうか、あったら動くはずが……
……どきどき。(多分、ドーパミンじゃないと思う)
何故か、胸が高鳴ってしまう高任。(笑)
速やかにインストール作業を済ませ、ゲームを起動……ああっ、あっさりと起動しやがった!ユーザーの期待をはぐらかすなんてなんて酷いゲームだ!
『スタジオみりす』のロゴが出た瞬間に、強制ハングするのがあんたらのカラーと違うんかいっ!
よく考えると、そんなカラーこっちから願い下げですけど。
それはさておき、とりあえずゲームを始めてみると……わあい、いきなり18禁のシーンだ。前作でのユーザーに対する18禁シーンお預け放置プレイスタイルはどこへやら。(笑)
そして、オープニング。
うわっ、むっちゃ気合い入ってる!
なんつーか、前作に対するユーザーの悪感情を全て払拭するべく狙いに狙った作品のような気がしますが気のせいですか?
でも違う、それは違うよ!
前作に対して悪感情を持ったユーザーは、決してこのゲームを買わない!
そう、このゲームを買うのは、巫女さん属性の人間と、前作である『いただきじゃんがりあん』で悟りを開いた人だけなのにっ!
作品毎にカラーを変えると、固定ユーザーが獲得できなくなるんです!それは、初期出荷数の減少と組織の縮小を……って、落ち着け俺。
まだ戦いは始まったばかりなんだから……と、某週刊少年跳躍のミラクル10週打ち切りみたいな決め台詞を頭の中に叩き込み、マウスをガシガシと連打して流れるように本編に突入。
時は大正、帝都から遠く離れた地方町へと汽車で向かう主人公……地方町でバスがブイブイいわして走り回っているかどうかちょっと疑問が……いや、そんな些末なことを突っ込んでいては高任の器の大きさが問われてしまうからやめます。(笑)
でもバスで10分の距離が大きな旅行用トランクをぶらさげたまま歩いて30分ってのは、当時の自動車性能と道路の整備状況の面から考えると不可解な……
高任の器、むっちゃ小さっ!
などと考えていると、主人公はなんとか目的地らしい神社の鳥居に到着して気の遠くなるような石段を登り始めました。そして、途中で一休み。
その瞬間……
少 女:「あー、もうあたしのバカバカバカーッ!遅刻!遅刻ゥッ!」
……って、なんでやねんっ!
あまりにあまりなので一瞬惚けてしまいましたが、こんな昼下がりに遅刻もへったくれも無いと思うのですが?
学校へと急ぐ少女(外見的に巫女さんではない)は、『わたたっ…あっおっ、落ちっ…』というわかりやすい台詞を残して、主人公目がけて人間魚雷発射。
主人公は旅行鞄を投げ出して階段を駆け上がって咄嗟にそれを受け止め(被害少)、うわあ、右手にふこふこした感触が…そんな二人に何故か主人公よりも下方にあるはずの旅行鞄が上から転がり落ちてきて少女をかばうために主人公の頭に直撃(被害中)……うわあ、唇に柔らかな感触が…などと、大正浪漫と一昔前の少女漫画の見事な融合の挙げ句、
少 女:「なんてことすんのよおぉぉぉぉっ!ばっ……ばっ……ばっ…この、ばかあぁぁぁぁぁっ!」
鼓膜に叩きつけられる悲鳴と共に少女らしからぬ強烈な打撃を受け(被害大)、主人公は石段を真っ逆様に落ちていく……(被害甚大)
主人公は薄れていく意識の中で、悲痛な少女の叫びを耳にするのでした。
少 女:「あ、あたしの……あたしの初キッスーーーっ!」
いっそのこと、このままゲームオーバーになってしまえば伝説から神話へと生まれ変わるのでしょうが、もちろんゲームは続きます。とりあえずこの時点で、高任は頭の中から大正時代という設定を消去しておくことにしました。
プレイしてみればわかりますが、時代背景はストーリーに全く関係ないので無視した方が精神衛生上良いです。
ちなみに主人公は、父親に命じられて物語の舞台であるこの神社に秋祭りのお手伝いをするためにやってきてます。しかも、そのついでに嫁も探してこいという感じの明るい雰囲気が漂い……忙しい毎日がやってくるんですが…
良心回路…オン。
何というか、さすがにこの手のゲームでネタばれはまずいですよね。
とすると大事な話といえば……登場する女性キャラは5人。
常時巫女さんは2人で、非常時巫女さんが1人。残りの2人の内、1人は和服で1人は洋服。
いわゆる結婚適齢期(当時?)の女性は1人で、1人は人妻、残りは皆同い年……おそらく中等部程度だと思われます。
システムとしては、一度エンディングを迎えるといろんな条件により選択肢が増えたりオープニングでヒントらしき情報が出てきたりするオーソドックスなノベル形式。
基本的に、最低でも6回か7回ほどプレイしないとサブキャラの3人を含めた全てのエンディングを見ることができません。
それで、呪われた血がテーマに絡みついてきますのでとにかく死ぬ死ぬ死ぬって感じで、いわゆるお気楽ハッピーエンドにはほど遠いゲームですのでご注意を。
もちろん、呪われた連鎖を断ち切るために自ら死を願ったり、自分の命を賭けて誰かを助けようとしたりする熱い自己犠牲に溢れた展開が多いので高任としては全然オッケーというか、満足できましたけど。
ただ問題は……メインキャラ2人はともかく、サブキャラ3人のシナリオに関しては設定上ちょっと強引な展開かなと首を傾げる部分があります。
そのうち最後に選択できる1人は、完全に巫女さんは関係ないって感じでゲームの統一感を著しく崩壊させているのが画竜点睛を欠いたなと残念に思いました。
一言で言うと……まあ、普通のゲーム。(笑)
もちろん、良く作り込まれてますし、バグも出ないし(笑)、購入しても損のないレベルでしょう。
設定上、1つだけ致命的なミス(ストーリーの根幹を揺るがすレベル)があるのと、シナリオによって微妙に設定を変えている部分、そして最後に選択できるようになるキャラのシナリオがゲームの雰囲気の統一感をぶちこわしにしているのが残念でした。
それさえなければ、まず秀作と呼べる出来だっただけに……。
ふうっ、やっぱり中途半端な感想日記になってしまったなあ……反省。
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